診療日記−フェールズミア編

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8月はローテーションでフェールズミアという小さな町の保健所+診療所のような場所で診療をしていました。

ブログの内容を読み返してみるとなんだか動物シリーズ(へび、うさぎ、海がめアルマジロ)になってしまいましたが。。。



それはさておき。

ローテーションに行く前は、いつもとても憂鬱(ゆううつ)です。


迷わないでたどりつけるか(これ、わたしにとっては笑い事でなくとてもとても切実な問題です)。

新しいクリニックではどんなスタッフがいるのだろうか。

一ヶ月、だれも知らない場所でやっていけるのだろうか。

自分の知識、技量は十分だろうか。


いままでいたノースマイアミビーチクリニックだと20人以上の同期がいましたから、何か判断に困ること、ちょっと聞きたいことがあると気軽に相談することができました。ローテーション先ではレジデントはひとりきりなので勝手が違います。もちろん指導医はいますが。

今回もローテーションに行く前はかなりナーバスになっていましたが、実際始まってみると快適そのもの。
自分が一年前より大きく成長している手ごたえを感じました。
まだ英語の壁はありますが、知識、技量に関してはほとんど困ることはありませんでしたし、気持ち的にもずいぶん楽でした。

指導医の管理下ですが、自分の診断、判断でどんどん治療させてもらいました。
患者さんの数もほぼ指導医と同数をこなし、ペースの上でも自分的には満足のいく結果でした。
(一日15人程度でしたが、かなり余裕を持ってこなしていたと思います)
処方箋も自分で書いて、指導医にサインをもらうだけ(わたしはまだこの国のライセンスがないので、自分ひとりでは処方できません)。
口腔外科や矯正歯科への紹介状、患者さんのかかりつけ医へのmedicalの状態の照会。

思えば去年は患者さんのかかりつけ医に電話して病状を聞くのも背中に冷や汗を書いていたなと懐かしくなりました。
聞かなければいけないこと箇条書きにして、それを見ながら電話したこともありましたっけ。
向こうのクリニックの受付の人がコワくてびびりながらDrを呼び出してもらったな、なんて。
受付の人にペラペラ〜と早口で話され、しょんぼりしていると電話口にでてきたDrが外国人アクセントばりばり+ゆっくり英語でほっとしたこともありました。

一年前のローテーションは9月。そのときはまだプログラムが始まり患者さんの治療をはじめてから一ヶ月。
いままでの日本の診療での診断基準、治療の組み立て方と全く違うアメリカのシステムを理解するので精一杯。
ローテーション先でプログラムから提供されるアパートに帰ると、毎日調べ物をして足りない知識を補っていました。
カルテの書き方、処方箋の書き方、診断基準。

日本語だったらどんなに楽かと思ったものです。


一年がたち、アメリカという外国で日本にいたときとと同じ、自然なリラックスした気分で診療をしている自分に気づきました。
一年という時間がすぎたこと、自分なりにその時間をがんばってきたこと、その結果としてDrとしての技量があがったことをじんわりと自覚しうれしくなりました。
自分ではがんばっていたつもりはないけれど、それなりにやっていたんだな、と。

友人も増え、マイアミの暮らしも快適になってきました。
自分の場所ができたのでしょうか。

これからも一歩一歩がんばっていこうと思います。

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一ヶ月の僻地診療ローテーションを終えてマイアミに戻ってきました。
今月から来年の六月末までは原則的にはメインキャンパスにあるフォートロダデールのクリニックです。
一年間いたノースマイアミビーチクリニックとは違いますが、二ヶ月ぶりに自分の場所にもどってきた感じ。

フェールズミア編はそろそろ終わりにしますが、もうちょっとだけお付き合いください。


フェールズミアクリニックにて、ある日のこと。

おじいさんが歯を抜きにきました。
抜歯の同意書をサインしてもらい、表面麻酔を塗ってさあ、麻酔をしようとし、ふと窓の外に目をやりました。


何かいる。。。

窓のそとは大草原の小さな家にでてくるような、見渡す限りの草原。
その上に、黒いものがもそもそ動いています。
この黒いかたまりはナニ??

と思ってよくみると、カブトガニがもこもこしている感じ。

えええ???なんだこりゃ。

と思ってさらによく見る。

頭がついている。
ねずみみたい。

でも、印象は「カブトガニ」

どうみても、みたことのない生き物。
あえて表現するなら、「カブトガニの甲羅+ねずみのあたまとしっぽ」
こんなものが生きているのか。

うっわ〜と目を見開いてびっくりしていると、歯を抜きにきているそのおじいさんが

「ほにゃららら」

と名前を教えてくれました。
英語って、知らないことばを言われてもとっさに日本語にならないんですよね。

「もう一回」「もう一回」
と何回かねばって、ようやくその生き物が

「アルマジロ」であることが判明。

ちなみにアルマジロはこんなかんじ

40cmくらいのサイズでしたが、新鮮な驚きでした。

歯を抜きながら、アルマジロをみることがあるとは人生おもしろい。
マイアミにきていなかったら、一生こんな機会はなかったでしょう。

ちなみに歯を抜きに来ていたおじいさん、アルマジロの説明を一通り終えると麻酔をしているあいだ、そして歯を抜いているあいだ、ず〜〜っと歌を歌っていました。。。

「いや〜、babyだからさ、歌うたってないとコワいんだよ〜」
といわれ、
「いいですよ〜〜」
と言ったものの、70歳を超えるその方はここで「そんな年じゃないでしょ」と突っ込んでほしいのか、微妙に判断に迷いました。

