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+--【安倍晋三です】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

中南米を巡る外交日程の二カ国目の訪問国はトリニダート "トパゴ。
カリブ群島の最南端に位置するカリブ群島の最南端に位置する美しい島国です。
日本との外交関係樹立50周年となる本年、日本の総理として初の訪問が実現しました。
パサード・ビセッサー首相からドラム缶を輪切りにした伝統打楽器、スティール・パンをいただきました。心地よい音色で早速叩いて楽しみました。

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そして現在コロンビアに到着いたしました。
首都ボゴタは標高2600メートル。少し空気が薄い感じですが、涼しく爽やか。
こちらは夜です。これから明日の首脳会談の準備です。
コロンビアとの関係を強化し中南米地域での日本のプレゼンスを高めたいとおもいます。

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+--【安倍晋三です。】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

おはようございます。
コロンビアにて栄誉礼を受けるため騎馬部隊の先導で大統領府に向かってます。

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+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2014.07.30[Wed] 09:06)

▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■トリニダード・トバゴとコロンビアは前回記事でも述べたようにともにスペインのかつての植民地で、5月のヨーロッパ歴訪で訪れたスペインのラホイ首相と「日本企業進出をスペイン政府が後押しすることで一致」した「スペイン語圏の中南米」(『毎日新聞』同月4日21:33(最終更新5日2:21))に含まれます。
地域は異なるものの東南アジアでスペイン語国家に含められるフィリピンについては27日に人口が1億人を超えたということと、そういった人口急増による経済成長で昨年の実質GDP成長率が7.2%と高水準だったことが報道されました(『日経新聞』同日23:51)。
それらの諸国はかつてハプスブルク家の君臨した時代に世界的な「帝国」を形成したスペイン、あるいはそれに代わったイギリスやアメリカの植民地だった時期が長く、後進国に甘んじてきましたが、21世紀にはポテンシャルの高い発展途上国となるのであり、アベノミクスで成長戦略をその本丸とする安倍さん自ら企業幹部を率いてトップセールスに乗り出しているように、日本にとって有望な市場と位置づけて喫緊に進出せねばならないのでしょう。

コロンビアについては6月16日10:17(同日11:25更新)の『日経新聞』が、前日15日の大統領選決戦投票で中道右派の現職サントス大統領の勝利・再選を報じましたが、今月22日、8月7日に開かれるその就任式典に河村選対委員長が特派大使として派遣されると発表されました。
同日16:18の時事通信の記事によると河村さんは日本コロンビア友好議連の顧問であるといいますが、安倍さんとは同じ山口出身でもあってまさに余人のない適任であると言え、安倍さん次いで河村さんの訪問で両国の距離は今夏かつてなく縮まることになるのではないでしょうか。

トリニダード・トバゴとコロンビアに東西で挟まれるベネズエラはチャベス前大統領が象徴的なように反米的であるのに対し、コロンビアは親米的で、同上『日経新聞』はサントス氏が治安改善のため国内の左翼ゲリラ組織との和平交渉に積極的に取り組んでいることを伝えるほか、大統領選を争ったスルアガ元財務相も政府の左翼ゲリラ組織との交渉を「弱腰」と批判していたということからこちらも左翼ゲリラ組織にむしろより厳しいことが窺えます。
今回安倍さんが反米色の強いベネズエラをパッシングしたのも必然的ですが、「中南米地域での日本のプレゼンスを高め」るべく「コロンビアとの関係を強化し」ようとするのもまた必然的だったでしょう。
そのように中南米各国は南北アメリカ大陸の盟主であるアメリカとの距離感をそれぞれ異にしていますが、そのうち反米的な国には中南米への勢力扶植を図る中国が積極的に進出。
実際、左翼武装組織出身のオルテガ大統領のニカラグアで、太平洋とカリブ海・大西洋を結ぶニカラグア運河の開鑿計画に中国系の香港企業が参入しているのは、中国がアメリカの影響下にあるパナマ運河に対抗する輸送路を持とうとしているものだとされているとおりです。
そのパナマ運河はもともと、前回記事でも触れたフランス皇帝ナポレオン3世が、アメリカが南北戦争の渦中にある間隙に中米に野心を持って、先にスエズ運河を開鑿させたレセップスを支援して計画したものであることや、アメリカがT.ルーズヴェルト大統領の「棍棒外交」によってパナマをコロンビアから独立させた上で運河地帯を永久租借地とした(1999年に返還)ことなどからは、運河というのが高度に政治的・外交的な施設であることを看取できるでしょうか。
世界有数の隘路であるパナマ地峡を通るパナマ運河と違ってニカラグア運河開鑿の実現性はそれが途中にニカラグア湖を挟むと言ってもなお高くないものの、これは例えば、それが進捗すれば、戦前に日本の影響下にあった満州で、張作霖・学良父子などが日本を牽制するため満鉄に対抗する並行線の敷設を計画したのと同じように、アメリカへのプレッシャーを企図したものとなるに違いなく、アメリカの「裏庭」とも称される中南米が米中の競争の舞台になっていることはニカラグアで端的だと言えるでしょうか。
日本は集団的自衛権の行使を限定的に可能にして、日米安保体制下、地域で果たせる役割を拡大しましたが、こうして安倍さんが外遊して「中南米地域での日本のプレゼンスを高め」ることは、中南米あるいは世界中で影響力を競う米中のオセロ・ゲームでアメリカを大きく後援することに適うに違いありません。

■安倍さんの国内不在のうちに、9月第1週に予定されている内閣改造・党役員人事に関して、安倍さんは人事で最大の焦点になっている石破幹事長を交代させ、安保法制担当相に新任して入閣させようとしていると報じられました。
石破さんの処遇については当ブログでも18日の記事で、幹事長から安保法制担当相に異動するというのが考えられるかとしたのであり、一連の報道にある安倍さんの意向はほぼその通りだったと言えます。
一連の報道の契機になったのは前日28日夜9時からBS11で放送された番組に石破さんが出演して人事が話題になったことかと思われますが、安倍さんと石破さんは24日に1時間に渡って会食。
そのことは27日10:21の『読売新聞』が、安倍さんが石破さんに対して「「次の内閣改造では、新設する安全保障担当相が重要だ」と語り…安保担当相の役割について力説したという」と報じており、翌28日の番組のベースになったのはあるいはその報道だったでしょうか。

