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昨日のNYは、モノライン大手MBIAの赤字決算を受けたが、ハイテク株などの上昇を受けて反発
赤字幅が予測の範囲内に終わったこともあるが、金融セクターの悪材料はすでに織り込み済みと判断してら良いのであろうか?
米MBIAの1−3月期:24億ドルの赤字−CDOの低迷深刻化で(2)
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003002&sid=auEtdPmYXBSY&refer=jp_bonds
5月12日(ブルームバーグ):金融保証会社(モノライン)大手の米MBIAが12日発表した2008年1−3月(第1四半期)決算は赤字幅がアナリスト予想を上回った。住宅ローン関連など債務担保証券(CDO)の低迷が一段と深刻化したことが響いた。同社の株式時価総額は過去1年で87%縮小した。
純損益は24億ドルの赤字。デリバティブ(金融派生商品)による含み損は 35億8000万ドルとなった。営業損失は1株当たり3.01ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の平均である1.21ドルの赤字を上回った。
MBIAは「AAA」の信用格付けを維持したものの、3四半期連続の赤字決算となった。同社やアムバック・ファイナンシャル・グループなどモノライン業界は債務担保証券(CDO)やホームエクイティ(住宅評価額から住宅ローン残高を差し引いた含み益)担保証券などの金融保証で判断を誤り、過去最大の損失を計上している。MBIAのジェイ・ブラウン最高経営責任者(CEO)は追加の金融保証として10億ドル超を支払うとの見通しを示した。
インペリアル・キャピタルのシニア・バイス・プレジデント、ピーター・プラウト氏は「評価損計上の継続に伴い、今後数四半期は収益に圧力がかかり続けるだろう。変動の激しいデリバティブ市場への分散を考えている投資家にとって、モノラインはもはや『AAA』業界ではない」と指摘した。
純損失は1株当たり13.03ドル。前年同期は1億9860万ドル(1株当たり 1.46ドル)の黒字だった。価格評価の最も困難な「レベル3」に分類される資産は73億ドルだった。
MBIAはムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が付与する「AAA」格付けを維持するため、26億ドルの増資を実施してきた。同社はこの日、9億ドルの資本を保険部門に移管することも明らかにした。規制当局は前週、増資で調達した資金がMBIA本体に残っていることに懸念を表明していた。
ブラウンCEOは「潤沢な流動を保持し、バランスシートは今よりも何倍も深刻な信用ひっ迫にも耐え得るよう強化されている」と指摘。一段の増資は必要ないとの見解を示した。
MBIA株はニューヨーク時間午前9時34分現在、54セント高の9.97ドルで推移している。1年前は70ドルを超えていた。
米MBIAの第1四半期は大幅赤字、信用デリバティブ絡みの評価損で
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT815655220080512
[ニューヨーク 12日 ロイター] 米金融保証会社(モノライン)のMBIA(MBI.N: 株価, 企業情報, レポート)が12日に発表した第1・四半期決算は、24億ドル(1株当たり13.03ドル)の赤字となった。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)関連証券へのエクスポージャー絡みで多額の引当金を計上したことが響いた。
ただ、引当金の大半は実際に損失になるとは見込んでいないとし、資本の水準は十分だと強調した。
前年同期は1億9900万ドル(1株当たり1.46ドル)の黒字だった。
クレジット・デフォルト・スワップをはじめとするデリバティブに関連した評価損(税引き前)は35億8000万ドルだった。
住宅関連証券絡みの減損引当金(税引き前)は13億4000万ドル。
ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想は1株当たり0.95ドルの損失だった。
このところ巨額な赤字ばかりを見ているせいか、赤字額の少なさに安堵する自分に気がついた。
しかし、モノラインの最大の問題は自己資本額に対して、保証リスクが大きすぎるということである。
また、地方自治体の間ではモノラインによる保証をつけても利率が下がらない状況から、モノライン保証をつけることを回避する動きが継続しているものと思われる。
新規の収入が限定される中で、今後の事業展開についてどのように進めるのであろう?
