希・羅語文献の訳し方研究 (旧デ・アニマの訳をいつかやりたい)

中世の聖歌の訳と単語帳、もしリクエストなどがあればもう少し力を入れてやります。

中世の祈りや歌の訳

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

うちにあったシロス修道院合唱団のグレゴリオ聖歌の CD (80年代の終わりころ流行ったらしい) の中でぼくはこの最後の曲 Media Vita In Morte Sumus がとても好きでした。
自分がスペインの古い聖堂にいるかのような錯覚と
(ぼくはこどもの頃からこういう音楽を聴いている最中わかにキリスト教徒に変身してしまいます。朝6時のNHK-FMの磯山雅さんや今谷和徳さんの時間とか、特に。)
この歌が終わりCDが止まった後の静寂も好きでした。
ルネサンス時代の Gombert などの編曲? (まったく元の曲がわかりませんが) もいいですが、この元のグレゴリオ聖歌がいちばん好きです。





説明を書き込むたびにこの同じページを更新します。




2017年6月1日 木曜日 更新 (いちおう終了かと思います。)



(シロス修道院のCDのブックレットについてる歌詞)
Media vita in morte sumus.
Quem quaerimus adjutorem
nisi te, Domine,
qui pro peccatis nostris
juste irasceris?

Sancte Deus,
sancte fortis,
sancte et misericors Salvator, 
amarae morti ne tradas nos.

In te speraverunt patres nostri,
speraverunt et liberasti eos.

Sancte Deus,
sancte fortis,
sancte et misericors Salvator, 
amarae morti ne tradas nos.

Ad teclamaverunt patres nostri,
clamaverunt et non sunt confusi 

Sancte Deus,
sancte fortis,
sancte et misericors Salvator, 
amarae morti ne tradas nos.

Gloria Patri et Filio
et Spiritui Sancto.


Sancte Deus,
sancte fortis,
sancte et misericors Salvator, 
amarae morti ne tradas nos.







訳と単語の意味

Media vita in morte sumus.
Quem quaerimus adjutorem
nisi te, Domine,
qui pro peccatis nostris
juste irasceris?
--------------------

人生は (* vita) 半ばにして (* midia) わたしたちは (* sumus の主語) 死 (* morte) のなかに (* in) います (* sumus)。
しかし (* 補足)
わたしたちは (* quaerimus の主語) 誰を (* quem) わたしたちの助け手として (* adjutorem) 求めましょうか (* quaerimus)、主よ (* domine)、あなた (* te) を除いてほかに (* nisi) ?
あなたは (* qui) わたしたちの (* nostris) 過ち (* peccatis 罪) について (* pro) 当然 (* juste) 怒っておられる (* irasceris) のですけれども (* qui の訳の一部)。

