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米政策期待が株高演出、公的資金めぐりFRB議長証言に注目
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK009102720080402
[東京 2日 ロイター] 2日の東京市場は、日経平均.N225が500円を超す大幅高となり、1万3000円を回復して取引を終えた。米欧金融機関の増資に加え、米国が公的資金の注入に関していよいよ本腰を入れるのではないか、との思惑が一部の海外勢の買いを後押しし、米当局による政策期待感が株高を演出する構図になった。ただ、米議会には公的資金注入に関して根強い反対論があり、2日に行われるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言でのやり取りに関心が集まり出している。
<海外勢が買い戻しをリード>
2日の株価は「薄商いの中で、一部の海外勢のまとまった買いなどで大きく上昇した」(国内証券)という。UBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)やリーマン・ブラザーズ(LEH.N: 株価, 企業情報, レポート)の増資報道に加え、ポールソン米財務長官が連邦準備理事会(FRB)による米証券大手ベアー・スターンズの救済策について、損失が出た場合には事実上の財政支援を容認していたことが明らかになったことも買い安心感につながった。
市場筋によると、朝方のバスケット買い注文は欧州勢、アジア勢で合わせて約730億円となり今年最大の規模に膨らんだ。「これまでの上昇局面と異なり海外勢のフローが多い。それだけに市場の期待感も高まっているが、中身はハイテク、自動車、銀行などのショートカバーが中心だ」(ユニマット山丸証券・法人営業部マネージャーの藤井勝行氏)とみられている。ある外資系証券の関係者は「前日の米国株高も商品急落、ドル買い戻しがセットで進んでいる。商品投資顧問業者(CTA)系のファンドがポジションの巻き戻しを行っている可能性が高い」と指摘している。
<ポールソン書簡で高まる米公的資金の注入期待>
ある外資系証券の関係者は「ポールソン米財務長官の出した書簡の中で、公的資金によるロスの補てんとも読める個所があり、この先も公的資金の注入で米金融システムを保護するとの期待感がマーケットに高まり、海外勢の一部が買いを先導した」と述べる。
日興コーディアル証券・シニアストラテジストの河田剛氏は「米連邦準備理事会(FRB)に、大手金融機関はつぶさないという強い姿勢がみえてきたことが大きい。米金融機関に比べて欧州の金融機関はサブプライム問題への対応が遅れている印象があったが、UBSの発表でそうした不安も和らいでいる。金融機関に対する不透明感が完全に払しょくできたわけではないが、市場のセンチメントは改善した」と話す。
米財務省は1日、3月17日付でガイトナーNY連銀総裁宛に出されたポールソン米財務長官の書簡の内容を公開した。それによると、「NY連銀によるJPモルガンへの特別融資に損失が生じた場合は、NY連銀の経費扱いとなり、その結果、米財務省に移管される「連銀の純利益が減少すると認識している」と明言。ベアの損失が大きくなって特融の一部が損失した場合は、実質的にその損失は米財務省が被り、結果として公的資金が注入されたことと同じ結果になるとの認識を示した。
<共和党内で根強い公的資金反対論>
ただ、米当局が公的資金の注入に踏み込むまでには、依然としてかなり大きな障害が立ちはだかっているとの見方も根強い。米国内の政治情勢に詳しいある邦銀関係者は「「共和党内には、公的資金の注入に反対を貫く保守派の議員が多い。さらに民主党内には、銀行救済ではなく、個人のローンを公的資金でサポートするべきとの声も出ている。バーナンキ議長の議会証言で、議会と議長とのやり取り次第では、マーケットに失望感が出てくる可能性もある」と指摘する。(中略)
<米景気への懸念も深まる>
市場では、欧米金融機関の信用不安を背景にした3月危機を乗り切ったことで金融不安は最悪期を脱したとの見方が広がった。しかし、米景気後退が確実視される中で、国内景気下振れ懸念は依然としてくすぶったままだ。トヨタアセットマネジメント・運用部チーフファンドマネージャーの深代潤氏は「前日の米国市場はフライト・トゥ・クォリティーの巻き戻しが入った。3月期末を通過したことで金融不安は最悪期を脱した印象だ。米金融機関の決算を控えているが、かなり悪い部分を織り込んだと思う。フライト・トゥ・クォリティーによる一段の金利低下は考えにくい。今後の注目は米景気の行方。景気は依然
として下方リスクが大きく、金利上昇は限られるのではないか」とみている。
また、「米不動産価格の下落が止まらないことに警鐘を鳴らす見方も出ている。東海東京証券・チーフエコノミストの斎藤満氏は、S&Pケース・シラー指数の直近の落ち込みが大きく、米住宅価格が過去3カ月間に年率23%の下落を記録したことに注目。「このペースで進めば、米家計部門は1年間で4兆ドル(400兆円)超の資産目減りに直面することになる。雇用減少、エネルギーコスト高も加わって、米個人消費は大きな打撃を受けるだろう。この結果、米経済の年後半の回復期待は頓挫(とんざ)する懸念が強まっている」と指摘する。
「住宅価格が下がれば、金融機関のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン )関連損失もさらに拡大することになる。米不動産価格の下落が止まらないと、下降トレンドの出口は見えてこないようだ。
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