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■簡単な金融政策の説明
■現在の金融を理解するためには、金融ビッグバンを知る必要があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E8%9E%8D%E3%83%93%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%90%E3%83%B3
http://www.fsa.go.jp/p_mof/big-bang/bb1.htm
■公定歩合から誘導金利に
金融ビックバンにより、最大の変化が起きたのは、銀行と中央銀行の在り方です。 金融ビッグバン以前は、中央銀行は銀行の銀行として、資金の貸し付けと受け入れを行っていました。 この利率を公定歩合と呼んでいたわけです。
銀行は資金が余ったら、中央銀行に差し入れ、資金が足らなくなったら中央銀行から公定歩合で借り入れていたわけです。
毎日、振り込みや決済などで、銀行間の資金にプラス、マイナスが出ますね。 これを当日中に決済するため、不足分を中央銀行を利用して調整していたのです。
この過程で、中央銀行が担っていた短期金融市場も大きな変革が進みました。
『インターバンク(銀行間資金市場)』が創設され、銀行間の資金を中央銀行からではなく銀行間で融通しあうようになったわけです。
銀行間市場において、資金の需要が強まった場合、銀行間金利は上昇します。逆に、資金需要が弱まった場合、銀行間金利は下落します。
このオーバーナイト(一晩)の金利の誘導目標を誘導金利と呼びます。中央銀行は誘導金利に合わせ、自らがプレイヤーとなり、資金量の調整をするわけです。これを供給オペや吸収オペと言います。
この実勢金利をTIBORと呼びます。 この誘導金利を調整することで、市場の資金量が調整され、市中の資金量が変化することになるわけです。
また、融資に関しても、市場開放が行われ、従来銀行のプロパーローンのみであった 資金調達法も、社債など自由な調達が認められるようになりました。
社債などの金利はTIBOR(円建て銀行間金利)+リスクプレミアム***BP(1000分の1%)という形で表示されます。
リスクが高い債権は、リスクプレミアムが多く乗ることになります。つまり、調達金利が あがるということですね。
ですから、誘導金利が上がることで、全体の金利を押し上げることになります。 金利が上がると、借り入れようとする人や会社が減りますから、自然に景気を抑え込むことになります。
逆に金利が下がると借り入れようとする人や会社が増えますから、景気の悪化を 防止することにつながります。
■失われた10年
しかし、日本において発生した『バランスシート不況』はこの状況を一変させました。
銀行は傷ついたバランスシートを改善するために、貸付を減少させ、企業や個人も借入を減らしました。そして、全体的な景気悪化により資金需要が生まれず、金利を低下させても借り入れない状況になったのですね。
また、この際、政府が円高政策を採用し『円高不況』により、『製造業の空洞化』と『海外流出』を促進したことも、国内における資金調達意欲が減退した理由でもあります。
これを解消するために、その後の政府は国債を発行し、自ら財政出動し、産業を創出せざる得なくなったのです。
この過程において、民間の債務が政府に置き換わる(国債発行額が急増する)現象が起きたのです。
また、国内の資金循環と経済構造が崩壊したため、日本国内から需要が生まれませんでした。そして、この現象に目を付けた外資は、日本の低金利の資金を借りて、それを高金利国に投入し、その利ザヤを稼ぐという手法を多用しました。(これがいわゆる、円キャリートレードということになります)
基本的には、銀行間の短期資金市場での借り入れとなりますので、海外の市場の動向により、この資金の動きが為替にも影響することになります。
ですから、海外市況が悪化すると円が上がるという現象が多発したのですね。(リワインド資金の巻き戻し)
これが為替と銀行間市場に資金を大きく揺さぶったということです。世界的な金融危機とリーマンショックはこの環境を大きく変化させました。
銀行間の資金市場が凍結状態になったため、これを解消する方法を見出すしかなかったわけですね。
■世界的な利下げと量的緩和
そこで、世界の中央銀行は利下げと量的緩和という手段を採ったわけです。短期資金市場の決済に失敗したら、銀行は破綻してしまいます。それを防止するため、インターバンクに大量の資金を投入し、さらに銀行の持つ債権を買い取ったり、それを担保に国債を貸し付けることで資金ショートリスクを解消していったわけです。
これにより、各国の中央銀行のバランスシートが大きく拡大し、それは通貨の希薄化(薄まる)要因となるため、信用を棄損しているということです。
■そして、日本は
そして、私の最大の懸念はロートル財務大臣や旧大蔵省出身者に、今の生きた金融を制御できるかということにあります。
かつての金融制度では、大蔵省は絶対存在でした。なぜなら、大蔵省は各銀行への貸付与信枠などを持っており、大蔵省の命令は絶対でありました。銀行の大蔵省担当をMOF担と呼び、ノーパンしゃぶしゃぶなどで接待し銀行への枠を拡大してもらったり、嫌われないように努力してきたのです。
しかし、自由化により、財務省は一人の大口プレイヤーに変化しました。
ルールを自由に決められるハウスから、最大手のプレイヤーに過ぎなくなったのです。
藤井氏や亀井氏の発言を聞く限り、この変化を理解できていないのではないかと思われます。
その上、『失われた10年』『円高不況』を導いた最大の戦犯は、現財務大臣である藤井さんであり、郵政の社長に天上りで就任した斉藤氏(当時の大蔵省事務次官)なのですね。
私には、何故このような人選が行われたか理解できません。そして、漏れ聞くところでは、G20に参加する各国首脳や蔵相、中央銀行総裁なども同様のご意見をお持ちのようです。
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