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産経新聞 8月29日(月)23時26分配信
菅直人首相が、唐突に朝鮮学校への高校無償化適用の審査再開を指示したことに対し、反対してきた拉致被害者の家族らは「拉致問題を解決する気がなかった表れだ」と反発と失望を深めている。「北朝鮮に対する下心の表れではないか」。専門家からは去りゆく首相に対し、そんな声も上がった。
「私たちが訴えていることを分かっていながら、菅首相はそういうことをする方なんだと感じました」
首相の審査再開指示について横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(75)はこう言って落胆した。
朝鮮学校では、教科書で拉致問題への取り組みを「反朝鮮人騒動」などと教えており、拉致被害者の家族会は、朝鮮学校に無償化を適用すれば、「拉致問題について誤ったメッセージを送ることになる」と教育内容を問わないままの適用に反対してきた。
首相はこうした家族の懸念に全く答えず、むしろ無視したといえる。
田口八重子さん=同(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(73)は「新しい首相に判断を委ねればいいことで、辞めるときにやるべきことではない」と批判。「北朝鮮に制裁している中で国費で朝鮮学校を支援することになれば、日本は折れてきたと北朝鮮に受け止められかねない。菅首相は拉致問題を解決する気が全くなかったと思わざるをえない」と憂慮を示した。
家族会は29日、審査再開に抗議する声明を出し、拉致問題を理由に手続きを再停止するよう求めた。
一方、朝鮮学校問題に詳しい李英和(リヨンファ)関西大教授は「北朝鮮は砲撃事件で韓国が求める謝罪もしておらず、何ら状況が変わったわけではない。菅首相は辞めた後に北朝鮮と交渉しようといった下心があるとしか思えない」と指摘する。
北朝鮮では、金正日総書記の三男、正恩氏の後継体制づくりを進めており、朝鮮学校でも在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の方針のもと、正恩氏の偶像化教育が進められるとみられている。
李教授は「審査再開はこの動きにお墨付きを与えることになる。今後の審査では、朝鮮学校の朝鮮総連とのつながりや教育内容といった本質部分に立ち返った議論がなされるべきだ」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110829-00000651-san-soci
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