希・羅語文献の訳し方研究 (旧デ・アニマの訳をいつかやりたい)

中世の聖歌の訳と単語帳、もしリクエストなどがあればもう少し力を入れてやります。

中世の祈りや歌の訳 2

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Libera Me 訳と単語の意味

Libera Me は Dies Irae を極度に簡略にしたような内容だと思います。最後の審判の日にわたしを赦してくださいという内容です。


libera me, domine, de morte aeterna, in die illa tremenda : quando caeli movendi sunt et terra : dum veneris iudicare saeculum per ignem. tremens fractus sum ego,  et timeo, dum discussio venerit, atque ventura ira. quando caeli movendi sunt et terra. dies illa, dies irae, calamitatis et miseriae, dies magna et amara valde. dum veneris iudicare saeculum per ignem. requiem aeternam dona eis domine : et lux perpetua luceat eis. libera me, domine, de morte aeterna, in die illa tremenda.



9月22日土曜日 開始
9月24日月曜日 更新
11月1日木曜日 更新

libera me, domine, de morte aeterna, in die illa tremenda : 
-----     ==     -----
わたしをどうか免除してください、主よ、永遠の死の罰から、かの恐るべき日に。

-----     ==     -----
+ lebera > libero : 自由にする、解放する、逃がしてやる --- 何々から、は ab .. (例 : ab morte), ex ... (例 : ex morte), de ... (例 : de morte) または前置詞なしのただの奪格 (例 : morte)  /  (法律) 赦す、放免する、釈放する  /  誰々を (例 : me) これこれの義務や罰から (例 : de morte) 免除する
libera は命令形 imperative です。免除してください、という意味です。
+ me > ego (人称代名詞) : わたし
me は対格 accusative です。わたしを、という意味です。
+ domine > dominus (男性名詞) : 目上の人を呼んだり言及したりするとき使う 
domine は単数 singular、呼格 vocative です。呼びかけるとき使う形です。主よ、という意味です。
+ de (前置詞、奪格をとります) : (何々) から
+ morte > mors (女性名詞) : 死
morte は単数 singular、奪格 ablative で、前置詞 de につきます。de morte 死から。
+ aeterna > aeternus (形容詞) : 永遠の、いつまでもつづく
aeterna は女性 feminine、単数 singular、奪格 ablative です。morte を修飾するため morte と同じ性、数、格になっています。
+ in (前置詞、奪格をとる場合と対格をとる場合がありますが、ここでは奪格をとります) : (何々) の中で、(何々) において
+ die > dies (女性名詞あつかいのことも男性名詞あつかいのこともありますが、ここでは女性名詞あつかい) : 日、日にち
die は単数 singular、奪格 ablative です。前置詞 in につく形です。
+ illa > ille (指示形容詞) : あの、その、かの
illa は女性 feminine、単数 singular、奪格 ablative です。die を修飾するため die と同じ性 gender、数 number、格 case になっています。in illa die かの日に。
+ tremenda > tremendus (tremo の動形容詞形 geruntive)
+ tremo : 震える  /  (他動詞として対格をとり) (何々に --- 例 : mortem - mors 死、の対格) 身震いする、怯える、恐怖する、恐れる、戦慄する
動形容詞 gerundive は、何々されるべき、という意味を持ちますが、tremendus は、恐れられるべき、というような意味になります。
tremenda は女性 feminine、単数 singular、奪格 ablative です。die を修飾するため、die と同じ性 gender、数 number、格 case になっています。