29日9:44の時事通信の記事は安倍さんが石破さんを「交代させる意向を固め」たと表現すると同時に、石破さんが「慎重姿勢を示しており、調整がもつれる可能性もある」ことや、24日の会談でも「人事案について結論は出なかったもよう」であることを報道。
集団的自衛権などに関する各個別法の整備について「政府は来年の通常国会に一括提出する方向」であるほか、町村元官房長官は10日に「必要な法案は秋の臨時国会に出したらいい」と「前倒しを求め」ていますが(『日経新聞』同日20:35)、いずれの展開になるにせよ野党の厳しい追及が予想されるこの問題で国会を凌ぐのに、安保政策に通じる石破さんが重量級閣僚として答弁に立つことが求められたとしても、何ら怪しむに足りません。
依然将来の首相候補の最右翼である石破さんの周辺では、18日15:10の『産経新聞』によれば浜田幹事長代理や若手が「主戦論」を唱え、「提示されたいずれのポストも固辞し」安倍さんが再選を目指すはずの来年9月の総裁選立候補強行を見据えている一方、山本元金融担当相や鴨下幹事長補佐は「禅譲路線を進言して…次期総裁選は出馬を見送るのが無難と判断している」とのこと。
ここで、山本さんや鴨下さんが安倍さんとの協調を主張しているのは、山本さんは06年総裁選で再チャレンジ議連の中心になって安倍さんの勝利に貢献し第1次内閣の金融担当相として、鴨下さんも第1次安倍改造内閣で環境相としてそれぞれ初入閣していることや、また、ともに創生「日本」とのぞみに参加していることと符合するでしょうか。
総裁選について地方票の比重が増している現在の党規約に基づけば12年総裁選で勝利していたのは安倍さんではなく石破さんであり、石破さんの「脅威論」はそれにも起因すると考えられますが、ではそれには安倍さんとしてどんな対応があり得るでしょうか。
一つは石破さんをその希望通り幹事長に再任することであり、その場合には石破さんはかえって総裁選への出馬を自重することになるかもしれません。
もう一つは異動を断行することですが、その場合、石破さんが安保法制担当相を新たな役職として受け入れることになるかが分水嶺であり、それを固辞して無役になった場合、総裁選での全面対決が事実上決まり、それに体力を割かざるを得なくなれば政権の体力や党内への求心力が少なからず毀損されることは避けられないでしょう。
ベストなのは都度述べているように石破さんが幹事長退任を容れた上で安保法制担当相として入閣し、総裁選でも対抗しないことであるに違いありませんが、その前提となる「幹事長交代」は、その後の石破さんが安保法制担当相を引き受けることを確実にしてからでなければ実行できないでしょう。
それが適わない場合、石破さんを再任して、今と同じように幹事長代行に安倍さんに近い長老や重鎮を充てて備えとすることになるのでしょう。
石破さんとの調整では、妥協して幹事長に再任するなら見返りに総裁選での支持確約を求めたり、異動を容れさせるなら将来の禅譲、あるいは幹事長にいずれ復帰させることなども条件闘争で浮上するのかもしれません。
ところで、安倍さんが石破さんに入閣を打診したのが24日だったというその日程は、翌25日には外遊に出立して、それに難色を示して関係が緊張する石破さんと暫く対面せずに済むということではなかったでしょうか。

次の幹事長は10月に福島、11月に沖縄、来年2月には愛知というように各注目県知事選そして4月の統一地方選の指揮を執ることになりますが、13日の滋賀県知事選で自公推薦候補が敗北したのには世論の割れる集団的自衛権の問題も影響したとされるのであり、安保政策のイメージが強い石破さんは、その点ではそれに必ずしも好都合ではないのかもしれません。
そもそも29日の『朝日新聞』朝刊にあるように安倍さんには「選挙を指揮する幹事長には自らに近い人物を据えた方が得策だとの判断もありそう」と言えるはずですが、それには例えば、選対委員長の河村さんを挙げられるのではないでしょうか。
河村さんは上述のように安倍さんと同じ長州閥でコロンビアへの特派大使も任されている「自らに近い人物」であるのに加え、現在まで長く党で選対を担っていて「選挙を指揮する」のに相応しいのも間違いありません。
また、訪米していた23日にはワシントンで講演して日韓関係打開の必要性を訴えていますが、韓国に対しては、第1次安倍改造内閣で厚労相として初入閣した舛添都知事が訪韓して25日に安倍さんからの「「日韓関係を改善したい」とのメッセージ」(『産経新聞』14.7.28-20:01)を朴大統領に伝達。
日韓関係打開は中国問題への対応に適うものとして政権の課題でありアメリカの要請でもありますが、韓国通の河村さんの登用はそれに関するメッセージになることでしょう。
河村さんは安倍さんに近く、選挙通で、日米同盟論者の安倍さんや再任が予想される中国通の高村副総裁とのバランスも良い韓国通として、人事での処遇がある可能性は十分あると言えるでしょう。
そうだとすれば、河村さんは幹事長か、あるいは上述のように石破さんの処遇の難航が予想されるのに照らせば幹事長代行に起用されることが考えられるでしょうか。


(R)

「新しい地平線」 ケータイ投稿記事

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+--【安倍晋三です】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

昨日より日本を出発し、中南米を訪問しています。

今回の中南米訪問で、「地球儀を俯瞰する外交」も全ての大陸をカバーすることとなります。

今日は、一カ国目のメキシコで首脳会談を行いました。(メキシコは現在夜の10時半前です)
今年は、支倉常長がメキシコを訪問してから400年となる記念の年です。
メキシコには、日本企業が活発に投資をしており、エネルギー、環境などでもさらに関係を強化していきます。

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+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2014.07.26[Sat] 13:39)

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■安倍さんは今般の外遊出立に際して「トップセールスを行う意味において、6億人の人口を擁する中南米は新しい地平線だと思っている」(『日経新聞』14.7.25-11:21)と語っていますが、本文にあるとおりいよいよ「「地球儀を俯瞰する外交」も全ての大陸をカバーすることとな」ったのは、まさに「新しい地平線」を目指して、到達したのにほかならないでしょう。
今回訪れるのはメキシコ、トリニダード・トバゴ、コロンビア、チリ、ブラジルの5ヵ国で、トリニダード・トバゴではカリブ共同体の諸国14ヵ国の首脳との会談も行われました。
安倍さんは「インフラ輸出など経済外交に意欲を示し」(同上『日経新聞』)ており、今回の外遊にも先のオセアニア歴訪と同じように多くの財界人が同行。
5月のヨーロッパ歴訪では安倍さんは中南米諸国の多くの旧宗主国スペインのラホイ首相と会談して「スペイン語圏の中南米への日本企業進出をスペイン政府が後押しすることで一致」(『毎日新聞』同月4日21:33(最終更新5日2:21))していますが、今回の訪問国のうちブラジル以外の全てが「スペイン語圏の中南米」に該当。
また、スペインの前にはポルトガルを訪れて、5月6日の記事でも紹介したとおりコエーリョ首相との会談で日本の「ポルトガル語圏諸国共同体」(CPLP)へのオブザーバー参加についてポルトガルが「歓迎する」ことなどが確認されましたが、安倍さんは「南米、アフリカで存在感を高めつつあるポルトガル語圏諸国との連携を深めていく」(『朝日新聞』14.5.4朝刊)と述べています。
ここで、ブラジルは1月に外遊したアフリカのモザンビークとともに「豊富な天然資源をもつ新興国」である南米のポルトガル語圏諸国。
すなわち、今回の外遊が「地球儀を俯瞰」して5月のヨーロッパ歴訪と連動した体系的な外交であることが明らかではないでしょうか。

TPP推進を例示するまでもなく経済関係の緊密化は外交関係の緊密化に繋がります。
11日の記事で紹介した林銑十郎内閣期(1937.2〜同6)には中国を市場として位置づけて、佐藤尚武外相の対中融和外交(佐藤外交)と連動する格好で児玉訪中団が組織されていますが、『満州事変から日中戦争へ』(加藤陽子、岩波新書、2007)では「林内閣を成立させた」勢力の一つに、蔵相となる結城豊太郎や日産コンツェルン=満業の鮎川義介など「財界の大陸派」が挙げられています。
それは「英米との経済的協調関係を維持しつつ、対ソ国防準備に専念したいと考える勢力」と説明されていますが、鮎川については『岸信介』(原彬久、岩波新書、1995)に「鮎川にとって、そもそも満業経営の成否がアメリカ資本の大規模な導入にかかっていた」との指摘もあります。
鮎川によるその経営プランはアメリカの伝統的な満州政策である門戸開放の原則に適うものだと言え、『鮎川義介と経済的国際主義』(井口治夫、名古屋大学出版会、2012)には鮎川が前大統領フーヴァーとも連絡しながら当時悪化の一途にあった日米関係の安定を目指していたことが明かされていますが、それは上記佐藤外交と併せて、財界と抱合した政治・外交が国際協調主義と結び付くことの好例であると言うべきでしょう。

