オリジナル短編小説箱in群馬

入魂創作のオリジナル短編小説を、ぜひ読んでください。小説メインです。全部、1話読み切りですので、お気軽にどうぞ。

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進化

イメージ 1

「我々は古来より、争い続けてきた。
 それは、何故なのか。
 答えは“食糧”である。」



おおげさなジェスチャーと、
激しい口調で、演説が続く。

西暦2016年。

食糧危機対策委員会委員長は、
ある、重大な発表を行っていた。


「全世界のみなさん。
 もう食糧に悩まされる必要は無くなるかも知れません。
 彼をご覧下さい。」



ステージ中央のカーテンの奥から、
一人の男性が出てきた。

会場の全員が、
ハッ、と、息を飲む。

出てきた男性の肌は、
緑色だった。


「彼は、正真正銘、我々と同じ、
 れっきとした人間です。」



委員長は、ますます得意満面に続けた。


「彼は、食事を摂りません。
 なぜなら、彼は、
 光合成をするのです。
 ご覧下さい、彼の肌を。
 この緑色の肌は、
 彼の肌が“葉緑素”を持っているからです!」



パシャ!パシャ!パシャ!

いっせいに男性に向かって、
カメラのフラッシュが光る。


「では皆さん、これから、
 我々が開発した“葉緑素移植手術法”の
 素晴らしさをご説明しましょう。」





この“葉緑素移植手術法”が発表されて以後、
世界中で希望者が殺到し、
わずか3年で、
人類は、肌に葉緑素を持つ者ばかりになった。


やがて、葉緑素は遺伝子に影響を与え、
生まれてくる子供も、肌に葉緑素を持つようになった。


そして、人類が希望したとおり、
人々は食糧を必要としなくなり、
争うことが無くなっていった。


人類が生態系を侵す事も、なくなった。


人々は、
自然との共存、
永続的な繁栄を手に入れたと確信し、
皆で喜び合った。




・・・はずだった。




200年後。




50億を超える人口があった人類は、
残らず姿を消していた。


地球上には、人類の代わりに、
50億を超える“ヒト”という名の樹木が、
うっそうと茂っていた。


食糧を得る必要の無くなった人類は、
足が根に、
手は葉に、
胴体は幹に、
それぞれ進化を遂げたのだった。




“進化” 完
作品番号:12

〜この記事の画像=フリー素材サイト「Atelier N」〜


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閉じる コメント(4)

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ヒトが茂った世界って、すごくシュールな感じでいいですね。やっぱり他の植物を押しのけて成長してるんでしょうか。。。

2006/8/20(日) 午後 1:36 [ onn*a_*on*e ]

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押しのけて成長した大樹によりかかるツタもいたりして。う〜ん、ますますシュール。 オイラは、たくさんの動物が憩う大樹になりたい、というよりも、派手な花と美味しい蜜で誘いまくる食虫植物になってみたいです。

2006/8/20(日) 午後 5:36 [ しげぞう ]

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じっ自分は樹になるのは嫌です(^^;)雨の日とかはどうするんでしょうね。体中から二酸化炭素が出てそうです(呼吸 笑)

2006/8/28(月) 午前 9:35 [ - ]

顔アイコン

私も、樹になるのは嫌ですね(汗)。動かなくて良いのは楽そうですが、なにしろ虫が、とてもキライですから(笑)。

2006/11/2(木) 午前 1:35 [ しげぞう ]


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