quando caeli movendi sunt et terra : 
-----    ==    -----

天と地が乱されるときに。

-----    ==    -----
+ quando (接続詞) : (何々する、何々が起こる、何々した、何々があった) とき
+ caeli > caelum (中性名詞) または caelus (男性名詞、単数形では使われず複数形 caeli のみ) : 空、大空、天
caeli は caelus の複数 plural、主格 nominative です。大空が、という意味です。
+ movendi > movendus (moveo の動形容詞形 gerundive)
+ moveo : (物理的。例 : 岩を) 動かす  /  (心理的。例 : 心を) 動かす、感動させる、乱す、興奮状態にする、何々するよう促す  /  (政治的。例 : 国を、平和を、奴隷たちを) 乱す、騒乱状態に陥れる
動形容詞形 movendus は、動かされるべき、動かされなければならない、という意味です。
他の動詞の例も見ると、
libero 解放する、の動形容詞 liberandus は、解放されるべき。
perdo 失う、の動形容詞 perdendus は、失われるべき。
scribo 書く、の動形容詞 scribendus は、書かれるべき。
movendi は男性 masculine、複数 plural、主格 nominative です。caeli (男性名詞、複数、主格) と terra (女性名詞、単数、主格) を同時に修飾するため、男性、複数、主格になっています。 
+ sunt > sum (動詞) : 英語の be 動詞のような動詞、(何々) である
sunt は現在 present、複数 plural です。
movendi sunt で、動かされるべきである、動かされることになっている、 (義務、必然、予定)、動かされるだろう (未来)、という意味。
liberandi sunt で、解放されるべきである、解放されることになっている (義務、必然、予定)、解放されるであろう (未来)、という意味。
perdendi sunt で、失われるべきである、失われることになっている (義務、必然、予定)、失われるであろう (未来)、という意味。
scribendi sunt で、書かれるべきである、書かれるはずにっている (義務、必然、予定)、書かれるだろう (未来)、という意味。
+ et : = and
+ terra (女性名詞) : 大地
terra は単数 singular、主格 nominative です。大地が、という意味です。





dum veneris iudicare saeculum per ignem. tremens fractus sum ego,  et timeo, dum discussio venerit, atque ventura ira. quando caeli movendi sunt et terra. dies illa, dies irae, calamitatis et miseriae, dies magna et amara valde. dum veneris iudicare saeculum per ignem. requiem aeternam dona eis domine : et lux perpetua luceat eis. libera me, domine, de morte aeterna, in die illa tremenda.

以前投稿した怒りの日の訳、
これを見直してみたところ、とても力強いすごい歌詞だなと驚きました。怒りの日はヴェルディのあのすごいださい曲のイメージが強く、今まであまり興味がなかったのですが、急に好きになりました。だから単語帳を作ろうと思います。訳した当時は単語リストを作る習慣がなく、やっていなかったので。以下はまずとりあえずそのときの訳をペーストした上で、それに重ねるかたちで作業を進める予定です。作業を進めるたびにこのページを更新します。



7月28日 金曜日 更新




1
Dies irae! dies illa
Solvet saeclum in favilla
Teste David cum Sibylla!
(ずっと前の訳)
怒りの日、その日がこの世を火*1の中で破壊するだろう。ダビデと巫女が証人である。

(今回の訳)
その日は (* dies) 神が (* 補足) 怒るために (* irae) ある (* est を補足) 。
その日は (* dies) 激怒が予定されている (* irae に est を補足) 。
その日は (* dies) 激怒のために取っておかれている (* irae に est を補足)。
その日は (* dies) 神の (* 補足) 激怒のために (* irae) あれ (* sit を補足)!

その (* illa) 日は (* dies) この世を (* saeculum) 火で (* favillam に含まれる意味) 破壊し (* solvet) 灰にしてしまうだろう (* in favillam ここについては下の6月16日の説明書きを見てください)。

ダビデが (* David) 巫女がそれを見たとき (* cum sibylla まったくの意訳です。文字通りには、巫女といっしょに、という意味しかありません。) 立ち合っているのだ (* teste)!

