オレとミカが話し込んでいると突然エミリアが眠りから覚めた 当然ミカはエミリアに気付かれる前にエミリアの中へ戻って行ったのだが、オレは思わずエミリアをミカと呼んでしまった 「しまった」と思ったときにはすでに遅く、エミリアに彼女の名前をまだ覚えていないものと勘違いされてしまった 普段は幾度か共に依頼をこなした末にやっと憶えるような他人の名前を、まだ面識すらもあまり無いような状況で憶えようとしたオレの努力はいったい… まぁそのようなことはどうでもいい 次に、マイシップという惑星間移動に使用する小型の宇宙艇に案内された 外観はペリカンに似せたようなユニークな形状をしているが、中はすこぶる快適な環境だった クラッド6から他の惑星へ移動の際に使用する艇までも各パーティー毎に用意しているとは、この軍事会社はけっこう金持ちなのか? このクラッド6というコロニー自体が、リトルウィングの親会社の所有だというのだから推して知るべしか… 特に任務でも無いフリーのミッションででも使用可能ということは、ある意味では社有車というよりも自家用車の感覚に近いかもしれない これが有ればミカが言うグラールの危機に関しての調査にも幅が持てそうだ あとは協力者が数名必要になってくるか… そこはオレの傭兵としてのキャリアを駆使すれば大丈夫だろうし、何だかんだでミッションの同行者を頼ってもいいだろう 問題なのはエミリアだ 旧文明人の話をしてみたが、どこ吹く風で全く関心をしめさない 基本的にはグラールの危機という事件には巻き込みたくは無いのだが… エミリアは気付いて無いが、エミリアの中にこの危機に関してのキーを握る最重要人物が存在している 穿った見方をすればエミリアこそが当事者で、オレの方が巻き込まれてしまったともいえるかもしれないのだが、今はオレが当事者だと思いたい… 先々までもミカの存在をエミリアには隠しておけないとは思うが、いまはエミリアがこの重大な案件への関与することだけは避けたいと思った 傭兵には傭兵の仕事がある、エミリアが傭兵として生きる覚悟が出来るのであれば全然かまわないとは思うが、今はまだ早すぎると思う それ以前に、一般人に近いエミリアを傭兵という過酷な人生へ誘いたくは無いというのが本音かもしれない… ただ、ミカがエミリアの中に居る以上はエミリアは何らかの状態で巻き込まれるのは朗かではあると思える その負担を軽くしてあげながら、ミカが言うグラールの危機に対応しなければならないかと思うと、気が重くなるのは確かだ… やはり、有能な協力者が必要になってくるというのは確かだろう さてと、英雄にはなりたいとは思わないし、面倒くさい人生は願い下げだが、英雄になるような行動でも執ってみますかね…
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■拙ない書き物
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作家としての実力は皆無ww
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オレは再び寝息をたててエミリアが横になっているベッドに腰を下ろしてミカの話に備えた ミカは何からはじめたらいいのかを迷っていたようだったが、思いを決めたのか話を始めた 今の時代背景はエミリアの記憶から学習したとのことで、多少の偏りの疑念は残るが問題は無いだろう 3年前のグラールの危機、SEEDの来襲は旧文明人が存在していた時代にも起こったという驚きの事実 旧文明人はSEEDの元凶であるダークファルスの封印には成功したもののSEEDの汚染は回復が不可能なまでに星自体に浸透していた そしてそれは、旧文明人の肉体に対しても例外では無かったという 外敵からの脅威は撃退したものの、その副作用による自らの滅亡の危機に頻した旧文明人は、もはや絶滅への道を辿るしか選択肢は残されていなかったが、最後に「大いなる賭け」を行ったという SEED汚染に対しての強力な浄化を行うことで星の再生を行うと同時に、汚染された自らの肉体を棄て、精神だけの存在となることで種の絶滅そのものを回避した そして来たる将来、星が浄化された後に肉体を取り戻すべく、自らの肉体となる素体として「ヒト」を創り、環境変化への適応化を図る為に大地へと解き放った… そして旧文明人達は、精神体となった自らを、とある「空間」へと移動し、永遠とも呼べるような長い眠りについた… 