希・羅語文献の訳し方研究 (旧デ・アニマの訳をいつかやりたい)

中世の聖歌の訳と単語帳、もしリクエストなどがあればもう少し力を入れてやります。

ギリシャ語の勉強

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☆☆☆☆☆語源☆☆☆☆☆☆
 
宮沢賢治『やまなし』の「クラムボン」について。
 
ギリシャ語の辞書を引いていたら、偶然クラムボンという単語を見つけました。形容詞です。
krambos(男性形)、krambe-(女性形)、krambon(中性形)。
 
 
 
 
意味:
・(声が)でかい、ひびく
・乾いた・・・・・・to krambon tou potamou(川の干上がった部分)、anemos krambos (乾いた風)、krambois aklautois ommasin (涙にぬれてない、乾いた目に)、krambe- gala (乾いたミルク=チーズ)、乾いた実(穀物・・・・・反対語はジューシーな実=フルーツ)
・(声が)乾いた、ハスキーな、かれた、かすれた
・(体の状態)やせた、やせこけた、かれきった・・・・・・・・・krambon demas (やせた体型)、krambe- koilie- (やせこけて凹んだ腹)、krambos hypai deinous (危険なほどやせこけた)
・断食している/(人格が)厳しい、厳格な
・(性格が)荒い/(批評のスタイルが)手厳しい
 
 
 
 
もう一つ、 klambos, klambe-, klambon という形容詞もあります。
意味は、「切って短くつめた」。・・・・・・klamba o-ta (切ってつめた耳)
 

 
 
で、
・「断食している」という意味は、賢治が熱心に仏教をやっていたことを思い出させます。断食もやっていたかもしれません。
 
 
・「やせこけた」という意味は「断食している」とつながってきます。ガンダーラ仏のやせこけた姿とか。仏道修業的です。
または、妹のトシが病床でやせこけていたのかもしれません。そのトシを観音菩薩に見立てた絵が残ってるようです、賢治が描いた。
 
 
・クラムボンは何かに食べられて死んだという1節があったような気がします。+「断食している」で、仏が自分の体を虎に食べさせた話を思い出させます。また、なんとなく「大きな魚に食べられて死んだよ」と書いていたような気もするのですが、だとすると旧約聖書の行者のヨナを思い出します。
 
 
・「(声が)ハスキーな、かわいた、かすれた」という意味は、熱に浮かされた病床のトシの声を指すかもしれません。
または賢治自身がハスキーだったか。
 
 
・「(声が)でかい」という意味は、『春と修羅』で修羅(=賢治)が大声で叫んでたことを思い出させます・・・・・・・「修羅は樹林に交響し」。賢治は野原を散策するとき、1人で大声で叫んでたんじゃないかと思います。
 
 

 
 
また、名詞で krambe- (クランベー、クラムベー)という単語があって、「キャベツ」という意味です。
 
・「キャベツ」は仏教的ベジタリアンだった賢治を思い出させます。
また、農業をやっていた賢治の小説には、キャベツ(キャベジ)が出てきます。

krambo-phagos (クランボ・パゴス)という形容詞もあって、「キャベツを食べる」(ベジタリアン的)という意味で、名詞として使われるときはカエルの一種を指します。『やまなし』は川底の生き物たちの会話でしたから、カエルのことをうわさしてしゃべっているのかもしれません。

デ・アニマの原文を読みながらギリシャ語を勉強することにしました。
講談社学術文庫で出てる日本語訳(『心とは何か』訳:桑子敏雄)を見ながらギリシャ語の原文を見ています。

これから、その翻訳の意味不明なところを解明していきたいです。

3巻:3章 がぼくには興味深いところなので、ここから読みはじめました。




3:3のはじめの部分は、訳で読むかぎり何を言わんとしてるのかよくわからなかったのですが、
原文を見ると、アリストテレスの先人たちがが「知的認識は感覚の一種だ」と言っていることの紹介がその眼目なようです。
エンペドクレスとホメロスの引用文が出てきます。
その引用文は訳を見るかぎりさっぱり意味がわかりませんが、
これらの引用文は要するに彼ら先人たちが「知的認識は感覚の一種だ」と主張している(とアリストテレスには思える)くだりの引用です。
でも、引用文自体が短すぎ、それだけでは意味不明なものでした。