======
+ dies (男性名詞でも女性名詞でもある) : 日 
----- ラテン語ではただ名詞だけで指示代名詞なしでもこのりんご、あのりんご、そのりんご、等という意味を表せます。有名な用例に ecce homo! この人を見よ!というのがありますね。ピラトがイエスを指差して言う台詞でした。ニーチェの本のタイトルにもなっていますね。ecce は見よ! homo は人、男、という意味です。指示代名詞はありません。
+ irae > ira (女性名詞) : 怒り、激怒  /  怒りの対象、憎しみの対象  /  暴威、激しさ、猛烈さ、猛威  
----- irae は単数、属格または与格です。
----- 古典ラテン語の文法書では形容詞の代わりになる属格名詞は原則として形容詞付きでないといけなかったとあります。dies magae (大いなる) irae のように、magnus みたいな形容詞がついてないといけないと。時代が下るにつれて形容詞が省略されるようになっても、含意はされていた、と書いています。例えば dies irae は dies magnae irae とかの略だ、というように説明されています。でも中世ではどうだったのか。ぼくはわかりません。
----- この irae が与格だとしたら、dies est irae の略で、その日は怒りのものだ、という意味になります (このリンゴは彼のものだ、彼女は俺のものだ、このスプーンはわたしのものだ、というような意味で)。これは、その日は怒りが支配する日だ、という意味です。あと、ecce homo この人を見よ、のように「この」とか「その」とか「あの」という指示形容詞は省略できます。
----- この irae が与格だとしたら、dies sit irae という意味である可能性もあると思います。その日が怒りのものであるように!(所有の与格) とか、その日が怒りのためにあるように!(未来、目的、用途、結果を表す与格) という意味になります。Dies irae! とびっくりマークがついているので、こういう願いを表している可能性はあるでしょう。古典ラテン語の文法書にしたがうかぎりでは、 irae は属格よりむしろ未来の与格である可能性が高いです。古典ラテン語ではこの未来の与格の使い方のほうが、形容詞の代用としての属格の使い方よりふつうだからです。
この与格の用例 : 
sumptui est 彼が来ることは出費につながる、出費に結果する、金がかかる 
--- labori est 彼と関わることは骨折りにつながる、骨折りに結果する、骨が折れる 
--- quaestui habeo もうけのために、もうけが目的で、もうけという使い道のために彼を友とする、彼と付き合うことはもうけに結果する 
--- dono do 贈り物という目的のために、贈り物という用途のために、贈り物として皿を与える 
--- bono habet よい目的のために、よい結果のために友を持つ、友を持つことはよい結果につながる 
--- turpitudini est 愛人を持つことは醜聞に結果する、醜聞につながる 
--- alimento sero 栄養のために肥やしをまく
--- auxilio mittit 手助けのために兵を送る
--- locum insidiis circumspectaverunt 待ち伏せのための、待ち伏せという用途のための場所をさがす
--- receptui signum 退却のための合図
+
+ illa > ille (指示形容詞) : あの、その
----- illa は女性、単数、主格で、dies (この詩では女性名詞扱い) を修飾しています。
+ solvet > solvo (不定詞 solvere) の未来形 : ほどく、解く、ゆるめる  /  分解する 、溶かす、液体にする、気体にする  ;  (何々の中に、in対格) 溶けて消える、分解して (何々に、+対格) なる  /  壊す、破壊する、消滅させる  /  (束縛をほどいて) 解放する、逃がす、(義務から) 解放する、免じる  /  (集まりを) 解散する
----- solvet は未来、三人称単数です。主語は dies。ほどくだろう、分解するだろう、解放するだろう、などという意味。
+
+ in (前置詞、対格または奪格を取る) : (奪格を取るとき、どこそこに、どこそこで、どこそこにおいて、という位置を表します) に、において、で  /  (対格を取るとき、どこそこへという方向を表します) へ、へ向かって
+ favilla > favilla (女性名詞) の単数、奪格 : まだ熱い灰、まだ燃えている灰、火葬された人体のまだ赤く燃えている灰
----- favilla は「灰、熱い灰、ember」「焼けた人体のまだ熱い灰」などという意味が辞書に載っていました。第18連では、homo resurget ex favilla (人が favilla の中からよみがえる)とあり、「灰」という意味であるように見えます。でもこの第1連では solvet saeculum in favilla (この世を flavilla の中で破壊する)で、「灰」はなんとなく合わない感じがします。in favilla でなく in favillam なら「この世を灰へと破壊する(=この世を破壊して灰にする)」という意味でしっくり来ますが。韻を踏むために favilla としてるだけで、意図としては favillam なのかも。
----- ただ (2017年6月16日金曜日 追記)、ラテン語にはないですがギリシャ語には in ... とか on ... という意味の前置詞に (例えば epi+対格)、その場所に最終的に止まるまでの動きもニュアンスとして含む用法があります。例えば epi  ge~n (on the ground) というフレーズはその ground に止まるまでの動き、そこまで行く動きとか、そこに落ちる動きとかを意味に含むことができるのです。だからこの in favilla はもしかしてギリシャ語の epi+対格のまねのつもりかもしれません。ラテン語の詩ではそういうギリシャ語の模倣がよく見られるらしいし。或いはこの Dies Irae はもともとギリシャ語の詩だったか。
+
+ teste > testis (男性名詞) : 証人  /  目撃者 ----- teste は単数、奪格です。絶対的奪格という用法で、文を修飾する副詞句 (英語の as 節のような) を作ります。teste david でダビデが証言したとき、とか、ダビデが証人であるが、とか、ダビデが証人だから、とか、ダビデが証人であるにもかかわらず、とか、英語の as の節のように文脈次第でいろいろと意味が変わります。
+ David (不変化の男性名詞) : ダビデ ----- ここでは奪格の働きをしています。
+ cum (前置詞、奪格をとります) : (何々、誰々) と、とともに
+ sibylla (女性名詞) : 女性占い師、女性予言者、女性預言者
----- sibylla はここでは単数、奪格です。cum につく形です。





