戦後レジームからの脱却

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父祖の加護 ケータイ投稿記事

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■安倍さんは候補者が乱立して混迷を極めた12年総裁選では決戦投票を逆転で制して総裁に復帰、それから3ヵ月もせずに12年総選挙で勝利して首相にも復帰していますが、安倍さんはそもそも自身の選挙という選挙で落選したことがありません。
安倍さんは93年7月に国政選挙初挑戦で初当選して以来連続7選、第1次内閣退陣後で最初の09年総選挙では自民党への強い逆風のなか、対民主党候補得票率全国首位となる64.25%を記録するという圧勝をしたことが首相復帰への自信を持たせたことは、13年12月22日のテレビ番組で証言があったとおりです。
また、総裁選には06年と12年に挑戦して2戦2勝ですが、安倍さんは12年9月の総裁選の前、8月に「父は総裁選で2勝2敗。僕は1戦1勝。もう一度総裁選に勝って、安倍家として勝敗を5分にしたい」と語っています。
安倍さんの父親の安倍晋太郎元官房長官は82年総裁選で敗れたほか、87年10月には総裁任期を満了する当時の中曽根首相の後継者として有力視されながら、いわゆる中曽根裁定に泣くことになっています。
安倍さんの言う「父は総裁選で2戦2敗」とはそれらを指していると思われますが、安倍さんは12年総裁選に勝って「安倍家として勝敗を5分」を見事実現したことになります。
また、総裁選での決戦投票については、祖父の岸元首相もそれを経験していることは指摘されるべきでしょう。
岸さんは56年12月の総裁公選を石橋元首相および石井元総務会長と争い、1回目の投票では首位となったものの決戦投票では石橋、石井両陣営の2位3位連合に逆転を許してわずか7票差で敗北。
しかし引き続き党内に強力な勢力を有して石橋内閣では副総理格の外相として入閣、それからわずか3ヵ月後の57年3月には石橋首相が急な健康問題で辞任した後に首相に就任するという強運ぶりを発揮していますが、それらを総合すれば、岸さんは前任者の健康問題で首相に就任した一方、安倍さんは自身の健康問題で首相を辞任、岸さんは1位で臨んだ決戦投票で敗れた一方、安倍さんは2位で臨んだそれを制したということになります。
安倍、岸両家に見られるそういう政治史は、政治家一家の不思議な巡り合わせだと言えるでしょうか。

さて、安倍さんは自身以外の選挙でも、首相や党総裁として当たった殆どで勝利を収めています。
第1次政権期07年参院選でこそ敗れたものの、総裁に復帰後12年10月に野党として臨んだ鹿児島3区補選では同じ町村派の宮路両院副総会長が当選し、弟の岸外務副大臣が12年総選挙で参院から山口2区に転じて当選したのに伴う13年4月の参院山口補選では前下関市長で地元の腹心だった江島参院議員が圧勝、同年7月の参院選では6年前の雪辱を果たして衆参のねじれを解消し、今年4月の鹿児島2区補選でも金子衆院議員を擁して勝利。
安倍さんは長州山口の出身ですが、長州とは江戸末期にはともに倒幕を成し遂げ、明治政府ではライバルとなった薩摩鹿児島での二度の補選で安倍さんが連勝して政権への支持を確認していることは歴史の因縁だろうとは、都度述べているとおりです。
参院山口補選は第2次安倍政権として初となる国政選挙でしたが、それが安倍さんの地元である山口で行われたのは勝利が確実で、政権としては考えられる限り最も堅実な展開だったと言えるでしょう。
全国の知事選でも与野党対決型のでは安倍自民党は2月の東京都知事選では第1次安倍改造内閣で厚労相として初入閣した舛添都知事を支援(都連推薦)して勝利、同月の地元、山口県知事選でも推薦した村岡知事が圧勝しています。
米軍普天間基地移設問題という特殊な事情と11月の県知事選がある沖縄では、1月の名護市長選では敗れたものの、3月の石垣市長選と4月の沖縄市長選で連勝。
自民党は3月に県連の体制を刷新して知事選に備えていますが、基地問題という不安材料が常にある沖縄の知事選は野党が不満の受け皿になる対立候補を擁立しやすいと言え、重要地方選と位置づけて必勝を期し、与野党が対決する来年4月の統一地方選に繋げねばならないと言わねばなりません。

