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資本論まなぶ会(2019年1月)の報告をします。大東市サーティーホール公民館で、19日の2時から行いました。

テーマは第3章「貨幣または商品流通」の第2節「流通手段」でした。そのaとして「商品の変態」がありますが、その第一パラグラフからでした。目次で振り返るなら、第1章は「商品」であり、第2章は「交換過程」です。第3章の第1節は「価値の尺度」です。こうした話の流れを考え、今回のテーマをその中に位置づけるなら、商品変態の意味がいくらかでもハッキリするのではないでしょうか。

今年初めての「資本論まなぶ会」です。風邪をひいて欠席される方、今回、初めて参加される方など、色々でした。輪読しながら疑問を出し合い、議論して行きました。提出された資料は、先月の報告文と、フランス版の翻訳コピーでした。これはドイツ語版とは微妙に違っていますが、その為に、内容の理解を助けるかも知れない、という話でした。

論議は第6パラグラフまで終わりました。第1パラで議論になったのは「楕円」が出てくる意味が分からないというものでした。これに対しては次のような話が出ました。宇宙空間を想像し、その中に二つの物体があるとします。それらが単にすれ違うだけならお互いに無限に離れてしまいます。他方、両者がすれ違わないで、真正面からぶつかるなら一つになるだけです。二つの物体が付かず離れず、適当な距離を保ち続けて運動するなら、それは楕円という形の運動をする。そういう話でした。確かに商品の交換過程の中に、突然「矛盾」だとか「楕円」が出て来たらびっくりします。しかし、哲学者・マルクスにはそんな話がよくある、という話でした。

第2パラですが、岩波版では「その変態を考察しなければならない」と言い、フランス語版では「これを研究しなければならない」と云うが、何が問題になっているのかという疑問が出ました。これには、その前に「商品は使用価値として用いられる個所に達すると、商品交換の部面から、消費の部面に入る」という記述がありますが、その中で言われている「商品交換」を指すのだろうと言う話が出ました。

第3パラで、マルクスは「この素材的要素であるところの、商品と金との交換にのみ固執すると、人は正に見なければならぬもの、すなわち形態について起こることを看過する」と言います。そして第6パラグラフでは「亜麻布の織職にとって大事なことは、その取り引きの最終結果である」と言います。この点について次のような確認がされました。それは商品の使用価値と価値との違いを踏まえない考えはよくある。「効用価値説」などはその典型である。商品や貨幣、それに資本の「物神的な性格」を理解していない人は多い。そういう確認がなされました。
来月は2月16日の2時から、大東市サーティホール公民館で開催します。第7パラグラフからスタートします。

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12月「資本論まなぶ会」の報告をします。

12月15日、大東市サーティーホール公民館で13時から16時過ぎまで、参加者数人で行いました。今回は初めて参加された方がおられましたので、それぞれの自己紹介をしました。

テーマは第3章「貨幣または商品流通」の第1節「価値の尺度」でした。岩波版では21パラグラフに分かれていますが、今月でこれらがすべて終わりました(10月から3か月をかけて取り組んできました)。

レポーターから報告要旨文が出され、それは第1節全体を五つに分けて考えるものでした。 銑パラグラフは「価値尺度について」いら┐蓮崗ι覆硫然覆砲弔い董廰からは「商品や貨幣の価値が量的に変動する場合について」からは「価格という形態について」から海蓮峅然癖从垢箍然覆生み出す質的な矛盾について」述べられているというものでした。

第11パラグラフから参加者が順番に輪読をし、質問を出し、議論を深めていきました。問題になったのは「価格とは何か、価値とは何か、それぞれの違いはどういうものか」であり、14パラグラフで「富の発展とともにより低い貴金属はより高い貴金属によって価値尺度の機能から追われるというが、その具体的な(歴史的な)様子が知りたい」というものであり、「計算貨幣について、1クオーターの小麦は1オンスの金に等しいという代わりに3ポンド17シリング10ペンスに等しいと言われているが、具体的には何グラムか」であり、「ポンドなどの貨幣名において価値関係のあらゆる痕跡が消えていると言うがどういう意味か」などでした。

議論は盛り上がり、例えば注64の意味は何かではなかなか決着が付きませんでした。これは第20パラグラフに関連していますが、ここでの課題は例えば1トンの鉄の価値を表現するためには1オンスの金で済ませるとしても、だからと言ってそれが実際に売れて1オンスの金が手に入るかどうかは別の問題だというものです。そうした違いを克服する困難さを色々な例をもって表現しているのですが、その一つに「教父ヒエロニムスにとっておのれの罪を脱ぎ捨てること」があります。ヒエロニムス自身は自らの「肉欲と闘い」その克服を目指したが、それがなかなか認められなかったと言います。それが商品に値段をつけても実際に売れる困難さを表現しているのではないかということになり、話は落ち着きました。こうした色々な疑問の提出によって、本文の内容確認がより細部にまで至りました。

