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みなさんおはようございます。 現在パリにいます。(今こちらでは深夜の0:00を少し回ったところです。) 昨日フランス入りし、翌午前中にオランド仏大統領と首脳会談を行い、その後二人で歩いて日本大使公邸に向かいました。 公邸では和食紹介レセプションが開かれました。 ■ツイートする ■シェアする +--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2014.05.06[Tue] 07:08) ▼安倍晋三事務所携帯版HP http://www.s-abe.jp/ *メルマガの配信元です。 ■10日間に渡った安倍さんのヨーロッパ歴訪もこのフランスと次のベルギーで終わり、8日夕方には無事に羽田空港に凱旋帰国しました。 最初の訪問国はウクライナ問題で日本と立場を近くするドイツ、次は共に議員内閣制の下でNSCを持ち、その運営を工夫して安全保障面で協力を深めたイギリス、ポルトガルとスペインではアフリカや中南米に多い両国の旧植民地まで視野に含めて「地球儀外交」の面目を躍如としたのはこれまで都度指摘したとおりです。 連休中も安倍さんのほか訪中した高村副総裁、訪米した石破幹事長から集団的自衛権の行使解禁に関する発言が相次ぎましたが、そういう「積極的平和主義」の背景には、アメリカが01年10月から始まったアフガン戦争や03年3月に起きたイラク戦争、08年のリーマンショックなどによる軍事的、経済的な負担に苦しんで、極東における最大の同盟国である日本が期待される、あるいは果たすべき役割が増していることがあるのは確かでしょう。 そしてそういうアメリカの状況の表れたのが、内戦状態にあるシリアへの軍事介入に踏み切れなかったことだと言えます。 すなわち昨13年8月、アサド政権がかねて国内の民主化運動を弾圧、化学兵器を使用したとされたのに対してオバマ大統領が軍事介入を一端は決断したものの9月にはそれを見送ってアメリカが「世界の警察」であることを自ら否定。 それが象徴的な世界のパワーバランスの変化に符合するのが、日本の対外政策が「積極性」を帯びることなのは間違いないのであり、積極的平和主義を唱える安倍さんは、世界史的な変動に対応しながら日本を率いていると言えるでしょう。 シリア問題では日本の他にフランスもアメリカの軍事介入を支持しましたが、フランスはシリアの旧宗主国。 フランスは1920年8月のセーヴル条約でオスマン・トルコ帝国から今のシリアやレバノンに相当する地域を委任統治領として獲得、シリアについては1946年4月の独立まで支配していますが、同地域はその25年前の1895年10月にトルコ帝国の首都イスタンブールでキリスト教徒のアルメニア人が弾圧された事件を受けてイギリスのソールズベリ首相がイギリス、フランス、オーストリア、イタリア、ロシアによるトルコの分割を列強に提議した構想の中でもフランスに割り当てられていて(『帝国主義の開幕』中山治一、河出書房新社)、フランスとは縁があったと言えるでしょうか(その構想は、当時トルコに影響力を持って世界戦略でイギリスと対立していたドイツが領土保全を訴えたため失敗)。 かつての宗主国・植民地関係は今もなお機能して、シリア問題におけるフランスの積極姿勢や、安倍さんのポルトガル、スペイン訪問の背景にあるのであり、そのことからは、それが地球儀外交に好都合な国際関係の梃子であることを指摘できるでしょう。 ■安倍さんは最後の訪問国ベルギーではブリュッセルのNATO本部で演説。 7日0:49の『産経新聞』によれば、集団的自衛権の行使解禁などの積極的平和主義によって「揺るぎない平和国家としての歩みを礎に、これまで以上に世界の平和と繁栄に強くコミットする」と謳い、またNATO諸国を「基本的価値観を共有する…「必然のパートナー」」と位置づけて「関係を強化する考えを示し」ていますが、それは「価値観外交」の理念にほかなりません。 従って、今回の外遊では第1次政権以来の「価値観外交」と第2次政権下で新たに打ち出された「地球儀外交」という、安倍外交の2つの発想が明確化されたと言えるでしょう。 それらが焦点を結ぶのは必然的に中国問題だということになるのは、中国が日本や米欧などNATO諸国とは基本的価値観を共有しておらず、また日本とはアフリカや中南米つまりまさに地球規模で影響力扶植と資源獲得で競争関係にあることから自明であると言えます。 