時の過ぎゆくままに by ダーリング29号

音楽の話題をまじえたダーリング29号の私小説みたいなもんです。。。(※脚色あり)

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

ある日、僕は中学生になった。
当時僕の住んでいる地域では男子中学生は「坊主刈り」が標準の髪型だった。
なぜか小学校の卒業式には中学校の制服で参加しなければならない規則があり
卒業式前日に友達数人と「断髪式」をしに行った。
床屋ではみんな照れとある種の決意を持って、ひとりひとり椅子に座ってニヤニヤしていた。
しかし「坊主刈り」という未知の世界への恐怖感は隠しようもなかった。
無慈悲にも店主は順々にバリカンで一気に刈り上げていった。
蒼白い頭皮がはっきりとわかるほど無残な「坊主刈り」の誕生だ。
恥ずかしかった。
卒業式の前に何人かの女子生徒にほんの数ミリの髪をさわられてしまった。
笑われてしまった。
外出時にはいつも野球帽をかぶっていた。
たまたまかぶり忘れて本屋に行ったとき、鉢合わせた友達に「度胸あるな〜」と言われた。
そんな度胸などあるはずもなかった。

中学校での生活は予想通りだった。
校則に縛られながらもそれに身を任せ、のほほんと過ごしていた。
そんな秋の日に流行ったのが沢田研二の『時の過ぎゆくままに』だった。
その頃はまだ音楽に目覚めてはいなかったのだが、ある意味で沢田研二は別格だった。
小学生時代に人気のあった「新御三家」とはオーラが違っていた。
子供ながらになにか「色気」のようなものを感じていたんだと思う。

『許されない愛」からこの曲くらいまでは「あなた」と相手の女性が歌われている。
タイガース時代に「キミ」と歌われていた少女たちが少し大人になり、「あなた」と歌われる。
ファンの女性が成長とともに、沢田研二も歌の中の女性も大人になっている。
「いつまでも私のジュリーなんだ」と感じさせる売り方ではないのか。
もちろん自作の歌ではないので本人の意思が入っていたかどうかは定かではない。
沢田研二を初めて聴いたのは「キミ」の時代ではなく、いきなり「あなた」の世界からだ。
小学生に「少し大人の世界」を感じさせるには十分だったのではないだろうか。
その後、『勝手にしやがれ』あたりから「おまえ」になり、男の「ダンディズム」を感じさせ
『TOKIO』からは沢田研二の独特の世界が展開することになる。

『あなたはすっかり疲れてしまい 生きてることさえいやだと泣いた』
遠くを見ながら覚めた眼差しでしっとりと歌う沢田研二。甘く切ない声。
ブラウン管の中から「坊主刈り」の僕の前頭葉にしっかりとその存在感を焼き付けた。
ちょうど夏から秋に季節が変わり、田園の風景が変わるこの時期にだった。

ライブでは心をこめて歌わせていただいております。
もちろんジュリーにかなうわけはありませんけどね。。。

この記事に

閉じる コメント(2)

顔アイコン

私、通勤電車の中で沢田研二聞いてますよ。

2005/11/30(水) 午後 9:28 [ ANIJYA ] 返信する

はじめまして僕も30年来のジュリーファンです♪トラバしていきますねヨロシクです!

2005/12/10(土) 午前 1:29 roa*2ko** 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(2)


.


みんなの更新記事