SAYONARA(7月11日からの続きです。)
どっと疲れて帰った私に母が心配してた。「彼と出かけたって思ってたから。まだ着かない?
って言ったよ。一緒じゃなかったの?」・・・そうだった。母に嘘をついたんだった。
私はバチが当たったと思った。
とりあえず、彼に電話する。(この頃、コードレス電話などなかったよ。)
電話は居間にあったので、家族の視線が気になる。
ダイヤルを回す手が震えた。1コールでつながる。彼が出た。
私「あっ、今日はごめん。友達と出かけてた。」と言うのがやっとだった。
彼「べつに・・・」そっけなかった。
涙が、こぼれそうで言葉が出ない。
その時彼がこう言った。「もういい。じゃ。」と切れてしまった。
何で?私は何処にも行ってないよ。へんてこりんに車貸しただけなのに!
母が見てる。とりあえず外で架け直してみる。と大急ぎで公衆に向かう。
タバコ屋さんんのカウンターに置かれた真っ赤な公衆電話に思いを込めて
彼に架けた。5コール目に出てくれた。
彼「何???」
私「ごめん。」言葉が続かない。
彼「あの変な人と一緒だった?」
!!!!!何で知ってるのだろう。弁解も出来ない。
彼「もう、いいよ。さよねら・・・」切れてしまった。
架けなおす勇気がなかった。
つづく
|