3:3の 427b1 あたり。

「これは動物にいっそう固有のものだからである。そしてまた、心は長い時間にわたってこの状態にある。」

「これ」「この状態」の訳がおかしいです。
よくある指示代名詞の読みちがいです。
訳では
「誤り(e^pate^sthai)は動物にいっそう固有のもの」
「心は長い時間にわたって誤りに陥った状態(e^pate^sthai)にある」
と読み取れる訳になっていますが、これは文脈上おかしい。
だから原文を見てよく考えたら、
「感覚(aisthanesthai)は動物にいっそう固有のもの」
「心は長い時間にわたって感覚に従事する状態(aisthanesthai)にある」
と読むべきだとわかりました。

((でも、先に読み進んでいくうちに、
「誤り(e^pate^sthai)は動物にいっそう固有のもの」
「心は長い時間にわたって誤りに陥った状態(e^pate^sthai)にある」
でいいのかもしれないと思えてきました。
正しい読みはあとで決めます。))

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アリストテレスの『ニコマコス倫理学』の一節です。写真の個所のサー・デイビッド・ロスの訳はこうです。
Therefore the irrational element also appears to be two-fold. For the vegetative element in no way shares in a rational principle, but the appetitive and in general the desiring element in a sense shares in it, in so far as it listens to and obeys it; this is the sense in which we speak of 'taking account' of one's father or one's friends, not that in which we speak of 'accounting for a mathematical property.





ダクセル君が上の訳をわかりやすく直してみます。
The irrational part of the soul also appears to be two-fold.
1........The vegetative part of it never shares in the reason*1,
2........the desiring part of it in a sense shares in the reason, because it listens to and is obedient to the reason. And it is in this sense*2 that we say about getting logos (= the rational principle) from one's father or one's friends*3, and this is not like getting logos*4 from a mathematician.

(*1) reason = logos = the rational principle
(*2) =in the sense that the irrational part (the desiring part) is obedient to the reason
(*3) = turning to rationality by being taught or being scolded by father and friends
(*4) not the same kind of rational principle as you would get from your father (practical reason), but something else (theoretical reason)

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対訳を見ながら原文を読む訓練をしています。このごろはあまり自力で頑張るのはエネルギーの無駄だという感じがしてきたので、先に訳を読んで内容をつかんでから原文を読んでいます。



上の写真の個所の Sir David Ross の訳はこうです。
while goodness and badness are least manifest in sleep (whence comes the saying that the happy are not better off than the wretched for half their lives; and this happens naturally enough, since sleep is an inactivity of the soul in that respect in which it is called good or bad), unless perhaps to a small extent some of the movements actually penetrate to the soul, and in this respect the dreams of good men are better than those of ordinary people.



前半の訳には疑問はありませんでした。(ただ、カッコは余計で、一種の小さな誤読のように感じました。)でも、最後のところの訳がおかしいと感じました。
unless perhaps to a small extent some of the movements actually penetrate to the soul, and in this respect the dreams of good men are better than those of ordinary people.
だからよく原文を見てみたら、次のように読むべきではないかと気づきました。



except the fact that, when any of the movements (from the body or from outside) doesn't penetrate to (= reach) the soul even to a small extent, in this condition the dreams of the possible events (= future events) and of what happened (= past events) rise in a better way.