「ヒト」が高度な文明を築き上げ、旧文明人が眠る「空間」とのコンタクトを取った瞬間に、その精神を入え代えて自らの復活を遂げる為に… ミカの話が本当だとすれば、今現在資源枯渇化からの脱却の為に全惑星で協力して実験されている「亜空間実験」には大変なリスクが伴っているということになる… 旧文明人の「賭け」は、今、成功しつつあるのだ… こんな突拍子も無く、はたまた証拠すら無い話を誰が信じるだろう… 確実に「亜空間実験」に対しての反対派の戯れ事だと揉み消されるはずだ ただそんな誰も信用しないような話であっても、オレにとっては覆し難い「証拠」が有った あの海底のレリクスでエミリアを庇い自律起動兵器の攻撃でオレは一度死んでいたのだ そのときのエミリアの強い願いによりミカの力が発動し、オレは死の淵から戻って来られたのだそうだ あれは夢では無かった こうやって精神体になってしまっているミカを視認出来るということは、少なくともミカの影響がオレの身体に何らかの変化を及ぼしているからに違いない オレが初めてミカを見たときに、驚きよりも何とも言えないような懐かしさを感じ、特に警戒などをしなかったのは、多分そういう理由からだろう このこともオレ以外の人間に対してはさしたる証拠にもならないのは朗らかだった オレが死んだことを知っているのはミカの宿主のエミリアだけで、そのエミリアも心を閉ざしているのでミカの言葉が届かずに未だにミカの存在に気付いて無いということなのだ しかし、それはエミリアにとっては幸せなことだったと思う そういうことなので、今はエミリアですらオレがあのときに一度死んだと言っても信用はしてくれないだろう… ミカはこのオレに旧文明人の復活計画の阻止の為に手を貸してくれと懇願している 一介の軍事会社のいち傭兵であるこのオレに如何程のことが出来ると言うのであろうか? しかしミカは言うなればオレの命の恩人である 恩人の頼みを無下に断ることなどオレには出来ないというのも確かなのだ… そもそも旧文明人のミカが自らの復活を阻止する理由がはっきりしない しかしそれは今はどうでもいいことだと思った 恩人の頼みの真意などはオレにはどうでもいいことであるのもまた事実なのだ 何よりも3年前にひとりの英雄の活躍により、SEED事変が解決し、ラグオル全体の危機が回避されたはずだったのだが、本当の危機はまだ始まってもいなかったということらしいのだから… 今は真実を知ったオレが立ち上がるしか道は無いというだけだろう
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オレが部屋を出ようとすると聞き慣れぬ声で呼び止められた 振り返ると眠っていたはずのエミリアが立ち上がっていた 顔に何かの幾何学模様が浮き出たかと思うと、エミリアの隣に別の女が現れた どうやらこの女がオレを引き止めたようだが、不思議なことにオレには特に驚きの感情は無かった ただ困ったことにその女は一応衣服のようなものは身につけてはいたが、局所をかろうじて隠している程度の端切れしか纏ってなく、ほぼ全裸に近い格好だったことだ さすがのオレも目のやり場には困惑してしまった… 女はミカと名乗り、とある事情でエミリアと体を共有することになった旧文明と呼ばれる時代の人間の人格プログラムであると語った そしてオレと2人きりで話しをしたいと言っている オレという人間は、現実は現実として受け入れる方ではあるが、人の中から人が現れるという、普通では卒倒してしまいそうな出来事を、よくもこんなに普通の感情のままで受け入れられたのかは解らない それ以前に、そのことを疑問だとすら一切思い浮かばなかったのだ… ミカに対しての恐怖心とか警戒心などの感情も全くと言っていいほど無かった オレは冷静にエミリアは今どうなってしまっているのかを尋ねる余裕すらあった エミリアは浅い眠りについているだけで心配は無く、ただエミリアの人格が薄れる睡眠中の時間を借りて、精神としてエミリアに宿っているミカが表に出てきているのだそうだ オレの本能がミカとの会話を拒絶することを望んではいないようなので、聞くだけは聞いてみることにするが、ミカの会話の対象が、何故エミリアでありオレなのだろう… なにかとんでもない事件に巻き込まれてしまいそうな嫌な予感がする…
