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いろいろあるけど、めげずにコツコツと

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ビートルズの「ノルウエーの森」という曲があります。アルバム「ラバー・ソウル」
に入った曲です。1967年頃の作品です。
村上春樹の小説で同名タイトルの本も大ヒットしました。

さて、原題はNorweigian Wood (This Bird Has Flown)というのですが、これが
「ノルウエーの森」と和訳されるには、The Norweigian Woodsもしくは
A Norweigian Woodでなければなりません。だから、冠詞なしでwoodなら「木材」
とか「家具」ではないのかな、と思うのですが。
「ノルウエー調の家具」とか「北欧調の家具」といったほうが歌詞的にも、
合う気がします。

ジョン・レノンはこの歌について、ある女の子との間に起こった出来事を当時の奥さん
には内緒で作品にしたかった、と言っています。

ひょっとしたら、文法的には正しくなくても、これで「ノルウエーの森」なのか
もしれません。実は彼女がノルウエー人の女性で、森から小鳥(女の子)が逃げていく
様子を表現したかったのかもしれません。

ちょっとした短編小説風の作品で、村上春樹の雰囲気には確かにあっている、と思います。

聞いてみてください。

歌詞は前半は「木材」、最後は「森」の訳でご紹介します。
やっぱり「森」のほうがピンと来るでしょうか?
どうかなぁ。

♪Norweigian Wood (This Bird Has Flown)

I once had a girl
以前つきあっていた女の子

Or should I say she once had me
というよりも 僕のほうが引っかけられたんだけど

She showed me her room
彼女は僕に部屋を見せてくれた

Isn't it good, Norwegian wood
素敵な部屋でね、ノルウェー材の

She asked me to stay
泊まっていってと彼女は言い

And she told me to sit anywhere
てきとうに座って、と言った

So I looked around
そこで僕は部屋を見まわし

And I noticed there wasn't a chair
椅子がひとつもないのに気づいた

I sat on a rug, biding my time
絨毯の上に腰をおろし、時間をつぶし

Drinking her wine
彼女のワインを飲んでいた

We talked until two
すっかり話しこんで2時になった

And then she said, "It's time for bed"
すると彼女が言った「ベッドの時間よ」

She told me she worked in the morning
彼女は朝から仕事があると言って

And started to laugh
おかしそうに笑い出した

I told her I didn't
僕は仕事はないんだけど、と言ったんだけど

And crawled off to sleep in the bath
しかたなく風呂で寝ることにした

And when I awoke I was alone
翌朝 目が覚めると僕ひとり

This bird has flown
かわいい小鳥は飛んでいってしまった

So I lit a fire
僕は暖炉に火を入れた

Isn't it good, Norwegian wood
素敵でしょう、ノルウエーの森


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これまでアリョーシャと少年たちとのエピソードについて、全く触れませんでしたが、
最後に、ここで簡単にご紹介します。

**
長老が危篤の頃(フョードルが殺害されるずっと前のこと)ですが、ある日、アリョーシャは
子供たちが喧嘩している場面に出くわします。川を挟んで、1人相手に6人の10−12歳くらい
の子供たちがかなり本気で石の投げ合いをしていたのです。アリョーシャは6人側の岸にいました。
先方の投げた石がアリョーシャの近くにいた少年に当たります。
その少年が言います。
「これはあなたを狙って投げた石だよ。だってカラマーゾフだろ、あんた」と。
「複数で1人の子どもをいじめて恥ずかしくないのか」とアリョーシャは叱りますが、
少年たちいわく、
「先に仕掛けてきたのはあいつだ。友人があいつにナイフで刺されたんだ。あいつはとても
卑怯なやつなんだ」と。

アリョーシャは、喧嘩の原因は何か、また、どうして自分が狙われなければいけないのか
わからず、それを直接聞きに対岸の少年のもとへ行きます。少年は憎悪しきった顔で睨んで
います。まだ9歳くらいの身なりの貧しい少年です。少年はアリョーシャの質問には一切答えず、
アリョーシャに石をぶつけたりして怒らせて、殴ってきたら仕返ししようと試みますが、
アリョーシャが最後まで怒らず
「よく恥ずかしくないね!僕が君に何をしたって言うんだい!」と言って立ち去ろうとしたら、
飛び掛ってアリョーシャの指をちぎれるくらい噛みました。血が流れ出しました。

「さ、これでいい」とアリョーシャは言って、
「見てごらん、こんなに酷く噛んでさ。これで気が済んだかい、え?それじゃ今度は、
僕が何をしたのか、言ってごらん」
少年はびっくりして見つめていました。
「僕は君を全然知らないし、はじめて会ったんだけど」
相変わらず静かにアリョーシャは続けました。
「でも、僕が何もしていないはずはないよね。君だって理由もなしに僕にこんな酷いこと
をするはずはないもの。だったら、僕が何をしたの、君にどんな悪いことをしたのか、
教えてくれないか?」
少年は返事の代わりに突然泣き出して、走って行ってしまいました。

* *
カーチャ(長男ドーミトリイの彼女)の家で、アリョーシャは、1週間ほど前のある事件の話
を聞きます。傍若無人なドーミトリイが安酒場で酔って何が燗に触ったのか、ある二等大尉の
髭をつかんでお店の外へ引き吊りだし、皆が見ている前でそのまま道を引き吊りまわしたのです。
この二等大尉の息子が泣きながらドーミトリイに「パパを許してやって!」と頼みますが、
ドーミトリイは許しませんでした。この少年こそがアリョーシャを狙って石を投げた子供でした。
その光景を少年の学校の友達も見ていていたのです。

