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安保法制担当相は集団的自衛権に関する憲法解釈変更の閣議決定を受けて臨時国会から個別法の審議が始まるのに備えて、地方創生担当相は来年4月に統一地方選を控えてアベノミクスによる成長戦略としての「地方の活性化」を進めるべく、それぞれ設置されるのであり、いずれも第2次安倍政権の方針がよく反映される措置だと言うべきでしょう。 秋の人事では、そのような両担当相の新設と統一地方選、それに来年9月の総裁選での再選が勘案されることになるはずと言えます。 その上で、その陣容については例えば以下のように改めて考えることは可能なはずでしょう(敬称略、★は初入閣、閣僚が定員の18人を超えているのは内閣府の特命担当相の置き方が不分明のため)。 ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ 《内閣》 首相:安倍晋三(町、山口4/7) 副総理兼財務相:麻生太郎(麻、福岡8/11) 官房長官:菅義偉(無、神奈川2/6) 総務相:脇雅史(参・額、比例/3)★ 外相:岸田文雄(岸、広島1/7) 法相:平沢勝栄(石、東京17/6)★ 経産相:茂木敏充(額、栃木5/7)/竹下亘(額、島根2/5)★ 農水相:西川公也(二、栃木2/5)★ 文科相:遠藤利明(谷、山形1/6)★ 国交相:太田昭宏(公明、東京12/6)/井上義久(公明、比例東北/7)★ 厚労相:宮路和明(町、比例九州[鹿児島3]/8)★/江渡聡徳(大、青森2/5)★ 防衛相:江渡聡徳(大、青森2/5)★/岩屋毅(麻、大分3/6)★ 環境相:小渕優子(額、群馬5/5) 復興相:坂本剛二(町、福島5/7)★/岩城光英(参・町、福島/3)★ 国家公安委員長:世耕弘成(参・町、和歌山/4)★ 経済再生担当相:甘利明(無、神奈川13/10) 沖縄・北方担当相:松山政司(参・岸、福岡/3)★ 少子化担当相:橋本聖子(参・町、比例/4)★ 行革担当相:望月義夫(岸、静岡4/6)★/有村治子(参・大、比例/3)★ 安保法制担当相:石破茂(無、鳥取1/9)/岩屋毅(麻、大分3/6)★ 地方創生担当相:今村雅弘(谷、佐賀2/6)★/山口俊一(麻、徳島2/8)★/木村太郎(町、青森4/6)★ 首相補佐官:衛藤晟一(参・二、比例/2[衆4]) 首相補佐官:木村太郎(町、青森4/6) 首相補佐官:磯崎陽輔(参・町、大分/2) 首相補佐官:萩生田光一(町、東京24/3) 官房副長官:加藤勝信(額、岡山5/4) 官房副長官:中川雅治(参・町、東京/2) 官房副長官:杉田和博(警察庁) 《党役員》 総裁:安倍晋三(町、山口4/7) 副総裁:高村正彦(大、山口1/11) 幹事長:河村建夫(二、山口3/8)/石破茂(無、鳥取1/9) 幹事長代行:山口俊一(麻、徳島2/8)/河村建夫(二、山口3/8)/中谷元(谷、高知2/8) 総務会長:額賀福志郎(額、茨城2/10)/中谷元(谷、高知2/8) 政調会長:塩崎恭久(岸、愛媛1/6[参1]) 選対委員長:細田博之(町、島根1/8) 国対委員長:山本有二(無、高知3/8) 総裁特別補佐:西村康稔(町、兵庫9/4) 〈参院〉 議員会長:溝手顕正(参・岸、広島/5) 幹事長:伊達忠一(参・町、北海道/3)/林芳正(参・岸、山口/4) 幹事長代行:吉田博美(参・額、長野/3) 国対委員長:関口昌一(参・額、埼玉/3)林芳正(参・岸、山口/4)/伊達忠一(参・町、北海道/3) 政審会長:山谷えり子(参・町、比例/2[衆1]) 幹事長代理:山本順三(参・町、愛媛/2) 国対委員長代理:岡田直樹(参・町、石川/2) 政審会長代理:宮澤洋一(参・岸、広島/1[衆3]) ∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴ ■安保法制担当相については、高村副総裁が「「私がやることはない」と明言」(『産経新聞』14.7.11-10:59)。 高村さんは「集団的自衛権の…与党協議会で座長を務めて…就任が有力視されていた」とされますが、高村さんはいち早く否定したとはいえ、担当相が与党協議の他のメンバーから起用されること自体は可能性が低くないと考えられるでしょう。 