-------------------
+ media > medius (形容詞) : (何々) の真ん中 the middle of ... 
----- ちょっと使い方が独特な形容詞ですが、ラテン語にはほかにも summus (何々) のてっぺん、とか、primus (何々) の最初、とか、imus (何々) のいちばん下、とか、postremus (何々) の最後、cunctus (何々) の全体、とかいった使い方をする形容詞があります。それぞれ、真ん中の、いちばん上の、最初の、いちばん下の、最後の、全ての、という普通に理解できる使い方もあります。
----- media は女性、単数、奪格です。vita を修飾しています。
+ vita > vita (女性名詞) : 命  /  人生  
----- vita はここでは単数、奪格です。(単数、主格と同形です。) 絶対的奪格という用法で、文を修飾する副詞句をつくります。media vita で、人生は (vita) 半ば (media) で (be 動詞の省略)、人生 (vita) 半ば (media) にして (be動詞の省略)、という意味。media vita という形は主格でもありますが、主格としては人生の半ばという意味です。奪格だと、時間を表す奪格として、人生の半ばにおいて、という意味になります。ここではこの奪格は時間を表す奪格というよりも絶対的奪格だと思いますが、でもまあ、どっちに解してもよさそうです。
+ in : (奪格をとる場合) 何々の中で、何々の中において
+ morte > mors (女性名詞) : 死 ----- morte は単数、奪格です。
+ sumus > sum : これはラテン語の be動詞です。ある、いる、存在する  /  何々である ----- sumus は複数、一人称です。わたしたちはいる、などの意味になります。
+ quem > quis (疑問代名詞) : who ? 誰が? ----- quem は男性、単数、対格で、誰 (男性) を?という意味です。
または
quem > qui (疑問形容詞) : どんな? ----- quem は男性、単数、対格で、単数対格の男性名詞につきます。quem adjutorem どんな助力者を?
+ quaerimus > quaero : さがし求める ----- quaerimus は現在、複数、一人称です。わたしたちはさがし求める
+ adjutorem > adjutor (男性名詞) : 助けてくれる人 ----- adjutorem は単数、対格です。助けてくれる人を、という意味。
<<< 豆知識 >>>
adjuvo (助ける、助力する、サポートする / 励ます、鼓舞する) という動詞があって、過去分詞が adjutus です。助ける人という名詞をつくるにはこの過去分詞の adjut- という部分に -or をつけます。他の動詞もこのようにして何々する人という名詞をつくります。例 : curro (走る) - 過去分詞 cursus - 走る人 cursor ----- veho (運ぶ) - 過去分詞 vectus - 運ぶ人 vector ----- censeo (役人として家々を調査する) - 過去分詞 census - 調査する役人 censor ----- cano (歌う) - 過去分詞 cantus - 歌う人 cantor ----- vinco (勝つ) - 過去分詞 victus - 勝者 victor
+ nisi : (接続詞) 何々でないとしたら、何々でなければ ----- ここの nisi te は nisi quaeramus te の省略文です。英語にもこういう類いの接続詞には一見前置詞のように見える省略がありますね。
+ te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は単数、対格です。あなたを。
+ fomine > dominus (男性名詞) : 主人、あるじ、主、殿、頭、王、王様 (目下の者たちにとっての目上のえらい人すべてに当てはまる言葉らしいです) ----- domine は単数、呼格 (呼び掛けに用いる形)。主よ。
+ qui (関係代名詞) : 英語の who とか which に当たる関係代名詞です。qui は男性、単数、主格です。単数形の男性名詞である domine に掛かります。(格は違っていてもいい。) または te (イエスキリストや神は単数の男性なので) に掛かると考えてもよい。te, Domine, qui ... で you, Master, who ... という意味です。ただ、ここではただの関係代名詞ではなく、主節を副詞的に修飾する副詞句になっていて、英語の as のように付帯状況や理由原因を表せる用法です。ここでは付帯状況を表し、... Domine, qui ... irasceris で、我らはあなたのほかに誰の助けを求めたらいいでしょう、主よ、あなたは怒っていられますけれど、というような主節に追加情報を付け加えるつくりになっています。いわば英文法で習うコンマの後の who とか when
の使い方に似ているかもしれません。
+ pro (前置詞、奪格を取る) : (何々)との関係において --- この意味を基本にして英語の as のように色々な意味で使える。
~~~      ~~~      ~~~
(何々)に関して、(何々)の点で、(何々)を考慮すると --- 例: 弁論との関係において(弁論に関しては)あなたは優秀である、父はその約束との関係においては(その約束に関するかぎり、その約束通りに)正しくふるまったと言える  /(何々)に応じて --- 例: それぞれがそれぞれの能力との関係において(それぞれの能力に応じて)行う  /(何々)の分だけ --- 例: その戦いは人数との関係において(人の数の分だけ)もっと激しかった  /  (何々) のゆえに --- わたしがこれこれしたこととの関係において (これこれしたゆえに) 彼はこれこれした
+ peccatis > peccatum (中性名詞) : (法律や道徳的な罪だけでなく言いまちがい、考え誤り、行為の失敗などなんでも指すようです) しくじること、仕損じること、まちがい、誤り、ルール違反、一線を踏み越えること、罪を犯すこと、罪  /  (キリスト教) 罪の意識、罪の自覚  /  (キリスト教) 罪に対する罰
間連語 : pecco (不定詞 peccare、過去分詞 peccatum) : しくじる、間違う、謝る、違反する、罪を犯す
----- peccatis は複数、奪格です。前置詞の pro につく形です。
+ nostris > noster (所有形容詞) : わたしたちの ----- nostris は中性、複数、奪格です。peccatis を修飾するため、この形になっています。
+ iuste (副詞、justus という形容詞の副詞形です) : 正しく、公正に、然るべく
参考 justus (形容詞) : 法に則っている、法的に正しい、よい  /  道徳に則っている、道徳的に正しい、よい  /  (法律や道徳以外のことで、何らかの目的のために) よい
+ irasceris > irascor : 怒っている
構文 --- +与格 e.g. mihi (わたしに対して) --- +in と対格 e.g. in populum suum (自分の民に対して) --- +対格 e.g. id (そのことを) --- +pro と奪格 e.g. pro suorum injuriis (自分の部下たちの受けた危害 / 与えた損害に関して)
----- irasceris は単数、二人称、直接法現在です。あなたは怒っている、という意味です。





--------------------
Sancte Deus,
sancte fortis,
sancte et misericors Salvator:
amarae morti ne tradas nos.
--------------------

聖なる (* sancte) 神よ (* deus)、
罪なく (* sancte) 苦しみに堪えた強い方よ (* fortis 十字架を背負った勇気ある方よ)、
罪なく (* sancte) そして (* et) おかわいそうな (* misericors) 我らの (* 補足) 助け手よ (* salvator)、
意地の悪い (* amarae) 女主人 (* 補足)「死」のもとに (* morti) わたしたちを (* nos) 残して死なないでください (* ne tradas)。

--------------------
+ sancte > sanctus (形容詞) : 神聖な、侵してはならない、侵入してはならない (建物など)、侵害してはならない (法律で守られた、人権を認められた人など)、破ってはならない (掟、約束など)  /  尊い、聖なる (神、例えばジュピター、ジュノー、および神に属する物事、例えば神域、泉、火、について)  /  (人間の人徳について) 道徳的な、清い、純粋な、正しい、罪のない、信心深い
----- sancte は単数、男性、呼格 (呼び掛けの形) です。
+ deus > deus (男性名詞) : 神 (ローマとかの神もキリスト教の神も指せます)
----- deus は単数、呼格です。ふつう -us で終わる第2変化名詞は -e という単数、呼格の語尾を持つ (例 : dominus の単数、呼格は domine、Christus の単数、呼格は Christe) のですが、deus は例外的に単数、呼格も deus という形のままです。
+ fortis (形容詞) : (肉体的に) 強い、強靭な、強壮な、頑丈な、丈夫な  /  (精神的に) 強い、精神力がある、苦境を持ちこたえる力のある、(例: 病人が) 苦痛を堪える力のある、(例: 戦士が) 勇敢な、雄々しい、男らしい、(例: 蛇を捕まえられるほどの) 勇気がある、(例: 人を侮ったり見下したりする人) 対人関係に強い、性格の強い、(例: 家が) 勢力のある
+ misericors (形容詞) : 憐れみぶかい、慈悲深い、思いやりのある、同情心のある、人情のある  /  憐れむべき、憐れな、かわいそうな、同情を催させる、惨めな
----- misericors はここでは呼格です。salvator を修飾。
+ salvator (男性名詞) : (危険、病気、窮状などから) 救う人  
----- salvator は単数、呼格です。慈悲深い misericors 救い主よ salvator。
+ amarae > amarus (形容詞) : (味覚的に) 苦い  /  (人の陥っている状況など) 不幸な、苦い、つらい、苦しい  /  (人の性格が) 意地の悪い、小難しい、イライラした  /  (人の物言いが) 皮肉な、刺さるような、辛辣な、いやみな
----- amarae は女性、単数、与格。morti を修飾。
+ morti > mors (女性名詞) : 死  /  (擬人化) ローマ神話では死の女神、そのほかローマ神話でなくても擬人化される
----- morti は単数、与格です。苦い amarae 死へ morti。
+ ne : 否定辞。命令の接続法 (何々せよ) の動詞に付いて、何々するなかれ、という意味を表せます。
+ tradas > trado (動詞) : 渡す  /  委ねる、任せる  /  裏切って (仲間を敵に) 渡す  /  (死後に) 遺す  ;  (人より) 先に死ぬ、(妻子などを) あとに残して死ぬ
----- tradas は接続法、現在、二人称、単数です。主語はあなた、つまり salvator であるイエスキリストです。この tradas は命令の接続法です。あなたは渡すべし。ne tradas で渡すべからず。
+ nos (人称代名詞) : わたしたち ----- nos はここでは対格。わたしたちを。







--------------------
In te speraverunt patres nostri,
speraverunt et liberasti eos.
--------------------
わたしたちの (* nostri) 父祖は (* patres) あなた (* te) の中に (* in) 頼みにできそうなものを見ました (* speraverunt)。
彼らは期待しました (* speravernt)。そうしたら (* et) あなたは (* liberasti の主語) 彼らを (* eos) 「死」のもとから (* 補足) 解放してくださった (* liberasti)。

--------------------
+ in (前置詞、奪格を取る) : (何々) の中に、(何々) に
文法書を見ても辞書を見ても spero in ... という構文のしくみをちゃんと説明するのに参考になるところが見つからないのですが (英語には trust in ... とそのままな構文があるのですが)、辞書の例文の中に1つこれとほぼ同じ表現がありました。
in eo summa eloquentia, summa fides 
in eo (彼) summa (最大の) eloquentia (雄弁), summa (最大の) fides (信頼)
彼には最大の雄弁の力、すなわち(我々または人々にとっての) 最大の信頼性があった。
誰々の中に (in) これこれの性質がある、という表現に用いる in だそうです。
だから spero in ... は誰々の中にこれこれの性質があると期待する、これこれの性質があることを信用する、という意味です
+ te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は奪格です。
+ speraverunt > spero : (目的語なしで) 希望を持つ  /  (目的語を取り) 期待する、信用する、信頼する ----- 構文 ----- 何々を (対格) 期待する、信じる、誰々を (対格) 信用する、何々ということを (不定詞、ut 節) 期待する、信じる、何々に関して (de ...) 期待を持つ、希望を持つ
in ... という構文が辞書には載ってませんでした。
----- speraverunt は完了形、三人称複数です。彼らは期待した。
+ patres > pater (男性名詞) : 父  /  (複数形で) 父祖、先祖
----- patres は複数、主格です。父たちは。
+ nostri > noster (人称形容詞) : わたしたちの
----- nostri は複数、主格で patres を修飾します。patres と性、数、格が同じ。
+ speraverunt は spero の完了形、三人称複数です。彼らは期待を抱いた。
+ et : そして and
+ liberasti > libero : (誰々を) 自由にしてやる、解放する ---- 第一の意味では隷属状態からの解放、そこから派生して借金、義務からの解放、さらに困難、難局からの解放つまり救助救済を意味するようになったのらしいです。
----- liberasti は完了形、二人称単数です。(正式には liberavisti で、liberasti は v をつけない省略形です。) あなたは解放した、という意味です。
+ eos > is (代名詞) : 彼、それ ----- eos は男性、複数、対格です。彼らを、という意味です。
 
--------------------











Ad te clamaverunt patres nostri,
clamaverunt et non sunt confusi.
--------------------
あなた (* te) に (* ad) わたしたちの (* nostri) 父祖たちは (* patres) 大声で呼び掛けました (* clamaverunt)。
彼らは大声で叫びました (* clamaverunt) 。そうです (* et)、死のさなかに生きつつも (* 補足) 彼らはくじけなかった (* non sunt confusi) のです。

--------------------
+ ad (前置詞、対格を取ります) : (何々) へ、(何々) に向かって
+ te > tu : あなた ----- te は対格です。
+ clamaverunt > clamo : 叫ぶ、大声で呼び掛ける
----- clamaverunt は完了形、複数、三人称です。彼らは叫んだ。
+ patres > pater (男性名詞) : 父  /  (複数形で) 父祖
----- patres は複数、主格です。父たちは、という意味です。 
+ nostri > noster (所有形容詞) : わたしたちの ----- nostri は男性、複数、主格で、patres を修飾しています。