2
Quantus tremor est futurus.
quando judex est venturus.
cuncta stricte discussurus!
(ずっと前の訳)
なんというはなはだしい震撼が起こることだろう、裁判官がやって来て、万物を一撫でで粉砕するとき。

(今回の訳)
どれほど激しい (* quantus) 恐怖が (* tremor) 巻き起こることだろう (* est futurus)?
(**** 疑問文に解してみた。)
神の (* 補足) 代理の裁判官が (* judex) これから来よう (* est venturus) というとき (* quando)

======
+ quantus (疑問形容詞) どのくらいの?どれほどの?どれだけの?  /  (関係形容詞) それくらいの、それほどの、それだけの
----- 英語の how が感嘆文で使われるのは疑問詞としてでしょうか、関係詞としてでしょうか?記憶が曖昧でわかりませんが。
----- quantus は男性、単数、主格で、tremor を修飾します。
+ tremor (男性名詞) : 震え  /  地震  /  恐怖の震え、恐怖  /  恐怖の震えをもたらすもの
----- tremor は単数、主格です。
----- 音楽で言うトレモロの語源でしょう。トレモロはイタリア語かなと思いましたが手持ちの簡単な小さい伊語辞典には載ってませんでした。
+ est > 一人称単数 (わたし、が主語のとき) は sum、英語の be動詞に当たります。
+ futurus : sum の未来分詞
----- 分詞というのは動詞を形容詞化したもののことですが、futurus は男性、単数、主格で、tremor の述語になっています。
+ quando (接続詞、英語の when に相当します) : (何々する) とき
+ judex (男性名詞) : 公務員 (低い地位のも高位のも指せる) (Niermeyer 辞典)  /  伯爵
 (Niermeyer 辞典)  /  公爵 (Niermeyer 辞典)  /  公爵によって派遣され裁判を執り行う役人 (Niermeyer 辞典)  /  法王によって派遣された裁判官 (Niermeyer 辞典)  /  私有地の管理人
 (Niermeyer 辞典) /  裁判官
----- judex は単数、主格です。役人が、という意味です。
+ venturus > venio (来る) の未来分詞
未来分詞と be動詞 (sum) を合わせて periphrastic future という未来形動詞になります。
venturus est は三人称単数で、judex を主語に取ります。
----- venturus は男性、単数、主格で judex に合わせています。

======







3
Tuba mirum spargens sonum
per sepulchra regionum.
coget omnes ante thronum.
(ラッパが驚くべき音を、方々の墓じゅうにまきちらし、すべての死人を裁判官の席*1の前に集めるだろう。)
======
(*1)thronus は「玉座」で、「裁判官の席」という意味は載ってなかったけど、ここでは神は王様でなくて裁判官にたとえられてるのでこう訳した。

4
Mors stupebit et natura.
cum resurget creatura.
judicanti responsura.
(死と自然は驚愕するだろう、裁判官の呼び出しに応えるために被造物がよみがえるとき。)

5
Liber scriptus proferetur.
in quo totum continetur.
unde mundus judicetur.
(リストが公開されるだろう、そこにはこの世が裁かれるすべての理由が書かれている。)

6
Judex ergo cum sedebit.
quidquid latet apparebit:
nil inultum remanebit.
(だから裁判官が着席するとき、隠されていることはすべて明らかとなり、罰せられずにすむことは何もないであろう。)

7
Quid sum miser tunc dicturus?
Quem patronum rogaturus.
cum vix justus sit securus?
(そのときあわれなわたしは何と言おう?どの弁護人を呼ぼう、正しい人でさえ無事ではすまないそのときに?)

