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■剥がれの検証■
今回は限定色の黒赤PSP3000に見られる特有の不具合修理をします。 実はこのモデルに多く見られるのがバックプレートの塗装剥がれ 同じロットに集中して下地から剥がれています。 これと同じ症状のシェルが、こうちゃんから届きました。今回はこれを修理します。 見ての通り、完全に下から剥がれており、凝集破壊ではありません。 既にリフティングしてしまっています。 スポットの剥がれも観察されます。 こちらはネジ穴の周囲から バッテリーカバーの上部 オープナーも どこまで剥がれるか剥離してみましょう。 途中まで綺麗に剥がれます。 バッテリーカバーはこのくらいしか剥がれませんでした。 不思議なことに、このモデルは両端だけが剥がれており、UMDカバーの剥がれは一つもないんですよ。 IR検査で調べた結果、剥がれた部位からはハンドクリームに似た油成分が検出されました。 実はこれ中国ラインで生産しているんですが、中国の工場作業員がハンドクリームを塗ったままシェルを持ち、自動塗装機にはめていたんです。だから両端だけが剥がれるんですね。 注意して欲しいのは、この剥がれはメーカークレームで保証がききます。 つまり自分で修理する必要はありません。無料で交換してくれます。 今回は、俺もこうちゃんも分解してしまったので、メーカー保証の対象外です。 なので予定通り修理します。 ■研磨作業■ さて、送られてきたシェルにはUMDカバーが付いてないのでダミーを付けて作業します。 いつもの様にテープを貼り、角を整えながら研磨します。 またテープを貼り直して面出しも行います。 なるべく平らに砥ぐ必要があります。 剥がれている箇所は下地まで全て剥離します。 ベルトラインに着いた少量の塗料も研磨して剥離しておきます。 もちろん、ネジ穴も研磨します。 これ以上剥がすと逆に凹凸が出来てしまうので、限界を見き分けてストップします。 ■サフェージング■ ベルトラインにマスキングをして塗装準備 プラサフ塗装を施したところ 中までは飛ばさないようにします。 先程と同じ要領で面出しや足付けを行います。 UMDカバーを塗装する人はリングの溝の中も研磨してください。 ここで手を抜くと剥がれの原因になるので、根気よく丁寧に行います。 研磨が完了したらベルトラインにマスキングをして塗装準備に入ります。 ベルトラインモールのクリアランスは非常に小さいので、ここに塗料を沢山着けてしまうと電源スイッチが動かなくなります。 ■調色〜塗装作業■ 塗装前に色合わせを行います。 分析の結果これに使われている顔料は、ジケト・ピロロ・ピロール・レッド、キナクリドンバイオレット、カーボン、チタンであることが分かっています。更に下地が顔料練り込みの生地による合成色なので、合成したスペクトルがメタメリズムを起こさないよう、波長の異なる光源で何度も確認しながら色を調整します。これはプロでも数日かかります。 何故そうするかというと、太陽光や蛍光灯・またはその他の光源の下でオリジナルと色が違って見えてしまうからです。 赤はなかなか染まらないので、反射率の合ったピンクを最初に塗装しておきます。 (反射率が合っていればグレーでも構いませんが、ピンクにした方が鮮やかに色が出て、最終膜厚を少なくすることが出来ます。) ここでもベルトラインのマスキングは忘れないようにします。 下色の塗装が終わりました。 ここで早めにマスキングを剥がし、新しいテープでやりなおします。 でないと膜厚がつきバリが出ます。 この様になりました。 塗装作業の説明は省略しますが、最終的に合わせた色を塗装し終わったところです。 テストピースのカラーが再現されているかよく確認します。 クリヤー塗装前にまたマスキングをし直して、最終コートの前に剥がし、最後の一回だけ全体的にクリヤーをかけます。 ■磨き作業〜最終確認■ 塗装が終わったら強制乾燥し、磨き作業に入ります。 全体の艶を整えるためです(腕に自信がある方は不要です)。 塗装済のシェルと、未塗装のシェルの、バッテリーカバーのみを交換して色が合っているか確認します。 色・艶ともに違和感はないようです。 太陽光でもご覧の通り。 といっても、工場では塗装したシェルを、シェル本体・UMDカバー・バッテリーカバーの3つのパーツに分解して保管し、組立て工程でそれぞれランダムに選んだパーツを組み合わせています。そのため生産ロットにより多少色が異なります。(皆さんのPSPも確かめてみてください) ■こうちゃんの家での作業■ こうちゃんの家に無事に届いたようです。(写真は、こうちゃんが撮影したもの) オリジナルのUMDカバーも違和感なしとのこと。 組立て中 起動テスト OKのようです。 無事、完成しました。 今回修理したPSP3000は、こうちゃんの甥にプレゼントされたそうです。 |
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2014年01月25日
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