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舟
その舟は
千年生きた木を 石斧で切り倒して 枝を払い 幹をくり抜いて作った
そして わずかな人々を乗せ この小石混じりの
冷たい波の打ち寄せる
北の海岸に流れ着いた
人々は
辿り着いた大地を
自らの暮しの場にしていったが
死んだ後にもいられる所にはできなかった
それで
誰かが死ぬと
千年生きた木を
石斧で切り倒して
舟を作り
それに乗せて
波間に押し出すのだ
遠い
西の涯の国に
遥かな故郷に
辿り着くと信じて
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