その後も歯を抜く道具を「口の中にいれるだけ」で「うぎゃ〜 ♪♪ラララ♪♪」と歌いながら叫ばれ、悪徳歯医者な気分。
麻酔が完全に効いていることをやさし〜〜く確認し、さらに

「え、痛くないでしょ?まだどこも触ってないですよ」
とも確認したのですけれど
「そうなんだけどね〜 気分がね、どうも痛い ♪♪(また歌いだす)」

いや、そんなことを言われても。
痛い「気分」につける薬も麻酔もありません。

アルマジロのせいなのか、おじいさん、超ごきげん。というか、ハイ。
もともと血圧が高めだったので、これ以上血圧をあげてくれなければ歌でもなんでも歌ってくれとこころの中で思いつつ、抜歯が完了。
(ストレスや痛みでも血圧はあがるので、おだやかな気持ちで痛くない処置を特に血圧高い患者さんには気をつけています)

麻酔で20分弱、抜歯は実質三分。

アルマジロでおどろいたり、おじいさんをなだめすかしたりでその日の終わりは妙に疲れちゃいました(笑)

外国卒でできること

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ローテーション先のフェールズミアのクリニックはコミュニティーセンターといい、地域の住人の健康維持、向上のためのクリニックです。

歯科はDr.アマッド、Dr.ルイス(先週、先々週と徴兵されて陸軍へ出向。イラク行きか。。。と思いきや、飛ばされることなくフロリダに戻ってきました。おかげでその穴を埋めるために、二週間猛烈に忙しかった〜(T_T))そしてレジデントのわたし。
スタッフとしては受付のブリジット、歯科衛生士のクラウディア、歯科助手があとふたり。
(ごめんなさい、全員仮名です)

大学病院からしてみると、非常にちいさいけれどそれなりに楽しくやっています。



今日はクラウディアの紹介。

コロンビア出身の彼女は歯科衛生士として働き始めて二年。その前は歯科助手として働いていました。


ほんとうは、彼女は母国で歯科医師なのです。ただ、アメリカは歯科はとくに規制がきびしく、原則的にアメリカの学位がないと(アメリカの歯学部卒でないと)歯科医師としてはたらくことはできません。

  (医科だとレジデンシーやフェローから入る道も開けているので(そうすると基本的にお給料はでる)、その違いはとても大きいです。ほんと、歯科ではどうしてこんなに厳しいのかと思います。)


で、母国で歯学部を卒業して大半のDrがはじめにするのは 「歯科助手」
そして、次にするのが「歯科衛生士」。


彼女もこのパターンです。
歯学部を卒業していれば、基本的には筆記試験、実技試験をうかればフロリダ州の歯科衛生士の資格がとれるそうです(これは州によっても違うらしい)。

もちろん、英語や勉強に手間取って衛生士の資格をとるところまでいたらない外国卒Drもいます。
そして、最終的な道は「アメリカで歯科医師として働く」というものです。



クラウディアのほうが10歳くらい年上ですが、なんとなく気が合い、いろいろ雑談をしていました。
衛生士の仕事もいいけれど、やはりDrとして働きたいということ。

どうやって筆記試験の準備をすればいいか、どこに出願できるのか、いろいろな情報を教えました。
アメリカの好きなところは、「やりたいとおもったことをやれること」そしてそれをサポートする風土があること。

彼女にも、がんばってもらいたいです。

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(8月はなんがつ?/前編はこちらです)


おかしいな、と思い何気なく
「非合法ドラッグを使ったことは?」
と聞くと、返事なし。

重ねて
「で、ドラッグは何をどれくらいの期間使っているの?」
と質問。

こたえは
「マリワナを、少しだけ」


そんな訳はないでしょう!


