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10月18日、シルビア・クリステルが死んだ。60歳だった。
脳卒中で倒れ、オランダのアムステルダムの病院に入院していたらしい。
1974年、シルビア・クリステルは22歳だった。
フランス映画「エマニエル夫人」は圧倒的な、大ヒット映画となった。
当時の私は、まだ15歳だった。もちろん、見に行った。
【あらすじ】
バンコックに住む外交官の妻であるエマニエルは、それなりに幸福ではあるが平穏すぎる日常に何処か退屈さを感じていた。そんなある日、エマニエルは知人の紹介で「性の儀式」を受け入れることになる。初めのうちは大人しかった彼女だが、次第に内に秘めた欲望を開花させ、性の解放とその真理を追求するため大胆な女性へと変貌していく…。
エッチな映画というのは、限りなくあるのに、この映画は、なぜ、こんなにもヒットしたのだろう?
まず、音楽が良かった。フランス語で歌う、なんとも言えないアンニュイな雰囲気。
健康的ではない。陽気でもない。淫靡さがありながら、素敵な旋律だった。
そして、映像が芸術的に美しい。ファッションにしても、ただ脱げばいい、というものではなく、
オシャレで、セクシーで、真綿色したシクラメンが、ピンクに、そして、真っ赤に染まっていく
過程が切なく、狂おしげで、いやらしく、ため息がついた。
大勢のタイ人に囲まれて、皆の見ている前で四つん這いにさせられて責められる姿は
人種差別ではないかという議論もあった。つまり、タイ人たちを人間とみなしていないから
こそできるのだ、と。でも、そんなことはどうでもよかった。
決してグラマーでもない。ものすごい美人というわけでもない。
しかし、なんとも言えず、猥褻な雰囲気を醸し出していた。
「人妻」という響きが、なんとなく猥褻に聞こえるように。
ましてや、当時、中学生だった私には、もう、たまらなくエッチなお姉さんだった。
エマニエル夫人から、38年の歳月が流れた。
シルビアも60歳となり、脳卒中で、倒れ、他界した。
ベルギー人の夫との間に子供が一人いるらしい。
人間の定めとは言え、感慨深い。
ありがとう、シルビア。
あなたの存在が私の思春期の1ページを飾りましたよ。
ご冥福を祈ります。
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