なお、鮎川は満州国で総務庁次長として最高首脳の一人だった岸元首相と縁戚関係にあり(岸さんの長男で安倍さんの伯父に当たる信和さんの仲子夫人の父親、田辺譲元衆院議員の従兄弟が鮎川)、渡満も「そもそも…対ソ戦を射程に置いて」関東軍や満鉄が、そして岸さんも立案・実践した「満州国産業開発五ヵ年計画」のため招かれたのに応じたものでしたが、それは鮎川が「英米との経済的協調関係を維持しつつ、対ソ国防準備に専念したいと考える勢力」に挙げられていたのに符合するでしょう。
日本は日露戦争後、第1次桂太郎内閣の小村寿太郎外相が満鉄に関する桂・ハリマン協定を覆すなど満州を巡ってアメリカとの関係を悪化させてしまい、ソ連とは後に破棄される中立条約を結んでいる(1941.4)ものの、そもそもはその逆で、1900年6月に勃発した北清事変に乗じて満州を占領したロシアに対して門戸開放や機会均等を主張するのにおいて、日清、米清の追加通商条約が全く同日(1903.10.8)に調印されているなどアメリカと歩調を合わせていたのであり、岸さんなどが「対ソ戦を射程に置いて」五ヵ年計画を立案したのが防共に通じるのや、鮎川が満業へのアメリカ資本導入による日米関係の安定を企図したのこそ、日本の外交方針として正しかったとするべきでしょう。
ところで、対ソ戦ではなくむしろ日中戦争が1937年7月に始まると、五ヵ年計画に関して岸さんが抱いていた不安の一つ「生産過剰」の問題は満州の石炭や鉄鋼などの重要物資の需要が切迫して解消されたものの、満業へのアメリカ資本導入は「日中戦争は日本が米英と全面対決に入ることを意味していた」ゆえに挫折。
それらからは、岸さんの「持論の国家統制経済遂行」は対ソ戦でも日中戦争でも「戦時体制下」であれば実験可能だったということと、カタストロフィを迎えることになる日米関係の打開に向けた実質的に最後の取り組みが鮎川による経済的国際主義だったことを理解できるでしょうか。
また、戦後復権した岸さんが冷戦下で親米路線をとってソ連を始めとする共産圏と対峙したのは、在満時代の外交方針に回帰した格好になるとも言えるでしょう。

ところで、先のオセアニア歴訪では7日と8日に報告のあったニュージーランドとオーストラリアの他にパプアニューギニアも訪問。
パプアニューギニアがその東半を占めるニューギニア島は『帝国主義の開幕』(中山治一、河出書房文庫1990)によれば1885年に分割されて、オランダが西半、イギリスが東南部、ドイツが東北部を獲得。
そのうちドイツはその「カイザー・ヴィルヘルムスラント」から沖合のビスマルク諸島や北東に進んだマーシャル諸島も獲得し、更に1898年の米西戦争に関与して現在はミクロネシア領のカロリン諸島とアメリカ領のマリアナ諸島をスペインから買収。
ドイツが第一次世界大戦に敗れて全ての植民地を放出すると日本はマーシャル、マリアナ、カロリン各諸島のほか南洋庁を設置したコロール島を含むパラオ諸島などの南洋群島を委任統治領としていますが、現在のパプアニューギニア北半に当たるカイザー・ヴィルヘルムスラントは切り離されてオーストラリアの委任統治領となっているため、日本とは旧南洋群島の諸国より馴染みが薄かったかもしれません。
日本の首相によるパプアニューギニア訪問は29年ぶりでしたが、オセアニア諸国の中でも歴史的に親日的なパラオなどではなくそのパプアニューギニアを選んだことの意義は大きかったと言うべきでしょう。

■さて、「新しい地平線」開拓の手始めとなったメキシコについて、日本との関係では本文にあるように支倉常長が伊達政宗によって、またそれに先んじて田中勝介が徳川家康によって派遣されて、いずれも太平洋を横断して到達したことが知られます。
現在は合衆国のメキシコは19世紀半ばに帝国だったことがあり、ハプスブルク家のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の弟のマクシミリアン皇子が1864年から67年にかけて皇帝に在位。
それは中米への野心を強くしていたフランス皇帝ナポレオン3世が、モンロー主義すなわち米欧の相互不干渉を原則とするアメリカが南北戦争(1861〜65)の渦中にある間隙に介入したものですが、当時のメキシコは元大統領のフアレスが南北戦争終結後のアメリカの支援を受けつつ反帝政・反フランスの抗戦を続けていた状態。
マクシミリアンは最新式の武器を持つフランス軍の支援を得て優勢を保っていたものの、アメリカの強硬な要求によってフランスが撤退するとまもなく、ベルギー王家出身の皇后マリー・シャルロットをヨーロッパに退避させたマクシミリアンは、失脚し、マネの油絵によって知られるように1867年6月に刑死して帝政は崩壊、共和制が復活しフアレスが大統領に復帰しています。
また、最後の訪問国ブラジルも同じく19世紀に5月6日の記事で述べたように帝国だったことがあり、こちらでは、フランス皇帝ナポレオン1世がイベリア半島に進出したのを受けてリスボンからリオデジャネイロに遷都した宗主国ポルトガルのマリア1世の孫ペドロ1世が1822年10月に皇帝に即位して帝国として独立。
ペドロ1世はポルトガルの王位継承問題に関連して1831年4月に退位し、後継のペドロ2世は58年に及んで在位したものの、奴隷制廃止によって帝政の支持層だったプランテーション経営者が離反し、軍部のクーデターにより1889年11月に退位して帝政は終焉、ブラジルはメキシコの例と同じように共和制に移行しました。
そのように、中南米でメキシコやブラジルが近代に、日本と同じくEmperorの君臨する国であったことは興味深いと言うべきでしょう。

■24日の記事では創生「日本」と救国ネットを構成した旧たちあがれ日本と旧日本創新党が新たな責任野党、次世代の党に窯変して分離する維新について、13日の滋賀県知事選で橋下共同代表がそれでも菅官房長官の要請を容れて自民党推薦の小鑓元候補の応援に入ったことや、合併する結いの党とは政策的な相違も少なくないことなどから、今後も引き続き政策ごとの連携を期待できるのかもしれないとしました。
ところで、今秋に県知事選を控える愛媛では県議団が決めた現職の中村知事への出馬要請に、県連会長の塩崎政調会長代理を始めとする県選出国会議員団が反発。
それは12年総選挙の際、中村氏が、塩崎さんの愛媛1区で維新から立候補した対立候補を支援したことや、県議団の出馬要請が国会議員団の了承を得ていなかったことが背景になっているとされますが、この問題には安倍さんも乗り出していて22日に中村氏と会談して「「選挙は命懸けだと理解して行動してほしい」と述べ、けん制」(『毎日新聞』同日21:05)。
それに対し、中村氏は「県民党」を自称して「政権と対峙するつもりはない」としつつも、「首相との会談でも支援要請はせず、「手打ち」には至らなかった」などと報じられていますが、愛媛では国会議員団と知事の主導権争いが起きているということなのでしょうか。
この問題は上述のように中村氏が維新候補を支持したことが引き金になっていますが、国会議員団が知事に対して強硬姿勢であることは重要でしょう。
すなわち、愛媛でこそ国会議員団と知事の主導権争いが収まる気配は見えていませんが、来年4月に統一地方選を控えて他の知事など首長に対して、「命懸け」の各選挙で維新など他党の候補を安易に支援するべきではないと暗示する恰好のデモンストレーションになるかもしれません。