8
Rex tremendae majestatis.
qui salvandos salvas gratis.
salva me. fons pietatis.
(おそるべき権能の王*1よ、救われるべき者たちをあなたはただで救う。わたしを救ってください、慈悲深さの泉よ。)
========
(*1)なんとなくこの詩では、神とイエスが区別されてる個所もあれば、同一視されてる個所もあるみたいです。上で神は裁判官でしたが、ここの「王」はイエスな気がします。前者はこの世を滅ぼすもの、後者はやさしくゆるして救う者。

9
Recordare. Jesu pie.
quod sum causa tuae viae:
ne me perdas illa die.
(思い出してください、慈悲深いイエスよ、わたしがあなたの歩む理由*1だということを。その日にわたしを滅びさせないでください、お願いします。)
=======
(*1)次の連を見ると、イエスが「わたし」を捜して旅している、というイメージがあるらしい。

10
Quaerens me. sedisti lassus:*1
redemisti Crucem passus:
tantus labor non sit cassus.
(わたしを捜し当てたとき、あなたは疲れきって座りこんだ。苦しみながらあなたはわたしの十字架刑を買い取った。これほどの苦労が無駄ではありませんように。)
=======
(*1)ここは或いはまったく意味がちがって、「わたしを尋問しているとき、あなたは(憐れみで)心がもろくなって座りこんだ。」と裁判の席がイメージされているのかもしれない。

11
Juste judex ultionis.
donum fac remissionis
ante diem rationis.
(罰をつかさどる正しい裁判官よ、ゆるしという贈り物をください、清算の日*1が来る前に。)
=======
(*1)罪を借金にたとえてるようです。

12
Ingemisco. tamquam reus:
culpa rubet vultus meus:
supplicanti parce. Deus.
(被告として、わたしはうめきます。罪の意識のために、わたしの顔は赤くなる。膝まづいてゆるしを請うわたしを、ゆるして下さい、神よ。)

13
Qui Mariam absolvisti.
et latronem exaudisti.
mihi quoque spem dedisti.
(マリアの潔白を証した*1方よ、悪漢の祈りにも耳を傾けるあなたよ、わたしにも希望を与えてくださった方よ。)
=======
(*1)absolvo はふつうなら「ゆるして解放してやる」という意味だろうから、マグダラのマリアのことかな?と思ったけど、bantam の辞書に prove someone innocence of という意味があるとあったので、その意味なら聖母マリアのことかもしれないなと思った。

14
Preces meae non sunt dignae:
sed tu bonus fac benigne.
ne perenni cremer igne.
(わたしの懇願には価値がありませんが、しかし、正しいあなたよ、どうかやさしくはからってください。わたしが永遠の火で焼かれることがないように。)

15
Inter oves locum praesta.
et ab haedis me sequestra.
statuens in parte dextra.
(羊たちの間にわたしの居場所をください。そして山羊からわたしを分別し、右*1に置いてください。)
======
(*1)dexter には「幸福な、幸運な」という意味も。だから「幸福な場所に置いてください」。羊が右で、山羊が左なのでしょう。羊は救われる者で、山羊は救われない者のこと?ほかにも右にはキリスト教の何かの意味があるのかもしれませんが、ぼくはわかりません。

16
Confutatis maledictis.
flammis acribus addictis:
voca me cum benedictis.
(呪いの言葉でののしる声を抑えつけて黙らせ、彼らに激しい炎を罰として与えて、祝福の声でわたしを呼んでください。)

17
Oro supplex et acclinis.
cor contritum quasi cinis:
gere curam mei finis.
(膝まづき、身をかがめてわたしは懇願します。心はすりつぶされて灰のよう。わたしの最後にどうか意を配ってください。)

18
Lacrimosa dies illa.
qua resurget ex favilla
judicandus homo reus.
Huic ergo parce. Deus:
(その日は涙に満ちた日。その日、裁かれるべき被告、人間が灰の中からよみがえるだろう。どうか、彼をゆるしてやってください、神よ。)