■これまで安倍さんが総裁や首相として臨んだ選挙で大きく取り上げられた焦点の一つには、原発政策を挙げられるでしょう。
すなわち12年総選挙では今の生活の党の前身の旧日本未来の党の代表になった滋賀県の嘉田知事が「卒原発」を標榜したものの大敗、地元山口では上関原発の建設計画があって、自民党推薦の山本前知事が当選した12年知事選と同年の総選挙には旧未来で代表代行を務めた飯田哲也氏が立候補していずれでも落選。
また、13年参院補選では民主党の平岡元法相も脱原発を掲げるも大敗、14年知事選では民主党を離党した高邑元衆院議員がその飯田氏と連携して出馬するもやはり敗北しています。
嘉田氏は7月に知事任期を満了しますが、今月7日6:53の『産経新聞』は「次期知事選に…立候補しない意向」であると報じ、同時に民主党の三日月前国対委員長代理が「卒原発」を継承して出馬すると伝えています。
自民党は経産省出身の小鑓元内閣官房参事官を推薦して擁立しますが、原発を巡っては、政府が「4月に閣議決定した…「エネルギー基本計画」では、安全確保を前提に原発を再稼働させる方針を打ち出し」(時事通信、14.5.21-20:45)ている一方、脱原発を掲げる小泉、細川両元首相が2月の東京都知事選に参戦、7日には「自然エネルギー推進会議」を設立して「11月に任期満了を迎える福島県知事選や来年春の統一地方選で、脱原発を訴える候補者を支援する構えだ」(『産経新聞』同日21:11)というほか、21日に関電大飯原発3、4号機の再稼働差し止め判決が福井地裁によって下される(関電は名古屋高裁に控訴)など路線対立があって、それは滋賀県知事選にも表れることでしょう。
9日23:56の『産経新聞』は、石破幹事長が会見で「滋賀県知事選を、年内に行われる沖縄、福島両県知事選と並ぶ「最重点」に挙げ」たことを伝えますが、それも故のないことではありません。

ところで、滋賀は元来民主党の強い地域であるため、その知事選の結果は海江田代表の「進退問題に直結しかねない」(同上9日『産経新聞』)との指摘があります。
滋賀では、12年総選挙で自民党が全4選挙区を制し民主党で比例復活したのは3区の三日月氏だけだったものの、比例近畿ブロックの民主党各候補の惜敗率は三日月氏が全37人中2位、1区の川端元総務相(三日月氏の議員辞職により繰り上げ当選)、4区の奥村元国対委員長代行、2区の田島元環境副大臣が4〜6位といずれも上位で、確かに民主党の強いことが窺え、三日月氏が議員辞職してまで知事選に挑むという決断をした素地もそこにあるのかもしれません。
海江田氏の任期は15年9月までですが、13年参院選で大敗した後「「1年後に『目に見える成果』を出す」と約束して続投した」、野田、岡田両最高顧問や前原元代表と会談して「「あと1年やらせて欲しい」と頼んだ経緯がある」(『朝日新聞』14.2.8朝刊)という状況。
それにより党内や、地方でも滋賀県連が代表選の実施を要求する(『産経新聞』13.7.30-8:25)などの混乱を収めたものの、その「1年」後がまさに今年の7月であり、それは同月の滋賀県知事選が海江田氏の「進退問題に直結しかねな」くなっていることの伏線の一つだと言えるでしょう。
海江田氏はしかしその後、「任期を全うすることに意欲を示」(『産経新聞』14.4.11-0:30)して方針転換の気配を見せており、それはかえって、党内で海江田氏に対する遠心力を強めることになったと言えます。
それはすなわち4月30日には大畠幹事長が「今夏の党代表選実施もあり得る」(『産経新聞』、同日17:24)と発言、今月13日には玄葉前外相と安住元財務相の会合で代表選前倒しが議論され、その場には中川幹事長代行など執行部メンバーも同席(『産経新聞』14.5.15-10:29)、前原グループも代表選の「前倒し実施を執行部に要請することを検討し」(『毎日新聞』14.5.20-7:00(最終更新同日8:08))、参院では22日に北澤、前田両副代表など10数人が会合して「任期満了を待たずに代表選を行うかどうかも話題になった」(時事通信、同日23:12)などと報じられているとおりですが、代表選前倒しの気運は既に、海江田氏が自ら挙げた今年7月に向けて主流派から非主流派まで広く高まっており、その決定打になる可能性があるのが、同時期で勝算がある「はず」の滋賀県知事選だということでしょう。
海江田氏を取り巻くそういう状況の根底には、一つには党内勢力基盤の貧弱さがあるでしょう。
海江田氏は今は赤松グループの所属で、11年代表選に出馬した際には当時所属していた旧鳩山Gと旧小沢Gに擁立されたように、独自の勢力基盤を有していません。
また海江田執行部で代表代行や幹事長を歴任している大畠氏もかつては同じ旧鳩山G所属だったものの、11年代表選では鹿野元農水相を支持して鹿野Gに移り今はその会長であって(『日経新聞』12.12.21-23:47)、腹心という立場ではないと言うべきでしょうか。
では海江田氏の支持基盤はと言えば自身が代表代行(『産経新聞』12.10.11-18:55)の赤松グループの他、執行部では長妻幹事長代行や松原国対委員長、長島副幹事長など海江田氏と同じ東京選出の議員が少なくないことから(それぞれ7区、3区で比例復活、21区、海江田氏は1区で比例復活)、そういう地縁が頼まれていることを指摘できるでしょう。