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オレの都合には全く関係なく、軍事会社 リトルウィングにやっかいになることが決まったわけだが、何やら既にオレ専用の部屋も用意されているらしい ということは、結局オレには逃げ道は無かったということか… 社長の命令でオレを部屋に案内することになり少女はしぶしぶと席を外して先に外へ出て行った 当面の問題は、少女の名前が何であったか思い出せないことであろう オレは、今まで一匹狼の傭兵として生きてきた故にどうも他人の名前を憶えるのが苦手だ そういうわけで、半ば無理矢理にバディを組まされることになったものの、オレは少女の名前をよく憶えてはいなかった そりゃクライアントの名前くらいは憶えることは有ったが、依頼中には憶えておく必要が有ったからだけで、依頼が片付けば用は無いので長く記憶していることは無かった 助かったのは、社長や水商売風の女との会話の中で、少女のことをエミリアと呼んでいたのを何度か耳に出来たことだ 流石にもう忘れるわけにもいかないだろう、よく憶えておかねば… ついでに社長と呼ばれていた髭のビースト男の名前がクラウチ、水商売風のキャストの女の名前がチェルシーということも記憶しておかねばなるまい リトルウィングのオフィスを出てエミリアの待つ住居エリアの入口の前まで行くと、クラウチからの呼び出しが有る前まで眠ってでもいたのだろうか、眠そうな表情をしたエミリアが面倒臭そうな口調で中に入るように促した 入ってみると妙にこざっぱりした部屋に通され、エミリアから部屋の機能などの説明を受けることになった 部屋には身の回り世話をしてくれる小型のマシナリーが1体備わっていた、タイプはイロイロと揃えてあるらしいが、オレには執事(バトラー)タイプのマシナリーがあてがわれていた この小型のマシナリーは「パートナーマシナリー」と呼ばれ、場合によっては依頼の現場に同行させることも可能だという、戦闘モード付きの高級タイプのマシナリーだそうだ しかし、パートナーマシナリー… 長い上に、いちいち正式名称で呼ぶのも面倒なので名前をギャルソンにして、今後はその名前で呼ぶことする 他にも部屋の設備として「ビジフォン」というコンピューター端末が備えてある 今後オレがリトルウィングで行う活動の様々な記録がデータベースとして蓄えられることになるが、その内容はこのビジフォンで確認することになる また活動内容の蓄積によっては様々なボーナスもあるとのことで、その報酬もビジフォンによって受け取れる仕組みになっているらしい 部屋の内装は個人の負担にはなるが自由に変更可能なようだし、家具も自由に配置しても構わないとのこと BGMの機能も完備しているそうだが、デフォルトでは1曲しか登録されていない そのうちに手に入れてくることにしよう… ドレッシングルームも有るがクローゼットが別になっているので少し使い勝手が悪く感じた まぁ着替えることなど殆ど無いのであまり関係はないが… というか1人部屋なのでわざわざドレッシングルームなどを使って着替える必要は無いとも思うが 最後に倉庫だ 何と1000点もの備品が格納出来るらしい 見た目は小さいのに大した収納力だ ただ、オレ専用というわけでは無く、他に7人が同じ倉庫を使用するのだそうだ つまり、8人の社員が共同で使うシステムらしいので、オレ以外の7人が無駄に容量を使うとオレの領域が圧迫されるということらしい… まあオレに必要なのは回復用のアイテムを入れて置けるスペースくらいで十分なので特に問題は無いだろう あの髭ヅラ社長のクラウチが運営する会社の割には福利厚生の内容は以外にもしっかりしてると感じた 一通り説明を終えるとエミリアは余程眠かったらしく、オレの部屋のベッドに横たわり眠ってしまった しかし、どれだけ無防備な娘なのだろうか? 保護者の顔が……… ああ、あの髭か…(苦笑) 寝付いたばかりで起こすのも可哀相な気もするので、しばらくそのままにしておいてやろう さてと、その間にオレはコロニーの中を一通り見て回るとでもするとしようか…
