Story
序章 (1)
空には低く雨雲がたれ込み、今にも雨が降り出しそうだ。
天井が抜け落ち、廃墟と化したこの教会から見える外の景色は色が無く、モノクロの様だ。
だが、元々この世界は色の無い世界だったのかもしれない。色のある者は死に、黒一色で
出来ている者だけが、この色褪せた世界に生きることを許される。そんな世界だ。
この教会も以前は綺麗で美しい教会だったのだろう。人々の笑顔、祈り。そして――希望。
だが、それもこの世界では通用しないということだろうか。美しいがために、この教会は
世界の裏切りにあった。哀しい…。
色褪せたマリアが、『それでは今、天に召されようとされている貴方は色のある者?』と
優しい声で問い掛ける。
俺は違った…俺は、この色のない世界で生きることを許された人間側だ。しかし、今とな
ってはそれは過
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