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先日、男のプライドについて書きましたが、今回は女のプライド。
宮部みゆきの『火車』を読んでいます。
この本からの抜粋です。
「お金もない。学歴もない。とりたてて能力もない。顔だって、それだけで食べていけるほどきれいじゃない。頭もいいわけじゃない。三流以下の会社でしこしこ事務してる。そういう人間が、心の中に、テレビや小説や雑誌で見たり聞いたりするようなリッチな暮らしを思い描くわけですよ。昔はね、夢見ているだけで終わってた。さもなきゃ、なんとしても夢をかなえるぞって頑張った。それで実際に出世した人もいたでしょうし、悪い道へ入って手がうしろに回った人もいたでしょうよ。でも、昔は話が簡単だったのよ。方法はどうあれ、自力で夢をかなえるか、現状で諦めるか。でしょう?」
「だけど、今は違うじゃない。夢はかなえることができない。さりとて諦めるのは悔しい。だから、夢がかなったような気分になる。そういう気分にひたる。ね?そのための方法が、今はいろいろあるのよ。彰子の場合は、それがたまたま買物とか旅行とか、お金を使う方向へいっただけ。そこへ、見境なく気軽に貸してくれるクレジットやサラ金があっただけって話」
「ほかにはどんな方法があります?」
「あたしの知っている方法としちゃ-----そうね、友達に、整形狂いの女がいるわ。もう十回近く顔を直しているんじゃないかしら。鉄仮面みたいな完璧な美女になりさえすれば、100パーセント人生ばら色、幸せになれると思い込んでるの。だけど、実際には、整形したって、それだけで彼女が思っている『幸せ』なんか訪れないわけですよ。高学歴高収入でルックス抜群の男が現れて、自分を王女さまのように扱ってくれる。なんてね。だから彼女、何度でも整形を繰り返すわけ。これでもか、これでもかってね。同じような理由でダイエット狂いしている女もいるわよ」
時間がないのでコメントは控えます。
『火車』については、全部読んだ後、後日、またご紹介します。
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