What A Wonderful World!

いろいろあるけど、めげずにコツコツと

ドストエフスキー

[ リスト ]

イメージ 1

『カラマーゾフの兄弟』のブック・レビューなんて、書こうと思ったのが
そもそもの間違いだったかもしれない。段々、疲れてきた。
ドストエフスキー最後の作品なので、彼はこの小説の中で何もかも書こうとした
んですね。だから、いくら書いてもきりがない。もちろん、あらすじだけ書くことは
できますが。

この小説を読みながら私が思い出したのは、学生時代にお世話になった『試験に出る英単語』
という受験勉強用の本です。ロングセラーだと思いますが、この英単語勉強本のユニーク
な点は、「重要と思われる単語順」に書かれている、ということです。
普通ならば「頻度順」なんですけどね。著者の森先生いわく、「この単語の意味がわからなければ
その文章全体の意味は絶対にわからないだろう」と思われる重要な単語順なのです。

もう30年以上前に使った本ですので、順番は正確には覚えてしませんが、確か上位には
こんな単語がありました;

intellect 知性
conscience 良心
tradition 伝統
agriculture 農業
religion 宗教
literature 文学
hatred 憎悪
patriotism 愛国心
vanity 虚栄心
emotion 情緒、感情
psychology 心理(学)
instinct 本能
enthusiasm 情熱
などなど。

もちろん、『カラマーゾフ』はロシア語で書かれたのもですが、西欧文化というものを、
もしくは現代の文化というものを理解するには、不可欠な単語です。
もしくは「人間」というものを理解するのに必要な単語かもしれません。

長男ド−ミトリイはemotionとenthusiasmの人
二男イワンはintellectの人
三男アリョーシャはconscienceの人
父親フョードルは、greed(貪欲)の人
スメルジャコフはhatredの人

さて、ドーミトリイは父親殺しの容疑者として裁判となります。数々の証人が証言します。
ほとんどの人の証言はドーミトリイに不利な証言でした。ある老人だけは、昔、ドーミトリイ
が子供だった時のことを思い出し、「とてもいい子だった」と証言したのは印象的でした。
もと恋人のカーチェは、最初は弁護する証言でしたが、後でグルーシェニカに対する嫉妬心
から前言を取り消して、急に不利な証言に変わりました。
有能な弁護士は、これら証言者たちの証言自体がいかに信頼性に乏しいもので、何の証拠
にもならないことを指摘します。

アリョーシャの証言は、
「私は兄の無罪を信じます。なぜならば、兄は正直な人間だからです。
兄はこれまで一度も私に嘘をついたことはありません。その兄がしていない、と
言っているのですから、殺害していないはずです」と。
イワンの証言は「スメルジャコフこそが真犯人だ」と言うのですが、本人は精神病
にかかっており、途中で支離滅裂になってしまい、証言台から引き下ろされてしまいます。

検事の論告がまた長い!60ページくらいあるのでは。彼はpatriotismの人で、
「この事件が問題なのではなく、このような事件にもあまり驚かなくなった我々
の社会が問題である」といったことから始めて、延々とカラマーゾフ家について、
そして、ドーミトリイの心理を推測した論告となります。

弁護士は、この検事の論告には非常に冷ややかに、「あまりに心理的な推測が過ぎる」
として、そのような推測ならば、いくらでもできるし、全く違う推測だって可能だ、
と真っ向から反論します。そして、興味深いのは、
「子供を産んだから母親である。男親だから父親であるわけですが、果たしてその
義務も全うしなかったような人間が母親、もしくは父親と呼べるのでしょうか!?
子供にとって、本当の母、父というのは、愛のある母であり、尊敬する父ではない
でしょうか」といった内容の発言でした。

多くの傍聴人がいて、陪審員がいて(陪審員の多くは農民)、もちろん、裁判官がいて、
休憩時間を挟んで、いよいよ判決がでました。

「有罪!」

ドーミトリイはシベリアへ流刑となります。冤罪ですね。
この判決については、私見ですが、陪審員の農民たちが、ドーミトリイを許さなかった
結果ではないか、と思っています。貧しい農民たちから見れば、ドーミトリイなど、
全く同情する余地もなかったのではないか、と思います。

この小説は、この裁判をもって終わるわけではなりません。

最後にアリョーシャとある少年の話で終わります。このエピソードについては、
これまで一度も触れなかったので、次回触れたいと思います。
作者が愛したアリョーシャこそが、この小説の主人公です。

閉じる コメント(1)

顔アイコン

内緒さん、こんばんは。陪審員制度は、先入観や印象といったことで判決が変わってきそうですね。「ハロー効果」(ある突出した特徴だけに目が行ってしまう傾向)が怖いです。アリョーシャとソーニャは、随分違いますが共通点も多いですね。

2009/10/24(土) 午後 6:30 [ dareyanen22 ]


.
dareyanen22
dareyanen22
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

標準グループ

友だち(9)
  • うさぎ
  • @Subtropical
  • アジアや世界の歴史や環境を学ぶ
  • は な
  • toshimi
  • tak*o*otet*u
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事