オリジナル短編小説箱in群馬

入魂創作のオリジナル短編小説を、ぜひ読んでください。小説メインです。全部、1話読み切りですので、お気軽にどうぞ。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 次のページ ]

3年ぶりの更新

もはや永久放置かと思われたこのブログ、

3年ぶりに更新しました。


「オリジナル短編小説」だけ残して、

ほかのカテゴリの記事を全部削除してしまいました。


新しくすっきりと、

生まれ変わったこのブログ、

小説の新作も含めて、日々の更新を再開していきたいと思いまーす。

「しげぞう」自己紹介

「しげぞう」です。


たいしてプレミア感はありませんが、

愛されたい感ならあります。


・生息地   群馬県

・年齢    30代

・趣味    ボウリング

究極のゴミそうじ

「まだ、あれ、買えますか?」


今日も、家電製品店の前には、
開店前から長蛇の列が並んでいた。

話題の新製品「オートクリーナー」は空前の大ヒットとなっていた。



オートクリーナー。



それは家電業界に彗星のごとく現れた画期的新商品だ。


その驚くべき新機能は、付いて名のごとく、
“全自動掃除機”だ。


最新のロボット工学と、高度な物質認識機能を搭載したオートクリーナーは、
指定された情報に基づき、ゴミであるかどうかを識別し、
2本のアームで回収、指定したリサイクル場へと搬送してくれる。

購入者は、処分したいゴミの形状や、リサイクル場さえ指定すれば、
ゴミの収集、搬送という一連の“掃除”という作業から解放される。




「あら、おたく、まだ掃除なんて自分でなさってるの?」

そんな言葉が街角で行き交うようになり、
オートクリーナーの入荷時には、家電製品店に長蛇の列が恒例となった。




やがて、オートクリーナーは、家庭だけでなく、
街角清掃や、企業の産業廃棄物処理にも利用されるようになり、
より大型で、パワーのあるオートクリーナーも発売されるようになった。





しかし、掃除から解放されればされるほど、
オートクリーナーがうまく識別しないために残ってしまう「残ゴミ」を、
手作業により掃除しなければならない「残ゴミ清掃」が苦痛になっていった。



人間は、貪欲である。



製造元企業は、この貪欲に目をつけた。

「“残ゴミ”が残らない、完璧なオートクリーナーはできないか。」



これを合言葉に、開発に打ち込んだ。





やがて、「ニュー・オートクリーナー」が登場する。


最新の人工知能を搭載し、ゴミを、自らの判断でゴミであると認識する、
まさに夢の全自動掃除機が完成したのだ!