ところで、当ブログでは安保法制担当相について5月3日の記事で石破幹事長をその候補に挙げました。 幹事長再任を望んでいるとされる石破さんの処遇は人事の最大の焦点ですが、安倍さんはあるいは石破さんの交代と入閣を考えているかもしれません。 12年9月に安倍さんの総裁復帰に伴って幹事長に起用された石破さんは現在2期目で在任が長期になっているほか(過去20年で在任が2年を超えた幹事長はのべ17人のうち2年10ヵ月の加藤元幹事長と2年5ヵ月の山崎元副総裁のみ)、幹事長を交代することは大幅な人事を印象づけて、自民党が政権復帰した同年12月以来異動が殆どないことに対する党内の不満を解消することに繋がるでしょう。 また、13日の滋賀県知事選の敗因について安倍さんは「集団的自衛権の議論が影響していないとは申し上げるつもりはない」(『産経新聞』14.7.14-13:08)と答弁していますが、それは統一地方選を考えたとき、石破さんは安全保障政策のイメージが強いためその指揮を執る幹事長には不都合だという判断に発展するかもしれません。 実力者の石破さんは幹事長を退任するとすれば無役になるのではなく入閣するはずですが、高村さんと同じく与党協議のメンバーなのであって、そのポストには安保法制担当相を想定してよいのではないでしょうか。 高村さんは自らの担当相就任を否定したことについて「「普通(首相から)頼まれてもいないのに『ありません』とは言わないが、今度の場合は言っておいた方がよい」と強調」しており、それは異例だったと言えますが、それはあるいは石破さんを幹事長から移すための伏線だったかもしれません。 高村さんが候補から自ら外れたことで与党協議の党メンバーの中で次席の石破さんが就任する可能性は増したと考えられますが、高村さんは集団的自衛権を巡っても見られたように同じ長州閥の安倍さんと密接に連携しており、安倍さんが石破さんの異動を模索しているとすれば、それを受けてそのような異例の発言をしたとは考えられないでしょうか。 第2次安倍内閣では閣僚や党役員を歴任している甘利経済再生担当相が内閣府で重量級閣僚に位置づけられており、安保法制担当相もそれに並ぶかと思われますが、石破さんをそれに任じて幹事長から異動するのに向け、外堀は埋められつつあるのかもしれません。 ところで高村さんは担当相について「防衛相が兼ねることもある」と指摘していますが、それは担当相の人選が難航したケースも想定しているということでしょうか。 そもそも安保法制担当相の新設が浮上したのは5月2日7:46の『産経新聞』によれば「憲法解釈がからむ答弁を外相や防衛相に任せるわけにはいかない」との指摘があるからだといい、それに基づけば防衛相が兼任するより内閣府に専任で置くのが望ましいということになりますが、例えば既に防衛庁長官と防衛相を歴任している石破さんが安保法制担当相を兼ねて防衛相に三度就任するとは、あまり考えがたいでしょう。 すなわち、「防衛相が兼ねることもある」のは例えば、石破さんを安保法制担当相に充てることが叶わなかった場合などの次善策なのかもしれません。 その場合には、高村さんや石破さんと同じ与党協議のメンバーで初入閣候補の岩屋元外務副大臣を想定できるでしょうか。 6選の岩屋さんは麻生派の所属で麻生副総理兼財務相に近いと同時に安保政策を通じて石破さんとも親交があるのであり、入閣候補に挙げられますが、しかし8選の山口元首相補佐官もまた麻生派所属かつ石破さんに近いという立場であるため、処遇では山口さんが優先されるということもあるかもしれません。 石破さんが入閣して幹事長を退任するとすれば、党にはその側近が代わりに据えられることになると考えられるでしょう。 例えば側近の鴨下幹事長補佐は13年10月に、前月に再任されたばかりの国対委員長を体調不良により辞任したものの、今年2月に現職に就任していますが、それは「健康が回復したことを受け、執行部に復帰させるべきだと判断」(『毎日新聞』同日20:58)されたからだといい、党内では石破さんへの配慮が意識されていることが窺われ、あるいは石破さんが当然影響力を維持したいことも間違いないでしょう。 