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昨日の市場は、先週末のシティの決算結果を受けてアジアは急伸、その後の欧州は下げて始まるもバンカメの決算結果などを受ける形で上げて終了した。しかし、NYはずるずると下げ最終的にはマイナスで終了する結果に、銀行決算に関しては予想よりも悪化が見られなかったということであり、決して改善されたわけではなく、将来に対する更なる悪化は確定的である。
本日は、ワコビア、ワシントン・ミューチャル、カントリーワイドの決算発表が待っている。
米BOA:4−6月期は41%減益、アナリスト予想ほど落ち込まず
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ajt76GGNi7K8
7月21日(ブルームバーグ):米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)が21日発表した4−6月(第2四半期)決算は、減益だったがアナリスト予想ほどは落ち込まなかった。同銀によると米住宅金融カントリーワイド・ファイナンシャルの買収効果は年内に反映される。同社は今月1日、25億ドルを投じたカントリーワイド買収手続きを完了した。
同銀発表資料によると純利益は前年同期比41%減の34億1000万ドル(1株当たり72セント)。前年同期は57億6000万ドル(同1.28ドル)だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均値は1株当たり利益が 54セントだった。
これまで決算を発表した米銀大手5行のうち、4行が市場予想を上回る業績内容だった。これを受けて金融株が買われ、先週のBOA株は3営業日で 48%値上がりした。
法人および投資銀行部門の利益は前年同期比3.2%増の17億5000万ドル。証券の評価損は6億4500万ドルと、1−3月期に計上した14億7000 万ドルから縮小した。
BOAは昨年秋に投資銀行部門の責任者を入れ替え、今年に入り650人を削減した。ケネス・ルイス最高経営責任者(CEO)は年内に10人以上のアナリストや投資銀行家を他の米大手金融機関から採用し、投資銀行業務の強化に努めることをあらためて確認した。同銀は文書を通じ、「過去最高に近い投資銀行業務の収入が一部、証券評価損を相殺する」と述べた。
4−6月期の純貸し倒れ損失は36億2000万ドルに上り、1−3月期より33%増加した。住宅価格が下落するなか、市場での信用の質も低下している。貸倒引当金は58億ドルを計上。これは前年同期の3倍に相当する。1−3月期からは3%減少した。
カントリーワイドの買収効果は織り込まれていない模様、評価損の中身がよくわからないが、BSに計上せざるえない貸倒損失も急増しており、その先行きは厳しい物となるだろう。
米ファニーとフレディの株価が急伸、支援策の議会承認期待で買い
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003003&sid=ayOTznUnVlx0&refer=jp_stocks
米国の社債保有リスクは低下か、議会の住宅金融公社救済で−BOA
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003015&sid=aSdOOAOY06W8&refer=jp_europe
繰り返すが、まだ、救済案が議会を通過したわけではない。ポールソン長官の発言などからくる通過期待から上げているだけである。現在の救済案がそのまま議会を通過した場合、一時的に金融不安は解消される。しかし、アメリカの国家負担は増加し、中長期的にはFRBや米国債そのものの価値を価値を毀損する恐れがある。また、GSE債の主な保有者は、中国、日本など米国以外の諸国であり、議会には米国の税金を使い他国を救済するという事への抵抗感も大きい。
米財務省、流動性対策やGSE支援策めぐりプライマリーディーラーに意見求める
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS820971920080721
ゴールドマンのウィルソン氏、金融危機対応で米財務長官に助言へ=関係筋
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT821033320080721
ポールソン長官は、プライマリーディーラーに意見求めると同時に、古巣であるGSに支援を求めている模様、これは議会の反発の強さを示すものかもしれない。今後の成り行きに注意が必要である。米国の議会を支配するのは民主党であり、その最大の支援者は金融業界である。
米フレディマック:住宅ローンと担保証券の買い入れ縮小を検討
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003003&sid=aZtPZjOvpRqs&refer=jp_stocks