統一地方選に先駆けて2月には愛知県で知事選があり、現職の大村知事が再選を目指すものとされています。
知事選を巡って10年12月に自民党を除名された大村氏と党愛知県連の関係は一時円滑でなく、県連会長も務めた鈴木元官房副長官が13年参院選に出馬せず引退したのもそのことが背景にあったとされます。
また、日本一愛知の会代表でもある大村氏は同様に地域政党を率いる維新の橋下氏や、減税日本代表の河村名古屋市長と近い関係にありますが、一方では国会議員初当選同期の菅さんとも近いのであり、菅さんの存在が有力首長としての大村氏の取り込みに資するのは確実でしょう。


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窯変・救国ネット ケータイ投稿記事

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+--【こんばんは安倍晋三です。】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

地域の皆さんの長年の熱意と努力で今年6月に世界遺産に登録されました。
日本の近代化の原点ともいえる富岡製糸場。
これから公開する施設を増やしていこうというお話もお聞きしました。海外からもたくさんの方々に訪れてもらいたいと思います。
日本各地には多くの文化財があります。これを活用した「地方創生」を国として支援していきます。


富岡製糸場を視察した後に、甘楽(かんら)町で土作りにこだわった完全無農薬有機栽培を手掛けている甘楽町有機農業研究会の農園にお邪魔いたしました。
ひとつひとつ手間をかけた完成度の高いトマト、歯ごたえも味も最高です。
子供の頃、夏になると夢中になって食べた懐かしいトマトの味が蘇りました。

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▼安倍晋三事務所携帯版HP
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■前回記事で一足早く触れた「地方創生」について配信がありました。
取り上げられているのは旧富岡製糸場と、完全無農薬有機栽培のトマト。
10日の『朝日新聞』朝刊は「人口急減と超高齢化への対策、そして首相が「不退転の決意」を明言した農業改革」について「いずれも主戦場は地方だ」と指摘しています。
「ローカル・アベノミクス」や「ひと・まち・しごと創生本部」を新設して進められる「地方創生」は、第2次安倍政権の新機軸になるキーワードだと言うべきでしょう。

同『朝日新聞』の「けいざい深話」は、安倍さんが「「初めて『攻めの農業』という言葉を使ったのは農林相時代の(父の)安倍晋太郎だ」と周囲に改革意欲を示」し、菅官房長官も「湯沢市でイチゴ栽培の先駆者とされる」父親の和三郎氏が「コメからの転換に反対する農協と対立し、イチゴ栽培の組合を立ち上げた」のを「あれこそ『攻めの農業』だった」と振り返っていることを伝えています。
地方創生と密接に結び付く「攻めの農業」は例えばTPPを推進し、党政調の農林部会長に異例にも経産省出身の齋藤衆院議員を抜擢した安倍さんや菅さんの基本方針となっていますが、その最大の要諦となるのは、本文で紹介されているトマトのような農水産物でしょう。
そうだとすれば、安倍晋太郎元官房長官や菅和三郎さんが持ち、示した意識は、実は地方創生の遠い源流だったと言ってよいのではないでしょうか。

■来月1日にも結党される次世代の党について、その代表には維新の平沼国会議員団代表が選出され、石原共同代表は最高顧問に就任するものとされています。
また、6月12日に平沼氏が暫定代表に決定した際に暫定幹事長とされた山田筆頭副幹事長が次世代の党でも正式に幹事長に就任することが考えられますが、あるいは、今後の調整で他の長老が「逆転」することもあり得るのかもしれません。
維新では12年総選挙の後の人事で政調会長について、当初有力だったみんなの党出身で若手の桜内政調会長代理が、選挙戦で陣営に違反があったことにもよって実際には自民党出身の長老である今の片山政調会長兼参院議員会長に「逆転」されたことがあり、そういう世代間の主導権争いがある可能性も考えられるのでしょう。
次世代の党の暫定役員では他に総務会長に藤井国会議員団総務会長、政調会長に改めて桜内氏、国対委員長に中田同代理、参院議員団代表に中山元拉致問題担当相が選出されており、世代間の、あるいは維新で石原グループを主に形成する旧太陽の党系と旧日本創新党系のバランスが意識されていることは如実に窺えます。
新党はスローガンに「自立」と「新保守」に加えて党名にも冠せられる「次世代」を掲げていますが、それは分党が決まって橋下グループとの間に惹起された多数派工作の過程で浮上してきたものだったかもしれません。
維新には衆院に53人、参院に9人、合計62人の議員が所属していますが、分党に当たって各々が石原、橋下両グループのいずれに所属するかを決める日限の6月5日段階で石原グループには23人、橋下グループには37人が参加を表明(後に1人が石原グループから橋下グループに移籍)。
これについて、系譜的には傍流だった石原グループが20人を超え、本流であるはずの橋下グループが40人を割ったことは、石原グループが多数派工作で健闘したと言ってよかったでしょう。
それについては6月7日の記事で指摘したように、安倍さんの求心力が野党陣営にまで及んで「責任野党」の弱体化を限定的にしたものであったと言えるでしょうか。
また、同じく責任野党であるみんなの党では遠心力が起きて最高顧問だった江口参院議員が6月に離党していますが、しかしその後は「石原慎太郎共同代表が結成する新党との連携を視野に入れているとみられる」(時事通信、14.6.21-2:31)というのであり、そうだとすればそれはあくまで責任野党の中での異動であることから、それも安倍さんの求心力に矛盾しない動きだったでしょう。
ところで、維新分党に関して、同じように安倍さんの求心力に符合すると言えたのが、石原、橋下両グループとも別の中間派の動向です。
ここでその中間派とは旧創新党出身の山田、中田両氏などですが、5月30日13:11の『産経新聞』は「両氏らは一時、維新でも石原新党でもない「第三の道」を模索した」と指摘。
中田氏は6月4日に石原新党への参加を表明していますが、同日「維新の欠点」の一つに「『たちあがれ日本』的古色蒼然人事」を挙げ「石原新党がここを克服できる可能性を見いだしている」と述べており(『産経新聞』14.6.5-21:36)、あるいは多数派工作の過程で石原グループから中間派にポストに関する示唆はあったのかもしれません。
ところで、山田氏は前杉並区長、中田氏は前横浜市長としてともに改革派首長だったのに加えて大阪府や同市で特別顧問を務めていたことがあるのであり、すなわち両氏はその点では橋下氏にむしろ近かったかとも考えられるはずでしょう。
しかし、実際にはそれに反して石原新党=責任野党への参加を決めたのは、それも安倍さんの求心力が作用した結果だったと見ることができますが、その素地は4年前に既にあったと言うべきでしょう。