また積極的平和主義に基づく集団的自衛権の行使解禁に関しても、日米安保体制の高度化を意味するそれが、極東で覇権主義・膨張主義をとる中国に対応しようとするものであることは論を待ちません。 4月末にはアメリカのオバマ大統領が来日して、日本側の求めによって、尖閣諸島が日米安保条約5条の適用範囲であることが保証されたとおりです。 さて、安倍さんがNATO本部での演説で中国を具体的に挙げて「対外姿勢、軍事動向は国際社会の懸念事項だ」と指摘し、軍拡の「内訳が明らかにされず不透明だ」と批判(同上『産経新聞』)したことが話題になっていますが、日本時間6日夜のその演説の翌7日、南シナ海で中国とベトナムやフィリピンの間に起きた事件が大きく取り上げられました。 すなわちベトナムの排他的経済水域内パラセル諸島付近の海域で中国がオイルリグを設置して海底油田を掘削していて両国の艦船が3日以降複数回に渡って衝突、7日にはベトナム側の船員が負傷したほか数隻が損傷したといい(『毎日新聞』14.5.7-21:45(同8-1:09最終更新))、フィリピンは同日、スプラトリー諸島ハーフムーン礁沖で中国の密漁船を6日に拿捕したことを発表(『産経新聞』14.5.7-17:36)。 フィリピンは4月28日に旧宗主国でもあるアメリカと軍事協定を締結して米軍の国内への事実上の再駐留を容認、共同軍事演習を重ねるなど中国への強硬姿勢をかねて特に見せ、ベトナムも中国とは共産党一党支配という政体を共有しチョン書記長が親中派であるというもののサン国家主席とズン首相が親日派(『朝日新聞』10.12.19朝刊)、原発開発では日本やロシア、スプラトリー諸島近海での油田開発ではインドとそれぞれ協力するなど多方面外交を敷いていますが、両国が南シナ海で中国と衝突する伏線は既にあったと言えます。 中国が「9点破線」あるいは「牛の舌」という、南西諸島と台湾を結ぶ第一列島線に連なる境界線で南シナ海全域の管轄権を主張していることは11年9月7日の記事で紹介したとおりですが、それを伝える同月4日の『朝日新聞』朝刊はまた、「日本にとっての具体的な懸念」の一つに「南シナ海で「変なルール」(政府関係者)ができて東シナ海に波及する」ことを挙げています。 東シナ海では中国が尖閣諸島を「核心的利益」と位置づけて当局艦船が接続水域や領海に侵入し、上空を防空識別圏内に設定、あるいは沖縄トラフすなわち南西諸島の西辺いっぱいまでの大陸棚の権利を主張して、その内側の日中中間線付近(中国側)でガス田開発を進めていますが、東シナ海と南シナ海には中国問題が同様の構図で存在していることを物語っているのは明白です。 それを象徴するのが、今回ベトナム政府が公開した中国艦船による衝突の映像が、10年9月に尖閣諸島沖で発生した海自艦船への中国漁船衝突事件のいわゆる「尖閣ビデオ」を彷彿させることだと言えるでしょうか。 また、マラッカ海峡を出口とする南シナ海は日本にとって中近東とのシーレーン上にあり、そこでの情勢は「航行の自由」やエネルギー安保の観点からも日本に無関係ではありません。 さて、そのように東シナ海情勢に対して「対岸の火事」ではないのが南シナ海情勢だと言えますが、それにはウクライナのクリミア半島情勢も同様に挙げねばならないでしょう。 ウクライナにおいてロシア系住民が多数でロシア黒海艦隊の拠点もあるクリミアは、2月のヤヌコビッチ政権が倒壊した政変を契機にロシアに編入していますが、ロシアはその際に軍事介入し、日本や米欧の制裁対象となってG8からも除外されました。 安倍さんはNATO本部での演説ではウクライナ問題についても触れ、「「力による現状変更を許してはならない。アジアにも影響を与えるグローバルな問題だ」と指摘」(既出7日0:49『産経新聞』)していますが、ここでロシアを中国に置き換えれば、その真意が東シナ海を見据えたものであることは自ずと明らかです。 北方領土問題の解決に向けて元来ロシアのプーチン大統領との信頼関係構築に積極的で成功していた安倍さんをしてウクライナ問題でロシアを批判せしめたのは、東欧のクリミア情勢が極東、東シナ海情勢に照らして決して「対岸の火事」ではないからである、ということは、安倍さんがNATO本部でロシアや中国を批判、その矢先に南シナ海が中国問題で緊迫するという状況では特筆してよいでしょう。 