サー・ロス訳の前半のカッコづけは、この個所を誤読した結果のようです。




でも、ぼくはまだ分詞についてちゃんと理解してないから、 tychonto^n がほんとに what happened でいいのかはっきりしません。tychonto^n、つまり tycho^n は tynchano^(happen) のアオリスト能動分詞ですが、アオリスト分詞は過去を指すことが多いという説明を読んだことがあるのみです。分詞一般に、時制は関係ないそうですが。



岩波文庫の訳も、サー・ロスと同じ訳になっているから、ここは伝統的にサー・ロスが訳していたように読んでいたのかもしれません。「よい人間のほうがそうでない人間よりよい夢を見る」というのは、ニコマコス倫理学の中でもわりと印象に残る個所です。ぼくが今回ここが誤訳っぽいと気づいたのは、最近ダキアのボエティウスの『夢について De Somniis』を読んでいたら、アリストテレス系の哲学によってある種の夢を説明しているところで、こことよく似た個所があったからです。おまけにその本には、アリストテレスの『夢占いについて』も言及されてい。



Et si tu quaeras, unde causantur talia somnia, dico quod per phantasmata a nobis recepta in viglia et conservata in anima, quae nobis dormientibus motibus exterioribus cessantibus et etiam motu vaporum ascendentium ab impetu suo cessante apparent virtuti imaginativae, quae apparitio est somnium. Et per talia somnia maxime contingit decipi, quia ........
で、もしあなたが「どこからそういう夢は生じてくるのか」と問うなら、答えるが、それはわたしたちが目覚めているときに受け取り、霊魂の中に保存していたファンタスマ*1によって生じるのである。このファンタスマは、わたしたちが眠ってるために、外界から運動が伝わってこなくなっていて、そして内部から自然に昇ってくる熱も上ってこなくなっているときに、わたしたちの想像能力に現れるのである。そしてこの現れが夢なのである。しかしこういう夢によってわたしたちはとかく騙される。なぜなら・・・
======
(*1)感覚を通じて受け取った外界のもののイメージ。




「眠ってるために、外界から運動が伝わってこなくなっていて、・・・」という個所が、上のニコマコス倫理学の個所の「unless perhaps to a small extent some of the movements actually penetrate to the soul, and in this respect the dreams of ......」と似ていたのです。




そしてこの『夢について』は、夢によって未来の出来事を知ることは可能か否かを論じているのです。

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アリストテレスの『ニコマコス倫理学』の一節です。写真の個所のサー・デイビッド・ロスの訳はこうです。
Therefore the irrational element also appears to be two-fold. For the vegetative element in no way shares in a rational principle, but the appetitive and in general the desiring element in a sense shares in it, in so far as it listens to and obeys it; this is the sense in which we speak of 'taking account' of one's father or one's friends, not that in which we speak of 'accounting for a mathematical property.





ダクセル君が上の訳を改善してみます。
The irrational part of the soul also appears to be two-fold.
1........The vegetative part of it never shares in the reason*1,
2........the desiring part of it in a sense shares in the reason, because it listens to and is obedient to the reason. And it is in this sense*2 that we say about getting logos (= the rational principle) from one's father or one's friends*3, and this is not like getting logos*4 from a mathematician.

(*1) reason = logos = the rational principle
(*2) =in the sense that the irrational part (the desiring part) is obedient to the reason
(*3) = turning to rationality by being taught or being scolded by father and friends
(*4) not the same kind of rational principle as you would get from your father (practical reason), but something else (theoretical reason).



11月から原文を自力で読む、という勉強法をしてきたのですが、
最初のころは、ゴルフとかのビギナーズ・ラックみたいに、おもしろいように読めてたのに、だんだん読めなくなってきました。
で、それに代わるいい勉強方法を思いついたので、きのうから実践しています。
対訳のあるテクストを読むのですが、
まず自力で1文読んでみて、わからない場合、訳がどうなってるか見る、というやり方で読んでいきます。
1人で読んでると、多義語にぶつかったとき、意味の選択ができずわかるまで時間がかかりますが、
こうやって訳を見ることで、多義語においてどの意味が優先的に使われるか楽に知ることができます。
また、訳を足がかりにしてもっとよい読み方を考えることができます。
これをつづけていけばきっと上達が速いでしょう。

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