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ヒラリー長官の警告

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ヒラリー長官の警告」という書き込み(ヒラリー・クリントンが書いたとされる作文)が
中国のネットで出回っているらしい。
それは、「戦わずして中国に勝てる6つの方法」というもの。
 
最近の中国は、あたかも戦争を誘発しているかのような示威行為を繰り返している。
日中戦争、中米戦争、などに展開したらえらいことになる。
しかし、戦争なんかしなくても、中国に勝てる、というのだ。
 
その方法は6つ;
1)中国の政府高官が所有する海外の銀行口座の残高を発表し凍結
2)米国のパスポートを持つ中国人官僚の名簿を公表
3)米国に住んでいる中国人高官の家族の名簿を公表
4)ロサンゼルスにある「妾村」を一掃
5)米国在住の中国人高官の家族をグアンタナモ刑務所に収容
6)中国国内の失業労働者などの不満分子に武器を提供。
 
というもの。要するに、戦わなくても、共産党高官たちの実態を世界に公表すれば
中国の人民たちが黙っていない、自壊するだろう、というのが基本だ。
全く同感。
 
「中国」というと対象を見誤る。
「中華人民共和国」という国が正しい。
中華人民共和国は1949年に樹立されたばかりの60年あまりの新しい国だ。
それも、共産党一党独裁という不自然な国が資本主義を導入して、極端な貧富の
差が発生している。
4000年も5000年もの歴史のある「中国」というのは、あの位置に出現しては消えていった
国々の総称であって、今の中共ではない。
革命、革命の連続で大混乱が起こり、内乱、革命が起こり、統治民族すらもが
変わっていった。
 
中華人民共和国は、やがて、何億人もの人民たちの暴動、革命によって崩壊し、
過去の歴史となるだろう。
 
そのためには、上の6つの方法がいい、ということ。
記事の詳細は以下の通りです。
 
 
「戦わずにして中国に勝てる6つの方法」
日本政府が沖縄・尖閣諸島の国有化を9月に発表したことを受け、同諸島の領有権を主張する中国が猛反発し、両国間の文化交流を中断させるなどさまざまな対抗措置を打ち出した。中国のインターネットでも政府の強硬姿勢にあわせて「釣魚島(尖閣諸島の中国語名)を武力で奪還せよ」と言った勇ましい「主戦論」があふれている。そんななか、「戦わずにして中国に勝てる6つの方法」という中国の弱点を指摘する書き込みがネットで話題となった。
 「ヒラリー長官の警告」と題される書き込みは、米国のクリントン国務長官が訪中した際、中国の指導者に語った内容とされているが、実態は中国人のネットユーザーによる作り話とみられる。
 クリントン長官は中国の指導者に対し、「貴国がフィリピン、ベトナムおよび日本と開戦すれば、米国は6つの対策を考えている。一兵卒も使わず、中国を負かすことができるだろう」と言ったという。
 具体的な「対策」とは以下のようになっている。(1)中国の政府高官が所有する海外の銀行口座の残高を発表し凍結(2)米国のパスポートを持つ中国人官僚の名簿を公表(3)米国に住んでいる中国人高官の家族の名簿を公表(4)ロサンゼルスにある「妾村」を一掃(5)米国在住の中国人高官の家族をグアンタナモ刑務所に収容(6)中国国内の失業労働者などの不満分子に武器を提供。
 内容は若干の重複があるが、今日の共産党政権の“アキレス腱(けん)”を見事に指摘した書き込みといえる。
少し説明すると、今日の中国では、家族と財産を海外に移し、本人がいつでも逃亡できるように外国のパスポートを持っている共産党幹部が多くいる。中国の捜査機関がなかなか手を出せないとの理由で、高官家族の移住先として圧倒的に人気が高いのが米国だ。例えば、高速鉄道建設に絡む汚職事件で昨年に摘発された張曙光・元鉄道省運輸局長は米国で3軒の高級邸宅を持っているほか、米国とスイスで28億ドルの預金があると報道されている。
 張元局長のケースはあくまで氷山の一角といわれている。米国が中国の政府高官の海外財産のリストを公表すれば、共産党政権への中国民衆の怒りは一気に噴出するに違いない。中国内部が大混乱することは必至で、外国と戦争をするところでなくなる。
 また、ハーバード大学に一人娘を留学させている習近平国家副主席を始め、多くの中国の指導者の身内が米国内にいる。すでに米国に“人質”を取られているといえ、中国の指導者は米国に強く出られない事情がある。
 「ロサンゼルスの妾村の一掃」とは、多くの高官は妻を米国に移住させたほか、愛人にも米国の豪邸を買い与えている。それがロサンゼルス周辺に集中しているため、ネットでは「ロサンゼルスに中国の妾村ができた」と揶揄されている。妻よりも愛人を大事にしている高官が多いため、家族だけではなく愛人を一緒に刑務所送りすれば、中国高官たちへ与えるダメージはさらに大きい、ということを言いたいようだ。
最後にある「不満分子に武器を提供する」というのはシリアの反政府勢力に欧米が武器を提供したことからえた構想のようだが、中国当局が一番恐れる措置かもしれない。
 中国国内では、土地の立ち退き問題などで毎年20万件以上の暴動が起きているとされており、不満分子に武器が提供されれば、人民解放軍を相手にたちまち内戦が始まりそうだ。
 「ヒラリー長官の警告」は多くの中国国内のサイトに転載されている。「恐ろしい。戦争ができないのではないか」「これらのアイデアを絶対にアメリカに教えてはダメだ」といった感想が寄せられている。
 

