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『1Q84』を読み終えてしまいました。最初この本を書店でちらっと見たときは
「IQ84」(アイキュー84)、つまり知能指数が少し低い人の話だと思いました。
でも、読めばわかるように西暦「1984」から少し逸脱した「1Q84」でした。
この小説には、いわゆるタブーであることや、やや刺激の多い話が多数出てきます。
あるものは具体的な描写、あるものは、さらりと示唆するだけですが。
・女性の放尿シーン
・殺人
・小説の代筆
・近親相姦
・少女強姦
・猟奇殺人
・セックス
・マスターベーション
・射精
・宗教(エホバの証人、オウム真理教)
・NHKの集金
・NHKと自民党の癒着
・不倫
・不倫の発覚
・マン・ハンティング
・複数プレイ
・アナル・セックス
・脅迫
・男性の睾丸をいじくりながらしゃべる女性
・身内に性的ないたずらされた過去をもつ婦人警官
・DV
・認知症
これだけ見れば、なんていうお下劣なエログロ小説と思うでしょうが、村上春樹にかかると
とても透明感のある、爽やかな小説に仕上がってしまうのです。
それは文章の良さ、レトリックの素晴らしさ、そして、物語自体がもつ不思議な力
によるものです。
一言で言えば、『1Q84』は時空を超えたラブ・ストーリィです。実際に流れるのは
ジャズやクラッシック音楽ですが、もし、小説を映像化したら、小田和正あたりが
賛美歌を歌っても似合うのではないか、と思えるような場面もあります。
ありえない話がたくさんあるものの、それは村上春樹のリアリティのある文章の
積み重ねによって、「ありえない」と思いながらも、ぐいぐいと小説の中に引き込まれて
しまいます。そして、話の展開は、みごとに読者の予想を裏切る形で発展するのです。
物語の中に「物語」があって、その「物語」の中に物語の主人公が入り込んでしまったり。
しかも、決して終わらない。彼は結末を作らない。2巻を読み終えても、「え!?それから
どうなるの!?」と次が読みたくなる。なぞがなぞを呼び、そのなぞがなぞを作り、
1つのなぞが解決されても、まだまだなぞが残る。読後感はすっきりとはしない。
満腹にはならない。もっと、もっと読みたい!と思ってしまう。
参りますね。この後、『1Q84』(3巻10−12月)というのが出ても、間違いなく
大ヒットしますね。でるかもしれない、でないかもしれない。
余談ですが、匿名で私は書いているので開示しちゃいますが、私の暗証番号のほとんどは
30年前から1984です。これも、自分としては大いなる偶然としてびっくりしています。
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