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こんな本を読んでしまった。
文鮮明(1920- )は、統一教会の教祖である。
なんでこんな本を読んだのかというと、中学生の二男が
「ただで配っていた」
と言って、持って帰ってきたのである。
この人だれ?
と思って読んでみると、いわゆる統一教会、正式名称は
世界基督教統一神霊協会の教祖の自伝だった。
捨てようかどうしようかと考えたのですが、とりあえず読んでみた。
面白かった。400ページ近い本を最後まで飽きずに読めたのだから、
やはり面白いのだ。
この本の内容がどこまで本当なのかはわからない。
帯には「300万部突破」と書かれている。それも本当か
どうかわからない。
しかし、どうやらこの人は、非常に体力があって、情熱的である、
ということは間違いなさそうだ。この体力と情熱をもってすれば、
なにかしら、人生で成功しそうな気がする。
日本、北朝鮮、韓国、米国で、計6回も逮捕されて刑務所暮らしも
経験している。自分でも「悪名高い」と認識している。
彼の思想は半分くらいは、素晴らしくユニークだ。
彼の思想を簡単に言えば;
この世から戦争や争いがなくなり、皆が平和に暮らせるようになるといい。
そのためには民族間、異なる宗教間の争いが無くならねばならない。
そのための対策としては、異民族、異宗教間の男女が結婚して、
他の民族、他の宗教の人を理解し、身内と思うようになるといい。
平和の基礎は家庭であり、夫婦が愛の重要な基盤である。
この世から貧富の差がなくならなければならない。
飢える国民にパンを与えるのではなく、パンをつくる技術、教育
を施さなければならない。
彼は世界中に宣教師を派遣し、学校を建設し、ボランティア活動を
してきた。その資金源として、主に水産業でビジネスを確立した。
また、国家間の争いを防ぐために、彼は蒋介石、ゴルバチョフ、
金日成、アラファト、米国の大統領などと直接面談して、平和を訴えた・・・・
だから、合同結婚式の目的(名目?)も見えてくる。
しかし・・・・
この教団には数百億円だか数千億円の資金があるらしい。
水産業とかで、そんなにも資金を貯めることができるのか?
そして、夫婦愛が大切と言いながら、彼は最初の妻子を捨てた。
妻子よりも私には世界平和という重大な使命がある、とか言って。
日本に初めて宣教師を派遣したときには、まだ両国には国交もなく、
彼は宣教師を密入国させた。そこまでやるか!?
そして、何よりも信じられないことは、そして、これが一番重要なのだが、
彼がこういう世界に入った理由だ。それは、彼が15歳のとき、いろいろと悩んでいるときに
明け方にイエス様が彼の前に現れて
「苦しんでいる人類のゆえに
神様はあまりにも悲しんでおります。
地上で天の御旨に対する特別な使命を果たしなさい」
と語った、というのです。
この日から、彼の人生は変わった、と。
(笑っちゃいけませんよ!)
でも2000年前のイエスの本当の顔を知っている人がいるはずがない。
写真もない。絵がどこまで信用できるか。
明け方に現れたのが「イエス」とどうやって判別できるのか?
日本人の信者の中には、
「文先生は、弘法大師に風貌が似ている」
と言っている人がいるようだけど、だれが弘法大師の顔を
知っているのか。
とは言え、熱心なカトリックの信者の中には、人類の祖先は
アダムとエバだと真面目に考えている人たちも大勢いるようだし、
モーゼが海を割ったことを信じるユダヤ人、
イエスの復活を信じている多くのクリスチャンたち、
そういう人たちと、この文鮮明の話に、リアリティという観点から
すれば、それほど大きな違いは感じられない。
いずれにせよ、面白かった。
韓国人でカトリックの知人がいるので、今度、機会があったら
この文鮮明氏の韓国での評判を聞いてみよう。
そういえば、彼はナショナリズム的なものを否定し、人類が皆兄弟
になるようなことを平和のために望んでいるようなことも書いている一方で
韓国人としてのアイデンティティがとても強く、これからは、環太平洋の時代で
その中心となるのは朝鮮半島である、などとも書いている。
こういう矛盾点を見つけ出すのも面白い。
ちなみに笹川良一と文鮮明とはそれなりにいい関係だったらしい。
お勧めの本とは言いませんが、読んで、面白いですよ。
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2012年06月27日
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