「遺憾」

政治の世界には、特殊な専門用語がある。
非常によく聞く言葉の1つに「遺憾」というのがある。
英語だと、regretとなる。
通常、「残念に思う」と訳される。
 
中国や韓国との領土問題については、日本のスポークスマン(官房長官?)
は、TVで頻繁に「遺憾」と繰り返している。
この遺憾は、どれだけの意味があるのだろう。
 
 
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わからない言葉がたくさんある。
 
田中法務大臣が辞任した。本人からの「辞任」理由は、健康を理由にしているらしい。
実際は、外国人からの献金、暴力団との交際などを指摘されたからであって、
「辞任」ではなく、本来は「更迭」すべきだ。
 
だけど、この「更迭」という言葉の意味もよくわからない。
辞書的には、更迭(こうてつ)とは、人事処置の一つ。 ある地位に就いている人間の役職に別の人間を 充てることを指す。 つまり、単なる配置転換だ。
なんて、甘いのだろうと思う。
責任は取らないのだろうか。
議員の権利を剥奪して、二度と議員になることができない罰則が妥当だと思うのだけど。
野田は、「それでよし」としている。 
 
ハッカー?が、他人のPCを遠隔操作して、脅迫メールを送った。
結果、3人の無実の人が冤罪をこうむった。
警察は、3人の無罪を認め、「謝罪」した。
 
しかし、これは、「謝罪」で済むことなのだろうか?
「罪」を「謝れば」、許されるのか?
そんなに軽い罪とも思えない。
もちろん、意図的な罪ではない。しかし、その捜査方法、自白を迫る方法は
妥当だったとは思えない。無実の人が、有罪を認めなければならなかった過程には
明らかな罪がある。
 
どうも、公務員、国会議員に対する罰は非常にゆるい。
 
森本防衛大臣は、オスプレイの沖縄配備について
「県民の理解を求める」
などと言いながら、なんの理解もなしに、沖縄配備して、しかも
夜間飛行を実施している。
国家権力というものは、そういうものなのか、と思う。
 
野田首相は、「解散」をちらつかせながら、自民党の連中を浮き足立たせて
協力させながら、のらりくらりを引き伸ばし戦略を行っている。
この人に失言は少ないけど、上手は政治家というのは、いかに
言葉を曖昧につかうか、ということに長けた人のことかもしれない。
 
政治世界の言葉には、誠意が感じられない。
国民の生活なんて、二の次としか思えない。
 
なんて、ことをうまく考えて
「国民の生活が第一」なんてふざけた党名を考える男もいる。
 
日本の政治不信は根が深い。
彼らが発する言葉の意味の裏を考えるべきか、それとも、
最初から、耳にしたらいけないのかもしれない。
 
彼らはimportant(重要な)仕事をしているはずだ。
しかし、彼らが、「偉い」とは思えない。
遺憾である。
 
今日は、神戸に来ています。
美味しい中華を食べましたが、写真が載せることができないので、
神戸の話は、また、後日。
 
 
 

米国事情

米国の代理店の営業部長が来日して、打合せ、そして、昼食を食べた。
大変なインテリで、頭の回転が速い。健康のため週30kmくらい走っている。
昨日は、夕方、皇居の周りを一周したらしい。
 