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オレはどことなく微妙なイントネーションの声を聞いた気がして目を開いた… オレの目の前には、少し若さの峠を越えた感じで一見水商売風の、女の顔があった その女はやっとオレの目が醒めたのかという感じで、オレの顔を覗き込んでいる 確かオレ死んだはずだ、とするとここは黄泉の国なのか?しかしながら目の前の女は美人だが天使と呼ぶにはは程遠い… 思わずここは(何処なんだ)?と、声にしてしまうと、女の口からは、「ぼったくりの店では無いので安心してろ」と、何やら要領を得ない返事が… ただ、ここはどうやら「死後の世界」とは縁もゆかりも無い空間なのだろうということは、朧げながらも理解出来て来たような気がする オレが目を醒ましたことを伝えようとしてるのだろう、女は「社長」「社長」と連呼している 社長という存在が居るところをみると、ここは何かの会社なのかもしれない… どうやらその社長という人物が、意識を失っていたオレをこの場所まで運んで来たらしい しかし、当の本人は誰かと連絡を取っていて手が離せられないらしく、女が散々呼んでいるにも関わらず声しか聞こえない 社長が来るまでに時間が掛かりそうだと言うことで、女がようやくオレの最初の質問に答えだした それによると、今オレが居る場所は観光用の中型宇宙コロニー「グラッド6」の内部で「リトルウィング」という軍事会社の中らしい…… それでなんとかこの場所はどこなのかは把握出来た しかしあのとき、海底レリクスの奥深くで死んだはずのオレが何故に見ず知らずの軍事会社のソファーで寝てたのかがイマイチ理解出来ないでいた 女もそこまでの事情は聞かされていないようだ… 暫くすると社長と呼ばれていた人物が漸くオレの前に現れた その風貌には見覚えが有った、あの海底レリクスの集合場所で傭兵初心者の少女と揉めていたあの髭のビーストだ 社長の説明によると、どうやらオレはレリクス内に取り残され気絶をしていたのらしい 発見されたときには既に気絶した状態だったが、見た目にも大した怪我は無かったらしい とすると、オレは海底レリクスで事故が有って早々になにかの弾みで気をうしなってしまってたのだろうか? そうなると、オレが体験したと思っていた、あの海底レリクスでの出来事は全て夢だったのだろうか? まあ今は難しいことは考えたいとも思わなかった とりあえずは「生きている」ということを確認出来ただけでお満足だ 一応は礼儀として、社長へ礼を言っておくことにした 社長はオレが発したの礼の言葉を、大して悪びれもせずに軽く受け流していたようだったが、特にオレもその行為を気にはしなかった そんなところへ遅れて誰かが入って来た 軽く挨拶でもと思いそちらの方向へ向き直ってみると、驚いたことに海底レリクスでの出口探しに同行していた、あの少女の姿がそこにあった 少女はオレの顔を見るなり驚きの表情を浮かべたが、すぐに安堵の表情に替わり、オレが生きていることを喜んでくれてるようだ しかし、ちょっと待て… あの海底レリクス内で、オレは少女の顔を見ていたので知っていたが、少女からオレへ気づくようなことは一切有り得なかったはずだ その少女がオレの顔を見て腰が砕けるのではないのかというくらいに喜んでいる また頭が混乱してきたが、今は何を考えても纏まる気がしない、真実は時間が経てば判るだろうから、やはり難しいことは置いておくとしよう ただ、少女もあれは全て夢だったと自己解決していたらしく、夢の中の登場人物が目の前に居ることに多少の戸惑いは見せていたが… オレと少女との間で繰り広げられた「あのレリクス内での出来事が、夢か現か」の葛藤の瞬間を見てオレと少女がちょっとした知り合いだと勘違いしたのだろう、社長がしめしめとばかりにとんでもない話しを持ち掛けて来た… このオレに軍事会社リトルウィングの社員になって少女とバディを組んで欲しいというものだ… 勿論、二つ返事で即決出来るような話しでは無い 更には例え夢だったとしても、オレは少女の傭兵としての実力を一度拝んでるのだ オレが返事に躊躇していると、社長も流石に早急に決められるような問題では無いな、と一瞬の理解を示してくれた… と思った数秒後には、オレの救助経費の請求の話題に変わっていた
その全額を、今直ぐ会社に入れば免除してくれるという そのような手持ちが今有るわけもなく、他に選択の余地なんざ有りゃしない 酷い話しだよ、足元見やがって… どうも上手いことハメられたみたいだ あの女め、何が安心してね…だ やっぱりここは「ぼったくりの店」じゃないかよ!!クソッタレ
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