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今日も会社を休んでいます。 『1Q84』BOOK3を読み終えました。BOOK2を読み終えたときのような中途半端さは なくて、「ああ、これで『1Q84』は完了した」という感触を得ました。 (作者の「終わらせなくちゃ」という気持ちも感じました(笑) 『1Q84』ってどんな本?って聞かれて、一言で返事をするのは難しいですが、 天吾君と青豆の時空を超えたサスペンス・ラブ・ファンタジーとでもいうのでしょうか。 話は複雑に絡み合っているので、再読しないとわからない部分が結構あります。 さて、天吾君のお父さんは、もとNHKの集金人で、現在は病気で?意識もなく、 千葉県の千倉にある療養所にいる。 天吾君とお父さんは全く似ていないし、二人の間にはなんの愛情もない。 天吾君のお母さんは天吾が小さい時に死んでいる。この人が本当のお父さんかどうかも わからない。 BOOK3で、天吾君が休暇を取って千倉まで電車で行き、宿も取り、毎日、お父さんの お見舞いに行く場面がある。そこで天吾は意識がなく昏睡状態にあるお父さんに朗読を する。 これだけでも、相当、私にいろいろなことを思い出させます。 * 実は私の妻は千葉県の千倉出身だ。千倉に行ったことがある日本人は多くはないと思う。 千葉県と聞けば、「ああ」と思うでしょうが、千倉は遠い。東京駅から内房線特急で1時間で木更津、 2時間乗って館山だ。その終点館山から在来線で2駅先が千倉駅だ。 「鴨川の近くですか?」とも聞かれる。鴨川は外房線の終点だ。そこから車で南へ40分行った ところが千倉だ。遠い。 妻のお父さんも数年前に千倉の療養所で亡くなった。ひょっとしたら、春樹の小説のモデル になったのはこの療養所(ホスピス)かもしれない。 千倉を「猫の町」と表現しているけど、千倉には地元のデザイナー(版画家)でネコの デザインを多く扱っている人(山口マオさん)がいる。ひょっとしたら、この人の作品に 触発されて「猫の町」としたのか。 (長男の5歳の誕生日12月24日の記念に千倉でマオさんの版画を買って、家に飾ってあります。 これがそれです。裏にはマオさんにメッセージももらっています) 寝たきりの父親。私の母も寝たきりの人になってしまった。母は千倉ではなくて神奈川にいる。 そして、朗読。私は新宿での朗読会に参加するようになった。 寝たきりの人に一方的に朗読をする、ということはなんだか良いことのような気がしています。 次回、母を訪問したら、何か朗読しようと思っています。 今は私は病身で、母もいつまで持ちこたえるかわからないけど。 『1Q84』BOOK3から少しだけ引用(232ページ) (天吾君がお父さんの病室に入ってからの描写) 気持ちの良い朝だ。空気を入れ換えなくてはならない。外気はいくぶんひやりとしているものの、 まだ冷え込むというほどでもない。陽光が部屋に差し込み、海風がカーテンを揺らせた。 一羽のかもめが風に乗り、両足を端正に折り畳み、松の防風林の上を滑空していった。 雀の群れが不揃いに電線にとまり、音符を書き換えるみたいにその位置を絶えず変化させていた。 くちばしの大きなカラスが一羽、水銀灯の上にとまって、あたりを用心深く見回しながら、 さてこれから何をしようかと思案していた。幾筋かの雲がとても高いところに浮かんでいた。 それはあまりに遠く、あまりに高く、人間の営みとは関わりを持たないきわめて抽象的な 考察のようにも見えた。 「幾筋かの雲が・・・きわめて抽象的な考察のように見えた」 ストーリーだけでなく、こういう描写も私は大好きです。
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村上春樹
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内緒さん、こんにちは。母親は5月中旬に病院から介護老人特別施設へ移動となります。特別養護老人ホームではありません。ややこしい。朗読の本は未定です。この版画、地味だけどなかなかでしょう?
2010/4/30(金) 午後 7:11 [ dareyanen22 ]