+ et : そして  /  (前言をさらに包括的に補足するとき) そう、言ってみれば、というか、要するに、ということはつまり ----- 例 : 彼はそれを誉める、そう、いつもだよね。火星の動きについて、太陽の距離について、云々、云々、というか、天に関するすべてについて学んでいた。   /  (前言に補足をするとき) しかも、さらにその上  /  (前言を強く肯定しつつ、または相手の言葉に強く同意しつつ、証拠などでそれを応援補強する文を付け加えるときに) そして事実、それに実際、そしてほんとに ----- 例 : 彼は約束してくれた。そして実際約束どおりにしてくれた。これこれというのが彼らの計画だった。そして事実、事はそのように運んだ。みんなが彼を馬鹿と言っている。そして事実ほんとうに、彼は馬鹿なのだ。
+ non (否定辞) : (何々で) ない、(何々し) ない
+ sunt > sum : be 動詞です。ある、いる、(何々) である
----- sunt はh現在形、複数、三人称です。彼らは (何々) である。ただしここでの sum は動詞の過去分詞 (confusi)とペアで受動の完了形を作る用法です。sunt confusi でペアでひとつの完了形動詞の意味になります。
+ confusi > confundo : (何々と何々を) いっしょに混ぜる  /  (何々と何々を) 結びつける  /  ごたごたに混ぜて (何かの順序や秩序や区分や区別を) めちゃくちゃにする、混乱させる  /  (人の精神の秩序を) めちゃくちゃにする、混乱させる --- 辞書の例文を見ると、感情面でも記憶力でも知力でもいいらしいです  /  (人の健康、体調を) 崩す
----- confusi は過去分詞で、男性、複数、主格です。(男性、単数、主格は confusus、英語の confuse の語源です。) ここでは sum とペアで受動の完了形をつくっています。confusi
sunt で彼らはめちゃくちゃにされた、という意味です。
confusi というふうに男性、複数、主格になっておるのは、主語である patres の男性、複数、主格に合わせてるのです。
sunt と複数形になっているのも patres が主語だからです。
--------------------------






Gloria Patri et Filio
et Spiritui Sancto.
-------------------------
わたしたちの (* 補足) 父 (* patri) と (* et) その息子さん (* filio) と (* et) わたしたちに宿った (* 補足) 清い (* sancto) 息に (* spiritui こう訳したのはただ参考までにです。既に知られている通りに訳したのではぼくが訳す意味がまったくないので。) よい評判と賞賛が (* gloria) ありますように (* sit を補う)。

-------------------------
+ gloria (女性名詞) : 好意的なうわさ、よい評判、人々からの賞賛、名声、名高いこと、名誉
----- gloria は単数、主格です。好意的なうわさが、という意味です。
+ patri > pater (男性名詞) : 父 ----- patri は単数、与格です。---------- 主格名詞 (例 : gloria) + 与格 (例 : patri) + est (be動詞) で、誰々に (父に) 何々が (名声が) ある (est) という意味になります。だから be動詞を補って訳しました。--------- でも、与格には方向を表す働きがあるので、世の賞賛が父、子、聖霊へ、という訳でいいのかもしれません。
+ et : (何々) と ----- 英語の and です。
+ filio > filius (男性名詞) : 息子 ----- filio は単数、与格です。
+ spiritui sancto > spiritus sanctus : 聖霊 ----- spiritui sancto は単数、与格です。
+ spiritui > spiritus ( 男性名詞) : 静かな風  /  空気  /  匂い  /  息  /  息 = 命  /  (生きている人の内面を指して、例えば雄々しいとか、高潔なとか、徳の高いとか、ロマンチックなとか) 魂、霊、精神、心  /  (聖霊、悪霊、精霊などを指して) 魂、霊、霊的存在
----- spiritui は単数、与格です。
cf. spiro : (風、熱気、匂い、奔流などが) 吹く、吹きつける、噴出する、吹き出す  /  息をする、呼吸する  /  (何々に対して、+与格) 好意的である  /  (対格の目的語をとって、何々を) 吹き出す、噴出する、吐き出す、発散する (風を、ガスを、匂いを、炎を、血を、色彩を、怒りを、愛情を、兄弟風を吹かす、雰囲気を醸し出す)
+ sancto > sanctus (動詞 sancio の過去分詞) : 神聖な不可侵のものとされた  /  (神に、善に) 捧げられた = 尊い、聖なる、清い、善い
----- sancto は男性、単数、与格です。spiritui に合わせています。
+ sit (ぼくの補足) > sum : ある ----- sit は接続法、現在、単数、三人称です。この接続法は願望を表す接続法で、あってほしい、とか、あるべし!とか、あれ!というような意味です。三人称単数は主語が gloria だから。






-------



ペルゴレージは非常にきれいな男だったらしいです。

スターバト・マーテルの訳をずーっと前に投稿しましたが、その当時は単語リストをつくる習慣がありませんでした。だからこれから作ります。
作業が進むごとにこのページを更新します。


8月3日更新
8月4日更新
8月9日更新
8月16日更新
8月18日更新
8月20日更新
8月21日更新
8月24日更新
8月30日更新
9月6日更新
9月12日更新
9月19日更新
9月21日更新
9月28日更新
10月3日更新
10月4日更新
10月5日更新
10月11日更新
10月20日更新
10月24日更新
10月27日更新
11月2日更新
11月4日更新
11月10日更新
11月23日更新
12月8日更新
12月13日更新
ようやく終了。



字数制限の関係でパート2です。
ずっと下のほうで始まるので、画面を下げていってみてください。




Stabat Mater dolorosa
(Mother was standing with sorrow)
(お母さんは悲しみ立っていた)




iuxta crucem lacrimosa,
dum pendebat filius;
(by the cross crying in tears,
while her son was hanging there;)
(十字架のそばで涙を流して、息子が十字架に下がっている間ずっと)



cuius animam gementem
contristatam et dolentem
pertransivit gladius.
(her soul sighing and sad and painful the sword penetrated.)
(ため息をつき、悲しみに満ち、苦痛に満ちた母の魂を、剣は貫いた)
*** これはずっと前の投稿の訳ですが、今日見直してみると、母の魂でなく、息子の魂と読むのが正しいようですね。キリストを貫いたのは剣でなく槍だったような気がしますが。
(his groaning soul sad and aching the sword penetrated.)
(悲しみに満ち、苦しみに満ちてうめく彼の魂を、剣は貫いたのだった)




o quam tristis et afflicta
fuit illa benedicta
mater unigeniti!
(Oh how sad and afflicted was the blessed one, the mother of the only-child !)
(おお、祝福された一人子の母が、なんと悲しく打ちのめされていることか!)




quae maerebat et dolebat,
pia mater, dum videbat
nati poenas inclyti.
(She mourned and was feeling pain.
Pious mother while she was seeing her famous son's punishment.)
(彼女は嘆き、苦しんでいた、きよい母は、その名高い息子が懲らしめられるのを見ながら。)





quis est homo, qui non fleret,
matrem Christi si videret
in tanto supplicio?
(Who is the man, who doesn't weep, when he sees the mother of Christ in such a torment?)
(もしキリストの母がこれほどの責め苦に会っているのを見て、泣かないとしたら、そいつはいったい誰だ?
or
誰が泣かずにいられようか、キリストの母がこれほどの責め苦に会っているのを見て?)
quis non posset contristari,
Christi matrem contemplari
dolentem cum filio?
(Is there a man who can't be saddened when he contemplates on the mother of Christ feeling pain with her son?)
(誰が悲しまずにいられようか、キリストの母がその子と苦しんでいるのを見て?
or
キリストの母がその子と苦しんでいることを考えながら?)




eia, mater, fons amoris,
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Come ! Mother, the spring of love, make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you!)
(ああ!キリストのお母さん、愛の泉よ、わたしに苦痛の激しさを感じさせてください、わたしもあなたとともに嘆くことができるように、さあどうか!)
fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum,
(Make me feel it so that my heart burn in the love of Christ the God!)
(わたしに苦しみを感じさせてください。わたしの心が神キリストへの愛に熱くなるように。)



Pro peccatis suae gentis
vidit Iesum in tormentis,
et flagellis subditum.
(She saw Jesus in torment, given under the whips, for the sins of the people which he belonged to.)
(イエスが自分の同族のために拷問に会い、鞭の下に置かれているのを彼女は見た。)




Vidit suum dulcem Natum
moriendo desolatum,
dum emisit spiritum.
(She saw her sweet Son left alone in death, till he let go of his spirit.)
(彼女はいとしい息子が死の中に打ち捨てられ、魂を手放すところまで見た。)





Eia, Mater, fons amoris
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Ah, Mother! the spring of love! Make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you !)
(ああ、母よ!愛の泉よ!わたしに苦痛の激しさを感じさせてください。わたしもあなたとともに嘆くことができるように。)
Fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum
ut sibi complaceam.
(Make me feel it, so that my heart may burn in the love of Christ the God, and in that way I will please him.)
(苦痛を感じさせてください。わたしの心臓が神キリストへの愛で熱くなるように。そうして彼を喜ばせられるように。)





Sancta Mater, istud agas,
crucifixi fige plagas
cordi meo valide.
(Holy Mother! Do that again! Fix the crucified one's wounds and afflictions to my heart home!)
(尊い母よ、またあれを、あなたの得意技をやってください ! つまり、十字架につけられた人の傷を苦しみをわたしの心に強く強く押しつけてください !)






パート2





Tui Nati vulnerati,
tam dignati pro me pati,
poenas mecum divide.
(Divide to me the punishments of your Son wounded as much as he thought worthy for me to suffer.)
(あなたの傷ついた息子さん、わたしのためにあんなにまで苦しみに堪え、それに意味があると思ってくださった方、あの方に課せられた罰をわたしにも分けてください。)
--------------------
+ tui > tuus (所有形容詞) : あなたの ----- tui > は男性、単数、属格で、Nati と性、数、格が一致しています。つまり Nati を修飾。
+ Nati > natus : 息子 (nascor 生まれる、の過去分詞 natus 生まれた、の男性単数の形を男性名詞として扱っている)
----- nati は単数、属格です。息子の、という意味。Nati と大文字になっていますが、イエスキリストを表すキリスト教用語となっているのでしょう。
+ vulnerati > vulnero : 傷つける、害する、怪我させる / 心を傷つける、害する、悩ます
----- vulnerati は過去分詞 vulneratus 傷つけられた、の男性、単数、属格です。Nati を修飾します。
+ tam (副詞) : (程度)こんなにも (これ、わたしのこれ、わたしのそばにあるこれ hic を指して)、そんなにも (それ、あなたのそれ、あなたの知ってるそれ iste を指して)、あんなにも (あれ、わたしたちから遠いあれ ille を指して)
+ dignati > dignor : (+不定詞) 何々することに意義を見出だす、何々することを価値ありと見なす
----- dignati は過去分詞 dignatus 価値ありと見なした (能動的意味です)、の男性、単数、属格です。Nati と性、数、格が一致しています。つまり Nati を修飾します。
+ pro (前置詞、奪格をとる) : (誰々)のために、(誰々) に代わって
+ me > ego : わたし ----- me は単数、奪格です。
+ pati > patior : (苦しみを表す単語を対格にとり) 堪える、(目的語なしで) 苦しみを堪える ----- 辞書の例文見てみると、ただ苦しむというより頑張って堪えるという意味のようです。
----- pati は不定詞です。
+ poenas > poena : 罪を償うこと、償いの行為 ; 罰則、罰 ----- poenas do, solvo, pendo, dependo, reddo これらの動詞は皆、支払う、という意味です。償いの義務を支払うみたいなことで、罰を受けるという意味になります。poenas luo この動詞は洗う、洗い落とす、清める、という意味です。(償いの義務を洗い落とすということです。罰を受けるという意味になります。) 上の poenas solvo も、自分を縛りつけている義務をほどく、解消するという意味で、poenas luo と似ています。この償う、償いの行為をする、償いの義務を果たす、という「受ける罰」の意味が poena の主たる意味らしく、たくさんある例文のうち (Lewis and Short) poena aliquem afficio と poena multo という「与える罰」のほうの意味の用例はたった2つしかありませんでした。 /
苦しみ、苦境
+ mecum : =cum me わたしと
cum (前置詞、奪格をとる) : (誰々) と
me > ego (わたし) の奪格
+ divide > divido : 分ける ----- 構文 : dividere inter amicos 友達同士で分け合う、dividere cum amico 友達と分け合う
--------------------




Fac me tecum pie flere,
crucifixo condolere,
donec ego vixero.