米国の抱える問題についていろいろと話していた。
不況だ。大学を出てもなかなか就職先がないらしい。
かつては、お爺さんの代よりも親の代、親の代よりも子供の代のほうが
より豊かな生活をしてきた。生活は、どんどん時代とともに向上してきた。
しかし、いまや、かつてのほうがいい生活をしていた、という時代になったらしい。
 
彼の次女は大学4年生。医学部のドクターコースに行くという。
難関試験に合格したそうだ。しかし、インターンも含めて、医者として
旅立つまで10年かかるらしい。それまでにかかる学費が2000万円。
 
「あなたはそんな大金を払えるの?」
と聞いたら
「私は払わない。親が払うのは4年間だけだ。それ以上、学びたければ、自分の
お金で学ぶべきである。お金がなければ奨学金を借りればいい。
彼女はそうする。やがて、医者になれば借金は返せる」と。
 
米国は学校の学費が高い。そして、医療費も高い。
医療保険に入っていない人、入れない人も多い。医療保険に入っていないと
ちょっとした手術でも30万円や40万円するらしい。
 
「学費と医療費が高い」と彼は嘆いていた。
そして
「貧富の差がどんどん広がっている」と。
 
「ロムニー氏についてどう思うか?」
と聞かれたので、
「異端のモルモン教の彼が米国の大統領候補というのは興味深い。
そして、戒律が厳しいモルモンの彼は、なんであんなに金持ちなのか。
宗教を全面に出しながら、金持ちの人を私はあまり信用できない」
と答えた。
 
 
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彼は民主党支持だ。白人の彼がなぜ、民主党支持なのか?
「民主党を支持するのは、ユダヤ、黒人、ヒスパニックなどのマイノリティーでは?」
と聞いたら、
「え?言ってなかったけ。私はユダヤ人だよ」と。
 
彼の祖先は、お爺さんの代に米国に移民で来た。ギリシヤとトルコの血が流れているらしい。
奥さんの祖先は17世紀に英国から米国に移ってきた初期の人たちだ。
 
「ユダヤ人なのに、なんでも食べて大丈夫?
コーシャがあるでしょう?」
と聞いたら、
「ああ、コーシャね。よく知っているね。ユダヤ教でも、厳しく実践している人、
中くらいの人、適当な人といったレベルに大別され、私は、適当なレベルですよ。
一部戒律は守るけど、すべてを守るわけにはいかない。」と。
 
仕事の話ですが、彼が毎月、電話会議をしよう、とうるさい。
私は言った。
「基本的にいいですよ。でも、問題は2つある。1つは時差の関係で
私は早起きしなくてはいけない。もう一つは、言語だ。
英語でするつもりか?なぜ、日本語を勉強しようとしないのか?
日本人と仕事をしていくうえで、日本語くらい学ぼうという情熱すら感じない。
欧州人は外国語を話すぞ。1か国語しか話せないのはアメリカ人だけだ。
せめて、5歳児程度の日本語をマスターしてみてほしい。そうすれば
全く違ったタイプの言語をマスターするのがいかに大変かわかるはずだ。
それがわかれば、話す言葉も書く言葉も、ノンネイティブにどう表現すれば
少しでもわかりやすくなるか、考えるようになるはずだ。あなたは海外に
行くことが多いので少しはわかると思うけど。
もちろん、アメリカ人が英語だけで済まそうとしているのは、戦争で勝って、
経済大国で、世界一の国と思っているからだ、ということくらはわかっているけど」
と。
 
彼は申し訳なさそうな顔をして 
「私が言ったなんて他の人に言わないで欲しいのだけど・・・」と言いながら
「米国人のマジョリティはクリスチャンだ。カトリックは概して控えめだからいい。
でも、プロテスタントの中には、絶対これが正しい!あなたは間違っている!
と決め付けて、他人を非難する人が多くいる。柔軟性に欠けるんだ。
共和党にはそういう人が多いんだよ。いつだって、アメリカがナンバーワン
なんだ」と。
 
たわいのない雑談ですが、結構刺激的でした。
 

総理の説明責任

野田総理は、よくやっている。
 
麻生は、品がなく、漢字も読めなかった。暴言もあった。
麻生(学習院卒)が総理になってから、皇室の学習院離れも進んだ。
鳩山は信頼性に乏しかった。言っていることがコロコロと変わり、
現実性も乏しかった。奥さんだけが元気よく登場していた。
しかも、自分たちだけ大金持ちで、平成の脱税王だった。
安倍は精神的にもろかった。圧力に負けて、ヘナヘナになって
最後は投げ出し、逃げてしまった。
管のことはよく知らないけど、短気だった。怒ってばっかり
いたようだ。官僚の評判も悪かった。
 