19
Pie Jesu Domine.
dona eis requiem. Amen.
(慈悲深い主イエスよ、彼らに安らぎを与えてください。アーメン。)

聖母マリアへの賛歌の1つです。
ラテン語の単語の意味と訳例を載せました。
 
 
 
Alma Redemptoris Mater,
+ alma : 形容詞 almus の女性・呼格または主格 : 育ててくれる、やさしく世話してくれる、かわいがってくれる、慈しんでくれる、慈悲深い、惜しみなくくれる、(木や土地などが)ふんだんに生産する 
・・・ しばしば神の名前に添えられる。O Venus alma ! とか。
+ Redemptoris : redemptor の属格(〜の): 買い戻す人
・・・ここではキリストのこと。債務者の借金を払って身柄を買い戻す人にたとえて。
+ Mater : 女性名詞 mater の呼格(〜よ)または主格(〜である): 母、お母さん

訳例:「買い戻す方」の慈しみ深い母よ、

 
 
quae pervia caeli
Porta manes,
+ quae : 関係代名詞 qui の女性形・主格 : 英語の who
+ pervia : 形容詞 pervius の女性形・主格または奪格 : 通り抜けられる、通り道を与える、(戸などが)開いた
+ caeli : caelum の属格(〜の): 天、空 / (キリスト教で)天国
+ porta : 女性名詞 porta の主格(〜である)または奪格(〜において) : 市の城門 / 門、出口、入り口、通路
+ manes : manere の2人称・現在(あなたは〜する) : いる、とどまる、いつづける

訳例:あなたは天国へ開いた門のところにおられます。
:あなたは天国への門であり、その門は開かれたままになっています。
 
 
 
et stella maris,
+ et : and
+ stella : stella の主格(〜である)または奪核(〜において)または呼格(〜よ) : 星 / 星座 / 瞳 / 星形のもの / ヒトデ
+ maris : (1) mare の属格(〜の) : 海 / 海の色、海緑色
(2) mas の属格(〜の) : 男

 
succurre cadenti,
+ succurre : succurrere の命令形(〜せよ) : 助けに走る、助けに駆け寄る(+与格)
+ cadenti : cadens (動詞 cadere の現在分詞)の与格 : 落ちていく 、(名詞扱いで)落ちていく者 / 倒れていく、(名詞扱いで)倒れていく者 / 死んでいく、(名詞扱いで)死んでいく者 / 滅びていく、(名詞扱いで)滅びていく者 / 弱っていく、(名詞扱いで)弱っていく者 / 堕落していく、etc.

訳例:海の星よ、落ちていく者を助けに来てください。
 
 
 
Surgere qui curat, populo:
+ surgere : surgere の受動・命令形(〜されろ)または2人称・受動(あなたは〜される) : 立たせる、起き上がらせる、立ち上がらせる
+ qui : 関係代名詞 who の男性・主格(〜は)または呼格(〜よ)、ここでは is qui (he who) の略
+ curat : curare の3人称・現在(彼は〜する) : 〜の世話をする、〜の面倒を見る(+対格、または+与格) / (傷や病気、病人など)を癒す、〜を治す(+対格。与格をとるとは辞書には書いてないです。) / (商用語で)(自動詞としても他動詞としても)金銭上の責任を取る、支払いをする、金を払う、(金)を払う
+ populo : populus の与格(curat の目的語となる形、または、〜のために) : 国、国民、民 / (支配者に対して)民、人民 / (たくさんの人)人々

訳例:立ち上がってください、借金を払ってくださる方(=キリスト)よ、民のために。
:借金を払ってくださるあなたは立ち上がります、民のために。
:立ち上がってください、民の面倒を見てください。
:立ち上がってください、民を癒すため。
 