10年6月10日、参院選を翌月に控えて安倍さんは自ら会長を務める創生「日本」と、平沼氏が代表だった旧たちあがれ日本、それに山田氏が党首だった旧創新党という各保守勢力を結集して「日本を救うネットワーク」(救国ネット)を結成しました。
安倍さんからは翌11日のメルマガで「昨日、私達創生「日本」は、たちあがれ日本の平沼赳夫代表、日本創新党の山田宏代表と共に「日本を救うネットワーク」を立ち上げ、民主党左翼政権を倒すために協力していく事を発表しました」と報告がありましたが、それは「ジャーナリストの櫻井よしこ氏の呼び掛けによって実現し」たのだとのこと。
また「共同行動の第一弾として山梨県選挙区で、街頭演説を一緒に行う事にな」ったともありましたが、その標的は日教組出身の輿石元幹事長で、救国ネットは自民党が擁立した宮川衆院議員を支援し、同月22日には創生「日本」から安倍さん以下衛藤首相補佐官と加藤官房副長官、旧たちあがれ日本から平沼氏、旧創新党から中田氏が応援入りし、また石原氏も「特別参加」。
宮川さんは惜敗率97.99%で敗れたものの(12年総選挙では山梨1区で初当選)、輿石氏を「あと少しのところまで追い詰め」(メルマガ、10.7.13)たことは記憶になお新しいでしょう。
そのように、安倍さんは山田、中田両氏とは救国ネットを通して保守派としての紐帯があったのであり、それは安倍さんが首相に復帰してその求心力が強い状況下、維新分党という局面で両氏にとって橋下氏との改革派首長としての共通性より優越して、両氏をして責任野党たらしめたと言えるのではないでしょうか。

救国ネットは、民主党政権に直面して、それに対抗する保守勢力が自民党の枠を超えて結集されたもので、それにより党外の保守の機運が党内にフィードバックされて野党の非主流派だった安倍さんの再浮上に繋がることを期待したのは、当時の記事で述べた通りです。
安倍さんはその後12年総裁選を制して再浮上を実現し今に至りますが、実際にその原動力の一つとなったのは確かに党外の保守の機運ではあったもののそれは救国ネットではなく、当時急伸していた橋下氏の大阪維新との協力関係。
しかし、救国ネットのうち旧創新党は12年9月、旧たちあがれ日本の後身の旧太陽も同年11月に、いずれも大阪維新に合流しているのであり、それらがそれから2年に満たず維新分党という局面で、次世代の党=責任野党という形になって遊離してきたことからは、旧たちあがれ日本と旧創新党あるいは救国ネットという取り組みが窯変して再現したのこそが次世代の党であり責任野党構想であると言ってよいのでしょう。
維新分党により旧たちあがれ日本と旧創新党が次世代の党に窯変して責任野党となることは、安倍さんを中心とする保守派の紐帯が、例えば伏流水のように、見えないところでその命脈を保っていたことを証明したと言えるでしょうか。
またそもそも、次世代の党が当初「石原新党」と仮称されたにも関わらず、上述の通り平沼氏が代表になり山田氏が幹事長に有力であるというように救国ネットの両氏が前面に立つこと自体、責任野党として安倍政権との気脈を通じて連絡をよくしようという意思の表れなのかもしれません。
例えば憲法観について、安倍さんが現行憲法を有効だとした上でその改正を訴えているのに対し、石原氏は日本国憲法の破棄と無効を主張し、それは維新と結いの党の合併協議で焦点になって分党のきっかけになったほど強硬ですが、安倍さんとはそれや対米観で相違のある石原氏より、ともに救国ネットを結成し遠縁でもある平沼氏の方がスムーズかとは考えられるのでしょう。
また、安倍さんは前回記事で紹介したように来年4月の統一地方選などを見据えてローカル・アベノミクスによる地方創生を打ち出し、22日の経済財政諮問会議ではそのために「4兆円規模の特別枠を設ける」(『読売新聞』同日13:56)ことも決めていますが、次世代の党は改革派首長経験者で救国ネットの山田、中田両氏を幹部とすることで、その提案が政権にも求められるかもしれません。

■救国ネットの一部窯変した次世代の党が責任野党を路線とするとして、これまで特定秘密保護法の審議などを通じて責任野党に位置づけられている維新は政権との距離感をどう調整するでしょうか。
例えば、維新が結いに歩調を合わせて集団的自衛権に関して慎重姿勢に転じたことが報じられていますが、その一方、維新は13日に行われた滋賀県知事選では11日22:12(最終更新23:43)の『毎日新聞』によれば結いが民主党系の三日月知事を「評価」したのとは逆に県総支部が自公とともに経産省出身の小鑓隆史氏を「推薦」し、「(小鑓氏に)勝ってもらいたい」と話す橋下氏も翌12日に自ら応援入りしていて「食い違いが表面化」。
そして、同記事によればそれは菅さんが維新の松井幹事長を介して「支援要請」し、橋下氏が応じたものだったことが知られます。
菅さんはかつて安倍さんの再浮上戦略として教育再生を共通項にした維新との関係強化に奔走した立役者で、政権の中でも維新との気脈を最も強くしていると言えますが、維新と結いの間では今後、集団的自衛権に関して見られたような譲歩よりむしろ知事選で起きたような「食い違い」の方が目立つことも予想されるのであり、合併新党に介入することさえ不可能ではないはずでしょう。
また、橋下氏は小鑓氏に「勝ってもらいたい」理由に「行政を預かる立場としては官邸の力は大きな後ろ盾」であることを挙げており、官邸の実力者である菅さんの辣腕によって維新に引き続き責任野党たることを期すのも、その素地はあると言えるでしょう。
それは、救国ネットが一部窯変した次世代の党の存在と併せて、責任野党勢力を維持しようとする政権の国会運営戦略はなお見通せるということではないでしょうか。


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地方創生 ケータイ投稿記事

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■9月上旬にも行われるという内閣改造・党役員人事で安倍さんは、前回記事で取り上げた安保法制担当相に加えて「地方創生」を推進する新たな担当相も新設する方針。
安倍さんは「「景気回復の波」を中小・小規模企業、そして全国津々浦々に広げていくのが私の仕事です」(メルマガ、13.12.16)と語り、10日の『朝日新聞』朝刊によれば成長戦略では新たに「ローカル・アベノミクス」のキャッチコピーが掲げられて6月24日には「最大の柱は地方の活性化」と発表されています。
19日の『朝日新聞』朝刊は、安倍さんが前日18日に「人口減や高齢化対策などに取り組む新組織の名称を「まち・ひと・しごと創生本部」とすることを発表した」と伝えています。
その「新組織」についてはかねて仮称で「地方創生本部」と報じられていましたが、18日12:59の『産経新聞』によれば、それが改められて同日正式に決まったのが「まち・ひと・しごと創生本部」(以下「本部」とも)だということ。
同上『朝日新聞』によれば本部では「首相自らを本部長に全閣僚が参加し、担当相も任命」されるとされていますが、その構成が日本経済再生本部と同じであることが注目されるでしょう。
アベノミクスを推進する日本経済再生本部でも本部長は安倍さんが務め、麻生副総理兼財務相が本部長代理、菅官房長官と甘利経済再生担当相が副本部長に就任していますが、地方創生本部も同様の体制になることは十分考えられるでしょう。
そこでは担当相が甘利さんのポジション=副本部長に代わるかと思われますが、小泉内閣府政務官が「省庁の利害を超えて相応の権力と体制を敷かなければ」(『産経新聞』14.7.8-20:36)と指摘するように、その担当相が内閣府の重要閣僚に位置づけられることも考えられるでしょうか。