海江田氏の進退問題がポスト海江田の存在と不可分であるのは自明ですが、それはまた民主党内の主流派・非主流派関係の逆転ということとも無関係ではないでしょう。
海江田氏の出身の赤松G代表の赤松元農水相が社民党出身であるのに加えて、執行部には高木代表代行や大畠氏、神本副代表、郡司参院議員会長といった労組出身者が要職にあることから、松原、長島両氏や1月に前原Gから起用された渡辺幹事長代行といった保守派も見られるとはいえ今の主流派は左派だとすれば、上述のように反執行部的な動きの見られる前原、玄葉両氏などの右派や、「中道」派の細野前幹事長などが非主流派ということになると言えます。
特に、野田、岡田、前原、安住、玄葉各氏に枝野元幹事長を加えた「六人衆」は非主流派の実力者。
六人衆は与党期に主流派として政権の要職を歴任したものの下野の責任を負って非主流派に甘んじていますが、ポスト海江田に復権を賭けてくることは確かでしょう。
細野氏も1月に「自誓会」を細野派として発足させ今月6日には勉強会を開いており、ポスト海江田を目指すとの観測あるいは期待が消えません。
28日には野党再編を巡って日本維新の会で、結いの党との合流の是非を巡る路線対立があった石原、橋下両共同代表が会談して分党が決まったことは野党再編を進捗させると思われますが、その気運は民主党内にも作用して、再編に積極的な前原氏や細野氏の存在をクローズアップさせるかもしれません。
そうだとすれば、それはかつて菅官房長官がプロデュースして安倍さんが橋下氏との関係を梃子に再浮上し総裁復帰に繋げたのに似ますが、今の橋下氏の「効用」は当時と比べてかなり限定的だとすべきでしょうか。

ちょうど夏に照準されている野党再編の気運が高まることは、民主党としてそれに乗じるべく、海江田氏がもはや滋賀県知事選の勝敗に関わらずかつて自ら述べたように7月にも辞任する可能性を高めたかもしれません。
あるいは、滋賀での勝機を高めるのに再編気運の高まりを利用しようと、つまり皮肉にも勝機がある「はず」ゆえに知事選の前、例えば会期末まもなくにも辞任することさえ考えられるでしょうか。
そしてそうだとすれば、それと対比的に、党首としての任期満了が同じ15年9月である安倍さんの果報ということを改めて思っても怪しむに足りないでしょう。
上述のように安倍さんが節目ごとに迎えたのは地元山口や保守的な地方である鹿児島という有利な地域での補選や知事選だったのであり、そこでの連勝は安倍さんの総裁や首相としての権力が育つのに恰好の経験値となったと言えます。
それは強運の持ち主だった岸さんと、首相の地位にわずかに手が届かなかった安倍晋太郎さんという、二人の父祖の加護ではないでしょうか。


(R)

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選挙で選ばれたのなら、父祖の加護はどうあれ、国会議員の仕事をして下さい。

国民が首相に選んだ、訳ではありません。

2014/5/29(木) 午前 10:59 [ 鬼丸 竜馬 ]

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安倍総理は国民の大きな期待に答えて十二分な政治を行っています。

日本の政治史に残る大総理への道を着々と登られています。

2014/5/29(木) 午前 11:51 よかもん人生

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★お早うございます。
海江田1000里・・・は、シナ中国の【手下】。
彼が大臣の時に何か【良い事】をしたか?
何も無い【国賊】議員である!

2014/6/1(日) 午前 11:00 [ プリ2 ]

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コメントありがとうございます

飛鳥地区のことですね(ガラポシ伝説)河童は全国に言い伝えられています
その中でも特殊かな?とも思っています
今では関係なく作っているようですよ!!

2014/6/5(木) 午後 11:29 [ アグリOMA ]


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