|
4月末の古墳探訪も偶然の産物である。 久々に老母を温泉に連れて行こうと思い立ち 甲府市の湯村温泉に宿を取った。 この湯村温泉は、兵庫の湯村ほど知名度がないかもしれないが、 なかなかどうして湯温も適度に高く、湯量も豊富でいい温泉である。 ただ2泊3日のスケジュールの4月29日、30日、5月1日のうち後ろの2日間は 天気が崩れるとの予報・・ どう過ごそうかなあ、と迷いながら出発 初日の29日は、まだ晴れ間があるとの予報だったので 昇仙峡を訪ね久々に新緑を楽しんだ。 翌日の計画を考えあぐねていると 母が、「宿の近くをぶらぶらするだけでいいよ・・」 そこでおもむろに宿に用意された色々な散策地図をあさってみると・・ その中に「湯村八跡御案内図」という古めかしい地図があった 八跡というのはまあ古いいわれのある場所8つと言うことだろう。 湯村界隈の地図を描き八跡のそれぞれについて解説が書かれている。 どうも名前からして8つのうち2つが古墳のようだ 一つが地蔵古墳・・・このあたりでは有名な厄除け地蔵のある塩澤寺の境内の裏山にあるらしい もう一つが、加牟那塚と言う古墳でこちらは地図上でも相当大きそうな円墳になっており 地図上の「玄室入口は南です」との書き込みから石室を覗けそうな感じであった。 更にこの地図をしげしげ見てみれば、 八跡の一つになっている「御煙硝蔵」と言われているものも、 徳川時代に火薬の保管庫に利用された古墳の石室ということが分かった。 かくして、雨のぱらつく中、母と二人で勇躍 湯村温泉界隈の古墳探索へGO!と相成った。 まず塩澤寺の地蔵古墳を訪れる。 塩澤寺は弘法大師が開いたと言われる古い寺であるが その地蔵堂(写真はその手前の山門) の横を少し山を登る感じで入っていくと はたして見えてきました地蔵古墳. 地図では地蔵山古墳と言う表現もあったが 看板を見ると地蔵古墳、こうもり塚といった名前で呼ばれているようだ。 古墳時代後期・・6世紀ごろの古墳らしい。 湯村山方面へ登っていく道のはたに一基、少し奥の方に一基ある。 手前の方が大平2号墳、奥の方が大平1号墳と言うのがどうやら正式名称か? 路のはたの古墳の方は少し入口が狭くなっていたが それでも覗き込むとコンパクトながら整然と石の積まれた石室が見えた。 奥まった所にあった大平1号古墳の方は 2号墳より大きい感じで 余裕で石室の中に入ることが出来る。 入口も広いが奥行きもあり高さもある!! 墳丘は失われているがこんなに立派な石室の古墳だったのね!! 3月末におとずれたのは甲府盆地の南端の山側の古墳だったが 今回は同じ盆地の北の端の山側に位置する古墳だ。 石室も前は竪穴式石室の古墳だったが今回はすべて横穴式石室だ。 もともと甲府市の湯村温泉付近には 「塚原」「千塚」といった 古墳が多かったことを暗示する地名が残っているぐらい 古墳があったらしいのだ。 甲府の南側に古墳を作らせた勢力とは 異なる勢力だったのだろうか・・ さて、この段階で疲れが出た母を宿に送り 一人で加牟那塚古墳へ・・・ こちらはしっかり整備されていて 立て看板だけでなく石碑もある 立て看板の説明によると古墳時代後期初頭・・5世紀末から6世紀にかけての古墳だそうで 直径45メートルの円墳である 南東に開いた横穴式石室は、羨道の長さ6.36メートル、玄室の長さ10.30メートル高さ2.63メートルと 立派なものだ。 天井石には7枚の巨石、奥壁は大きな一枚石を用いていると言う。 ただ残念ながら立派な石室の入口は鉄格子がはめられ 中に入ることが出来ない でも講師の間から中の様子は覗くことができ ずいぶん立派な石室であることが分かる。 この加牟那塚古墳の墳丘はあまり高くない感じだったが、 登ってみるとやはり甲府盆地が一望できる高さで ちょうどこのころに雨も上がり 富士山、南アルプスなど周囲の山も一望できる 素晴らしいロケーションにあることが分かった。 (上の写真中青い丸の中が富士山・・空が青くないため分かりづらいが、肉眼ではきれいに見えた) 最後は万寿森古墳とも言われている御煙硝蔵だ。 説明板によれば、直径25メートル高さ5メートルの円墳である。 南に開いた横穴式石室は、全長14.2メートル、玄室の長さ7.9メートル 玄室の幅が2.44メートル、高さ3.3メートルとこちらも堂々たる規模の石室を持っている。 6世紀中ごろのものとの記述や加牟那塚古墳に先行するとの記述は、加牟那塚古墳で見た 立て看板の説明と矛盾するが、まあいいとしよう。 こちらは残念ながら、鉄の扉で石室がふさがれ周りの様子も草が生い茂って あまり見えない。 それでも石の様子からかなり立派な石室であることが分かる。 さてこのあたりで夕暮れとなり、 4つの横穴式石室の古墳を見ることが出来た満足感を味わいつつ 宿に戻ったのであった。 地蔵古墳、加牟那塚古墳、万寿森古墳の位置関係については 下記の散策マップをご参照ください。 http://www.yumura.com/www/acces/map_yumura.html ただしこれは文中の湯村八跡御案内図とは異なります。 |
全体表示
[ リスト ]