(Make me weep with you piously, feel pain with the crucified, as long as I live.)
(わたしをあなたとともに泣かせてください、あなたは母親の愛情で、わたしは弟子の忠誠心から。十字架に掛けられた方といっしょに苦しませてください。わたしが生きているかぎりの間。)
*** 最後の donec ego vixero をずっとまえ、わたしが生きているかぎりの間、と訳していましたが、まちがいで、わたしが死ぬまで、という意味です。また、このvixero が vivesco の未来完了なら、わたしが命を得るまで、または、わたしが元気を取り戻すときまで、という意味になります。
--------------------
+ fac > facio : 誰々に (対格) 何々する (不定詞) ようにさせる
----- fac は命令形です。させろ。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし ----- me は対格です。
+ tecum : =cum te
cum (前置詞、奪格をとる) : (誰々) と
te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は奪格です。
+ pie > pius : (国、市、法律、規律、正義、宗教、神、親、長上、殿、主人、我が子などに対して) 義務をしっかり果たす、義務感のある、まじめな、忠実な、信仰の厚い、真心ある、良心のある、良心的な
----- pie はこの形容詞の副詞形です。例えば、まじめに、とか、真心をこめて、などといった意味です。
+ flere > fleo : 泣く、悲しむ ----- flere は不定詞です。
+ crucifixo > crucifixus : 十字架につけられた ----- ここでは男性単数形を十字架につけられた男という名詞として使っています。
----- crucifixo は与格です。
+ condolere > condoleo : (誰々と、与格) いっしょに苦しむ、ともに悩む、(誰々に、与格) 同情する
con- いっしょに、ともに
doleo 苦痛を感じる、苦しむ
----- dolere は不定詞です。
+ donec (接続詞) : (なになに) まで
+ ego (人称代名詞) : わたし
+ vixero > vivo : 生きている、命を持っている / 存命である
/ 人生を過ごす ----- 現在完了形で vixi わたしは生きた、生きることを完了した、というと、つまりわたしは死んだ、死んでいる、という意味になります。ここの未来完了 vixero も未来のある時点で生きることを完了している、死んでいる、という意味です。
/ 生きていることを楽しむ、人生を楽しむ
----- vixero は未来完了、一人称単数です。わたしは (未来のある時点で既に) 生きることを完了しているだろう。
+ vixero > vivesco : 命を得る、生まれる / 生き生きとしてくる、元気になる、活発化してくる
----- vixero は未来完了、一人称単数です。わたしは (その時点で既に) 命を得ているであろう。
--------------------




Iuxta Crucem tecum stare,
et me tibi sociare
in planctu desidero.
(I want to stand with you by the Cross, and join you beating the chest in lamentation.)
(わたしは十字架のそばにあなたと立ちたい。あなたが悲しみ胸をたたくのに加わりたい、ほんとに。)
--------------------
+ juxta (前置詞、対格をとる) : (何々) のとなりに、(何々) のそばで
+ crucem > crux (女性名詞) : 十字架 ----- crucem は対格です。
+ tecum = cum te
cum (前置詞、奪格をとる) : (誰々) と
te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は奪格です。
+ stare > sto : 立っている ----- stare は不定詞です。
+ et : and
+ me > ego (人称代名詞) : わたし ----- me は対格です。わたしを。
+ tibi > tu (人称代名詞) : あなた ----- tibi は与格です。あなたに。
+ sociare > socio : 結びつける ----- 何々を (対格) 何々に、何々と (与格、または in 対格や cum 奪格など) / 結婚、性的関係において結びつける / (何々を、対格) 共有する、シェアする ----- sociare は不定詞です。
+ in (前置詞、奪格をとる) : (場所、行為、状況) において
+ planctu > planctus (男性名詞) : 大きな音をたてて叩くこと、ガンガンとか、バンバンと
か、ドンドンとか、パンパンとか / 胸や手、顔などを叩いて人の死や国の滅亡などを嘆くこと
----- planctu は奪格です。in planctu 嘆くことにおいて、嘆きながら。
+ desidero : 猛烈に欲する、猛烈にしたいと欲する ---- 何々を (対格)、何々することを (不定詞)、誰々が (対格) 何々することを (不定詞)
----- desidero は現在、一人称単数です。わたしはしたい。
--------------------




Virgo virginum praeclara,
mihi iam non sis amara,
fac me tecum plangere.
(Oh virgin of virgins most splendid, May you be no longer bitter to me, Make me beat the chest in lamentation with you.)
(輝かしい、処女の中の処女よ、今はもうわたしに八つ当たりしなくてもいいでしょう。もう不機嫌は直ったのではないですか?わたしにあなたといっしょに悲しみ胸をたたかせてくださいよ。)
--------------------
+ virgo (女性名詞) : 乙女、処女 / 大文字で Virgo はカトリックで聖母マリアを指す
----- virgo は単数、主格または呼格です。ここでは呼格 (呼びかけの格) でしょう。乙女よ。
+ virginum > virgo の複数、属格です。乙女たちの。
何々の中の何、例えば乙女の中の乙女、王の中の王、男の中の男、という表現で、乙女の中の、王の中の、男の中のを複数属格 virginum、regum、virorum で表します。乙女の中の乙女 virgo virginum、王の中の王 rex regum、男の中の男 vir virorum。
+ praeclara > praeclarus (形容詞) (prae とても + clarus) : とても明るい、輝いている、とてもはっきり見える / とてもはっきり聞こえる / 明らかな、明瞭な、明明白白な、歴然たる / たいへん輝かしい、華々しい、大いなる栄光の中にある、非常にもてはやされている、たいそうほめそやされている、特に著名な、ものすごく有名な
----- plaeclara は女性、単数、主格または呼格。たぶんここでは呼格で、virgo と同じ性、数、格です。つまり virgo を修飾します。
+ mihi > ego (人称代名詞) : わたし ----- mihi は与格です。わたしに、わたしに対して。
+ jam : 今、今は、たった今、ちょうど今、今このときに / もう、既に / (命令で、相手を急き立てるときに) さあ!早く!
+ non : 英語の not
+ sis > sum : 英語の be
----- sis は接続法、現在、二人称単数です。あなたは何々である。
接続法はここでは可能性を表してると思います。(命令や願望を表すなら non でなく ne を使うから。) あなたは何々であるかもしれない。あなたは何々であるのではないか、とわたしは思う。
+ amara > amarus (形容詞) : (味) 苦い / (音) 聞きづらい、鋭い / (匂い) 不快な / (五感以外) 苦い (思い出、など)、災難な (一日、など)、悲しい (人の死、など)、酷な、酷い / (人のしゃべり方、言葉) 厳しい、皮肉な、辛辣な、刺さるような、つけつけと言う、酷な / (人の性格、態度) 気難しい、人に厳しい、細かい、気短な、怒りっぽい、意地の悪い、つっけんどんな、邪険な、酷な
+ fac > facio : させる ----- 構文 : 誰々に (対格) 何々 (不定詞) させる
----- fac は命令形です。させろ。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし ----- me は対格です。
+ tecum = cum te
cum (前置詞、奪格をとる) : (誰々) といっしょに
te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は奪格です。
+ plangere > plango : 音をたてて叩く / 喪の悲しみを表して (胸、頭などを、対格) 叩く / 大声で人の死を嘆く、声に出して喪の悲しみを表す、声に出して失ったものを嘆く ----- 構文 : 目的語なしで、または嘆きの対象である死者や失ったものを対格でとる。filium (filius の対格) plangit (彼女は息子の死を嘆いている)
----- plangere は不定詞です。
----- 前の連に出てくる planctus は plango を名詞化したものです。
--------------------



Fac, ut portem Christi mortem,
passionis fac consortem,
et plagas recolere.
(Make me carry the death of Christ, Make me a brother of passion think about his wound again and again.)
(わたしに、キリストの死を携えて生きさせてください。受難の兄弟であるわたしにキリストの傷のことをいつまでも考えさせてください。)
--------------------
+ fac > facio : (何々が何々するように、何々が何々となるように、という意味の ut 節を従えて) (何々が何々するように、何々が何々となるように) する、はからう
----- fac は命令形です。はからえ。
+ ut : (接続法の節の頭について) (何々が何々する、何々が何々となる) ように (目的)
+ portem > porto : 運ぶ / (苦を) 堪え忍ぶ、我慢する ; 苦しむ
----- portem は接続法、現在、一人称単数です。わたしが運ぶ。ut portem でわたしが運ぶように。
+ Chtisti > Christus の属格。キリストの、という意味。
+ mortem > mors (女性名詞) : 死 / 死体
----- mortem は対格です。死を。死体を。上の訳では、キリストの死を心の中にずっと持ちつづける、という意味に訳しましたが、porto Christi mortem はキリストの死体を運ぶという意味にもなります。
+ passionis > passio : キリストの受難 ----- passionis は単数、属格です。受難の、という意味。
+ fac > facio : させる ----- 構文 : 誰々を (対格、ここでは consortem) 何々 (不定詞、ここでは recolere) させる。
+ consorten > consors (形容詞) : 所有物を共有する、(何かを) 共有して生活している ; (名詞として、男性としても女性としても) 共有者、パートナー / 兄弟の、姉妹の ; (名詞として) 兄弟、姉、妹 / 何かを (属格) 分け合う、共有する
----- consortem は男性名詞として扱っていて、単数、対格です。(わたしという) 共有者を。
+ et : たぶんここでは and という意味ではなく、plagas を強調する助詞的な働きをしていると思います。
+ plagas > plaga (女性名詞) : 殴打、むち打ち / (殴打、むち打ちによる) 傷、怪我 / 鞭の痕のみみず腫れ / 不幸、不運 / 苦しみ、悩み / 滅び、全滅
----- plagas は複数、対格です。たくさんの傷を。
+ recolere > recolo : (何々のことを、対格) 考える、思い出す
----- recolere は不定詞です。
--------------------




Fac me plagis vulnerari,
fac me Cruce inebriari,
et cruore Filii.
(Make me be wounded by your son's wounds, Make me drunken with your son's torment on the Cross and his blood.)
(わたしに傷を受けさせてください。あなたの息子さんの十字架上の苦しみと傷口から溢れる血に酔わせてください。)
--------------------
+ fac > facio : (何々が起こる) ようにする、ように計らう ----- 構文 : 誰々をが (対格) 何々する (不定詞) ようにする
----- fac は命令形です。せよ。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし ----- me は対格です。
+ plagis > plaga (女性名詞) : 殴打、叩くこと、打つこと、むち打ち / 殴打、むち打ちの傷、切り傷、刺し傷、傷痕、みみず腫れ / 不幸、不運 / 苦しみ、悩み
----- plagis は複数、奪格です。この奪格は手段 (何々によって) を表します。むち打ちによって。
+ vulnerari > vulnero : 傷つける、ダメージを与える / (精神的に) 傷つける
----- vulnerari は受動の不定詞です。fac me vulnerari わたしが傷つけられるようにせよ。
+ cruce > crux (女性名詞) : はりつけ刑の木または木枠、十字架 / 責め苦、苦悩、悲惨な状況、破滅
----- cruce は奪格です。奪格はここでは手段を表します (何々によって)。責め苦によって。
+ inebriari > inebrio : (誰々を) 酔わせる
----- inebriari は受動態の不定詞です。fac me inebriari わたしが酔うようにせよ、わたしを酔わせろ。
+ et : and
+ cruore > cruor (男性名詞) : 傷口から流れる血 / 流血沙汰、殺人
----- cruore は奪格で、手段を表します。血によって。
+ Filii > filius : 息子 / 大文字で書きはじめるとキリスト教のイエス・キリストを表す <子>
---- filii は単数、属格です。息子の、という意味です。
--------------------




Flammis ne urar succensus,
per te, Virgo, sim defensus
in die iudicii.
(That I should not burn with the flame set on me, let me be defended on the day of judgement, by you oh Virgin.)
(わたしが燃え上がる炎に巻かれて焼き滅ぼされることがないよう、あなたによって、処女でおられる方よ、審判の日に護ってもらえますように。)
--------------------
+ flammis > flamma (女性名詞) : 燃え上がる火、炎 / (体温の) 高熱 / (愛や怒りなどの感情の) 炎、情熱 / (争い、戦争、妬み、空腹感などの激しさを炎にたとえて) 激しさ
----- flammis は複数、奪格です。この奪格は道具や手段媒介を表す奪格で、何々によってという意味です。炎によって。
+ ne : 否定辞、non のように動詞を打ち消す。non はただの客観的打消しですが、ne は話し手や書き手の何々でないといいなという主観的な気持ちを表現します。
願望または命令を表す接続法の文で、 焼けないように、だったら ne urar 、
反対に、焼けるように、だったら ut urar となります。
ne と ut は接続法の動詞が願望または命令を表してることをはっきりさせる役割をします。
ne は何々でなければいいなという気持ちを含み、ut は何々だといいなという気持ちを含む。
+ urar > uro : 焼く、燃やす / 焼き尽くす、火で滅ぼす、焼き払う / (愛や怒りなどの感情の火で) 苦しめる / (いやがらせなどで) 苦しめる