安倍さんはかねて地方対策を重要視していると言え、第2次安倍政権では各地に国家戦略特区が設定され、木村首相補佐官が「ふるさと担当」を帯びているほか、15日に次期総務次官への起用を決められた旧自治省出身の大石消防庁長官が「地方行財政に詳し」くて「地域活性化に力を入れる方針」に適う(『朝日新聞』14.7.16)のもその反映だと言えるでしょう。
また、既出10日の『朝日新聞』朝刊は「なぜ今、地方なのか」として、甘利さんが8日に「増田ショックが全国、地方、地域を襲った」と述べて「「人口減社会」への危機感をあらわにした」ことを挙げています。
ここで「増田ショック」とは、増田元総務相の率いる「民間機関が5月にまとめた試算」で、「人口減が現状のペースで続けば、2040年までに全自治体の半数が…「消滅可能性都市」になる」とされたことを指します。
その「民間機関」とは増田さんが座長を務める日本創成会議のことであるのが知られます。
日本創成会議は当初は震災復興について議論する組織として11年5月に発足しましたが、安倍さんは同月18日、コラム「安倍晋三の突破する政治」で、当時の菅政権が立ち上げた復興構想会議について「迷走している」「役割を果たしていない」と厳しく批判。
そんな復興構想会議が当時の政府・民主党系だったとすれば、第1次安倍改造内閣で総務相だった増田さんの日本創成会議は安倍さんや自民党に近いと言えるかもしれません。
前岩手県知事の増田さんは岩手の実力者である生活の小沢代表と距離があって07年参院選で小沢氏が当時率いていた民主党が勝利した直後に入閣したのに対し、復興構想会議に参加していた今の達増知事は、陽子夫人が12年総選挙で小沢氏も民主党を離党して参加していた旧未来の党から岩手1区に立候補したように近い立場にあることも、日本創成会議と復興構想会議の相違を象徴しているようでしょう。
復興構想会議は既に12年1月に廃止されていますが、日本創成会議はより広汎なテーマを取り扱う組織に発展して上出「増田ショック」とも称される提言もしたのであり、それが甘利さんの言うように第2次安倍政権の地方対策「ひと・まち・しごと創生」に大きく影響したというのも、決して怪しむに足りないと言うべきでしょう。

ところで、大石氏の次官就任については20日7:00の『産経新聞』が、それで総務省ではともに大石氏と同じ1976年入省の小笠原前次官および今の岡崎次官を併せて、「官邸の介入によって」「3代が…同期という異例の事態となった」と伝えます。
安倍さんは第1次政権で盟友の渡辺みんなの党前代表を行革担当相に起用して「人材バンク」構想などの公務員制度改革に取り組み、今の第2次政権では5月30日に中央省庁の幹部人事を一元管理する内閣人事局を設置、初代局長に旧大蔵省出身で腹心の加藤官房副長官を充てるなど、「官邸主導」は官僚に対しても実行されています。
集団的自衛権を巡って内閣法制局で異例に外務省から小松前長官が起用されたのはその好例であり、また昨年7月以来現職にある村木厚労次官や、側近の斎木外務次官の夫人で今月4日に就任した外務省の斎木尚子経済局長、消費者庁で来月10日付で2代続けての女性長官となることが決まっている板東文科審議官の起用などが、女性の社会進出促進という安倍さんの方針が官界に反映したものであることは明らかでしょう。
内閣人事局でも当初は局長には警察庁出身の杉田官房副長官が起用される予定だったものの「「政治主導」を重視して転換」(『朝日新聞』14.5.31朝刊)されて腹心の加藤さんが充てられたものだといい、同上『産経新聞』が総務省と同じように「同期の事務次官が3代続く道筋ができた」とする財務省でも第1次政権の首相秘書官で安倍さんから信頼のある田中主計局長の来年の次官就任が有力視されています。
また、それによると、財務省は安倍さんの本命の田中氏を含めて「同期3人次官」となるのに「及び腰」だったものの、総務省で大石氏が次官に決まって「一足先に先例」となったことでそれへの「足かせはなくなった」のだといい、大石氏の次官就任はひと・まち・しごと創生本部の新設などの地方対策との関連以外にも深い意味があったということでしょうか。
再三指摘しているように、安倍さんは民主党政権期に大きな存在感を持った財務省の掌握に努めていると言えるのであり、財務相に首相経験者の麻生さんを副総理を兼ねて充て、副大臣にはベテランの山口元首相補佐官や閣僚経験者の小渕元少子化担当相、側近の古川財務副大臣などを起用していますが、田中氏を次官に既定的にしたのもその一環に並べてよいでしょう。
ところで、「3代が…同期という異例の事態となった」総務次官に関しては、後述するように大石氏が「1年待」ちしている中、一部週刊誌がジャニーズ事務所の人気グループ嵐の櫻井翔さんの父親として知られる櫻井俊審議官の就任の可能性を報道。
櫻井氏の旧郵政省入省は大石氏などの翌年、1977年で、ともに76年入省の小笠原、岡崎両氏の次の次官に有力視されたのも順当で、不自然ではありません。
一方、「異例」だという大石氏の次官就任は同上『産経新聞』によれば、そもそも昨夏の人事で当時審議官として次官の本命候補だった大石氏が、菅さんの差配で消防庁長官だった岡崎氏に「逆転」されて「1年待」たされていたことが伏線だったとされます。
それは、菅さんはその「政治の師匠」梶山元官房長官が自治相を務めていたときに秘書官として仕えていた岡崎氏と「昵懇の仲」だったためだといいますが、大石氏の次官就任で総務省内の秩序が回復したのだとすれば、来夏には櫻井氏が次官に昇格するのかもしれません。
それらのことからは、総務省における異例人事で折よく「地方行財政に詳しい」大石氏が次官に起用されたり、それが「先例」になって財務省で安倍さんに近い田中氏の次官就任が布石されたのは言わば副産物なのであり、昨夏の岡崎氏の「逆転」に発端したそれらが全て菅さんの深謀であるかはさておき、真に物語られているのは菅さんひいては安倍官邸の影響力が官界に瀰漫していることだと言えるでしょうか。