今回は今年最後であり、忘年会をしようという提案が出て、5時から最寄り駅近くの居酒屋でわいわいと話が弾みました。

次回は1月19日で、大東市サーティーホール公民館ですが、時間は14時からです。テーマは第2節「流通手段」に入る予定です。

以上です。

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「資本論まなぶ会」11月の報告です。

17日(第三土曜日)1時から、大東市サーティーホール公民館で、参加者は数人でした。

テーマは、第3章「貨幣または商品流通」です。「第1節の価値の尺度」は約20パラグラフで構成されています。初めの第一パラグラフから第10パラグラフをしました。
ここで問題になっているのは次のようなことでした。「金を貨幣であると仮定する」「貨幣の第一の機能は価値の一般的な尺度である」「商品は貨幣によって通約可能になるのではない」「商品の貨幣形態は、その手でつかみうる、実在的で物体的な形態とは区別される」「(金や銀などによる)価値尺度の二重化はその機能と矛盾する」「諸商品の価値が互いに比較される、その中で(技術的に)尺度単位として金量を固定させる必要が大きくなる」「価値の尺度としての貨幣、価格の尺度標準としての貨幣は、それぞれ区別される」「金の価値変化は価格の尺度標準としての機能を妨げない」「金の価値変化はまた同じように価値尺度としての機能を妨げない」などなど。

出された質問です。「価値とはどういう意味か」「使用価値と価値は違うというが、同じ価値という言葉が使われている」という疑問でした。「価値とは何かという質問はこれまで何度も出したが、なかなか分かりにくい、何時も悩んでいる」と言われました。

しかし、これが難しい問題だと意識されていることは(資本論の基本的な問題に迫っているのであって)むしろ素晴らしいという返答がありました。

具体的な解答は次のようなものでした。使用「価値」と「価値」と言い、「価値」という同じ言葉が使われているのは事実です。しかし問題は使用価値と価値の、それぞれ具体的な意味です。例えば亜麻布と上着を作っている人が居るとします。そしてその姿を私たちが見ているとします。それぞれの人は、違った材料、違った手段で、違った製品作りをしています。

その時、仮に、材料や手段、それに出来上がりつつある製品は見ないとします。働いている人の姿だけを見ると仮定します。人が人として働いている姿だけに着目するのです。すると人が食事をし、呼吸をし、血液循環をし、頭や神経を動かし、筋肉や骨を動かし、感覚、泌尿、生殖、内分泌、細胞などが動いている、そうした人の姿が見えてきます。

こうした人が人として動いている姿こそが人間労働です。そして具体的な材料や手段を使って製品作りに励んでいる姿は具体的な人間労働です。こうした違いが商品の価値と使用価値との違いに体現されています。こうした答があり、「長年のつかえがとれた気がする」という返事がありました。その他の議論は割愛します。

次回は12月15日、1時から、大東サーティーホール公民館です。なお後で「忘年会」をする予定です。

以上です

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8月18日、13時から15時過ぎまで、大東市サーティーホールの公民館に6人が集まりました。今月のテーマは第2章交換過程の最後の二つのパラグラフです。15パラグラフでは、貨幣(商品の等価形態・金)の量的な規定がされる様子が描かれています。「金の相対的な価値の大きさはその生産源でなされる物々交換によって確定される」といいます。16パラグラフでは物神的な性格が問題になっています。商品の物神的性格が目に見えるようになると、それは貨幣物神として現れます。それぞれの文を順番に読み、レポーターに報告してもらい、その後に議論しました。

初めに議論になったのは先月のまとめ(内容分析)をめぐってでした。先月やった第7パラグラフに「交換の歴史的な広がりと深化は商品性質の中に眠っている使用価値と価値との対立を展開させる」という文があります。その時「使用価値と価値との対立」とはどういう意味かという質問が出ました。これは資本論を理解する上で基本的な問題だと思われますが、一言で言うのはなかなか難しい問題です。レポーターはこれについて、使用価値と価値の「矛盾」と表現することの意義を力説しました。もっと聞きたいという声が出ましたが、時間の関係で途中までで、後は来月に回すことになりました。「矛盾」や「対立」の「論理的な意味」まで問題になり興味津々です。