株価は10分の1近くに下落する中で、格付けだけは AAA を維持している現状に非常に違和感を感じている。
モノラインの格付けが引き下げられた場合、保証対象になっている既発債権の多くが格下げを受けることになり、膨大な評価損が発生することになる。
フィッチは格下げという選択肢をとったが、それでもムーディズやS&PはAAAを付与している。
ある意味では、市場における格付けというものの信頼は失われているといえよう。
米シティ再建には「途方もない離れ業」が必要−ホイットニー氏
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aYu7wFojCjw8&refer=jp_japan
5月12日(ブルームバーグ):オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は12日、米銀最大手シティグループが「地殻変動をもたらすような再建コスト」に直面しており、ビクラム・パンディット最高経営責任者(CEO)が同行を好転させるには「途方もない離れ業が必要となる」と指摘した。
メレディス氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、シティが2008年末から09年初めにかけて大規模な事業売却に迫られると予想した。
同氏は昨年10月31日、シティが住宅ローン関連証券の評価損を補い、資本を強化するため、減配に迫られると予想。翌日にシティ株の8.1%安とS&P500種株価指数の2.6%下落につながった。1−3月(第1四半期)決算が 51億ドルの赤字となったシティはこれまでに400億を超える評価損を計上している。
メレディス氏は「途方もない離れ業が必要だと思う。シティは多くの事業で収益力がない。スティーブン・ホーキング英理論物理学者の頭脳をもってしても不可能だろう」と述べた。
さらに、シティが今後3−5年の間、利益がわずかにとどまると予想。一段の減配に迫られるとの見解もあらためて示した。
SIVを使った債権化手法が否定され、シティの膨大な収益を支えてきたシステムが崩壊の危機にあるといえよう。
シティは新たな収入源の確保を必要としているといえるが、これといった解決策がみつからないのではないだろうか?
信用低下に伴い金融セクターの調達金利は上昇しているものと思われ、これに見合う運用は非常に危険なものとなりかねないのではないだろうか?
当面は、評価損部分の損失計上の先延ばしと資産の売却を続けるものと思われる。しかし、財務状況を改善する根本的な解決法はないという状況であろう。
米法人のウォール街への信頼揺るがず−顧客に選択肢なしとの声も
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=a4i7FEatiieo&refer=commentary
5月12日(ブルームバーグ):ベアー・スターンズが事実上の破たんに陥っても、シティグループが信用市場関連で巨額の損失を計上しても、レストランチェーンを運営する米CKEレストランツのアンドルー・パズダー最高経営責任者(CEO)のウォール街に対する信任は揺るがない。
パズダーCEOはシティのボラ・シラ氏や、ベアー・スターンズを退社してバンク・オブ・アメリカに入りしたカリー・トンプソン氏から引き続き助言を得ている。同CEOはシラ、トンプソン両氏に買収資金調達や市場でCKEがどのように認識されているかなど、さまざまな問題について15年以上にわたり相談してきたという。
パズダーCEOは1日のインタビューで、「私がこの2人に頼り続けるのは、所属している会社が理由ではない。彼らがシティで働こうが、あるいはそれがベアー・スターンズやJPモルガン、メリルリンチであろうと関係ない。あくまで人物なのだ」と強調した。
同CEOら企業首脳の一部は、ウォール街で無謀で不用意な行為が時に見受けられるのも、あまり気にしていないと言う。
ベアー・スターンズが3月に資金が枯渇し、米金融当局から支援を受けざるを得なかったとき、同社のジェームズ・ケイン会長兼CEO(当時)はブリッジの大会に出場していた。シティのチャールズ・プリンスCEO(当時)は昨年7月、英紙フィナンシャル・タイムズに対し、信用危機の真っただ中にあっても、「音楽が鳴っていれば、立ち上がり、ダンスをするはずだ」と述べた。巨額の評価損を出したスイスのUBSは先月、投資銀行部門のマネジャーらがリスクよりも収入を重視していたとする報告書をまとめた。
「人質」
米2位のドラックストアチェーン、CVSケアマークのデービッド・リカード最高財務責任者(CFO)は、ウォール街の金融機関が「リスク管理上の判断で実にひどい間違いをしている」としながらも、企業の合併・買収(M&A)の助言と資金調達という「われわれが受けている2つのサービスに影響を与えることはない」と話す。「こういったサービスは今後も必要だし、これからも恐らく彼らを起用し続けるだろう」との見解を示した。
JPモルガン・チェースとラザードで投資銀行業務を担当していたウィリアム・コーハン氏は、この種のサービスを世界的に提供できる能力を持つのは 10社ほどで、顧客がそれ以外に頼るところはないと指摘する。「顧客はいわば人質で、金融機関はそのことを認識していると思う。ウォール街は一種のカルテルで、ほかのカルテル同様、商品へのアクセスをコントールできる」との分析を示している。
コーハン氏によれば、同氏がJPモルガンで通信業界向けM&Aチームを率いていた2002−04年、インターネット・通信関連銘柄のバブルが破裂したときも、顧客からは何ら反応はなかったという。
非常にシニカルではあるが、ウオール街を支えているのは他の選択肢がないということかもしれませんね。世界的な金余りが続く中、膨大な資金を吸収できる先は限定されているといえるでしょう。
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