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昨日、リーマンが破綻した。メリルリンチはバンカメが吸収、次の焦点はAIGとワシントンにニューチュアルなった。ついにサブプライムを発端とする金融危機は新たな段階に移ったといえよう。ここ数年、我が世の春を謳歌してきた米国の投資銀行が2つ消滅した歴史的な一日となった。
まずは、リーマンの動向から
米リーマン:連邦破産法11条適用を申請、買い手見つからず
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=adJWAHRDhuX0
9月15日(ブルームバーグ):投資銀行米4位だったリーマン・ブラザーズ・ホールディングスは15日、連邦破産法11条(会社更生法に相当)の適用を申請した。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン危機を乗り切れず、史上最大規模の破たんに至った。
創業来の158年に、1800年代の鉄道破たんや1930年代の大恐慌、10年前のロングターム・キャピタル・マネジメント(LGCM)の事実上の破たんなどを乗り切ってきたリーマンだが、この日、ニューヨーク南部地区の破産裁判所に破産法適用を申請した。リーマンの負債は6130億ドル(約64兆7900億円)を超え、1990年のドレクセル・バーナム・ランベールの破たん時を上回った。
英銀バークレイズと米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)が14日リーマン買収の交渉を打ち切り、リーマンは破産申請に追い込まれた。リーマンは年初来94%の株価下落に見舞われ、今年の信用逼迫(ひっぱく)を乗り切れなかった10数社の金融機関の仲間入りをした。
リーマンの債権者を依頼人に持つニューヨークの破産専門弁護士、マーティン・J・ビーネンストック氏は、「残念ながら、短期的にリーマンの債権者や株主、資本市場などが犠牲になるだろう」と話した。
破産申請したのは持ち株会社で、子会社は対象に含まれない。資料によると、同社の資産は6390億ドル。
リーマンの身売り先の最有力候補として浮上した英バークレイズは14日、買収を断念した。リーマンの不良資産からの損失をめぐり米政府やウォール街の他社から保証を得られなかった。BOAはその3時間後に交渉を打ち切った。BOAはその後、証券大手メリルリンチを買収すると発表した。銀行と証券会社は14 日、リーマン破たんの影響を最小にとどめるため、同社がかかわる一部取引の整理を進めた。
1850年創業のリーマンは、100年以上存続してきた数少ない米金融機関の1つだった。リチャード・ファルド最高経営責任者(CEO)は140億ドルの増資や1470億ドル相当の資産売却で破たん回避を図ってきが、力尽きた。同社は先週、創業来最悪の赤字とともに、資産運用部門の過半数株売却や不動産関連資産のスピンオフの計画を発表していた。
米財務省と米連邦準備制度理事会(FRB)はウォール街幹部とともに3日にわたる協議で、リーマンの破たん回避を模索した。ポールソン米財務長官は同社の身売りを容易にするために税金を投入することには慎重だった。
発表によると、リーマンはブローカー・ディーラー事業の売却を模索しており、運用会社ニューバーガー・バーマンを含む資産運用部門の売却交渉も続けている。米証券取引委員会(SEC)は、リーマンの顧客勘定は保護されるとし、SECの職員が今後数週間、リーマンに常駐すると発表した。
リーマン劣後債と優先株、回収不能の恐れも−上位債でも回収率60%
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aTAmgL8siu3Q
9月15日(ブルームバーグ):米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの劣後債と優先株の保有者は債権回収がかなり限定的になるか、あるいはまったく回収できない恐れがある。上位債の保有者でさえ1ドルにつき、最低で60セントしか回収できない可能性があるためだ。
格付け会社フィッチ・レーティングスはリーマンの優先株と劣後債の格付けを投資適格級の「A」から投機的等級の「C」に15段階引き下げた。調査会社クレディットサイツによると、リーマン上位債の回収率は1ドル当たり60−80セント回収になる公算が大きい。
英バークレイズと米バンク・オブ・アメリカ(BOA)がリーマンの買収協議から撤退し、リーマンは15日、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを申請した。ブラザーズの無担保債務の大口債権者10社は、合計で1570億ドル(約16兆5200億円)余りの債権を保有している。このうち1550億ドルは債券保有者の債権。
リーマン破綻は邦銀にも影響、あおぞら銀4.63億ドル・みずほ3.82億ドルの債権保有
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK016111320080915 一部抜粋
リーマンのリストによると、7月2日時点で債権を保有する日本の金融機関は全部で8機関で、債権総額は16億7000万ドル(1753億円)となった。最大のエクスポージャーとなったあおぞら銀行は、銀行ローンとして4億6300万ドル保有していることが分かった。次がみずほコーポーレート銀行の3億8200万ドル(約400億円)。そのほか新生銀行の2億3100万ドル(242億円)、旧UFJ銀行(現三菱東京UFJ銀行)の1億8500万ドル(194億円)、三井住友銀行の1億7700万ドル(185億円)と続く。
リストの中で最も債権残高が大きかったのは、米シティグループとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンで、両社合わせて1380億ドルとなった。5月31日時点のリーマンの資産総額は6390億ドル。これに対する負債総額は6130億ドルで、少なくとも表面上は資産超過になっている。
米リーマンの破たん、資産担保証券の格下げを誘発も―バークレイズ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aDlcYrVBslsM
現在のところ、約40%が毀損予定である。とりあえず、日本の金融機関への影響は限定的となった。問題となるのは、シティとバンクオブNYであり、1380億ドルもの債権の毀損により2社計で6兆円近い損失を抱えたことになる。そして、これはまだ一時的な影響に過ぎない訳である。
最大の問題はCDSであり、リーマンに対するCDS、リーマンを引き受け側とするCDS、どちらにおいても膨大な損失が予測される。この精算を巡り、新たな損失の発生は間違いないところであるが、その成り行きには不透明感が漂っている。また、同社債権を組み込んだ複合債権や参照するデリバティフ商品など二次的三次的商品も大量に存在すると思われ、その影響評価は出来ないというのが現実であろう。
このような債権の精算は未知の世界であり、その行方は誰も想像できないのではないだろうか?
従来であれば、債権者と債務者の当事者間の問題で解決したわけであるが、金融工学の発達による闇がここに存在する。また、今回の案件で62兆ドルといわれるCDS市場は事実上瓦解することになるかも知れない。CDSの引受先の消滅により、リスクヘッジ手段を失ったハイリスク債権の市場は瓦解し、低格付けの企業の資金繰りを更に圧迫することになると思われる。
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