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先月後半から、原油価格が下落を始めている。一時$150を超える勢いであった原油先物であるが、先週末には一時$115を割り込むところまで下落した。
複数の要因があるが、原油下落の切っ掛けになった最大の要因は、米議会による資源市場に対する投機資金規制の動きと相場操縦の疑いでの告発であるだろう。
米議会:原油の持ち高制限や公表義務付け強化検討−80ドルが適正
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003013&sid=a2dJfuhoML2Q&refer=jp_us
米CFTC:オランダの取引会社を告発−エネルギー相場操縦の疑い
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aN9IHq.t._aU
この規制により原油価格は急落を始め、急落による損失拡大により、資金の流出と運用額の減少が発生した物と考えられる。
ヘッジファンドの7月成績:5年で最悪の公算−金融株や原油予想外れ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ao.dXW9ryO8w
原油価格の採算ラインに関しては、国によるエネルギー効率の違いなどに大きく左右されることになるが、米国の場合$80 中国や他の新興国は$60といわれている。
中国などは、原油を統制価格で販売しており、政府が損失補填をして維持してきた状態であった。先日、国内向け原油価格を引き上げたことで企業の採算が急激に悪化したとも言われている。
【今日のチャート】タンカーレート上昇か−石油会社は「パニック」に
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aaGVFIJYyqTw
船主の要望によりタンカーの運航速度が低下している。これは原油の使用量にかげりが見えてきた証拠といえるかもしれない。資源インフレによる原油価格の上昇は使用量低下という結果をもたらしている。
UBS:世界の09年成長率予想を下方修正−リセションに近づく
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=amFDLksvKhdQ
資源インフレにより世界経済は、縮小せざるえない状況に陥っており、これが需要の低下という資源価格下落の主要因となったといえるでしょうね。
価格高騰による使用量低下という現実をまえに、原油価格は低下を続けている。
東京外為:ユーロが大幅続落、デカップリング崩壊でドル買い戻し加速
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a3iVQxgTjWBI
ユーロの下落、欧州経済に関しても先行きの不透明感が強まっている。ユーロバブルを支えた欧州統合もアリスランドの国民投票で批准が否定され、欧州統合に不透明感が強まっている。
また、英国の不動産バブル崩壊に次いで、ユーロ圏であるスペインのバブル崩壊が観測され始めたことで銀行の損失拡大の懸念が強まったいる。
イタリア経済が失速、第2四半期は前期比マイナス・前年比ゼロ成長
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-33156620080808
好調であったドイツ経済に次いでイタリア経済にも不透明感が強まっており、ユーロ圏全体からの資金の離脱が始まっている。
欧州企業のデフォルト率は最大6−7%に上昇へ−信用収縮の影響で
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a1id6BfSjtBw
欧州企業のデフォルトリスクが急上昇している、この予測通りデフォルト率が10倍に上昇した場合、金融機関は持たないだろう。また、年金や資産運用にも更なる打撃を与え、再び、欧州圏は長期不況へと追い込まれる可能性も高い。
世界の取り得る選択肢が失われ行く中、どのような対応が行われるのであろうか?
すでにそれぞれの国がとれる手段は少なくなっており、国際合意に基づく何らかの方策を採らない限り、現在の経済体制維持は困難になってきているのかもしれない。
昨日の気になる記事を一つだけ
米ワコビア:19州で支店通じた住宅ローン停止−125人を削減
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aFZGuu3LW7N4
ワコビアによる住宅ローン停止は、不動産価格の下落を後押しするものになるかもしれない。
また、このような動きの裏にはワコビアが住宅価格の更なる下落を予測している物と考えられ、損失の拡大を予期させる物である。
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