----- urar は接続法、現在、一人称単数です。わたしが燃える。
----- ne urar は将来の審判の日においてということですが、接続法には未来形がなく、未来のことを表すときは現在形を使います。
+ succensus > succendo : 火をつける / (愛や怒りなどの感情に ) 火をつける --- Castora (castor の対格) カストルの感情に、Castora amore (カストルを愛で燃やす)、furorem cantu (怒りの狂乱を歌によって燃え立たせる)
+ per (前置詞、対格をとる) : 誰々によって、誰々の手で、誰々を通じて
+ te > tu (人称代名詞) : あなた ----- te は対格です。奪格も同形 te ですが、ここでは対格です。
+ virgo (女性名詞) : 乙女、処女 ----- virgo は呼格です。主格も同形ですが、ここでは呼格です。
+ sim > sum : be 動詞 ----- sim は接続法、現在、一人称単数 (わたしが主語) です。接続法はここでは願望を表す用法です。接続法には他にも命令を表す用法と、可能性を表す用法があるので、それと区別してもっとはっきりと願望の文であることを示すには ut や utinam をつけて ut sim defensus とか utinam sim defensus とします。
+ defensus > defendo : 守る / 弁論で守る、弁護する
----- defensus は過去分詞です。男性、単数、主格。この詩の語り手、主語は男性です。
----- sim defensus というと、現在完了形であり、現在においてわたしは既に弁護され終っている (それを願いたい)、というような意味に一見見えますが、ここでは実はラテン語にはない受動の未来完了形の代用になっていて、(将来の最後の審判が終わったとき) わたしは既に弁護され終っているだろう (それを願いたい)、という意味です。
----- でなければ過去分詞 defensus がただの形容詞扱いされている (守られている、という意味の) のかもしれません。で、接続法、現在の sim は未来のことを表し、(将来に審判の日に) わたしは守られている (それを願いたい) という意味になっている。
+ in (前置詞、奪格をとる) : 何々において
+ die > dies (男性名詞) : 日 ----- die は単数、奪格です。
+ judicii > judicium (中性名詞) : 裁判、審問 / 判決
----- judicii は属格です。裁判の、という意味。dies judicii は裁判の日、判決の日。元々こういう法律的な言葉なので、火で焼かれるという文句も現実の火あぶりの刑をイメージして書いてるのでしょう。
--------------------




Christe, cum sit hinc exire,
da per Matrem me venire
ad palmam victoriae.
(Oh Christ, if there be departure from here, through your Mother let me come to the palm of victory.)
(キリストよ、わたしがこの世を去ることができるように!そのときが来たら、あなたのお母さんにかけてどうか、わたしをあなたの待つゴールへ一位で着かせてください。)
--------------------
+ Christe > Christus : キリスト ---- Christe は呼格 (呼びかけの形) です。キリストよ。
+ cum (接続詞) : (時間) とき ----- ふつうは直接法の動詞を取る。接続法は英語の you のような不特定の人を意味する二人称でしか用いられない。例えば when you walk that street, you never fail to spot this strange person のような誰でも必ず法則的に或ることをするという意味の。というのが原則であったけれども、自由に接続法を取っているケースもある。ぼくはここの sit hinc exire は作者の願望を表してもいると思います。接続法を願望の意味で使うのは独立文または主節においてであって、この文のような従属節においてはそういう使い方はしないというのがルールらしいですが。
+ sit > sum : be / (不定詞と、ギリシャ語の esti + 不定詞の構文の模倣) 何々することが可能である、何々であることがありうる、何々することは許される
----- sit は接続法、現在、三人称、単数です。
+ hinc (副詞) : ここから、この場所から / この世から
+ exire > exeo : ex (out) + eo (go) : 出ていく / (軍事) 行進して出ていく、出軍する、進軍する / 抜け出す、抜け出る / 出帆する、出航する / de vita exeo, e vita exeo, vita exeo 死ぬ
----- exire は不定詞です。
+ da > do : 与える / 許す、許可する ----- ここは来ること venire を許すという意味に違いないと思いますが、不定詞をとる用例は辞書には載っていませんでした。
----- da は命令形です。許可せよ。
+ per (対格をとる前置詞) : 誓い、懇願、断言において、神に懸けて、とか、ヘラクレスに懸けて、とか、わたしの命に懸けて、とか言うときの < に懸けて >
+ matrem > mater : 母 ----- matrem は単数、対格です。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし
+ venire > venio : 来る ----- venire は不定詞です。da (許可せよ) me (わたしに) venire (来ることを)
----- 英語の come のように相手のいるところへ行く、という意味で使えるようです。キリストよ、あなたのいるところへ。
+ ad (対格をとる前置詞) : (方向) 何々へ、何々へと、何々まで
+ palmam > palma (女性名詞) : てのひら / 手 / ヤシの木 / ヤシの枝 / ギリシャ人の運動競技で、勝利者に与えられるヤシの枝、勝利の印としてのヤシの枝 ; 勝利
----- palmam は対格です。
+ victoriae > victoria (女性名詞) : 勝利 / 勝利の女神 ----- victoriae は単数、属格です。勝利の、という意味です。
----- ad palmam victoriae は勝利のヤシの枝へと、または、勝利へと、という意味。勝利の女神のてのひらへ、ともとれますが、このキリスト教の詩に勝利の女神という異教の神が出てくるはずはないので、ちがうと思います。
--------------------





Quando corpus morietur,
fac, ut animae donetur
paradisi gloria. Amen.
(When my body perishes, please arrange that the glory of paradise be given to the soul. Amen.)
(わたしの肉体が死ぬとき、わたしの霊魂に天国の住人たちから称賛が与えられるようにしてください。わたしの言ったことが実現しますように、アーメン。)
--------------------
+ quando (接続詞) : 英語の when
+ corpus (中性名詞) : 体、肉体 ----- ここに出ている corpus は単数主格です。体が、という意味です。
+ morietur > morior : 死ぬ ----- morietur は未来形、三人称単数です。(体が) 死ぬだろう
+ fac > facio : ut 節といっしょに facio ut ... で、...となるようにする、という意味になります。例えば彼らが助かるようにする、彼らが助かるように計らう。
----- fac は命令形です。(... となるように) してくれ。
+ ut : 接続法の動詞をとって (これこれが何々となる、だれだれが何々する) ように (蝶のように、の比喩のようにではなく、合格しますように、の目的や結果を表す方のように)
+ animae > anima (女性名詞) : 魂 ----- animae は単数、与格です。魂に。ここでは meae animae わたしの魂に、という意味でしょう。
+ donetur > dono (不定詞 donare) : 贈る / 授ける ----- donetur は接続法、現在、受動態、三人称単数です。gloria が贈られる。接続法になる理由は目的を表す ut 節の中で使われているから。
+ paradisi > paradisus (ギリシャ語の paradeisos から、男性名詞) : 園、庭、庭園 ; malorum りんご園、pomorum 果樹園 / エデンの園 / 祝福された人々の住む園、天国
----- paradisi は単数、属格です。園の、という意味です。
+ gloria (女性名詞) : 名声、褒め称えられる境遇、名声ある境遇、栄誉、栄光
----- gloria は単数、主格です。名声が、という意味。
+ amen : (自分の言った言葉、または人の言った言葉に対して) そのようにあれ、そのとおりであるように
--------------------
スターバト・マーテルの訳をずーっと前に投稿しましたが、
http://blogs.yahoo.co.jp/dakuserukun/26333462.html
その当時は単語リストをつくる習慣がありませんでした。だからこれから作ります。
作業が進むごとにこのページを更新します。


8月3日更新
8月4日更新
8月9日更新
8月16日更新
8月18日更新
8月20日更新
8月21日更新
8月24日更新
8月30日更新
9月6日更新
9月12日更新
9月19日更新
9月21日更新
9月28日更新
10月3日更新
10月4日更新
10月5日更新
10月11日更新




Stabat Mater dolorosa
(Mother was standing with sorrow)
(お母さんは悲しみ立っていた)
--------------------
+ stabat > sto (動詞) : 立っている / 立つ、立ち上がる
----- stabat は imperfect 未完了過去の三人称単数。was standing 立っていた。Imperfect は過去における継続的な、持続性のある行為を表します。行為には持続性があるものと一回やって終わりのものがあります。例えば、立っている、は持続性があり、立つ (立ち上がる)、は一回やって終わりです。
+ mater (女性名詞) : 母 ----- mater は単数、主格です。
+ dolorosa > dolorosus (形容詞) : dolor に満ちた ----- dolorosa は女性単数です。
関連語 dolor (男性名詞) : (肉体的) 苦しみ / (精神的) 苦しみ、悲しみ、悩み、面倒





iuxta crucem lacrimosa,
dum pendebat filius;
(by the cross crying in tears,
while her son was hanging there;)
(十字架のそばで涙を流して、息子が十字架に下がっている間ずっと)
--------------------
+ iuxta (対格をとる前置詞) : (何々の) 隣に、そばに、傍らに、(何々の) 隣で、そばで、傍らで、(何々の) 隣の、そばの、傍らの / (何々) にしたがって、(何々) に則して ----- 例: 法に、慣習に、命令に / (何々) に釣り合うように、(何々) にふさわしく ----- 例: 王の身分にふさわしく / (何々) の結果、(何々) が原因で ----- 例: 怪我
+ crucem > crux (女性名詞、男性名詞扱いのこともあり) : 処刑に使う木、または木製の構造物。罪人をはりつけるか吊るした。特に十字架。 / 拷問、苦しみ、難儀、悲惨な境遇、破滅
----- crucem は単数対格です。
+ lacrimosa > lacrimosus (形容詞) : lacrima に満ちた / 人に lacrima を催させる、憐れな、悲しい気持ちにさせる
----- lacrimosa は単数、女性、主格です。
cf. lacrima (女性名詞) : 涙
+ dum (接続詞) : (何々する) 間
+ pendebat > pendeo : ぶら下がる ----- pendebat は imperfect 未完了過去、三人称単数です。imperfect は過去における行為の持続、持続性のある行為を表す。ぶら下がっていた。


cuius animam gementem
contristatam et dolentem
pertransivit gladius.
(her soul sighing and sad and painful the sword penetrated.)
(ため息をつき、悲しみに満ち、苦痛に満ちた母の魂を、剣は貫いた)
*** これはずっと前の投稿の訳ですが、今日見直してみると、母の魂でなく、息子の魂と読むのが正しいようですね。キリストを貫いたのは剣でなく槍だったような気がしますが。
(his groaning soul sad and aching the sword penetrated.)
(悲しみに満ち、苦しみに満ちてうめく彼の魂を、剣は貫いたのだった)
--------------------
+ cuius : 関係代名詞 qui (who) の男性、単数、属格 ----- 属格は「何々の whose」という意味になります。性は filius 息子、に一致しています。
ずっと前に投稿したときの読みでは、女性、単数、属格 ----- 属格は「何々の whose」という意味になります。性は mater と一致。
+ animam > anima (女性名詞) : 魂、命 / (感情の場としての) 心 ----- animam は対格です。魂を。
+ gementem > gemo (動詞) : ため息を漏らす、うめく / 不平を漏らす
----- gementem は現在分詞形 gemens の単数、対格、女性です。現在分詞は動詞 (うめく) を形容詞化した形 (うめく、うめいている) です。数、格、性は animam 魂と一致しています (animam を修飾するということ)。
----- gemo の完了形 gemui、過去分詞 gemitum。
+ contristatam > consristo (不定詞 contristare) : 誰々を悲しくさせる、悲しませる ----- contristatam は過去分詞形 contristatus の女性、単数、対格です。animam と性、数、格が一致しています (animam を修飾するということ)。
関連語 tristis : 悲しい、tristitia (女性名詞) : 悲しみ、悲しさ、憂鬱、tristor (不定詞 tristari) : 悲しむ
+ dolentem > doleo (動詞) : 苦しむ ----- dolentem は現在分詞 dolens の女性、単数、対格です。animam と一致 (animam を修飾)。
関連語 dolor
+ transivit > transeo (動詞) : 渡る、横切る、通る (trans --- over, beyond) + eo --- go) / 貫く
----- transivit は完了形、単数、三人称。通った。貫いた。
+ gladius (男性名詞) : 剣 / 殺人、死
----- gladius は単数、主格。主格は主語になります。剣は。
<< 豆知識 >>
gladius の縮小版 gladiolus (小さな剣) は安いのにとてもエレガントな花グラジオラスの語源です、というか同じ単語です。縮小辞 -olus をつけてつくる縮小語は小さな何々、という意味のほかに、かわいい何々、愛すべき何々、という意味にもなります。
関連語 gladiator (剣闘士)
--------------------



o quam tristis et afflicta
fuit illa benedicta
mater unigeniti!
(Oh how sad and afflicted was the blessed one, the mother of the only-child !)
(おお、祝福された一人子の母が、なんと悲しく打ちのめされていることか!)
--------------------
+ quam : なんと (何々だろう) !
+ tristis (形容詞) : 悲しい、悲しい気持ちの ----- tristis は主格、単数、女性で mater と一致しています (mater を修飾)。
+ et : and
+ afflicta > afflictus (動詞 affligo の過去分詞)