「ニュー・オートクリーナー」は、前作を超える爆発的なヒット商品となった。





街からどんどんゴミが消えていった。





部屋のゴミが、なくなった。





街角にポイ捨てされたゴミが、なくなった。





産業廃棄物が、なくなった。





川底や浜辺からゴミが、なくなった。





人々から、「ゴミはゴミ箱に捨てる」という観念が、なくなった。





そして、世界から人々が、なくなった。





必要以上の便利は、人間からモラルを奪い、
モラルを失った人間は、「ゴミ」と判断され、地球から掃除されたのだった。






“究極のゴミそうじ” 完
作品番号:29

マジック 対 超能力

「あなたが選んだカードは・・・・・
 ハートの6ですね!」


「すごい!
 また当ててしまいましたーっ!
 マジックジャックさん、見事なマジックです!」



まばゆいスポットライトの中央で、
彼は、次々に奇跡を起こしていた。

司会者の進行も、次第に熱を帯びていく。


「さぁ、次はいったいどんな奇跡を見せてくれるのでしょうか。
 刮目せよ!次のマジックは、こちらだっ!」


「おぉぉぉぉ。」



観客が思わずあげる驚きの声の中、
彼、マジックジャックは、次々と奇跡を起こして見せた。


千円札が鳥になり、コインがスイカを突き抜け、
絵に描いた卵がヒヨコになった。




「カットォ!」


プロデューサーの大きな声がスタジオ内に響く。
番組収録終了の合図だ。


そう、ここはテレビ局のスタジオ内。
今日は、史上最高のマジシャンと評されている、
人気絶頂の彼、マジックジャックの、マジック番組の収録だったのだ。



「どもぉ、おつかれさまでしたぁ。」

早速、ディレクターが本日の主役に駆け寄る。

「いやぁ、今日も凄かったですねぇ。
 私も思わず見入っちゃいましたよぉ。」



「ありがとうございます。」


彼は、少し疲れた様子で、
軽く微笑みながら、愛想を返した。



「また来月、特番ありますんで、
 できれば、そのぉ・・・新しいネタ、お願いしますよ。」


ディレクターの腰が最も低くなる瞬間だ。



「ご期待に沿えるよう、努力してみます。
 また、その時はよろしくお願いします。」


彼は落ち着いてそう答えると、スタジオを後にした。





彼が家に帰ると、彼の妻と、中学生になる息子が出迎えてくれた。

「おかえりなさい、あなた。」

「あぁ、ただいま。」



玄関を上がり、彼が居間を通り過ぎようとすると、
居間から、息子が呼び止めた。


「父さん!
 また、こんなのやってるよ。」



息子がテレビを指さしている。


“・・・マジック対超能力。
 超能力はこの世に存在するのか?
 それとも、超能力はマジックだったのか?
 世紀の対決、そして超能力の真実!
 今夜、全てをお見せします・・・”


「・・・あぁ、またか。
 マジックが、勝つに決まってるよ。
 超能力なんて、誰も信じちゃいないんだから。」


彼は、居間に入り、
息子の頭を軽く撫でつけながら言った。



「そうだね!
 きっと、父さんの言うとおりになるね。」


「あぁ、マジックが1番さ。」



そんな会話の後、
2人は番組に見入っていった。




番組は、彼の言ったとおりの展開になった。


超能力者だという出演者の起こす現象は、
次々とマジシャンに同じ現象を再現され、 

会場は“超能力者が超能力者である証拠はない”という結論に達し、
やがて、超能力者だという出演者が、まるで嘘を言っているかのような、
そんな雰囲気に包まれていった。




彼は、得意げに息子に言った。


「ほら、言ったとおりだろう。」


「すごいや、父さんの言うとおりだ。
 やっぱり、マジックが1番だね。」


「そうだろう?

 超能力だ、なんて言ったって、
 誰も信じちゃくれないんだ。
 あげくの果てには、詐欺師扱いだ。

 “これはマジックですよ”って嘘ついてりゃぁ、
 この人気。

 まったく、マジックが1番だよ。
 お前も学校で、“超能力だ”なんて、言うんじゃないぞ。」



「うん、わかってるよ、父さん。」


「さて、来月の特番は、
 観客のバッグでも浮かばせてみようか。」


彼、マジックジャックは、
息子のコーヒーカップを超能力で宙に浮かべながら、
そう言った。





“マジック 対 超能力” 完
作品番号:28

にほんブログ村 https://www.blogmura.com/in/065949.html

華麗なる開発者

「で、出来ました。
 これなら絶対に“どんな追っ手をもぶっちぎり、
 国外へ亡命できる”でしょう。」


油のにおいが立ちこめるガレージの中、
その車は完成した。

通常の乗用車よりはるかに大型で、
明らかに違うことは、
ジェットエンジンが積んであることだ。


「よし。早速実験だ!
 何かあったら、わかってるだろうな。」


開発者の背中には、銃口が突きつけられていた。


依頼主は、これから銀行を襲おうと計画している強盗3人組で、

“どんな追っ手をもぶっちぎり、
 国外へ亡命できる車”


を、開発者を脅迫して開発させていたのだ!