さて、第2次安倍政権の地方重視の姿勢を端的に反映する本部の担当相の候補についてはどう考えられるでしょうか。
それについて、次の人事を9月上旬に控えて前回記事で各閣僚・党役員について仮想したように、既出の木村さんと山口さん、それに今村副幹事長をその候補に挙げることは可能だとしてよいのではないでしょうか。
三者はそれぞれ木村さんが青森4区で6選、山口さんが徳島2区で8選、今村さんが佐賀2区で6選といずれも「地方」選出で初入閣候補。
木村さんは上述のように首相補佐官として「ふるさと担当」を帯び、山口さんは麻生内閣の首相補佐官として「地方再生」を職掌し、地方行財政に関わる総務省で副大臣を務めているほか、第2次安倍内閣の発足に当たっては石破幹事長が総務相に推薦、今村さんは12年総裁選で安倍さんの推薦人になり、党では道州制推進本部長の任にあって地方行政に関わり、また農水副大臣を務めていて農水産業が中心の地方の課題にも通じていると言えるでしょう。
ところで、同時に新設される安保法制担当相について、高村副総裁は「閣僚(の定員)を増やすわけにいかないので、防衛相が兼ねることもある」(『産経新聞』14.7.11-10:59)と指摘しており、そのことからは、ひと・まち・しごと創生本部の担当相も例えば総務相が兼務することもあり得ると考えられるでしょうか。
ここで、総務相の候補には前回記事のとおり脇参院幹事長を例えば挙げてよいでしょう。
総務相は重要閣僚に位置づけられるので参院の実力者である脇さんには相応しいと言え、また、選挙管理に関わるため参院選の「一票の格差」問題是正を取り扱う参院選挙制度協議会で座長として「合区案」を提唱し「選挙区域調整案」の検討を主導する脇さん自身も意欲的であるかもしれません。
女性閣僚の登用などにより定員(18人)が圧迫されて本部の担当相を専任で置けず、他の閣僚が兼任する場合には、その人選の方が担当相より優先されることになるでしょうか。
あるいは逆に、担当相ありきで総務相など既存の閣僚が選任されることもあり得るのでしょうか。

■まち・ひと・しごと創生本部の担当相や安保法制担当相が新設される次の人事は、12年12月の第2次安倍政権発足から実に1年9ヵ月で初となる異動ですが、ではその次あるいは更にその次の人事の見通しはどうでしょうか。
12年9月に総裁に復帰した安倍さんは来年、15年9月にその任期を満了しますが、その際の総裁選ではおそらく無投票で再選されることになるでしょう。
そうすれば、それに合わせて閣僚および同月に任期を終える党役員の異動に着手するはずであり、次の人事はその時、第2次安倍第2次改造内閣の発足時に見据えられます。
また、翌16年は7月に参院選があり、12月に総選挙の予定がありますが、その間わずか5ヵ月なので7月に衆院を解散して衆参同日選となる可能性も低くないでしょう。
そうだとすれば、そこで自民党が勝利すれば第3次安倍内閣が発足することになりますが、それが人事の契機であるのは確実です。
そこでは早ければ総選挙直後7月中にも人事に取り掛かられることももちろん考えられますが、党役員の任期が9月まで残ることや、05年総選挙の際にはその勝利を受けて9月に第3次小泉内閣が全閣僚を再任=人事を事実上先送りして発足し、焦点だった郵政民営化法の成立を待ってわずか1ヵ月後の10月に改造が行われた例を考えれば、16年9月にも第3次安倍改造内閣が発足するのがそのタイミングになる、とは十分考えられるはずでしょう。

不確定要素による内閣改造や解散総選挙がなく順当なら今後の政治日程はそう見通せるはずですが、すなわち今回の人事こそ1年9ヵ月ぶりながら、それ以降は1年ごとに行われる公算だと言えるでしょうか。
それはおそらく重要で、初入閣候補が多いのでその大半は今回見送られることになり、それは党内に不満が潜在することになり得ますが、次の人事を1年後に有力視できれば、安倍さんはそれを抑えることが可能になるでしょう。
また次の参院選や総選挙では引退する可能性のある議員もいるはずであり、そのうち未入閣あるいは最後の入閣から間隔の開く議員についても、その前の処遇が優先されることもあるのでしょう。


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石破幹事長の処遇 ケータイ投稿記事

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■9月上旬にも行われるという内閣改造と党役員人事について、安保法制担当相と地方創生担当相の新設が明らかになっています。
安保法制担当相は集団的自衛権に関する憲法解釈変更の閣議決定を受けて臨時国会から個別法の審議が始まるのに備えて、地方創生担当相は来年4月に統一地方選を控えてアベノミクスによる成長戦略としての「地方の活性化」を進めるべく、それぞれ設置されるのであり、いずれも第2次安倍政権の方針がよく反映される措置だと言うべきでしょう。

秋の人事では、そのような両担当相の新設と統一地方選、それに来年9月の総裁選での再選が勘案されることになるはずと言えます。
その上で、その陣容については例えば以下のように改めて考えることは可能なはずでしょう(敬称略、★は初入閣、閣僚が定員の18人を超えているのは内閣府の特命担当相の置き方が不分明のため)。

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《内閣》
首相:安倍晋三(町、山口4/7)
副総理兼財務相:麻生太郎(麻、福岡8/11)
官房長官:菅義偉(無、神奈川2/6)
総務相:脇雅史(参・額、比例/3)★
外相:岸田文雄(岸、広島1/7)
法相:平沢勝栄(石、東京17/6)★
経産相:茂木敏充(額、栃木5/7)/竹下亘(額、島根2/5)★
農水相:西川公也(二、栃木2/5)★
文科相:遠藤利明(谷、山形1/6)★
国交相:太田昭宏(公明、東京12/6)/井上義久(公明、比例東北/7)★
厚労相:宮路和明(町、比例九州[鹿児島3]/8)★/江渡聡徳(大、青森2/5)★
防衛相:江渡聡徳(大、青森2/5)★/岩屋毅(麻、大分3/6)★
環境相:小渕優子(額、群馬5/5)
復興相:坂本剛二(町、福島5/7)★/岩城光英(参・町、福島/3)★
国家公安委員長:世耕弘成(参・町、和歌山/4)★
経済再生担当相:甘利明(無、神奈川13/10)
沖縄・北方担当相:松山政司(参・岸、福岡/3)★
少子化担当相:橋本聖子(参・町、比例/4)★
行革担当相:望月義夫(岸、静岡4/6)★/有村治子(参・大、比例/3)★
安保法制担当相:石破茂(無、鳥取1/9)/岩屋毅(麻、大分3/6)★
地方創生担当相:今村雅弘(谷、佐賀2/6)★/山口俊一(麻、徳島2/8)★/木村太郎(町、青森4/6)★
首相補佐官:衛藤晟一(参・二、比例/2[衆4])
首相補佐官:木村太郎(町、青森4/6)
首相補佐官:磯崎陽輔(参・町、大分/2)
首相補佐官:萩生田光一(町、東京24/3)
官房副長官:加藤勝信(額、岡山5/4)
官房副長官:中川雅治(参・町、東京/2)
官房副長官:杉田和博(警察庁)

《党役員》
総裁:安倍晋三(町、山口4/7)
副総裁:高村正彦(大、山口1/11)
幹事長:河村建夫(二、山口3/8)/石破茂(無、鳥取1/9)
幹事長代行:山口俊一(麻、徳島2/8)/河村建夫(二、山口3/8)/中谷元(谷、高知2/8)
総務会長:額賀福志郎(額、茨城2/10)/中谷元(谷、高知2/8)
政調会長:塩崎恭久(岸、愛媛1/6[参1])
選対委員長:細田博之(町、島根1/8)
国対委員長:山本有二(無、高知3/8)
総裁特別補佐:西村康稔(町、兵庫9/4)
〈参院〉
議員会長:溝手顕正(参・岸、広島/5)
幹事長:伊達忠一(参・町、北海道/3)/林芳正(参・岸、山口/4)
幹事長代行:吉田博美(参・額、長野/3)
国対委員長:関口昌一(参・額、埼玉/3)林芳正(参・岸、山口/4)/伊達忠一(参・町、北海道/3)
政審会長:山谷えり子(参・町、比例/2[衆1])
幹事長代理:山本順三(参・町、愛媛/2)
国対委員長代理:岡田直樹(参・町、石川/2)
政審会長代理:宮澤洋一(参・岸、広島/1[衆3])