この口の状態は、いわゆるMeth Mouthという状態。
非合法ドラッグを使っている人に多く診られる所見です。

いまドラッグは都市部から郊外にまで広がっているそうで、
その辺に牛があるいているこの土地ですら蔓延(まんえん)しています。
わたしはこのような症例を去年のローテーション先、Immokalee(イモッカリー)で初めてみて衝撃をうけました。

ドラッグ使用暦あり(たぶん、現在も使用している)、疼痛ありの状態で次にでるのは。。。


「強い痛み止めをください。痛くて寝れない」


やっぱり。。。

アメリカでは、日本よりはるかに強い痛み止めを処方します。
それは痛みに弱い、我慢することをしらないという国民性もさることながら、医療サービスを受けるまでに時間、金銭がかかるということもあるからだと私は考えています。日本のように保険証を握り締めて「歯がいたい」と歯医者さんにいけば、何千円かですぐにレントゲン、神経の治療や抜歯を受けられる「先進国」とは程遠いのがこの国なのです。どんなに歯がいたくてもお金がなければ、痛み止めを処方してもらって歯を抜くお金ができるまでがまんするという人も少なからずいるのが、この国の一面です。


少し話が脱線しましたが、そのような事情もあり、アメリカでは歯の痛みに関しても麻薬系の鎮痛剤をだすことはよくあります。
(わたしの知る限り、日本ではまずありません)

麻薬系の鎮痛剤を出す場合、その人の病歴(びょうれき)をきちんととることはとても重要です。
ひとつは、アレルギー。生命にかかわります。

もうひとつは、「過去に」ドラッグを使っていて現在ドラッグから離脱するプログラムをしているか。
この人たちに麻薬系の成分を含んでいる処方をすることは禁忌です。せっかく本人ががんばってドラッグから離脱しようとした努力が無駄になってしまいます。また、このグループの人は本人も知らないうちにHIVのようなSTD、肝炎など感染していることもあります。


そして、もうひとつ。
「現在」ドラッグを使用しているか。もしくは、使用していると推測されるか。

つまり、ドラッグを合法的に手に入れるために医療機関を訪れているのではないかをルールアウトが必要だからです。
現在のドラッグユーザーに麻薬系の鎮痛剤を処方すれば、その処方された痛み止めは売られるか、本来の「痛み止め」という目的以外に使われるのが関の山。

わたしの仕事は痛みをとり、病を治す手伝いでありドラッグを供給することではありません。

炎症もあるので鎮痛消炎剤(ちんつうしょうえんざい)のMotrin 800mg+抗生物質(こうせいぶっしつ)Amoxicilin 500mgの組み合わせの処方にしました。
本人は「この痛み止めでないと効かない」と麻薬系の痛み止めの処方をつよく主張しましたが、まずこの組み合わせの処方で三日間様子を見、だめなら再度来院するように伝えました。

結局そのあとは来院していないので、大丈夫だったのでしょう。

なんだかなあ。。。

8月はなんがつ?

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さて、ローテーション先のFellsmereクリニックにて先日のこと。

歯が痛い急患の患者さんがいるが、診察を受けてもらえるかとフロントに言われました。

(Drの数が足りないので予約を受けるのは月の初日の一日(!)だけなんです。
その日に予約をとれないと「また来月に電話して」と言われてしまいます。
タイミングが悪いと一、二ヶ月まつのはザラです)

ぱっと見た感じはかなり腫れてきている上、その日はかなり予約が混んでいたので
「レントゲンを取って、薬の処方だけになるかもしれない」と説明した上で診察することになりました。最悪今日は時間がなくても、レントゲンさえあれば後日患者さんの合間に処置をできる、という判断です。


で、レントゲンを取り、チャート(日本でいうカルテ)を見ながら問診。
アレルギーや飲んでいる薬、既往歴のチェックはもちろんですが、アメリカでは患者さんにさわる前に「かならず」チェックすることがあります。


それは治療の同意書。


外科処置でなくても、かならず「一般的治療の同意書」というもののサイン、日付があるか確認します。
通常は受付が確認しておいてくれるのですが、たまにもれがあってサインしてないときがあるのでDr側でもかならず確認するようにしています。
何かあったときに守ってくれるのはこの紙切れなので。。。
疲れてくるとつい、飛ばしてしまいそうになるのですけれど、ここはアメリカなので訴訟のことを考えるとないがしろにできません。

で、通常通り各書類の記入漏れがないか、きちんとサイン、日付があるかを確認していました。
すると、たとえば8月28日とかくべき項目が、7月28日とサインされています。
患者さんに「今日は8月28日だから、日付直してくださいね」と言うと、けげんそうな顔をして
爆弾発言。


「Augustって、7でしょ?」

???

頭の中はハテナマークでいっぱい。
この人は何をいっているのだろう??

その人は重ねて、「だから、Augustって「Seven」って書くんだよね?」と真顔で聞いてきます。



この人は本気で言っている、と気づきました。



「ううん、わたしはAugustは8って書くと思うよ」というと「ふーん」と納得?。

どうも様子をみると字がかけない、読めないということはなさそうです。
(そういう患者さんもたまにいます)

まだごく若い方ですが、レントゲンを見るとほぼ全ての奥歯がむし歯で溶けてしまっている状態。
通常はここまでひどい状態になるまでほっておくことは少ないです。


どうも、おかしい・・・

(この項、つづく)

(Vero Beachの砂浜。砂が真っ白です)

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