実験では、残りの強盗2人が乗り込み、時速は400キロを超え、
バリケードも厚い装甲で簡単にぶち抜いた。

3人組は「見事だ」と言い、
走り去っていった。

開発者の死体を残して。




・・・数日後。

オフィス街に溢れたサラリーマン達がオフィスに戻って、
すっかり静けさを取り戻していた昼下がりの街角、
ある銀行のカウンターは、大声で怒鳴り散らす覆面男が占拠していた。


「さっさと出せ!
 言っておくが、無駄な抵抗は寿命を縮めるだけだからな。」


「は、はい、今すぐに・・・。」



全員が両手を上げて起立し、異様な雰囲気に包まれた銀行内で、
数人の女性行員達が、金庫から現金を運び出し、
それらを手早く袋に詰めていく。

その表情は、一様におびえきっている。

他に、誰も動く者はいない。

もはや、男性行員の中にも、
覆面の強盗団に立ち向かう勇気ある者は誰一人居なかった。


無理もない。
彼女達の横と、彼らの横には、
今にも発砲しようと銃口を向けた覆面男がそれぞれ立っていて、
さらに部屋の中央には、勇気ある男性行員達の死体が転がっているからだ。


「おい、そろそろ時間だ!ずらかるぞ!」


カウンターを占拠したリーダー格と思われる男がそう叫ぶと、
覆面男3人は、現金が詰められた袋をかついで一斉に銀行を出て行った。




ブロロロロォーーー!!!


例の車が、猛スピードで逃走する。

「おい、やったな!」

助手席で覆面を脱いだヒゲの巨漢が、嬉々として言う。

もう一人、貧相な顔つきのスキンヘッドは、
後部座席で現金袋を愛おしそうに撫でている。


が、運転席の男は、まだ覆面をしたままだ。

「まだだ!喜ぶのは国外へ出てからだ!
 ・・・来るぞ、しっかりつかまってろ!」


ハンドルを握り直し、そう叫ぶと、
アクセルをいっそう強く踏み直した。


と、同時に、後方からサイレン音が近づいてくる。



「来たぁ!来たぞ!」

スキンヘッドが、後部座席から身を乗り出す。

と、即座に運転席の覆面が怒鳴る。

「いいからつかまれ!」



パーポー、パーポー・・・

10台、いや20台はあるか、
最新鋭のパトカーが、これまた凄いスピードで奴らを追う。



高速カーチェイスは30分ほど続き、
強盗一味とパトカーの一団は、いよいよ国境へとさしかかる。

しかし、そこには、さらに数十台のパトカーと、
大きなバリケードが準備されていた。



「ふん、予想どおりってやつだな。
 だが、こいつぁ、奴らも予想外だろうぜ。」


運転席の覆面男がそう言いながら何やらスイッチを操作すると、
例の車は、巨大な排気口から炎を吹き上げた!

ジェットエンジンの点火だ。

実験どおり、速度計の針はぐんぐん上がっていき、
圧倒的な加速が、車内3人と現金袋をシートの背もたれに釘付けにする。


「へっへっへ、どうだ、ポリ公め!
 行くぞぉ、このままバリケードをぶち抜けば!」

「国外に出ちまえば、こっちのもんだ!」

「ひゃっほぅ!行けぇぇ!」



車内の3人が盛り上がり、
バリケードに突進する車。



「・・・まずいな、破られるか。」



パトカーの中で警官がつぶやいた。



その時!



速度計の針が400kmを超えたところで、
速度計が赤く点滅し、ボンネットが火を噴いた。



「馬鹿な!
 実験は問題なかった・・・」




覆面男が言い終わることなく、
車はバリケード手前で轟音とともに大爆発を起こした。





・・・天国では、この大爆発を見ている2人が居た。



開発者がつぶやく。

「車内重量が300kgを超えたまま高速走行すると、
 爆発するように設定したんです。
 実験では現金は積まないですからね。」



天使が聞く。

「あなたは彼らをうまく騙したのですね。」



開発者は答えた。

「いいえ、私が頼まれたのは、
 “国外へ亡命できる車”ですから。

 文字どおり“亡命”ですよ。

 しかも、地獄という国外へ、ですがね。」





“華麗なる開発者” 完
作品番号:27

にほんブログ村 https://www.blogmura.com/in/065949.html

全7ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7]

[ 次のページ ]


.
しげぞう
しげぞう
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事