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「奴隷」と言えば、すぐに「黒人奴隷」を思い浮かべますが、実際には、
列強の白人がアフリカから奴隷貿易を始めるよりずっと前から奴隷は
存在していました。
肌の色に関係なく、強いものが弱いものを殺し、もしくは奴隷にする、
この歴史は我々がサルだった時代からあったのではないかと思っています。
上の絵を見てください。トルコにおける奴隷市場の風景です。奴隷となって
いるのは白人です。ジェロームというフランス人による絵ですが、19世紀の
絵ですから、きっと想像画でしょう。作者はセンセーションを起こしたかった
のかもしれません。実際、衝撃的な絵です。
奴隷は売買の対象でしたから、「市場」があってもおかしくないし、それが
国際間でさかんになれば「貿易」があってもおかしくない。
今日、息子が「ワン・ピース」というTVアニメを見ていたので、一緒に
見ました。仲間を大切にする海賊ルフィーの冒険の物語です。航海の途中で
様々な出会いがあって、友情が芽生えます。魚人や人魚とも仲良くなります。
ある島で、友人のかわいい人魚が捕らえられて、奴隷として「オークション」
にかけられます。奴隷は首に鉄の輪をつけられて、所有者のボタン1つで
その輪は爆発させることもできます。友人を売られてたまるか、と海賊仲間は
大金を用意してオークションに臨みますが、さらに高い金額で権力者に
落札されてしまいます。
イスラム教は7世紀にマホメット(ムハンマド)が神の啓示を受けて始まります。
ムスリムはこの頃から黒人奴隷をアフリカの東海岸ザンジバル(現タンザニア)から、
白人奴隷はカフカス地方(現カスピ海西グルジア、アゼルバイジャン、チェチェン
あたり)から連れてきています。ただし、奴隷といっても、兵隊、召使い、事務員
などとして仕えさせ、結婚、蓄財、信仰の自由はあったようです。(本当かな?)
9世紀にはザンジェの乱という黒人奴隷の反乱も起こっています。
slave(奴隷=スレイブ)という言葉は、Slav(スラブ)から来たという説もあります。
Slavはギリシア語で「スラブ人」。南東ヨーロッパのスラブ系の捕虜を奴隷として
使ったことから生まれた言葉だそうです。
アフリカ人の奴隷貿易と言えば西海岸が有名ですが、モスリムによる奴隷貿易は
東海岸中心だったようです。ムスリム商人は、インドとの貿易で、象牙、金、
黒人奴隷を売り、衣料品、鉄器、陶器などを買っていたようです。物々交換
だったようです。
ケニア、タンザニアなどで使われるスワヒリ語は、アラビア語と土着のバントゥー語
が融合して成立したようです。
有史以来ずっと白人が優位な世界だったわけではない、ということですね。
まあ、「白人」と言っても、いろいろなので、overgeneralizeすることは良くない。
ただ、肌の色的には、中東の人々は黒人とも白人とも我々黄色人種とも違って
なんと呼べばいいかわかりませんが。東西がいろいろと混ざっていますね。
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