野田総理には暴言はない。漢字も読めるみたいだ。
言っていることがコロコロ変わる、というほどではない。
精神的にも強そうだ。投げ出さない。短気でもなさそうだ。
 
しかし・・・・
 
野田さんは、国民への説明が足りな過ぎる。
説明責任を果たしているとは言えない。
 
オスプレイの沖縄配備。「御理解と御協力」が欲しければ、ちゃんと
「オスプレイは、今後事故の起こすようなペリコプターではない」と
いうことを実証し、説明すべきだ。さもなければ、沖縄の人たちが
反対するのは当然だ。
 
青森の大間原発の建設工事再開だってそうだ。2030年には原発を全廃など
と言っておきながら、なぜ、これから、原発を建設するのか。
原発を廃炉にする方法、タイムスケジュール、コスト試算はできているのか。
核廃棄物の最終処分については、ちゃんとした見通しはあるのか。
なぜ、国民や北海道人にちゃんとした説明をしないのか。
(もし、ここでも事故が発生したら、大間のマグロも終わりですね)
 
 
 
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消費税増税も必要なことは、なんとなく、わかる。しかし、その前に身を削って
議員数削減だと思う。「身を削る」と言及しながら、実際にはなにもしていない。
いつのまにか、そういう話は消えてしまった。
 
彼には説明責任がある。
これだけ重要なことを、十分な説明もせずに国民や地域住民が納得するわけがない。
 
民意の反映について、あまりにも国民の意見を尊重しすぎる(ポピュリズムという)
と、衆愚政治になる、という意見もある。政治のことは、政治のプロに任せる。
そのプロを選ぶのが選挙であって、選ばれた人たちにすべてを託すべきである、と。
 
しかし、それにしても、やはり、説明責任はついてまわる。
野田さんの信念を貫くために、周りの人たちを、真面目そうな顔をして
だましながら、ごり押ししていったら、「平成の大詐欺師」と呼ばれるかもしれない。
オオカミおじさんだ。
 
とても、残念。
 
「ご理解」を求めるならば、納得するように説明をして欲しい。
 
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2012年9月28日の朝日新聞朝刊に村上春樹氏が寄稿した『魂の行き来する道筋 』の
全文を掲載します。
 
**

尖閣諸島を巡る紛争が過激化する中、中国の多くの書店から日本人の著者の書籍が
姿を消したという報道に接して、一人の日本人著者としてもちろん少なからぬショ
ックを感じている。

それが政治主導による組織的排斥なのか、あるいは書店サイドでの自主的な引き揚
げなのか、詳細はまだわからない。だからその是非について意見を述べることは、
今の段階では差し控えたいと思う。

この二十年ばかりの、東アジア地域における最も喜ばしい達成のひとつは、そこに
固有の「文化圏」が形成されてきたことだ。そのような状況がもたらされた大きな
原因として、中国や韓国や台湾のめざましい経済的発展があげられるだろう。
各国の経済システムがより強く確立されることにより、文化の等価的交換が可能に
なり、多くの文化的成果(知的財産)が国境を越えて行き来するようになった。共
通のルールが定められ、かつてこの地域で猛威をふるった海賊版も徐々に姿を消し
(あるいは数を大幅に減じ)、アドバンス(前渡し金)や印税も多くの場合、正当
に支払われるようになった。

僕自身の経験に基づいて言わせていただければ、「ここに来るまでの道のりは長か
ったなあ」ということになる。以前の状況はそれほど劣悪だった。どれくらいひど
かったか、ここでは具体的事実には触れないが(これ以上問題を紛糾させたくない
から)、最近では環境は著しく改善され、この「東アジア文化圏」は豊かな、安定
したマーケットとして着実に成熟を遂げつつある。まだいくつかの個別の問題は残
されているものの、そのマーケット内では今では、音楽や文学や映画やテレビ番組
が、基本的には自由に等価に交換され、多くの数の人々の手に取られ、楽しまれて
いる。これはまことに素晴らしい成果というべきだ。

