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まずは、地震で被害に遭われた方、その家族の方に哀悼の念を申し上げます。
中国の地震発生以降、経済などに影響が出てくるのか懸念されておりました。
しかし、先週末までの時点では、地震の影響は株価等に反映されておりません。
国際的な報道を見る限り、今回の地震でチャイナリスクは大幅に上昇し、今後世界中の市場に大きな影響を与える可能性が出て来たといえるでしょう。
ダムの問題、今回の地震によりダムが大規模なダメージをこうむった可能性が指摘されています。
また、天然のダム湖の形成と崩壊リスクにより、下流域に対する大規模な土石流発生も予測され始めており、2次被害の発生と治水発電能力の長期間に及び麻痺が心配されております。
最も懸念されるのは、下流域にある三峡ダムの存在で、自壊又は玉突き的にこのダムが崩壊した場合
上海など長江下流域は全滅する恐れが指摘されております。
ダム800基に決壊の恐れ 土砂ダムも18カ所 四川大地震
http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY200805170233.html
【北京=峯村健司】中国四川省で12日に起きた大地震で、同省にある803のダムで亀裂が入ったり水がもれたりして決壊の恐れがあることが17日、地元当局者の話でわかった。地震による山崩れが川をせき止めてできた「土砂ダム」が四川省内だけで18カ所あることも判明した。
中国の通信社、中国新聞社によると、日本の援助隊が16日救助活動にあたった広元市青川県の地元政府は17日緊急会議を開き、5カ所ある「土砂ダム」のうち、3千万立方メートルの水がたまっている1カ所が決壊する恐れがあるとして、下流の3万人を安全な場所に避難させることを決めた。県全体が水没する危険があるという。
四川省内には6千余りのダムがあるが、今回の大地震とその後の4千回を超える余震の影響で、コンクリートにひびが入ったり、水力発電関連施設が壊れたりした。震源地に近いアバ・チベット族チャン族自治州ブン川(ぶんせん)=ブンはさんずいに文=県県にある紫坪鋪ダムには多数の亀裂が入り、決壊すると被災者救済本部のある都江堰(とこうえん)市が水没する恐れがある。
地震後の雨でダムの水量が増し、同州茂県の銅鐘ダムは通常の330万立方メートルを大幅に超えた450万立方メートルに達した。停電で動かなかった水門を16日に開け、かろうじて放水できたという。
一方、中国政府は17日、四川大地震の死者が2万8881人、負傷者が19万8347人に達したと発表した。四川省では、依然として1万600人が生き埋めとなっている。
都江堰で救援活動をしているロシアの救助隊は17日夜、外国部隊では初めて、崩れた建物のがれきの中から生存者の女性を助け出した。中国中央テレビによると、2階建ての建物はつぶれていたが、ロシア隊は生存者がいることを確認。女性はけがをしていたが意識はあり、救出後「とても疲れたが、手足を動かすことができる」と話した。
三峡ダム
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B3%A1%E3%83%80%E3%83%A0
三峡ダム、地震の影響でわずかに変形―プロジェクトに影響はなし
http://www.newschina.jp/news/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E4%BA%BA/%E7%89%B9%E9%9B%86/45962
建設当時から三峡ダムには批判的な意見が多く、地震を誘発する可能性や水量減少による地球環境破壊などが懸念されておりました。また、三峡ダムによる水量減少が河川の水質汚濁だけでなく、上海など下流域の地下水枯渇や渤海の温暖化を招いているとの意見もあります。
また、渤海の温暖化が黒潮に乗り今までは日本を縦断してきた台風を、大陸に呼び寄せているという意見もあります。
このダムには政治的な意図の存在も指摘されております。
中国の政治体制を見る場合、ともに対立する上海閥と北京政府という二つの勢力に分類できるといわれています。
軍事的なパワーバランスとしては上海は距離的に近い北朝鮮を通じ北京政府を威嚇し、北京政府は三峡ダム完成で上海を完全な支配下に置いたといわれておりました。
次に、下流域にある核関連施設の問題です。
米国、四川省内の核関連施設の状況注視と 大地震被害受け
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200805170019.html
中国の四川大地震で、米国務省のマコーマック報道官は17日までに、米国の原子力専門家らが震源地となった四川省にある核関連施設の状況を注視していることを明らかにした。これまでの分析で、施設に被害が出たとの情報はないとしている。
AP通信によると、米国による放射能汚染などの有無に関する調査はフランスの政府機関、原子力安全防護研究所(IPSN)が地震で中国の核関連施設に小規模な被害が出たとの報告を受けて開始された。
同研究所によると、中国の国家核安全局(NNSA)は今回のM7.9の地震発生後、核関連施設で放射能漏れなどは報告していないという。ただ、地震前に解体されていた旧式の施設が軽度の被害を受けたことは明らかにしたという。
これら施設が建設された時期は、耐震基準が厳格に策定されていなかったための被害と見ている。この旧式施設の所在地などは明らかでない。
IPSNによると、中国は四川省内の1カ所に研究用原子炉、2カ所に核燃料生産施設、2カ所に核兵器製造施設を有している。いずれの施設も今回の地震の震源地から約64キロ─約144キロ離れた地点に位置しているという。
核兵器製造施設に被害があったのかどうかは高度な機密対象の情報だけに不明としている。
AP通信によると、ワシントン駐在中国大使館の報道官は、地震による核関連施設への影響に関する情報はないとしながら、救援活動はあらゆる結果を想定して実施していると指摘した。
これまでの情報だと安全は保たれているように思われますが、軍事施設であるために国際的な目は届かない状況です。大丈夫であることを信じたいものです。
さらには、感染症問題の発生も懸念されています。
まずは、遺体の埋葬問題、地震後時間が経過し、ご遺体の腐敗が進んでいるものと思われます。
また、汚物などの処理もままならない状況が続いているものと考えられます。
第二に、医療機器のウイルス汚染の問題です。中国には、HIV、肝炎などの潜在的な感染者が内在しているとされており、未熟な医療行為を通じて、汚染が拡大する可能性が高いといえます。
最後に、中長期的な食糧の問題です。
今回の地震で、四川省周辺の治水能力は完全に失われたと考えます。
また、地盤の軟弱化などで山の保水能力は半減状態であると思われます。
中国において、四川省などの山間部は重要な穀倉地帯であり、今回の地震被害により中国の中長期的な食糧計画に大きな狂いを生じさせるでしょう。
ただでさえ進む穀物価格の上昇をさらに悪化させる可能性が高いといえるでしょう。
今後、この地震の影響について中長期的視点で観察してゆく必要があるでしょう。
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