 
 
tu quae genuisti, Natura mirante, tuum sanctum Genitorem
+ tu : tu の主格(〜は) : あなた
+ quae : 関係代名詞 qui の女性・主格 : who
+ genuisti : gignere の完了・2人称(あなたは〜した) : 生む、産む
+ natura : natura の奪格 : 自然、世界 / (物事・自然の)しくみ、秩序 / 誕生 / (人・物の)性質 / (人・物の)本性、本質
+ mirante : 動詞 mirari の現在分詞・奪格(奪格の名詞+奪格の形容詞で、名詞・・・ここでは natura・・・の状態を表す副詞句になる。Natura mirante で「自然世界が驚く中で」「自然世界が驚きつつ」「自然世界が驚くようなしかたで」などの意。)
: 驚いている、びっくりしている
+ tuum : 形容詞 tuus の男性・対格 : あなたの
+ sanctum : 形容詞 sanctus の男性・対格 : 聖なる、神聖な
+ genitorem : 男性名詞 genitor の対格(〜を) : 父親 / 源

訳例:自然の秩序が驚くようなしかたで、ご自分の聖なる父を産んだあなたは、
 
 
 
Virgo prius ac posterius,
+ virgo : 結婚していない娘、乙女、処女
+ prius : 副詞 : 前に、以前に
+ ac : and
+ posterius : 副詞 : 後に、後で
 
訳例:前にも処女でしたし、これからも処女です。
 
 
 
Gabrielis ab ore
Sumens illud Ave,
+ Gabrielis : Gabriel の属格(〜の)
+ ab : 〜から(奪格をとる)
+ ore : os の奪格 : 口
+ sumens : 動詞 sumere (取る / 受け取る)の現在分詞(取っている / 受け取っている)・主格(tu を修飾)、
または名詞扱いで呼格(受け取る者よ)
+ illud : ille の中性・対格 : (形容詞として)その、あの / (代名詞として)それ・あれ・・・対格だと「それを」「あれを」
+ Ave : 会ったときや別れるときのあいさつに使う言葉。
幸運を!、神の祝福がありますように、さようなら、よい旅を、など。
動詞 avere(うまくやっていく、うまくやっている、順調にやっている)の命令形。

訳例:あなたはガブリエルの口から祝福のあいさつを受け取っていますが、
:ガブリエルの口から祝福のあいさつを受け取る方よ、
 
 
 
peccatorum miserere.
+ peccatorum : peccator の複数・属格 : 違反者、罪人
または peccatum の複数・属格 : 違反、過ち、罪、まちがい、誤り
+ miserere : 動詞 misereri の命令形(〜せよ) : 同情する、憐れむ、かわいそうに思う(目的語に属格を取る。辞書の例文を見ると属格の名詞は人の場合も物事の場合もある。)

訳例:罪人を憐れんでください。
:わたしたちの過ちに同情してください。

 
 
 
「めでたし、海の星 Ave Maris Stella」
単語帳 その7
 
 
・聖母マリアの名を maris stella と(語源解釈して)訳したのは聖ヒエロニムス(4世紀)だそうです。
・ヒエロニムスの解釈によると、ミリアム Miryam(マリアはヘブライ語のミリアムのギリシャ語への音写だそうです)という名前は海と関係あるらしいです。
・ヒエロニムスは Miryam を maris stella(海の星)でなく maris stilla(海のしずく)と語源解釈していた可能性もあるらしいです。(e と i は混用されていた。)
このページにはマリアの語源解釈についていろいろ紹介しています。
 
 
音楽:
パレストリーナの Ave Maris Stella
http://www.youtube.com/watch?v=dfbYzhxyv9I
グレゴリオ聖歌としての Ave Maris Stella
http://www.youtube.com/watch?v=NOipola4doE
このページでは歌を聞きながら歌詞もいっしょに見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=TacNIbmDZ4s
 
 
 
 
Sit laus Deo Patri,
+ sit : sum (be 動詞)の接続法(ここでは願望を表す。「〜があれ!〜であれ!」): ある / (与格Aとともに)〜がAのものである、〜がAの所有物である
+ laus : 女性名詞 laus の主格(〜が) : 賞賛、名声、栄光、尊敬
+ deo : deus (神)の与格(〜に)
+ patri : pater (父)の与格(〜に)・・・ deo と並置

訳例:父なる神に栄光(称賛、名声)あれ!
 