ところで、クリミア半島は15世紀以来イスラム系のクリム・ハン国が支配、ロシアはそれを1783年にエカチェリーナ2世が併合してから1991年のソ連崩壊まで領有し、その後はウクライナの一部となって現在の混迷に至りますが、そういう経緯の中で注目すべきは、1783年のロシアによる併合でしょう。 なんとなれば、それは1695年にピョートル1世がクリミア半島の北接するアゾフ海方面に遠征して以来の黒海・地中海方面への南下政策の一環だったのであり、ロシアの伝統的な南下政策は中央アジアや極東にも広がって、日本にとっても20世紀初めに満州問題や日英同盟、日露戦争の背後事情となったように当時の世界情勢の一大要素だったからですが、その根底にはロシアが外洋への出口として常に不凍港を求めていたことがあります。 それは偏にロシア北方の北極海が冬季に凍結するからですが、都度触れているように、近年では一転、海氷の溶解によって北極海航路の開発が現実的になり、アジアとヨーロッパの効率的な航路として、また海底資源の宝庫として、北極海は世界の注目を集めています。 ロシアに地の利がある北極圏のそういう変化は、とりもなおさず国際社会におけるロシアの位置づけを将来変えていくことになるのではないでしょうか。 日本は北極評議会にオブザーバー参加し、安倍さんが超党派の「北極圏安保議連」の会長を務めていますが、そういう北極政策や、日本や東南アジア諸国にとっての中国問題、あるいはロシアも6ヵ国協議の一員である北朝鮮問題などにおいて、日本はロシアにどう接していくことになるでしょうか。 上述のとおり東欧のクリミア情勢に極東で通じるのが東シナ海情勢だと解したとき、ロシアと中国は国際社会で同じニッチを占めていることになりますが、特に中国問題をプライオリティーの高い喫緊の外交懸念とする日本にとってロシアは最大の脅威ではないのであり、両国を全く同列に論じることは日本外交を二正面作戦に陥らせて、戦略上有力な選択肢を放棄するリスクを伴うと言えます。 思えば日本は戦前、日露戦争を戦った後はロシアとは1907年7月に日露協商を結んでむしろ接近し、両国に英仏を併せた4ヵ国は第一次世界大戦まで国際政治上の一集団を形成、協商は計4次に渡って1917年のロシア革命で政体が変わるまで維持されています。 戦前の日本の外交機軸は当然日英同盟にありますが、地域の大国であるロシアとの協商はそれと併せて日本の戦略に適って対外政策を安定させたに違いありません。 そしてそれは、日本の外交機軸が日米同盟に変わった現代でも、ロシアの地政学的な重要性が変わらない以上、日露関係が主に中国問題を念頭に日本外交を補強しうるものであることを示唆していると言えるでしょうか。 ウクライナ問題は北方領土問題打開の機運が兆していた日本にとって最悪のタイミングで起きたと言えますが、日本が今後、日米同盟主義と国際協調を乱さない範疇で日露関係の改善に積極的になることは十分考えられます。 ロシアと中国はともに「力による現状変更」を辞さずに「19世紀的」で、国際ルールを逸脱して他の大国とは「異質」であるとされますが、しかしその中でも両国を更に分けて把握し、特にロシアとの関係前進を図る必要はあるのでしょう。 (R) |

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平和は待っていてもやってきません 消極的平和主義ではなく 安倍さんは積極的平和主義
いいですね〜
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140508/plc14050803140005-n1.htm
麗澤大学教授・八木秀次さん
も面白いことを書いてます
2014/5/10(土) 午後 11:58 [ アグリOMA ]
★今日は。
安倍総理程、、外遊して成果を上げた議員は他に無い。
体に留意して、、、頑張ってほしい。
2014/5/13(火) 午後 6:42 [ プリ2 ]
to.水大師さん)
積極的平和主義は今の第2次安倍政権にとどまらず、今後の日本にとって永久に基本となるべき新機軸だと思います。
日本が地域や国際社会で国力や地位に応じてそれなりの役割を果たすのは必然ですね。
コメントありがとうございます。
2014/8/30(土) 午前 2:24
to.プリ2さん)
外交は安倍さんの得意とするところですが、それはまさに首相そして国会議員の仕事ですね。
内閣改造での留任が有力な岸田外相とのバランスや、官邸で外交に当たる谷内内閣官房参与の存在も大きいと思います。
コメントありがとうございます。
2014/8/30(土) 午前 2:25