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映画「カサブランカ」(1942年)は私がもっとも好きな映画だし、この映画の
挿入歌、"As time goes by"(時の過ぎ行くままに)は心に残る名曲です。
第二次大戦中、ナチスが近隣諸国に次々と軍隊を進行し、1940年パリが陥落します。
その少し前に恋人同士だったハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンが
数年後に偶然、モロッコのカサブランカで再会します。
バーグマンの夫は反ナチスの闘士。彼らは偶然、ボガードの経営する酒場に
入ってきます。
バーグマンは自分の知っているサム(黒人のピアニスト)を見つけ、
ボガードのことなど聞きますが、サムはとぼけます。
「なにか弾いてちょうだい」
とバーグマンがお願いします。サムが曲を弾き始めますが、彼女は
「あれを弾いて、As time goes by」
と言いますが、サムは「忘れました」と答えます。
彼女がAs time goes byを口ずさみます。
「ああ」という感じでサムが弾き出します。
するとバーグマンは「歌って、サム!」
とお願いし、サムが歌い始めます。
そこへ、オーナーのボガードがやってきて怒ります。
「おい、その曲だけは弾くなと言ったはずだ!」と。
ボガードとバーグマンの思い出の曲だったのです。
ボガードはバーグマンに気がつき、驚き、でも、過去に裏切られたと思っていた
彼の心はかたくなです。
そして、映像は二人の思い出のパリへと飛びます。
Here's looking at you, kid!
(君の瞳に乾杯!)
というのはあまりに有名なセリフです。
バーグマンはボガードに過去の避けられなかった運命を告白し、ボガード
は彼女を許します。彼女は夫とともに米国へ逃げるための旅券が必要でした。
ナチスはカサブランカにも迫っていました。ボガードにはその旅券を手にいれる
ことができ、彼女はボガードに懇願し、彼はとてもクールに、しかし、この
夫婦を助けるのです。
ボガードは米国人役です。この映画が製作されたのは第二次大戦中でしたが、
ルーズベルト大統領は参戦に消極的でした。かなり国民感情を意識して作られた、
つまり政治的に利用された映画かもしれませんが、結果、名画中の名画となりました。
ハンサムでもないボガードが、なぜ、いまだに「男の中の男」ボギーと
言われるかは、映画を見たらわかるかもしれません。
ダディーなんです。ちょっと格好良すぎます。
米国に、まだ、独りよがりでない「正義」というものがあった時代だったのかも
しれません。
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