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NHKの「100分DE名著」、2月は新渡戸稲造の『武士道』だった。(この番組は本当に面白い)
彼は少し前まで五千円札だったけど、随分短命で、樋口一葉になってしまった。
 
私が、新渡戸稲造のことを知ったのは結構大人になってからで、福沢諭吉などに比べると
「聞いたこともない人」に近かった。
彼を知ったのは、ある日、何かを読んでいて、こんな新渡戸さんの話が出てきたとき;
 
新渡戸稲造が米国にいるときに現地の人と話をしていて、
「え!?日本にはキリスト教のような宗教がない?では、どうやって道徳教育を
しているんですか?」
という質問をされて、彼は、"Bushido: The Soul of Japan"という1冊の本を書いて
それに答えたという話です。
英文で『武士道』を書いて、後日、いろいろな人が和訳しています。
こういう質問に対して、英文で、一冊の本を書いて回答する、ってすごいですよね。
 
この新渡戸さんって一体何者?
『武士道』って、なんとなく、わかるけど、実際、どんな本だろう?
そう思って、和文の『武士道』と原文の、"Bushido: The Soul of Japan"とも買って
読んだのだけど、いかんせん、難しい。文章の格調が高すぎる。
 
ざっくり言えば、こんな内容だ。
 
日本には「武士道」というサムライ精神がある。
「勇」、「忠」、「仁」が「義」を支え、(「義」が「勇」を支えることもある)、
「仁」と「信」が「礼」を支える。
そして、「義」と「礼」が「名誉」を支えている。
「名誉」の裏返しが「恥」だ。
武士は名誉を重んじ、その名誉のためには切腹もする。
 
封建制時代に、トップにとっては、都合のいい教えだったとも言える。
 
新渡戸稲造は
1862年(文久2年) 岩手県盛岡に生まれる。
東京外国語学校、札幌農学校、東京帝国大学などを経て、
1884年(明治17年)、渡米してジョンズ・ホプキンス大学に留学
(その前にキリスト教徒になっている)
1891年(明治24年)クエーカー教徒のメリー・エルキントンと結婚、帰国
1900年(明治33年)『武士道』出版
その後、様々な大学の教授や学長になっている。
 
新渡戸稲造は国際連盟の事務次長もやった。
晩年は、日本が国際連盟を脱退し軍国主義思想が高まる中、
「我が国を滅ぼすものは共産党と軍閥である」
との発言が新聞紙上に取り上げられ、軍部や左翼の激しい反発を買い、多くの友人や弟子たちも去る。
一方、反日感情を緩和するためアメリカに渡り、日本の立場を訴えるが
「新渡戸は軍部の代弁に来たのか」
とアメリカの友人からも理解されず、失意の日々だった。
そして、
1933年(昭和8年)、カナダで71歳で客死した。 
 
この武士道に見られる自己犠牲の精神、克己心などは、明治以降の日本の
発展に役立った。藩の存在がなくなった後は、「忠」や「義」の心は、藩ではなく
国家にとって変わった。富国強兵には有利な精神だった。
 
しかし、敗戦で日本の武士道精神は否定された。民主主義万歳!である。
義務ではなくて、権利の主張の時代になった。
名誉ではなくて、実利の時代になった。
 
名誉よりもお金。
いまさらサムライでもない。
 
しかし、
江戸時代に生まれ、明治、大正、昭和を生きた新渡戸稲造は、
これら武士道の美徳「勇」「忠」「仁」「義」「信」「名」は、江戸時代が終り、
つまり武士の時代が終わっても、永遠に日本国に残って行くだろう、と言う。
 
完全に絶滅することが武士道の運命ではありえない。
その光と栄誉は、その廃墟を越えて、長く生き延びるだろう。
 
武士道は日本の標章である桜の花にまさるとも劣らない
わが国土に根ざした花である。
 
その象徴とする花のように四方からの風に散った後もなお、
人生を豊かにするその香りで、人類を祝福するだろう。
 
最終回では、もと国連事務次長だった明石さんがゲストで出演しました。
東日本大震災の後に彼がシンガポールを訪れたとき、現地の雑誌で
日本人の大震災に対する対応について
「静かなる威厳」
というタイトルで書かれていたそうです。これは、日本人に対する最大の賛辞であり、
まさに、日本人にはいまだに武士道精神が残っているということだと思う、
と語っていました。
 
日本人の「自己抑制」も武士道に通じる、と。
 
お葬式で、日本人はギャーギャー泣かない。
それどころか、一番泣くべき人間が笑顔を見せたりする。
これも日本人独特の自己抑制だそうです。
 
私の祖先はきっと農民か職人で、武士ではないと思いますが、
だから自分は武士道とは無縁だよと思っていました。
しかし、言われて見ると、確かに、どこかにわずかですが
武士道の片鱗が残っているような気がします。
 
 
 
 
 

閉じる コメント(2)

日本の武士道と、西洋の騎士道。
詳しくは知りませんけれども、イメージだけでは
ちょっと通じるところがあるのかな、と思ってます。

一見廃れてしまったような『武士道』ですが、
日本人のDNAには受け継がれているものなのかも
しれませんね。
そういう大切な「精神」は、いつの世代も責任を持って
次の世代に伝えて行かなければいけないのでしょうね。

2012/2/27(月) 午後 6:48 [ TOKO ]

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TOKOさん、新渡戸さんもそのへんのことはわかっていて、ドンキホーテを引合いに出して騎士道について言及しています。時代遅れの騎士ドンキホーテ。日本にも時代遅れの武士たちがたくさんいるのかもしれません。

2012/2/27(月) 午後 7:13 [ dareyanen22 ]


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