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もう一度、AIGの決算が提起した問題を見直してみる。
米AIGの第1四半期は過去最大の赤字、資本調達へ
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS817959520080508
[ニューヨーク 8日 ロイター] 世界最大の保険会社、米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報, レポート)が発表した第1・四半期決算は前四半期に続き過去最大の赤字を計上。バランスシート強化のため125億ドルの資本を調達すると明らかにした。
純損失は78億1000万ドル(1株あたり3.09ドル)。前年は41億3000万ドル(同1.58ドル)の黒字を計上していた。
第1・四半期はモーゲージ投資などに絡む評価減が響いた。クレジットスワップ関連では91億1000万ドルの評価損を計上した。
一部の会計手法の変更や為替差損益などを除いた調整後ベースでは、純損失は35億6000万ドル(1株1.41ドル)となった。
特別項目をすべて除外すると1株0.93ドルの黒字で、ロイター・エスティメーツがまとめた予想平均1.48ドルを下回った。
AIGは、125億ドルの資本調達計画について、うち75億ドルは普通株発行など株式関連で調達する、としている。また四半期配当を10%引き上げ普通株1株あたり0.22ドルとすると発表した。
AIG株は通常取引で2%安。時間外では5.8%下落している。
ここで気になるのは、CDS関連の評価損を91億ドル計上しているということです。
少しおかしな表現となりますが、CDSはデフォルトが発生しないことを前提に取引されてきたわけです。
CDOでも問題となりましたが、リスクを分散させることで全体的なリスクを下げるという金融工学の手法が無効化してしまっている。
このような手法は、現在のような信用収縮、流動性不足の状態を、まったくといってよいほど考慮していない。
結果的に、リスク分散が相対的なリスクの回避から、単なるリスクの拡大に変化してしまっている。
サブプライム問題の発生と世界的な資金規模の縮小、信用リスクの上昇により、問題発生以前に販売され
たCDSは、膨大な含み損状態に陥っているものと推定される。
また、CDS市場は株式や債券市場などに比べ規制が少なく参入しやすいために、十分な支払い能力を持た
ないヘッジファンドなどのリバレッジマネーが流入している。
デフォルトが発生した場合、CDSの売り手に実際の支払い能力不足は生じる可能性が指摘されている。
さらにいえば、ヘッジファンドには中央銀行などの救済などのセーフティネットがないということである。
CDSを行使しても、保険金が受け取れないということも十分に考えられるわけですね。
この場合、デフォルトの連鎖が津波となり、CDSの買い手と売り手を同時に襲うこととなる。
ちなみにCDSの総額は45兆ドル以上といわれている。
金融危機は新たな段階に入ったのかもしれません。
参考 よくわかる!金融用語辞典からCDSの解説
http://www.findai.com/yogo/0302.htm
世界の大手金融機関100社超:サブプライム関連損失3230億ドル(表)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=acjE4AoPJv_A&refer=jp_japan
5月9日(ブルームバーグ):世界の大手銀行・証券会社100社余りが2007 年初め以降、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に絡んで計上した資産評価損・貸倒損失(貸倒引当金を含む)は計3230億ドル(約33 兆2000億円)に上った。
英住宅金融最大手HBOSは先週、28億ポンド(約5630億円)の評価損を発表した。英銀大手、ロイズTSBグループも今週、評価損3億8700万ポンドを明らかにしている。
金融機関別の評価損と貸倒損失は次の通り。単位は10億ドル(ドル以外の通貨は5月9日の為替相場で換算)。
*金融機関別の損失額の表はリンク先でご確認ください。
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