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クレジット危機はまだ終わっていない=米FRB議長
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK815891020080513
[ミッドランド(米テキサス州) 13日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は13日の講演で、クレジット危機はまだ終わっていないとの認識を示した。
同日講演した複数のFRB当局者はインフレへの懸念を表明。金融市場では利下げ停止観測が強まった。
議長は「現在の金融市場の状況は依然として正常からは程遠い」と発言。「最終的には、市場参加者自らが、金融ひっ迫の根本原因に対処する必要がある。こうしたプロセスには時間がかかる可能性がある」と述べた。
この日はFRB当局者の講演が相次いだ。エネルギー価格の上昇が物価の上昇圧力を高めるとの発言が目立ち、市場では、FRBが追加利下げに消極的なのではないかとの見方が浮上した。
一連の講演では、急激な景気減速は避けたいが、高まる物価圧力への対応も怠れないというFRBの抱える課題が浮き彫りになった。
一連の発言を受け、米国債は急落。金利先物市場は年内の利上げ開始の可能性を織り込み始めた。株価も安値から戻した。
ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は、米経済が減速しても必ずしも商品価格は下落しないと発言。FRBが難しい政策運営を迫られていることを示唆した。
バーナンキ議長同様、フィッシャー総裁も、金融市場の状況に一定の改善がみられるとしたうえで、金融セクターは「まだトンネルを抜け出していない」との認識を示した。
クリーブランド地区連銀のピアナルト総裁は、物価指標のコア指数の上昇率は望ましい水準を上回っているが、FRBの金融政策は低インフレを実現できると発言。
カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁は、原油高が、米経済成長率を少なくとも1%ポイント押し下げたとの認識を示した。
ホーニグ総裁は、米経済が、原油高・住宅市場の低迷・信用収縮といった厳しい問題に直面しているとしたうえで、年内に景気は上向くとの見方も示した。
大幅な利下げに反対票を投じてきたフィッシャー総裁は、米経済が深刻な景気後退に陥るとの予測は誤りだと指摘。景気の低迷はしばらく続くかもしれないが、「景気減速がどれほど深刻になるかについては確信が持てない」と述べた。
アナリストの間では、この日の一連の講演でインフレリスクへの言及が相次いだことから、政策金利は当面据え置かれるのではないかとの見方が広がっている。
バーナンキ議長は、ベアー・スターンズの救済についても発言。ベアー・スターンズを救済していなければ、流動性危機が拡大していた恐れがあるとし、FRBの介入がモラルハザードのリスクにつながる可能性は認識しているが、危機が発生する前に規制を導入することが、リスク回避の最善策だとの認識を示した。
FRBの規制緩和や救済により、実体経済に資金が廻ればそれは金融の安定化を招くだろう。
しかし、現在の状況を見る限り、生み出された過剰流動性がより一層の不安定化を招くように思われる。
FRBの政策により生まれた流動性は、リスクを拡大させる方向に進めていると考えるものである。
ミンスキーの金融不安定仮説
ミンスキーは、経済ユニットを、ヘッジ 投機 ポンツィ と3分類し、それを定義した。
ヘッジは、債務を支払い金利を含め所得の範囲内で支払うとができる「ヘッジ金融」。
投機は、借り入れ元本は返却することはできないが借り入れ金利は収益で賄うことができる「投機的金融」。
ポンツィは、収益の範囲内では元本も借り入れ金利も返済できない。
経済の成熟が進むことで、ヘッジ中心から 投機、ポンツィの割合が自然に増加し金融を不安定化させるという仮説である。
昨年、サブプライム問題発生以来、レバレッジの縮小、投機の縮小という逆ミンスキー減少は発生していたと思われる。これは実体経済から乖離していった金融を引き戻す動きといえる。
また、この過程において、ハイリスクな投資からの逃避が発生すると同時に、大規模な巻き戻し現象が発生した。私は、これを非常に自然な動きであると考えるものである。
しかし、FRBによる無秩序な流動性拡大策により、自然の動きに再拡大という強いベクトルを掛けたといえよう。これにより、ポンツィ金融は再び拡大に向かっている。
確かに、ハードランディングを防止するという中央銀行の役割については同意するものであるが、リスクとリターンは常に対のものでなくてはならない。
リターンを重視した投資家や金融セクターは十分な責任を取ったといえるのであろうか?
また、この過程で実体経済との補正は、十分且つ的確に行われたのであろうか?
ミンスキーは補正が終了する前提として、十分な買い手の出現を挙げている。
不動産価格は減少を続け、将来的な先安感から買い手が生まれない状況であり
融資の基準であるLIBORや格付けに対する不信感は拡大を続け、留まるところを知らない。
実体経済の事実上の調達金利は上昇を続け、ヘッジ側面である資源インフレは拡大している。
これは、歪みを拡大させるだけであり、ランディングの衝撃を大きくするだけでないだろうか?
今回の講演の概要を見てみると、そんな疑惑が確信に変わったような気がするだが、、、
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