affligo : (何々を) (どこそこへ +ad, or +与格) 叩きつける / (誰々を) 弱らせる、失墜させる、破滅させる / (人の士気を、勇気を) 下げる、挫く、打ち砕く / (過去分詞 afflictus) (人の心が、運勢が) 気落ちした、落ちこんだ、惨めな、不幸な、憐れな、落ちぶれた
----- afflicta は女性、単数、主格で mater に一致 (mater を修飾)
関連語 fligo (叩きつける) --- affligo (= adfligo) は ad (どこそこへ) という方向性を表す語をくっつけて叩きつける激しい動きを強調
+ fuit > be 動詞 sum の完了形。三人称単数。彼女は (何々) だった。
+ illa > ille (指示形容詞) : あの ----- illa は女性、単数、主格で mater に一致 (mater を指示)。
+ benedicta > benedico : (誰々のことを) よく言う、ほめる、称賛する、認める、祝福する / 聖なるものとして俗なるものと区別する、聖なるものとして俗界から分離する、聖別する、清める
bene (よく) + dico (言う)
benedicta は過去分詞 benedictus の女性、単数、主格で、mater に一致 (mater を修飾)。祝福された、聖別された。
+ unigeniti > unigenitus : (教会用語) 神のひとり子
uni > unus (one)
genitus > gigno (産む) の過去分詞
----- unigeniti は男性、単数、属格です。属格は <何々の> という意味になります。ひとり子の。
--------------------



quae maerebat et dolebat,
pia mater, dum videbat
nati poenas inclyti.
(She mourned and was feeling pain.
Pious mother while she was seeing her famous son's punishment.)
(彼女は嘆き、苦しんでいた、きよい母は、その名高い息子が懲らしめられるのを見ながら。)
--------------------
+ quae > 関係代名詞 qui (who) の女性、単数、主格。mater が先行詞。
+ maerebat > maereo : 悲しむ ----- maerebat は未完了過去、三人称、単数。未完了過去 imperfect は過去における持続性のある動作を表します。(何時間か、何年間か) 悲しんでいた。
+ et : and
+ dolebat > doleo : 苦しむ ----- dolebat は未完了過去、三人称、単数。苦しんでいた。
+ pia > pius (形容詞) : 義務をしっかり果たす ----- 特に神への宗教的な義務、また親や師への義務、祖国への義務。----- まじめな、信心深い、良心のある、真心のある、清い、忠実な
+ dum (接続詞) : (何々している) 間
+ videbat > video : 見る ----- videbat は未完了過去 imperfect、三人称、単数。見ていた。
+ nati > natus (男性名詞) : 息子 ----- nati は単数、属格。子の、という意味。
+ poenas > poena (女性名詞) : 罰 / 苦境、苦悶、苦しみ、痛み
+ inclyti > inclytus (inclutus) (形容詞) : 有名な、もてはやされている、話題の、高名な、誉れ高き ----- inclyti は男性、単数、属格で、nati に一致 (nati を修飾)。
--------------------



quis est homo, qui non fleret,
matrem Christi si videret
in tanto supplicio?
(Who is the man, who doesn't weep, when he sees the mother of Christ in such a torment?)
(もしキリストの母がこれほどの責め苦に会っているのを見て、泣かないとしたら、そいつはいったい誰だ?
or
誰が泣かずにいられようか、キリストの母がこれほどの責め苦に会っているのを見て?)
quis non posset contristari,
Christi matrem contemplari
dolentem cum filio?
(Is there a man who can't be saddened when he contemplates on the mother of Christ feeling pain with her son?)
(誰が悲しまずにいられようか、キリストの母がその子と苦しんでいるのを見て?
or
キリストの母がその子と苦しんでいることを考えながら?)
--------------------
+ quis (疑問代名詞) : who ? ----- quis は男性女性、単数、主格です。誰が?または、(何々は) 誰?
+ est : be 動詞 sum の現在、三人称、単数
+ homo (男性名詞) : 人間、人 / 男 ----- homo は単数、主格です。quis と一致します。
+ qui (関係代名詞) : who ----- qui は男性、単数、主格です。
+ non : not
+ fleret > fleo : 泣く、涙を流す
----- fleret は接続法 subjunctive、未完了過去 imperfect、三人称、単数。qui が主語です。
接続法を使っているのは、反実仮想の仮定文では接続法を使うことになっているから。
si videret (実際見る機会はないだろうけど) もし見たら (videret も接続法、未完了過去です) という仮定に対して、fleret 泣いたはずだ、という推量になっています。
現在の反実仮想 (現在においてもし見たら、泣いたはずだ) では imperfect 未完了過去を使い、過去の反実仮想 (過去においてもし見たとすれば、泣いていたはずだ) では pluperfect 過去完了を使います。
+ matrem > mater (女性名詞) : 母 ----- matrem は単数、対格です。母を。
+ Christi > Christus : キリスト - --- Christi は属格です。キリストの、という意味。
+ si : if
+ videret > video : 見る ----- videret は接続法 subjunctive、未完了過去 imperfect の三人称、単数。
+ in (+奪格) : 何々の中で、何々の中の - e.g. in the box, in a miserable condition
+ tanto > tantus : (サイズ) そんなにも大きな、こんなにも大きな、(量) そんなにも多くの、こんなにも多くの、(程度) それ程までの、これ程までの
----- どのくらいか (例 : サイズ - 象くらい tantum corpus eius quantus elephantus、量 - 食べきれないくらい tantum cibum ut non possimus consumere、程度 - 我慢できないくらい tanta ira ut non possis continere) が表されるときと、表されないときとがあります。こんなに多く ! こんなにひどく ! という感嘆文では表されないことが多い。
----- tanto は中性、単数、奪格です。supplicio と一致 (supplicio を修飾)。
+ supplicio > supplicium (中性名詞) : to receive punishment, punishment, penalty, torture 罰を受けること、罰、拷問 / torture, torment, pain, distress, suffering 苦しみ、悲しみ
----- supplicio は単数、奪格です。奪格は前置詞 in が取る格の1つです。(もう1つの格は対格。)
--------------------
+ posset > possum : can (可能性の)
----- posset は接続法 subjunctive、未完了過去 imperfect、単数、三人称です。
+ contristari > contristo : 悲しくさせる、悲しませる、悩ます ----- contristari は受動不定詞です。悲しくさせられる。
+ contemplari > contemplor : look at ..., view 見る / look at ... mentally, consider, contemplate
----- contemplari は不定詞です。contristari + 不定詞 (たぶん何々して悲しむという意味、英語で I am greatly saddened to see her in pain というような感じでしょうか?) という用法は辞書には見当たりません。古典的ラテン語構文ではないようです。だからここは不定詞 contemplari を分詞 contemplatus (見て、見ながら、見たとき、見たために、などと訳せます) に直して訳しました。
+ dolentem ----- doleo の現在分詞 dolens の女性、単数、対格。matrem に一致 (matrem を修飾)。
+ cum (+奪格) : (何々) といっしょに
+ filio > filius : 息子 ----- filio は単数、奪格です。
--------------------



eia, mater, fons amoris,
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Come ! Mother, the spring of love, make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you!)
(ああ!キリストのお母さん、愛の泉よ、わたしに苦痛の激しさを感じさせてください、わたしもあなたとともに嘆くことができるように、さあどうか!)
fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum,
(Make me feel it so that my heart burn in the love of Christ the God!)
(わたしに苦しみを感じさせてください。わたしの心が神キリストへの愛に熱くなるように。)
--------------------
+ eia : (間投詞) ああ!----- 喜びやうれしい驚きを表す叫び声 / come ! どうした?どうしたんだ、おい ?----- 誘ったり説得したりするとき相手の反応が遅いときの掛け声 / come ! ああ早く!さあさあ!----- 人を急かす叫び声
+ mater : ここは呼格です。呼び掛けの格。母よ。
+ fons (男性名詞) : 泉 / 井戸 / 水源 / (一般に) 源 ----- ここも呼格。泉よ。
+ amoris > amor (男性名詞) : 愛 ----- amoris は属格。愛の、という意味です。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし ----- me は対格。
+ sentire > sentio : (五感のどれかで) 感じる
+ vim > vis (女性名詞) : (内側から出る) 力、パワー / (外から被る) 力、威力、暴力 / 大量、多数、強い程度 ----- 例: 奴隷の、銀の、涙の、臭いの / (薬などの) 効力、効き目
----- vim は対格。力を。
+ doloris は dolor の属格。苦しみの、という意味です。
+ fac > facio : つくる make / (+対格と不定詞) 誰々に何々させる make someone do something ----- fac は命令形です。させろ。させなさい。させてください。
+ ut (接続詞) : (接続法 subjunctive の節を導いて、目的や結果を表す) (これこれする、これこれとなる) ように
+ tecum : = cum te
----- cum : (奪格をとる) (誰々) とともに、といっしょに
----- te > tu : あなた、おまえ ----- te は奪格です。
+ lugeam > lugeo : 嘆く、悼む、悲嘆に暮れる / 喪服を着る
完了形 luxi 過去分詞 luctum
----- lugeam は接続法、現在、一人称、単数です。わたしが悼み悲しむ。
--------------------
+ ardeat > ardeo : 燃える、焼ける、炎をあげる / (目が) 輝く、燃えるような目をする / 輝く / (愛や恥、怒り、やる気などの感情、情熱が) 燃える / (苦しみで) 悶える / 体温が上がる、熱が上がる、熱くなる
完了形 arsi 過去分詞 arsum
----- ardeat は接続法、現在、三人称、単数です。cor が燃える。
+ cor (中性名詞) : 心臓 / (感情の場としての) 心臓、心 / 知性
----- cor は単数、主格です。心臓が、という意味です。
+ meum > meus : わたしの ----- meum は中性、単数、主格です。cor に性と数と格が一致します (cor を修飾します)。
+ in (前置詞、奪格と) : (何々) の中で
+ amando > amandum : 愛するという意味の動詞 amo の動名詞形 (gerund) です。愛するの名詞形なので愛すること、愛、愛という行為、などと訳せます。amando は奪格です。in amando 愛することの中で。
+ Christum ----- Christus の対格です。キリストを。動名詞は対格の目的語をとれます。
+ Deum ----- Deus の対格です。神を。キリストと並置されているので、キリストのことを指していると考えれます。神であるキリストを。
--------------------


Pro peccatis suae gentis
vidit Iesum in tormentis,
et flagellis subditum.
(She saw Jesus in torment, given under the whips, for the sins of the people which he belonged to.)
(イエスが自分の同族のために拷問に会い、鞭の下に置かれているのを彼女は見た。)
--------------------
+ pro (前置詞、奪格をとる) : (何々、誰々) のため、を守るために、の利益のため / (誰々、何々) の代わりに / (罪) の罰として、(よい行い) の報酬として ----- 自分の民族の犯した罪への罰として / (何々) のため、のせいで、が理由で、のゆえに ----- 自分の民族の罪ゆえに / (何々) として
+ peccatis > peccatum (中性名詞) : 誤り、間違った行為、失敗、違反、罪 / 罪の意識 / 罪への罰
----- peccatis は複数、奪格です。
+ suae > suus : 自分の ----- suae は女性、単数、属格です。gentis に性、数、格が一致します (gentus を修飾)。
+ gentis > gentis (女性名詞) : 同じ名前と宗教を持った家系の集まり、部族 ; (もっと広く) 民族、種族 ; (もっと広く) 国民
----- gentis は属格、民族の、という意味です。
+ vidit > video : 見る ----- vidit は完了形、三人称単数です。彼女は見た。
+ Iesum > Iesus : イエス ----- Iesum は対格です。イエスを。
+ in (前置詞 : (奪格をとる用法で) 何々の中に、何々の中で、何々の中の、何々において
+ tormentis > tormentum (中性名詞) : 拷問の道具、拷問台 / 責め苦、苦悶
----- tormentis は複数、奪格です。
<<<<< 語源 >>>>>
torment や torture の語源
torqueo ひねる、ねじる、曲げる / 拷問台の上で (手足を )ひねる
過去分詞が tortus です。
+ et : and
+ flagellis > flagellum (中性名詞) : ムチ / 良心にムチ打たれること、良心がチクチク痛むこと
----- flagellis は複数、与格です。
+ subditum > subdo (sub 何々の下へと + do 与える、やる) : 何々の下に (与格) 何々を (対格) 置く
----- subditum は過去分詞 subditus (何々の下に置かれた) の男性、単数、対格です。Iesum と性、数、格が一致します。つまり Iesum を修飾します。