安倍さんが総裁に復帰してから今までは幹事長に石破さんがあるため、同代行に盟友の菅官房長官や町村派の細田幹事長代行といった安倍系を充ててバランスが図られていますが、9月には安倍さんが総裁選を制してから2年が経つのであり、その力関係がそろそろ安倍さんの方に比重したとしても怪しむに足りません。 そうだとすれば、それは幹事長を安倍系が、同代行を石破系がそれぞれ占めることで表れるかとは、十分に考えられるでしょう。 幹事長には安倍さんと同じ長州閥の出身で、韓国通として親米派の安倍さんや中国通の高村さんとのバランスもいい二階派の河村選対委員長を仮定したいですが、そうだとすれば、幹事長代行には上述のように石破さんおよび麻生さんと近く当選回数に鑑みて何らかの処遇がありそうな山口さんを予想しても筋違いではないはずでしょう。 また、国対委員長はこれまで浜田幹事長代理や鴨下さんなど石破系が押さえていますが、それに倣えば安倍さんと石破さんの双方に近い山本元金融担当相をその候補に挙げても大過ないのではないでしょうか。 4月15日の『読売新聞』朝刊によれば「安倍を支える発信を強め」、党安保法制整備推進本部で進んで本部長を務めるなど「汗をかこうとする」石破さんについて、安倍さんは「「禅譲を狙うつもりなのだろうか」と漏らしている」とのこと。 石破さんは12年総裁選では最初の投票で地方票を多く得て安倍さんを上回る1位で決戦投票に進みましたが、1月の党大会では総裁選に関する党規約が改正されて地方票の存在感が増しており、来年9月に総裁選を控えて、潜在的には依然最大のライバルであると言えます。 しかし石破さんは農水相を務めていた麻生内閣期09年総選挙の直前に与謝野元官房長官とともに麻生おろしを図って失敗している(両者は7月15日に麻生さんと会談して談判していますが、安倍さんは前日14日のメルマガで「選挙を前にして党総裁を替えようとする動きはヒンシュクをかっています」と批判)のであり、08年と12年の総裁選で争った石原環境相が失言などで自ら失速していくのを横目に、今度は安倍さんに対して、再びリスキーなことをする可能性は低いとしてよいのかもしれません。 安倍さんが、禅譲を窺っているのかと見るというような石破さんの恭順姿勢はそれに符合しますが、その前提となるのが、幹事長から異動しても引き続き重要ポストで処遇することであるのは間違いないでしょう。 安倍さんの勢力基盤である町村派や保守派の後継者には例えば西村内閣府副大臣などを挙げられますが、まだ4選で閣僚や党幹部を経ておらず、直ちに有力な次期首相候補であるとは言い難いかもしれません。 そういった事情は、石破さんをして安倍さんからの禅譲を窺わせているかもしれません。 西村さんは岳父の吹田元自治相が安倍さんの祖父の岸元首相から地盤の旧山口2区を継承した後継者で自身は安倍さんに近いと同時に、党政調で副会長や経産部会長を務めていた時期の会長が石破さんなので石破さんとも遠くなく、菅さんも6月5日の『朝日新聞』朝刊によれば「安倍さん…の後は石破さんしかいない」と評価しているとされるので、石破さんが安倍さんの准直系として禅譲を受ける素地は案外あると言えるのでしょうか。 1959年1月の総裁公選に当たって岸首相は実力者の大野副総裁に将来の禅譲を示唆し、選挙を制して政権を継続。 ここで岸さんを安倍さんに置き換えれば大野さんには石破さんが相当しますが、ここでも、孫の安倍さんの辿る道は祖父の岸さんの行った道に似ると言えるでしょう。 ところで、岸さんの実際の後継には池田元首相が選出されて大野さんの期待は裏切られていますが、安倍さんと石破さんの関係は18年9月にどう決着するでしょうか。 (R) |

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お早うございます。
この記事をまた転載させてくださいね。
私自身のコメントも一杯書き入れました。
2014/7/20(日) 午前 6:33
to.watch_compassさん)
ありがとうございます。
そちらへも伺って拝見しますね。
コメントありがとうございます。
2014/7/21(月) 午後 10:10