たとえば韓国のテレビドラマがヒットしたことで、日本人は韓国の文化に対し以前
よりずっと親しみを抱くようになったし、韓国語を学習する人の数も急激に増えた。
それと交換的にというか、たとえば僕がアメリカの大学にいるときには、多くの韓
国人・中国人留学生がオフィスを訪れてくれたものだ。彼らは驚くほど熱心に僕の
本を読んでくれて、我々の間には多くの語り合うべきことがあった。

このような好ましい状況を出現させるために、長い歳月にわたり多くの人々が心血
を注いできた。僕も一人の当事者として、微力ではあるがそれなりに努力を続けて
きたし、このような安定した交流が持続すれば、我々と東アジア近隣諸国との間に
存在するいくつかの懸案も、時間はかかるかもしれないが、徐々に解決に向かって
行くに違いないと期待を抱いていた。文化の交換は「我々はたとえ話す言葉が違っ
ても、基本的には感情や感動を共有しあえる人間同士なのだ」という認識をもたら
すことをひとつの重要な目的にしている。それはいわば、国境を越えて魂が行き来
する道筋なのだ。

今回の尖閣諸島問題や、あるいは竹島問題が、そのような地道な達成を大きく破壊
してしまうことを、一人のアジアの作家として、また一人の日本人として、僕は恐
れる。

国境線というものが存在する以上、残念ながら(というべきだろう)領土問題は避
けて通れないイシューである。しかしそれは実務的に解決可能な案件であるはずだ
し、また実務的に解決可能な案件でなくてはならないと考えている。

領土問題が実務課題であることを超えて、「国民感情」の領域に踏み込んでくると、
それは往々にして出口のない、危険な状況を出現させることになる。それは安酒の
酔いに似ている。安酒はほんの数杯で人を酔っ払わせ、頭に血を上らせる。人々の
声は大きくなり、その行動は粗暴になる。論理は単純化され、自己反復的になる。
しかし賑やかに騒いだあと、夜が明けてみれば、あとに残るのはいやな頭痛だけだ。
そのような安酒を気前よく振る舞い、騒ぎを煽るタイプの政治家や論客に対して、
我々は注意深くならなくてはならない。

1930年代にアドルフ・ヒトラーが政権の基礎を固めたのも、第一次大戦によっ
て失われた領土の回復を一貫してその政権の根幹に置いたからだった。それがどの
ような結果をもたらしたか、我々は知っている。今回の尖閣諸島の問題においても、
状況がこのように深刻な段階まで推し進められた要因は、両方の側で後日冷静に検
証されなくてはならないだろう。政治家や論客は威勢のよい言葉を並べて人々を煽
るだけですむが、実際に傷つくのは現場に立たされた個々の人間なのだ。

僕は『ねじまき鳥クロニクル』という小説の中で、1939年に満州国とモンゴル
との間で起こった「ノモンハン戦争」を取り上げたことがある。それは国境線の紛
争がもたらした、短いけれど熾烈な戦争だった。日本軍とモンゴル=ソビエト軍と
の間に激しい戦闘が行われ、双方あわせて二万に近い数の兵士が命を失った。
僕は小説を書いたあとでその地を訪れ、薬莢や遺品がいまだに散らばる茫漠たる荒
野の真ん中に立ち、「どうしてこんな何もない不毛な一片の土地を巡って、人々が
意味もなく殺し合わなくてはならなかったのか?」と、激しい無力感に襲われたも
のだった。

最初に述べたように、中国の書店で日本人著者の書物が引き揚げられたことについ
ては、僕は意見を述べる立場にはない。それはあくまで中国国内の問題である。一
人の著者としてきわめて残念には思うが、それについてはどうすることもできない。
僕に今ここではっきり言えるのは、そのような中国国内の行動に対して、どうか報
復的行動をとらないでいただきたいということだけだ。もしそんなことをすれば、
それは我々の問題となって、我々自身に跳ね返ってくるだろう。
逆に「我々は他国の文化に対し、たとえどのような事情があろうとしかるべき敬意
を失うことはない」という静かな姿勢を示すことができれば、それは我々にとって
大事な達成となるはずだ。それはまさに安酒の酔いの対極に位置するものになるだ
ろう。

安酒の酔いはいつか覚める。しかし魂が行き来する道を塞いでしまってはならない。
その道筋をつくるために、多くの人々が長い歳月をかけ、血の滲むような努力を重
ねてきたのだ。
そしてそれはこれからも、何があろうと維持し続けなくてはならない大事な道筋な
のだ。

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