7月21日(ブルームバーグ):米住宅金融投資会社のフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は銀行からの住宅ローン購入、ならびに住宅ローン担保証券の買い入れを縮小する可能性を明らかにした。住宅ローン返済遅延が過去最高水準に達するなか、同社は資本のてこ入れを目指している。
同社は18日に米証券取引委員会(SEC)に届け出た文書で、55 億ドル(約5890億円)相当の株式発行に備え、証券の売却ならびに減配を検討していると表明した。JPモルガンのアナリスト、マシュー・ジョゾフ氏は先週発表したリポートで、フレディマックとファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)の住宅ローン保有分の拡大が「弱まる」見通しだとの見方を示していた。
GEアセット・マネジメントで運用に携わるポール・コロナ氏は「これは住宅ローンの借り手にとって、アクセス可能な信用が大幅に縮小することを意味する」と指摘。「住宅ローン危機の救世主になる用意があった両社だったが、現時点では自身の資本問題を抱えている」と述べた。
GSE2社による買い入れ縮小の動きにより、金融機関による不動産の貸し付けは縮小せざるえない状況に追い込まれるだろう。これは不動産価格の下落を後押しする結果となる可能性が高い。
米財務長官、カバードボンド発行指針を検討−早期導入へ立法措置回避
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003015&sid=aGeROemzPikQ&refer=jp_europe
GSEの弱体化に伴う混乱を解消しようということであろう。これが実現することでGSEに変わる新たな融資ルートを確保できる。
6月米景気先行指数:0.1%低下、5月はマイナスに下方修正
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003007&sid=ajd8iRGY53bE&refer=jp_economies
米国の実体経済は悪化を続けている。今後、金融セクター以外の企業業績などに反映されることは確定的で格式などの更なる悪化が懸念される。
英HBOSの株主割当増資、応募は募集額の8.3%にとどまる
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS820991520080721
英国不動産バブルの崩壊の影響を受け、損失補填のための増資を進めているHBOSであるが、増資は失敗に終わりそうな状況である。資本増強に失敗した場合、一気に破綻リスクが上昇し金融不安を促進し、不動産バブル崩壊を後押しする可能性がある。
英経済、リセッションに向かっている=ブランチフラワー金融政策委員
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJS820992320080721
米国の陰に隠れる形となっているが、英国の状況にも注意が必要である。
情報更新
UPDATE1: 米アメックス第2四半期決算は38%減益、時間外取引で株価急落
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK013757320080721
[ニューヨーク 21日 ロイター] 米クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(アメックス)(AXP.N: 株価, 企業情報, レポート)が21日発表した第2・四半期決算は、前年比38%の減益となった。貸倒引当金の積み増しが響いた。これを受け、同社株は時間外取引で急落した。
純利益は6億5300万ドル(1株当たり0.56ドル)。前年同期は10億5700万ドル(同0.88ドル)だった。
税引き前で6億ドルの貸倒引当金積み増しが響いた。クレジットカードの支払い延滞が予想以上に増加したことが背景。
同社はまた、米経済が特に6月に大幅減速したことにより、2008年通年の1株利益が4―6%増加するとの同社予想を達成できない見通しとなっているとしている。
ケネス・シュノールト会長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「われわれは、金融セクターの大勢と比較して大幅な利益とリターンを生み出してきたが、米経済の改善が見られるまで、長期的な業績目標の達成は見込めない」と語った。 アメックス株は、米株市場通常取引終了後の時間外取引で11%急落した。
アメックスの不信は米国実体経済の悪化を示唆するものといえよう、また、クレジット債など他の債権の価格にも強い影響を与える物である。ここ数年、不動産価格の上昇とそれに伴う与信拡大が内需を支える形であったが、サブプライム問題の発生で、このようなビジネスモデルは破綻に窮した。家計費の不足分をクレジットで補っているのではという疑念は的中した模様である。
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