アリョーシャはカーチャにお見舞金を渡され、その家に持っていくように頼まれます。
こういう仕事にアリョーシャ以上に相応しい人はいないだろう、と彼女は読んだのです。

* *
アリョーシャはこの少年の家をすぐに訪ねます。
古い平民の家で、小さな汚い中庭には牝牛が一頭だけ立っていて、土間から入ると家主の老婆
とその娘の老人が二人がいて、耳が遠く、中庭の奥に、掘っ立て小屋があって、そこが二等大尉
と少年の住まいでした。それなりに広いとはいえ、一部屋しかないその小屋の中には、
もと二等大尉(45,6歳の小柄で痩せこけた髭の人、失業中)、
その妻(頭がおかしい)、
長女(憎悪むき出しの顔をしている)、
二女(善良そうな目をしているがせむしで歩けない)、
そして、例の少年は胸を患い、熱を出してベットに寝ていた。
もと二頭大尉は卑屈な慇懃な口調で、何の用事で来たのか尋ねました。
少年はさっき噛み付いたのをアリョーシャが父親に言いつけにきたのかと思いましたが、
もちろん、そうではなくて、アリョーシャは兄のことを心からお詫びに来たのだし、そして、
家の外に父親と一緒に話をするために出ました。

カーチャの見舞金は、この家族からすれば、子供を病院に連れて行くこともできるし、
こんな小屋から引越しできるくらいの金額でした。父親(もと二等大尉)にしてみたら
喉から手が出るほど欲しいものでした。父親はアリョーシャに息子との話をします。
息子が「パパ、あいつはパパに恥をかかせたね」
「パパ、あんなやつ、絶対許せないよね!僕が絶対に仕返ししてやるから!」
「パパ、きっとここから引っ越して皆で違うところに住もうよ」などとお父さんに言った話などを。
そして、このお父さんは、アリョーシャが頭を下げて渡そうとした見舞金をくしゃくしゃにして、
地面に叩きつけて、家に戻ってしまいました。
「この金を受けとったら、息子のプライドはどうなるのですか!?」と。

* *
しかし、アリョーシャの根気のある、そして誠実な折衝は続き、後日、この父親は見舞金を
受け取ってくれます。

* *
石を投げていた6人の少年たち側には、非常に頭がいい、勇敢なガキ大将がいました。
このガキ大将がこの少年をあるときからかばっていたので、クラスの皆は少年をいじめること
をしませんでした。しかし、この少年が、あのろくでもないスメルジャコフに
「パンに針を含ませて犬に食わせると、犬はもがき苦しみながら血を吐いて死ぬから面白い」
ということを教わり、ガキ大将の可愛がっていた犬に食わせてしまうのです。
ガキ大将はこのことに非常に腹を立て、クラスの皆が少年の敵に回ります。
少年は自分がしたことを悔いて悩んでいるのですが、後の祭りです。

このガキ大将がアリョーシャを実は非常に尊敬していて、やがて二人は仲良くなります。

そして、いつの日か、この二等大尉の家族、アリョーシャ、少年たちは心を許しあうようになります。
これはアリョーシャの存在があってこそできたことです。しかし、少年は病で死ぬ間際だったのです。

『カラマーゾフの兄弟』の最後の場面は、少年が肺病で死んで、その埋葬のシーンで終わります。
少年は死ぬ前に父親に、
「埋めたらお墓の土の上にパンの耳のくずを撒いてね。だって、そうすれば鳥たちが集まってきて、
僕、さびしくないもん」と。

少年たちを前にアリョーシャがお話をします。聞き手に回ることが多いアリョーシャにしては
かなり長い話です。「抜粋」というのは実は危険な行為なのですが、一部だけ抜粋します:

「(前略)いいですか、これからの人生にとって、何かすばらしい思い出、それも特に子供のころ、
親の家にいるころに作られたすばらしい思い出以上に、尊く、力強く、健康で、ためになるものは
何一つないのです。君たちは教育に関していろいろと話してもらうでしょうが、少年時代から大切に
保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく、最良の教育にほかならないのです。
そういう思い出をたくさん集めて人生を作り上げるなら、その人はその後一生、救われるでしょう。
そして、たった一つしかないすばらしい想い出が心に残らなかったとしても、それがいつの日か
僕たちの救いに役立ちえるのです。(中略)
決して彼を忘れないようにしましょう、今から永久に僕らの心に、あの子のすばらしい永遠の
思い出が生き続けるのです!」

* *
『カラマーゾフの兄弟』は、この埋葬シーンで終わります。しかし、これらは、すべて「前半」
だったようです。ドストエフスキーは、この13年後の「後半」こそがこの小説の中心であり、
前半はそれほど重要ではないのだけど、後半を理解するためには前半が必要だから、ということで
書いたようです。しかし、残念ながら、ドストエフスキーは後半を書くことなく病死します。
一説によると、ふるさとを離れたアリョーシャは、やがて皇帝暗殺を試み、逮捕され、処刑される、
という話になるはずだったそうです。

本屋に行けば腐るほど、たくさん本が並んでいますが、そのほとんどは読むに値しない、
時間の無駄になるような本です。買って後悔する、一度読んだら十分、という本が多いです。
でも、『カラマーゾフの兄弟』は違いました。

ブログでかなり細かく書いてしまいましたが、実際の本は、私の文章ではとても表現できぬ、
素晴らしいものです。買って読んで損は絶対しません。
長きにわたって最後まで読んでくださった方々に感謝します。

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