次に問題になったのは15パラグラフの最後の4行ぐらいの文でした。ここの4行ぐらいの文で問題になっているのは何かという疑問です。ここで「貨幣が商品であると云うのは大事な認識だが、肝心なのは商品が貨幣になる理解だ」ということを述べている、それでいいのか確認したいというものでした。これはこれで了解されました。そしてこの問題は15パラグラフの前半で問題にしていること違うと確認されました。

さらなる問題はこの中の「商品は(いかにして)(なぜに)(何によって)貨幣であるかを理解する」という点でした。マルクス経済学者の久留間さんが言っていますが、「いかに」は1章の第三節で、「なぜに」は第4節で、そして「何によって」はこの第2章で言われています。「いかに」の第3節や、「何によって」の第4節は分かるが、「なぜに」の第4節(物神崇拝)が分からないという疑問が出ました。これについては参加者から諸説が出ましたが、紹介は長くなるので割愛します。

参加者から「第1章第3節の価値形態と第2章交換過程を読んでのイメージ」と題した資料が提出されました。時間軸を横にとり、縦軸に生産力と生産関係を記し、原始共産主義から資本主義までの変化を描き、今後の未来社会の「課題」まで記したものです。これをめぐって活発な意見が出され、時間はあっという間に過ぎました。

資本論の第1章や第2章について、その学習の困難さが改めて出されました。これには共感する声が出て、他の参加者から色々なアドバイスが出されるなど、みな他人ごとではない雰囲気が広がりました。

最後に先月出た問題が改めて出されました。何が貨幣材料になり得るか、土地は?というもので、再度調べてみることになりました。

以上で報告を終わります。NS

次回は9月15日(土)13時〜15時
場所は大東市サーティホール公民館で開催します。
テーマは第3章貨幣または商品流通です。

連絡先 080 3134 8150

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7月の「資本論まなぶ会」の報告をします。21日、1時から3時過ぎまで、大東市サーティーホールの公民館に、6人が集まりました。
テーマは先月に引き続いて「第2章の交換過程」でした。今月は第7パラグラフから第14パラグラフまででした。
輪読、報告、そして出された疑問点をめぐっての論議が行われました。

議論になった点は以下の通りです。
➀第7パラグラフで「商品性質の中に眠っている使用価値と価値の対立」というが、それはどういう意味か。
第9パラグラフで「直接的な生産物交換において、すべての商品は直接にその所有者にとっては交換手段であり、その非所有者にとっては等価である。もちろんそれがこの非所有者にとって使用価値である限りにおいてである」というが、どんな事態を指しているのか。「すべての商品は直接にその所有者にとって交換手段である」と云うのは好いが、「その非所有者にとって等価である」と云うのは分かりにくいというものでした。
F韻限9パラグラフで「人間はしばしば人間自身を、奴隷の姿で、最初の貨幣材料にした。しかし、かつて土地を貨幣材料にしたことはない。このような思想はただすでに完成したブルジョア社会においてのみ出現することが出来た」というが「このような思想」とは何か。
14パラグラフで「交換過程は貨幣に転化する商品にその価値を与えるのではなく、その特殊な価値形態を与える」というが、「その特殊な価値形態」とはどういう意味か。またマルクスはよく「形態」という言葉を使うが、その意味は何か。
ズ埜紊法嵜佑亙財が一定の生産様式の基礎の上に得る社会的性格、又は労働の社会的規定が一定の生産様式の基礎の上に得る物財的性格、これらのものを単なる標章と唱えることによって、同時に、これらのものを人間の恣意的な想像の産物と称することになるのである。それは18世紀愛好の啓蒙風であって、成立過程を未だ解くことのできなかった人間的諸関係の謎のような形相から、少なくとも一応、無知の外観を除こうとしたのである」というが、「成立過程を未だ解くことのできなかった人間的諸関係の謎のような形相」とはどういう意味か。

いずれの問題も難しく、議論は盛り上がりました。そのすべてを報告することはさらに難しく、ここでは最後の問題に絞ります。
当初これは「差別とか貧富の問題」を意味するかの発言がありました。「謎のような形相」と云うのですからなおさらです。ただ、それはそれとして、自然史の中から生まれてきた人類史全体を想定すべきではという意見が出されました。その時、私は気付きませんでしたが、ここで問題になっているのは生産物が商品になることによって、それに付きまとう物神的な性格です。それを単に人間の恣意的な産物だとは言えません。人類史の発展を理解することが課題です。

来月は8月18日の予定です。

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