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日本映画のレビューはこの記事が初めてです。 僕の邦画の好みはモノクロ映画なんですね、どういう訳か。 特に日本人の日常生活を描いた作品はカラーよりモノクロがいいですね。 夢見る感じがするからかな、、。 映画のテンポは実にゆっくりしていて、いやされる感じがします。 前置きが長くなりました。そろそろ本題。 これは広島の尾道に住む老夫婦が東京に出ていった娘や息子たちの家庭を訪ねる物語です。 娘や息子たちは都会生活の余裕のなさからか、人情が薄くなり、老夫婦は厄介扱いされる。 皮肉にも、血のつながりがない、死んだ息子の嫁の優しさに触れて、老夫婦は田舎に帰る。 旅行中、厄介者扱いされて送り出された熱海で体調を崩した老母は帰郷後、間もなく他界する。 老母の葬式のために帰郷した子供たちが帰って行った後、 静まり返った家の中で一人うなだれる老父の姿には言い知れぬ寂寥感が漂います。 救いは老父と同居する末娘の存在でしょうか。 老父の死さえ想像させるエンディングは小津の技量の真骨頂! 余韻が実に深い映画です。 田舎から都会へ出ていく子供たち。 取り残された親たち。 失われゆく家族の絆。 小津はそうした家族を慈愛の眼で見つめています。 優しい未亡人役を演じているのが伝説の女優、原節子。 原は小津映画で最も輝いて見えます。 貧しさの中にあるほど、返ってその輝きが増すように感じます。 小津安二郎も原節子も生涯独身だったとか。 僕は二人の間にプラトニック・ラブがあったのではと邪推します。 この映画、こんなリメイク版(2002)があったなんて知らなかったです。
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