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先週末のNYは、ダウは前日レベル、ナスダックと為替は上げるという非常に面白い展開に
市場終了後の悪いニュースは2つの地方銀行の破綻が発表され、良いニュースとしてはGSE救済策が議会を通過しました。これを市場がどのように評価するか非常に難しい展開となりますね。
さて、GSE救済策の詳細についてです。
米住宅公社支援法案が成立へ−上院が賛成72、反対13で可決
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=arIwF7sBstG4
7 月26日(ブルームバーグ):米上院本会議は26日、住宅金融大手ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の支援と住宅差し押さえの抑制のための措置を盛り込んだ住宅公社支援法案を賛成 72、反対13の票差で可決した。
米上院は下院が同法案を23日に可決したのを受けて、土曜日に異例の審議を行い、ブッシュ大統領に法案を送付した。民主党のハリー・リード上院院内総務(ネバダ州)が26日記者団に語ったところによると、同法案は28日にホワイトハウスに送付される予定。ホワイトハウスのスポークスマンによれば、同大統領は正式のセレモニーは行わずに、同法案に署名する方針。
同法案の成立によって、ポールソン財務長官はファニーとフレディへの融資と公的資金による資本注入が可能になる。同法案は財務長官の提案内容を実現するため、国債発行限度額を9兆8160億ドルから10兆6000億ドルに引き上げる。
同法案は住宅ローンの返済に苦しむ約40万人の借り手救済に向けて、ローンの借り換えで米連邦住宅局(FHA)が最高3000億ドル(約32兆3560億円)の債務保証を行う制度を創設する。
また、住宅を初めて購入する人を対象に税制優遇措置を適用するほか、差し押さえ物件を買い取るために州政府に40億ドルを付与する。
ポールソン長官は26日の声明で「住宅公社支援法案の政府支援機関(GSE)に関する項目が立法化されることは、市場と経済の安定にとって最も重要だ」と指摘した。
ホワイトハウスのトニー・フラット報道官は電子メールで声明を送付し、「ポールソン長官が求めていた一時的な新たな権限は現在緊急に必要とされており、新たな権限付与が住宅・金融市場の信頼と安定につながるだろう」と強調した。
何故、ここまで救済に関する議論を急がなくてはいけなかったのか?という疑問が生じますね。
GSEが言うように資本的に問題がないならば、救済を急ぐ必要はありません。
一部の試算によると、最終的に資本注入に必要な額は1兆ドルに及ぶとのこと、住宅価格の下落が続く限りその損失は増加する事が確定しており、誰も最終的な毀損額など算出できないでしょうね。
また、FRBの新型証券融資の担保にもGSE債が含まれており、GSE債の信頼が失われた場合、金融セクターは追加担保が求められることになります。これが信用収縮を悪化させ、最悪の場合、巨大な銀行破綻へとつながる可能性も否定できません。この場合、金融システムは完全に崩壊することでしょう。
今回、GSEを既存の形で存続させ、必要に応じて追加の資本注入をするという形態を取りました。
この決定は、一時的な損失額を軽減できるというメリットを重視した結果と言うことでしょう。
しかし、悪化するごとに追加支援を続けなくてはならず、単なる損失の先送りという意見が強い事も事実です。
また、今回の救済案には、住宅ローンの借り換えに関する債務保証制度や新規購入に対する税の軽減処置、州政府による買い取り支援なども含まれており、不動産価格を安定させたい米国金融当局の意志も垣間見えますね。
住宅価格の下落が止まらない限り、損失は拡大する訳ですから、根本原因を何とか止めたいということでしょうね。しかし、私にはこの程度の策で不動産バブル崩壊が止まり、価格が安定に転じるとは思えません。
米国の財政状態が悪化するなかで、どのような方策があるのか?近い将来、根本的な解決法を模索し直す必要があるのかもしれません。
ファニーとフレディ「やっぱり必要」-批判から手のひら返すウォール街
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003001&sid=afZTAjoymHF8&refer=commentary
7月24日(ブルームバーグ):米国民の住宅保有を促進するため設立された政府支援機関(GSE)の住宅金融投資会社ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)は、不適切な会計処理で処分を受けたり、リスクの取り過ぎを批判されるとともに、金融機関のロビイスト団体は両社債への暗黙の政府保証を終わらせようと活動してきた。にもかかわらず、米下院は23日、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損失から両社を救うため、無制限に資本を注入する法案を可決した。
ファニーメイとフレディマックはやはり、絶対に必要な存在だったわけだ。両社の活動を抑えようとしてきた政府当局と金融業界は今、大恐慌以来で最悪の住宅不況から米国を救う救世主の役割を両社に求めている。
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は8日の講演で「現時点で、ファニーメイとフレディマックがバランスシートを膨らませるのは非常に良いことだ 」として、「今日の住宅ローン市場がまさに必要としている部分に資金を供給することにつながる」と語った。
議会も両社にジャンボ(大口)ローンの買い取りを認めた。両社株が急落すると、ポールソン米財務長官が資本注入や貸し付け枠の拡大を提案した。米議員らは今週になって修正後の同案について合意し、法案は23日に下院を通過した。
ファニーメイとフレディマックは銀行などから住宅ローン債権を買い取ることで、住宅市場に資金を供給してきた。買い取った債権は保有するか証券化して投資家に販売する。両社が買い上げないようなサブプライム(信用力の低い個人向け)ローンを裏付けとした住宅ローン担保証券への需要は今や消滅し、投資調査会社グラハム・フィッシャーのマネジングディレクター、ジョシュ・ロスナー氏によれば、住宅ローンの買い手として米国に残っているのは両社だけだ。
銀行や証券会社は、公開企業である両社が暗黙の政府保証によって不当な競争優位を得ていると批判してきた。両社債のスプレッド(米国債との利回り格差)は同じ「AAA」格付けの社債よりも低く、安価に資金を調達できるからだ。両社はこの優位を生かし、1990年代に買い取る住宅ローンを増やして利益を高めた。
住宅ローンなどの証券化事業の利益は金融機関にとっても魅力だった。ファニーメイ、フレディマックと異なり買い取るローンの質に制限のない投資銀行は、ベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズ・ホールディングスを中心に2005、06年に1兆2000億ドル相当のサブプライムローンを証券化した。同証券への需要を背景に、01−06年の間に2兆4000億ドルのサブプライムローンが創出され、これが住宅価格を押し上げた。しかし、07年の成長減速とともに住宅価格が下落し始め、借り手は変動金利型のサブプライムローンの金利上昇に対応できなくなった。
ファニーメイとフレディマックへの金融業界の高い期待は、過去10年とは様変わりだ。業界は1999年に、両社への規制強化を求めるロビイスト団体「FMウォッチ」を組織。これにはJPモルガンでダイモン氏の前任だったウィリアム・ハリソン前CEOらが加わっていた。
日本の金融システムを護送船団方式と批判し、公的資金の導入を否定し続けてきたのは、誰だったのでしょうかね?
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