A Day In The Life

いろいろあるけど、めげずにコツコツと

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図書館で借りてアガサ・クリスティの『愛国殺人』(米国版原題The Patriotic Murders)を読みました。
ポワロ・シリーズです。英国版の原題はOne, Two, Buckle My Shoeです日本語に訳すと
「いち、にい、わたしの靴の留金を締めて」。マザー・グースの一節です。
 
どうも日本人にはマザー・グースはなじみがない。英国の子供向けの数え歌だ。
英国の子どもが小さいときに母親から歌ってもらうらしい。
私も高校時代に谷川俊太郎訳で読んだのだけど、いまいちピンと来なかった。
きっと読んで理解するものではないのではないかと思う。小さい時から馴染んでないと
意味がないかもしれない。この小説はマザーグースの詩にそって事件が進んでいく。
 
しかし、マザー・グースの歌を全然知らなくても、十分楽しめるのがアガサの小説だ。
(マザー・グースに馴染みがあればもっと面白いかもしれない)
 
ある日の午前中、ポアロが歯医者へ行った。もちろん、その日にはいろいろな人たちが
そこの歯医者へ行った。怪しげなギリシア人、銀行の総裁、もと軍人のお爺さん、
人相の悪い若者、奇抜な格好の中年女性など。
そして、その日の午後、その歯医者が死体で見つかる。なぜかその日、アシスタントは
珍しく、休暇をとって不在だった。
 
といったところから話は始まります。患者のうち、2人もやがて死体で発見されます。
面白そうでしょう。実際、面白いです。話は意外な展開をみせて、やはり、想定外の
人が真犯人という結末となります。この小説の本筋の面白さを言ってしまうと、犯人の
ネタバレになってしまうので、避けます。でも、少しだけ・・
 
1940年の作品です。第二次大戦中ですね。
本書の「国家の利益のためならば、つまらない人間、置き換えのきく人間の命など
失ってもかまわない」と考える殺人犯の自己正当化をポアロは認めません。
これはひょっとしたら、当時の戦争に対するアガサの極めて婉曲的な「戦争反対」の
意志表明だったのかもしれません。
 
さて、本筋からまったく外れたところに面白い文章を見つけたので、引用します;
 
顔は判別がつかないほどメチャメチャにされている。それに腐敗という自然過程が加わって、
二人が、顔を見合せた時には、お互いに青豆のような顔色になっていたのも当然だった。
 
もちろん、私が注目したのは、この「青豆」だ。
そう、村上春樹の『1Q98』の女主人公の名前と同じ。
英語ではグリーン・ピース(green peas)。
でも、日本語で「青豆」とは、あまり言いませんよね。
 
前回のアガサ作品『復讐の女神』では、「巡礼の旅」に出ている女性も出てきた。
単なる偶然だとは思うのだけど、アガサ作品を読みながら、村上作品を思いだすことが
ときどきあります。
 
私はアガサのこんな文章も好きです;
 
「・・・・人は環境次第でどんなにでもなれますもの、そうでしょう、ポアロさん。
もしも、男の人がある女から多くの期待をかけられていると感じれば、その人は、
必ずその理想に近づこうと努力するものですわ」
ポアロはため息をついた。彼は議論しなかった。女の愛の力が人を救うという、同じような楽しい
信仰を持って、数百人の女が同じ議論を製造するのを聞いたことがある。千に一度は
本当かもしれないと彼は皮肉に考えた。
 
(蛇足ですが)素敵な文章ですが、
「数百人の女が同じ議論を製造するのを聞いたことがある。」と訳者の加島祥造氏は訳しているけど
これはきっと、英文のほぼ直訳であって、少しくだいて訳せば、
「数えきれないほどの女性たちが同様の議論をしてきたのを聞いてきた。」
といった感じではないでしょうか。
原文は想像するにhe has heard hundreds of women made the same discussionってな感じだと
思います。(違うかもしれないけど)
 
 
 
 
 
 
 

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こんばんは☆
dareyanenさんの訳のほうがすっと入ってきますね♪
マザーグースは確かに日本人にはピンと来ないことが多いですね。
アガサの作品のドラマシリーズDVDはそういうのもわかって
楽しいです☆

2013/5/27(月) 午後 10:59 はのはの

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はのはのちゃん、こんにちは。DVDのドラマも面白そうですね。
でも、本ならばどこでもいつでも読めるけど、ドラマは家で見なくちゃ・・・。なかなか家では時間がないです。

2013/5/28(火) 午後 0:35 [ dareyanen23 ]

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