 
 
summo Christo decus,
+ summo : 形容詞 summus の男性・与格 : (場所的に)もっとも上の、もっとも上にある / (地位・その他のランクにおいて)もっとも高い、もっともえらい、もっとも価値ある、もっともいい、もっとも重要な、もっとも優れた、もっとも高貴な、etc.
+ Christo : Christus (キリスト)の与格(〜に)・・・ここでは sit が省略されています。
+ decus : 中性名詞 decus の主格(〜が) : (物事・人の)輝き、輝かしい性質、美しさ、栄光、卓越性、尊厳

訳例:いちばんえらい方キリストに輝く栄光(尊厳)あれ!
 
 
 
Spiritui Sancto
+ Spiritui Sancto : Spiritus Sanctus (聖霊)の与格(〜に)

訳例:聖霊に
 
 
 

honor, tribus unus. Amen.[7]
+ honor : 男性名詞 honor の主格(〜が) : 評判、尊敬、名誉
+ tribus : tres の与格(〜に) : 3、三 / (名詞的に)3つ、3人
+ unus : 形容詞 unus の男性・主格・・・男性名詞 honor を修飾するのか。1つの形容詞で、性のちがういくつかの名詞を(例えば男性名詞 honor と女性名詞 laus と中性名詞 decus の3つを)まとめて修飾する場合、もっとも近い名詞(= honor)、またはもっとも重要な名詞に格を合わせる。 : 1つの / (複数の物・人に共通な、という意味で)同一の、同じ1つの
+ amen : よし、このようにあれ、そのようにあれ(自分の言ったことや、人の言ったことについてうなずいて)/ 本当に、心から、まことに  「まことに、わたしはあなたがたに言う(福音書から)」

訳例:栄光(名誉・評判)あれ!神・キリスト・聖霊の御三方に対して1つの栄光があれ!アーメン。
 
 
 
 
 
「めでたし、海の星 Ave Maris Stella」
単語帳 その6
 
 
ジョスカン・デプレの Ave Maris Stella
デュファイの Ave Maris Stella
ヴィクトリアの Ave Maris Stella
モンテヴェルディの Ave Maris Stella
 
 
 
Vitam præsta puram,
+ vitam : 女性名詞 vita の対格(〜を) : 生活 / 人生 / 命、生命
+ praesta : praestare の命令形(〜せよ): 〜を与える(金を、など)、出す、発する、撒き散らす(光を、など)、向ける(背を、など)、捧げる(捧げものを、など)、etc.
/ 〜を保つ、維持する;(+対格A+対格B / +対格A+前置詞B)AをBに保つ
/ 〜を示す、証明する(力を、善意を、など);(+対格A+対格B / +対格A+前置詞B)AがBであることを示す、証明する
+ puram : 形容詞 purus の女性・対格 : きれいな、ごみや垢やしみのついていない / まじりっけのない、純粋の / きれいにする、純化する働きのある / 穢れていない、穢れない / 貞節な / 自然な、天然の、飾りのない、洗練されていない / 踏み荒らされていない / 嘆き悲しみのない

訳例:わたしたちの生活を穢れなく保ってください。
:わたしたちの人生を嘆きのないように保ってください。
:わたしたちにどんどん清くなっていく人生を与えてください。
:穢れのない命をお与えください。
:飾りなく素朴な生活をお与えください。
:生が穢れないものであることを示してください。
 
 

iter para tutum,
+ iter : 中性名詞 iter の対格(〜を): 歩み / 旅 / 道
+ para : parare の命令形(〜せよ): 準備する、整える、整備する
+ tutum : tueor (面倒を見る、守る)の過去分詞 tutus の中性・対格 : 維持管理された、守られた、安全な、危険のない

訳例:わたしたちの旅の道のりを安全に整えてください、
 
 

ut videntes Jesum
+ ut : so that、〜となるように・・・この意味の場合、後につづく動詞は接続法になる
+ videntes : video (〜を見る / 〜と会う、〜に会いに行く)の現在分詞、男性・複数・主格(collaetemur の主語「わたしたち」を修飾する形)、ここでは副詞的に「〜して、〜しつつ、〜することによって」という意味
+ Jesum : Jesus の対格(〜を見る、〜と会う)

訳例:わたしたちがイエスに会い、

 
 
semper collætemur.
+ semper : いつも / ずっといつまでも
+ collaetemur : collaetari (deponent) の接続法・複数・1人称(わたしたちは〜する) : どもに喜ぶ

訳例:いつまでもともに喜び合えるように。
 
 
 
 
 
 

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