--------------------



Vidit suum dulcem Natum
moriendo desolatum,
dum emisit spiritum.
(She saw her sweet Son left alone in death, till he let go of his spirit.)
(彼女はいとしい息子が死の中に打ち捨てられ、魂を手放すところまで見た。)
--------------------
+ vidit > video (見る) の完了形、三人称、単数。彼女は見た。
+ suum > suus (所有形容詞) : 自分の、自分に属する ----- suum は男性、単数、対格で、Natum と性と数と格が一致します。つまり Natum を修飾します。
+ dulcem > dulcis (形容詞) : 甘い / 快い、好ましい / いとしい
----- dulcem は男性、単数、対格で、Natum と性、数、格が一致します。つまり Natum を修飾します。
<<<<< 語源の豆知識 >>>>>
イタリア語のドルチェ dolce はこのラテン語から来ています。
単数主格 dulcis
単数属格 dulcis
単数与格 dulci
単数対格 dulcem
単数奪格 dulce
みたいに格変化するのですが、奪格の形がイタリア語の直接の元になっています。
イタリア語の名詞や形容詞は、ラテン語の名詞や形容詞の単数奪格の形と一致するのです。
dolce は元の u が o になっていますけれど、まったく同形であるケースも多いです。
イタリア語に入るとき u が o になる例 :
ラテン語 Valentinus 単数奪格 Valentino --- イタリア語 Valentino
ラテン語 tempus (時間) 単数奪格 tempore --- イタリア語 tempo (時間)
ラテン語 umbra (影) 単数奪格 umbra --- イタリア語 ombra (影)
ラテン語 nux (木の実) 単数奪格 nuce --- イタリア語 noce (くるみ)
+ Natum > natus : 息子 ----- natum は単数、対格です。息子を。大文字で始まっていますが、イエスキリストを指すキリスト教用語になっているのでしょうか?
+ moriendo > morior : 死ぬ ----- moriendo は動名詞形で、奪格。この奪格は或る場所や時間や状況の中でという意味を表す奪格の用法でしょう。死ぬことの中で、死の中で、死につつある中で。
+ desolatum > desolo : (誰々を) ひとり取り残す、見捨てる、放棄する / (desolatus +奪格) 何々を奪われて
----- desolatum は性、数、格が Natum に一致しています。
+ dum (接続詞) : (何々する) まで
+ emisit > emitto (ex 外へ + mitto 送る) : 送り出す / 出す、発する、放つ、放出する / 出してやる、解放する、解き放つ
----- emisit は完了形、三人称単数です。彼は出した。
+ spiritum > spiritus (男性名詞) : 風 / 息 / 魂 ----- spiritum は対格です。息を、魂を。
cf. spiro : (風や匂いなどが) 吹く、吹き出す、発散される / 息する / 生きている / (他動詞として) 何々を吐き出す、吹き出す、発散する
--------------------




Eia, Mater, fons amoris
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Ah, Mother! the spring of love! Make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you !)
(ああ、母よ!愛の泉よ!わたしに苦痛の激しさを感じさせてください。わたしもあなたとともに嘆くことができるように。)
Fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum
ut sibi complaceam.
(Make me feel it, so that my heart may burn in the love of Christ the God, and in that way I will please him.)
(苦痛を感じさせてください。わたしの心臓が神キリストへの愛で熱くなるように。そうして彼を喜ばせられるように。)
--------------------
+ この歌詞は上にもう出てきました。最後の ut sibi complaceam が追加されてるとこだけちがいます。
+ ut (接続詞) : (接続法の節を導き、目的や結果を表す) (何々する) ように、(何々となる) ように
+ sibi (三人称 he, she, it の再帰代名詞) : ----- sibi は与格です。
再帰代名詞は文の主語になっている名詞と同じ者を指します。ここの文の主語は Fac の主語であるマリア様です。でも、マリア様を指すなら tibi (二人称 you の再帰代名詞、与格) となるはずです。従属節の主語はわたしです。わたしを指すなら mihi (一人称の再帰代名詞、与格) となります。だから残るは Christus Deus を指すと考えるしかありません。これは再帰代名詞の特殊な使い方で、文の文法上の主語をでなく、意味上の主語を指す用法なのだそうです。つまりどういうことかというと、わたしが神の気に入る (Deo placeam) は、実のところ神がわたしを気に入る、神はわたしが好きである (Deus amat me)、という意味であり、そういうわけで神が意味上の主語となって、再帰代名詞が sibi
となったのらしいです。イタリア語を日本語に訳すときも通常 mi piace Roma (= mihi placet Roma) を、わたしはローマが気に入っています、のように訳すようです。
+ placeam > placeo : 誰々の (与格) 気に入る、誰々を (与格) 喜ばせる
----- placeam は接続法、現在、一人称、単数です。わたしが誰々の気に入る。




Sancta Mater, istud agas,
crucifixi fige plagas
cordi meo valide.
(Holy Mother! Do that again! Fix the crucified one's wounds and afflictions to my heart home!)
(尊い母よ、またあれを、あなたの得意技をやってください ! つまり、十字架につけられた人の傷を苦しみをわたしの心に強く強く押しつけてください !)
--------------------
+ sancta > sanctus (形容詞) : (宗教によって、または法律によって) 聖なるものとされた、神聖で不可侵の、厳かに決められてもう変更不可の、危害を加えてはならない、荒らしてはならない ----- e.g. 法、職務、人家の門や壁、土地、宝物庫、客、妻 / (神や或る神に属する人や物、イベントが) 尊い、尊ぶべき、厳かな ----- e.g. サトゥルヌス、サトゥルヌス祭、祭日、河、泉、神の座、杜、犠牲を焼く火 / (道徳的な意味で) よい、正しい、清らかな、潔白な、良心のある
----- sancta は女性、単数、主格または呼格です。Mater に性、数、格が一致しています。つまり Mater を修飾。
+ mater (女性名詞) : 母 ----- mater は単数、主格または呼格 (呼び掛けの格) です。Sancra Mater 聖母は、または、聖母よ。
+ istud > iste (指示代名詞) : あれ (話しかける相手もよく知っているものを指す e.g. あれちょうだい。ねえ、あれやろ。おい、あれ持ってこい。あいつ、あれだろ?) ----- istud は中性、単数、対格です。あれを。
+ agas > ago : (具体的な意味の単語でなく、もっと漠然とした単語、指示代名詞とか、を目的語にする用法。あれを、とか、これを、とか、何を?とか、たくさんのことを、とか、もっと、とか) やる ----- agas は接続法、現在、二人称、単数です。この接続法は命令や相手への願いを表現します。やれ、とか、やってください、とか。
+ crucifixi > crucifixus : 十字架につけられた
----- crucifixus は crucifigo の過去分詞。crucifigo は cruci figo という意味。cruci は crux (十字架) の奪格 (場所を表す奪格)。十字架に。figo は固定する、つける、留める、過去分詞が fixus で、英語の fix の語源です。
----- ここでは単数男性形 crucifixus を男性名詞あつかいして十字架につけられた男という意味で使っています。crucifixi は男性、単数、属格で、十字架につけられた男の、という意味です。
+ fige > figo : 留める、つける、固定する
構文 : 何々を (対格) どこそこに (in + 奪格、または in + 対格、または前置詞なしのただの奪格。与格を使う用法は辞書には載っていませんが、詩においては与格は自由に in + 奪格の意味でも in + 対格の意味でも使われます。)
----- fige は命令形です。留めろ。
+ plagas > plaga (女性名詞) : 傷つけること、傷害、傷つけられること、傷 / 悩み、苦しみ、苦悩
----- plagas は複数、対格です。(多くの) 傷を。
+ cordi > cor (中性名詞) : 心臓 / 心 ----- cordi は単数、与格です。心に。(単数、奪格は corde)
+ meo > meus (所有形容詞) : わたしの ----- meo は中性、単数、与格です。cordi に性、数、格が一致しています。つまり cor を修飾します。
+ valide (副詞) : 強く、激しく ----- e.g. 彼女を VALIDE 愛する、海が VALIDE 波立つ
--------------------



Tui Nati vulnerati,
tam dignati pro me pati,
poenas mecum divide.
(Divide to me the punishments of your Son wounded as much as he thought worthy for me to suffer.)
(あなたの傷ついた息子さん、わたしのためにあんなにまで苦しみに堪え、それに意味があると思ってくださった方、あの方に課せられた罰をわたしに分けてください。)
--------------------
+ tui > tuus (所有形容詞) : あなたの ----- tui > は男性、単数、属格で、Nati と性、数、格が一致しています。つまり Nati を修飾。
+ Nati > natus : 息子 (nascor 生まれる、の過去分詞 natus 生まれた、の男性単数の形を男性名詞として扱っている)
----- nati は単数、属格です。息子の、という意味。Nati と大文字になっていますが、イエスキリストを表すキリスト教用語となっているのでしょう。
+ vulnerati > vulnero : 傷つける、害する、怪我させる / 心を傷つける、害する、悩ます
----- vulnerati は過去分詞 vulneratus 傷つけられた、の男性、単数、属格です。Nati を修飾します。
+ tam (副詞) : (程度)こんなにも (これ、わたしのこれ、わたしのそばにあるこれ hic を指して)、そんなにも (それ、あなたのそれ、あなたの知ってるそれ iste を指して)、あんなにも (あれ、わたしたちから遠いあれ ille を指して)
+ dignati > dignor : (+不定詞) 何々することに意義を見出だす、何々することを価値ありと見なす
----- dignati は過去分詞 dignatus 価値ありと見なした (能動的意味です)、の男性、単数、属格です。Nati と性、数、格が一致しています。つまり Nati を修飾します。
+ pro (前置詞、奪格をとる) : (誰々)のために、(誰々) に代わって
+ me > ego : わたし ----- me は単数、奪格です。
+ pati > patior : (苦しみを表す単語を対格にとり) 堪える、(目的語なしで) 苦しみを堪える ----- 辞書の例文見てみると、ただ苦しむというより頑張って堪えるという意味のようです。
----- pati は不定詞です。
--------------------



字数制限を超えたので以下の部分はパート2になります。
(10月20日)




Fac me tecum pie flere,
crucifixo condolere,
donec ego vixero.
(Make me weep with you piously, feel pain with the crucified, as long as I live.)
(わたしをあなたとともに泣かせてください。十字架に掛けられた方といっしょに苦しませてください。わたしが生きているかぎりの間。)

Iuxta Crucem tecum stare,
et me tibi sociare
in planctu desidero.
(I want to stand with you by the Cross, and join you beating the chest in lamentation.)
(わたしは十字架のそばにあなたと立ちたい。あなたが悲しみ胸をたたくのに加わりたい。)

Virgo virginum praeclara,
mihi iam non sis amara,
fac me tecum plangere.
(Oh virgin of virgins most splendid, May you be no longer bitter to me, Make me beat the chest in lamentation with you.)
(輝かしい、処女の中の処女よ、わたしに対して苦々しい態度をもうしないでください。わたしにあなたとともに悲しみ胸をたたかせてください。)

Fac, ut portem Christi mortem,
passionis fac consortem,
et plagas recolere.
(Make me carry the death of Christ, Make me the brother of passion, and make me consider the wound again.)
(わたしに、キリストの死を携えて生きさせてください。わたしを受難の兄弟としてください。そして傷のことを何度も考えさせてください。)

Fac me plagis vulnerari,
fac me Cruce inebriari,
et cruore Filii.
(Make me be wounded by the wounds, Make me drunken with the torment of the Cross and the son's blood.)
(わたしに傷を受けさせてください。十字架上の苦しみとあなたの子の血に酔わせてください。)

Flammis ne urar succensus,
per te, Virgo, sim defensus
in die iudicii.
(That I should not burn with the flame set on me, let me be defended on the day of judgement, by you oh Virgin.)
(わたしが火をつけられて焼けることがないよう、あなたによって、処女よ、審判の日に護ってもらえるように。)

Christe, cum sit hinc exire,
da per Matrem me venire
ad palmam victoriae.
(Oh Christ, if there be departure from here, through your Mother let me come to the palm of victory.)
(キリストよ、わたしがこの世から出るときが来たら、あなたの母を通じてわたしを勝利へと導いてください。)

Quando corpus morietur,
fac, ut animae donetur
paradisi gloria. Amen.
(When my body perishes, please arrange that the glory of paradise be given to the soul. Amen.)
(わたしの肉体が死ぬとき、わたしの霊魂に天国の栄光が与えられるようにしてください。アーメン。)

スターバト・マーテルの訳をもう1度。
