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村上龍の『五分後の世界』を読んだ。
1994年の作品。
なんと言ったらいいのか、一種のSFだ。
1945年8月に第二次大戦で日本は無条件降伏をせず、連合軍と戦い続ける。
日本は、米国、英国、ロシア、中国に占領分断され、純粋な日本人はわずか
26万人まで減少し、地下に潜って連合軍とゲリラ戦を続けている。
現代の箱根をジョギングしていた小田桐は、ひょんなことから、異空間に行ってしまい、
この世界に入る。
「もう一つの世界」という意味では、村上春樹の『世界の終りとハード・ボイルドワンダーランド』
や『1Q84』的なものかもしれない。
また、ジョージ・オーエルの『1984』を彷彿されるところもある。
いずれにせよ、村上龍の文学は、とても濃い。
ねっとりとしてる。村上春樹がややファンタジックにさわやかであるのに対して、
村上龍の文学は、暑さ、寒さ、汗、匂い、粘膜、血、肉、精液、痛み、怒りなどが
描き終えたばかりの油絵のように展開する。
女性向けとは思えないし、「楽しく読む本」ではない。
非常に強烈であり、圧倒される。
私が学生時代、ある女性が
「小説を読んで感動した、なんて話を聞くとばかばかしくて。
所詮、小説なんて、フィクションでしょう。感動する方がおかしい」
などと言ったので、
「だったら、これ読んでごらん」
と村上龍の『コインロッカーベイビーズ』を貸したことがある。
読了後、彼女いわく
「よくも、こんな悪趣味な本を紹介したわね」
まあ、人によっては全く受け付けないだろう。
でも、龍の小説の迫力はすごい。
へらへらと生きている人たちに、是非、読んで欲しい。
自分が「エリート」だと思っている人たちに読んで欲しい。
世の中をなめている人たちに読んで欲しい。
きっと、「悪趣味だ」と言うだろう。
悪趣味結構。
村上龍は、なぜ、こんな本を書いたのだろう?
と考えた。
いろいろな回答がありうるけど、その一つは、無条件降伏した日本が
戦後、米国の言いなりになって、大和魂も何も失って、金の亡者となって
腑抜けになってしまったのを批判したかったのだ。
あんな出来損ないのオスプレイが1台78億円。
それが岩国に11機?12機?到着したんですよ。
900億円?
税金で。
値引きしなかったの?
ちなみに米国の大統領が乗るヘリコプターの新しい機種の候補にもなっていたらしい
のだけど、事故が多いので、却下されています。
まあ、『五分後の世界』は、そんなレベルの小説ではないけど。
勇気がある人で、興味のある人は読んでみてください。
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2012年07月24日
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