前に日本語訳を投稿したとき、終わりのほうをやり残してたので、今日足しました。


Stabat Mater dolorosa
(Mother was standing with sorrow)
(お母さんは悲しみ立っていた)

iuxta crucem lacrimosa,
dum pendebat filius;
(by the cross crying with tears,
while her son was hanging there;)
(十字架のそばに涙を流して、息子が十字架に下がっている間ずっと)

cuius animam gementem
contristatam et dolentem
pertransivit gladius.
(her soul sighing and sad and painful the sword penetrated.)
(ため息をつき、悲しみに満ち、苦痛に満ちた母の魂を、剣は貫いた)

o quam tristis et afflicta
fuit illa benedicta
mater unigeniti!
(Oh how sad and afflicted was the blessed one, the mother of the only-child !)
(おお、祝福された一人子の母が、なんと悲しく打ちのめされていることか!)

quae maerebat et dolebat,
pia mater, dum videbat
nati poenas inclyti.
(She mourned and was feeling pain.
Pious mother while she was seeing her famous son's punishment.)
(彼女は嘆き、苦しんでいた、きよい母は、その名高い息子が懲らしめられるのを見ながら。)

quis est homo, qui non fleret,
matrem Christi si videret
in tanto supplicio?
(Who is the man, who doesn't weep, when he sees the mother of Christ in such a torment?)
(誰が泣かずにいられようか、キリストの母がこんな責め苦に会っているのを見て?)
quis non posset contristari,
Christi matrem contemplari
dolentem cum filio?
(Is there a man who can't be saddened when he contemplates the mother of Christ feeling pain with her son?)
(誰が悲しまずにいられようか、キリストの母がその子と苦しんでいることを考えながら?)

eia, mater, fons amoris,
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Oh Mother, the spring of love, make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you!)
(おお母よ、愛の泉よ、わたしに苦痛の激しさを感じさせてください、わたしもあなたとともに嘆くことができるように。)
fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum,
(Make me feel it so that my heart burn in the love of Christ the God!)
(わたしに苦しみを感じさせてください。わたしの心臓が神キリストへの愛に熱くなるように。)

Pro peccatis suae gentis
vidit Iesum in tormentis,
et flagellis subditum.
(For the sins of her people, she saw Jesus in torment, given under the whips.)
(イエスがその民のために責め苦に会い、鞭の下に置かれているのを彼女は見た。)

Vidit suum dulcem Natum
moriendo desolatum,
dum emisit spiritum.
(She saw her sweet Son left alone in death, till he let go his spirit.)
(彼女は息子が死に打ち捨てられ、霊魂が離れるところまで見た。)

Eia, Mater, fons amoris
me sentire vim doloris
fac, ut tecum lugeam.
(Ah, Mother! the spring of love! Make me feel the violence of the pain, so that I can lament with you !)
(ああ、母よ!愛の泉よ!わたしに苦痛の激しさを感じさせてください。わたしもあなたとともに嘆くことができるように。)

Fac, ut ardeat cor meum
in amando Christum Deum
ut sibi complaceam.
(Make me feel it, so that my heart may burn in the love of Christ the God, and in that way I will please him.)
(苦痛を感じさせてください。わたしの心臓が神キリストへの愛で熱くなるように。そうして彼を喜ばせられるように。)

Sancta Mater, istud agas,
crucifixi fige plagas
cordi meo valide.
(Holy Mother! Do this, fix the crucified one's wounds to my heart home!)
(聖なる母よ、十字架にかけられた人の傷をわたしの心にしっかり押しつけてください。)

Tui Nati vulnerati,
tam dignati pro me pati,
poenas mecum divide.
(Divide to me the punishments of your Son wounded as much as he thought worthy for me to suffer.)
(あなたの傷ついた子、わたしのために苦しむ価値があると考えた方、に課せられた罰をわたしに分けてください。)

Fac me tecum pie flere,
crucifixo condolere,
donec ego vixero.
(Make me weep with you piously, feel pain with the crucified, as long as I live.)
(わたしをあなたとともに泣かせてください。十字架に掛けられた方といっしょに苦しませてください。わたしが生きているかぎりの間。)

Iuxta Crucem tecum stare,
et me tibi sociare
in planctu desidero.
(I want to stand with you by the Cross, and join you beating the chest in lamentation.)
(わたしは十字架のそばにあなたと立ちたい。あなたが悲しみ胸をたたくのに加わりたい。)

Virgo virginum praeclara,
mihi iam non sis amara,
fac me tecum plangere.
(Oh virgin of virgins most splendid, May you be no longer bitter to me, Make me beat the chest in lamentation with you.)
(輝かしい、処女の中の処女よ、わたしに対して苦々しい態度をもうしないでください。わたしにあなたとともに悲しみ胸をたたかせてください。)

Fac, ut portem Christi mortem,
passionis fac consortem,
et plagas recolere.
(Make me carry the death of Christ, Make me the brother of passion, and make me consider the wound again.)
(わたしに、キリストの死を携えて生きさせてください。わたしを受難の兄弟としてください。そして傷のことを何度も考えさせてください。)

Fac me plagis vulnerari,
fac me Cruce inebriari,
et cruore Filii.
(Make me be wounded by the wounds, Make me drunken with the torment of the Cross and the son's blood.)
(わたしに傷を受けさせてください。十字架上の苦しみとあなたの子の血に酔わせてください。)

Flammis ne urar succensus,
per te, Virgo, sim defensus
in die iudicii.
(That I should not burn with the flame set on me, let me be defended on the day of judgement, by you oh Virgin.)
(わたしが火をつけられて焼けることがないよう、あなたによって、処女よ、審判の日に護ってもらえるように。)

Christe, cum sit hinc exire,
da per Matrem me venire
ad palmam victoriae.
(Oh Christ, if there be departure from here, through your Mother let me come to the palm of victory.)
(キリストよ、わたしがこの世から出るときが来たら、あなたの母を通じてわたしを勝利へと導いてください。)

Quando corpus morietur,
fac, ut animae donetur
paradisi gloria. Amen.
(When my body perishes, please arrange that the glory of paradise be given to the soul. Amen.)
(わたしの肉体が死ぬとき、わたしの霊魂に天国の栄光が与えられるようにしてください。アーメン。)







今日日本語訳できたので、病気のおばさんにこれを手紙で送ろうと思っています。おばさんもキリスト教徒でないですけど、たぶん喜ぶと思うから。

開く トラックバック(12)

ルネサンスのジョスカン・デ・プレが付曲しているトマス・アクィナス作『パンジェ・リンガ』を訳してみました。


これは詩の翻訳のブログ「ヘ短調作品34」
http://blogs.yahoo.co.jp/fminorop34
の fminorop さんにやってみないかと言われてやりました。





Pánge língua gloriósi
córporis mystérium
sanguinísque pretiósi,
quem in múndi prétium
frúctus véntris generósi
rex effúdit géntium.

<<Celebrate with tongue the sacrament of glorious body and of the precious blood,which(=blood) for the price of the world the fruit of the noble womb (, that is,) the king of the nations shed.>>
<<舌で祝え、栄光の体と貴重な血の秘蹟を。その血は、この世の代価として、高貴な母胎の果実にして国々の王である方が流したものである。>>


Nobis datus, nobis natus
ex intacta Virgine,
et in mundo conversatus,
sparso verbi semine,
sui moras incolatus
miro clausit ordine.

<<Given to us, born for us from the untouched Virgine, and in the world having lived together, with the seed of word dispersed, he closed the period of his inhabitance in an astonishing way.>>
<<わたしたちに授けられ、わたしたちのために完全な処女から生まれ、この世に親しみ、言葉という種をまき、その(この世における)滞在期間を驚くべきしかたで閉じた。>>


In supremae nocte coenae
recumbens cum fratribus
observata lege plene
cibis in legalibus,
cibum turbae duodenae
se dat suis manibus.

<<At the night of the last supper, sitting at the table with brothers, with the law fully observed with legal foods, he took the food for the twelve in his hands.>>
<<最後の晩餐の夜、彼は兄弟たちとテーブルにつき、合法な食べ物によって律法を完全に守りつつ、12人に配るためにその手に食べ物を取る。>>


Verbum caro, panem verum
verbo carnem efficit:
fitque sanguis Christi merum,
et si sensus deficit,
ad firmandum cor sincerum
sola fides sufficit.

<<The word which is flesh, makes a real bread into flesh by his word: and the blood of Christ turns into wine, and if the sense fails, only the faith suffices to make the sincere heart firm.>>
<<肉である言葉が、言葉によってただのパンを肉にする。そしてキリストの血はワインになる。そして、もし感覚が堕落しても、純粋な心が強く固められるにはただ信仰だけで十分である。>>


Tantum ergo Sacramentum
veneremur cernui:
et antiquum documentum
novo cedat ritui:
praestet fides supplementum
sensuum defectui.

<<So let us only worship the mystery with our head bowed down: and may the old teaching be taken over by the new custom: may the faith be a help to the weakness of the senses.>>
<<だからわたしたちは頭を垂れてただ秘蹟だけを敬おう。そして古い教え(文書)が新しい習慣(儀式)に取って代わられるように。信仰が感覚の弱さに助けを与えますように。>>


Genitori, Genitoque
laus et jubilatio,
salus, honor, virtus quoque
sit et benedictio:
Procedenti ab utroque
compar sit laudatio.

<<To Father, and to the Son, be praise and cry and joy, prosperity, honor, and virtue and bless too: The same praise be to the one proceeding from the both (Father & Son). >>
<<父と子に、称賛と喜び、繁栄、栄誉そして徳と祝福がありますように。両者(父と子)から発出する者にも同じ称賛がありますよう。>>


Amen. Alleluja.

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
ダクセルくん
ダクセルくん
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

過去の記事一覧

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事