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■安保法制担当相については、高村副総裁が「「私がやることはない」と明言」(『産経新聞』14.7.11-10:59)。
高村さんは「集団的自衛権の…与党協議会で座長を務めて…就任が有力視されていた」とされますが、高村さんはいち早く否定したとはいえ、担当相が与党協議の他のメンバーから起用されること自体は可能性が低くないと考えられるでしょう。
ところで、当ブログでは安保法制担当相について5月3日の記事で石破幹事長をその候補に挙げました。
幹事長再任を望んでいるとされる石破さんの処遇は人事の最大の焦点ですが、安倍さんはあるいは石破さんの交代と入閣を考えているかもしれません。
12年9月に安倍さんの総裁復帰に伴って幹事長に起用された石破さんは現在2期目で在任が長期になっているほか(過去20年で在任が2年を超えた幹事長はのべ17人のうち2年10ヵ月の加藤元幹事長と2年5ヵ月の山崎元副総裁のみ)、幹事長を交代することは大幅な人事を印象づけて、自民党が政権復帰した同年12月以来異動が殆どないことに対する党内の不満を解消することに繋がるでしょう。
また、13日の滋賀県知事選の敗因について安倍さんは「集団的自衛権の議論が影響していないとは申し上げるつもりはない」(『産経新聞』14.7.14-13:08)と答弁していますが、それは統一地方選を考えたとき、石破さんは安全保障政策のイメージが強いためその指揮を執る幹事長には不都合だという判断に発展するかもしれません。
実力者の石破さんは幹事長を退任するとすれば無役になるのではなく入閣するはずですが、高村さんと同じく与党協議のメンバーなのであって、そのポストには安保法制担当相を想定してよいのではないでしょうか。
高村さんは自らの担当相就任を否定したことについて「「普通(首相から)頼まれてもいないのに『ありません』とは言わないが、今度の場合は言っておいた方がよい」と強調」しており、それは異例だったと言えますが、それはあるいは石破さんを幹事長から移すための伏線だったかもしれません。
高村さんが候補から自ら外れたことで与党協議の党メンバーの中で次席の石破さんが就任する可能性は増したと考えられますが、高村さんは集団的自衛権を巡っても見られたように同じ長州閥の安倍さんと密接に連携しており、安倍さんが石破さんの異動を模索しているとすれば、それを受けてそのような異例の発言をしたとは考えられないでしょうか。
第2次安倍内閣では閣僚や党役員を歴任している甘利経済再生担当相が内閣府で重量級閣僚に位置づけられており、安保法制担当相もそれに並ぶかと思われますが、石破さんをそれに任じて幹事長から異動するのに向け、外堀は埋められつつあるのかもしれません。

ところで高村さんは担当相について「防衛相が兼ねることもある」と指摘していますが、それは担当相の人選が難航したケースも想定しているということでしょうか。
そもそも安保法制担当相の新設が浮上したのは5月2日7:46の『産経新聞』によれば「憲法解釈がからむ答弁を外相や防衛相に任せるわけにはいかない」との指摘があるからだといい、それに基づけば防衛相が兼任するより内閣府に専任で置くのが望ましいということになりますが、例えば既に防衛庁長官と防衛相を歴任している石破さんが安保法制担当相を兼ねて防衛相に三度就任するとは、あまり考えがたいでしょう。
すなわち、「防衛相が兼ねることもある」のは例えば、石破さんを安保法制担当相に充てることが叶わなかった場合などの次善策なのかもしれません。
その場合には、高村さんや石破さんと同じ与党協議のメンバーで初入閣候補の岩屋元外務副大臣を想定できるでしょうか。
6選の岩屋さんは麻生派の所属で麻生副総理兼財務相に近いと同時に安保政策を通じて石破さんとも親交があるのであり、入閣候補に挙げられますが、しかし8選の山口元首相補佐官もまた麻生派所属かつ石破さんに近いという立場であるため、処遇では山口さんが優先されるということもあるかもしれません。

石破さんが入閣して幹事長を退任するとすれば、党にはその側近が代わりに据えられることになると考えられるでしょう。
例えば側近の鴨下幹事長補佐は13年10月に、前月に再任されたばかりの国対委員長を体調不良により辞任したものの、今年2月に現職に就任していますが、それは「健康が回復したことを受け、執行部に復帰させるべきだと判断」(『毎日新聞』同日20:58)されたからだといい、党内では石破さんへの配慮が意識されていることが窺われ、あるいは石破さんが当然影響力を維持したいことも間違いないでしょう。
安倍さんが総裁に復帰してから今までは幹事長に石破さんがあるため、同代行に盟友の菅官房長官や町村派の細田幹事長代行といった安倍系を充ててバランスが図られていますが、9月には安倍さんが総裁選を制してから2年が経つのであり、その力関係がそろそろ安倍さんの方に比重したとしても怪しむに足りません。
そうだとすれば、それは幹事長を安倍系が、同代行を石破系がそれぞれ占めることで表れるかとは、十分に考えられるでしょう。
幹事長には安倍さんと同じ長州閥の出身で、韓国通として親米派の安倍さんや中国通の高村さんとのバランスもいい二階派の河村選対委員長を仮定したいですが、そうだとすれば、幹事長代行には上述のように石破さんおよび麻生さんと近く当選回数に鑑みて何らかの処遇がありそうな山口さんを予想しても筋違いではないはずでしょう。
また、国対委員長はこれまで浜田幹事長代理や鴨下さんなど石破系が押さえていますが、それに倣えば安倍さんと石破さんの双方に近い山本元金融担当相をその候補に挙げても大過ないのではないでしょうか。

4月15日の『読売新聞』朝刊によれば「安倍を支える発信を強め」、党安保法制整備推進本部で進んで本部長を務めるなど「汗をかこうとする」石破さんについて、安倍さんは「「禅譲を狙うつもりなのだろうか」と漏らしている」とのこと。
石破さんは12年総裁選では最初の投票で地方票を多く得て安倍さんを上回る1位で決戦投票に進みましたが、1月の党大会では総裁選に関する党規約が改正されて地方票の存在感が増しており、来年9月に総裁選を控えて、潜在的には依然最大のライバルであると言えます。
しかし石破さんは農水相を務めていた麻生内閣期09年総選挙の直前に与謝野元官房長官とともに麻生おろしを図って失敗している(両者は7月15日に麻生さんと会談して談判していますが、安倍さんは前日14日のメルマガで「選挙を前にして党総裁を替えようとする動きはヒンシュクをかっています」と批判)のであり、08年と12年の総裁選で争った石原環境相が失言などで自ら失速していくのを横目に、今度は安倍さんに対して、再びリスキーなことをする可能性は低いとしてよいのかもしれません。
安倍さんが、禅譲を窺っているのかと見るというような石破さんの恭順姿勢はそれに符合しますが、その前提となるのが、幹事長から異動しても引き続き重要ポストで処遇することであるのは間違いないでしょう。
安倍さんの勢力基盤である町村派や保守派の後継者には例えば西村内閣府副大臣などを挙げられますが、まだ4選で閣僚や党幹部を経ておらず、直ちに有力な次期首相候補であるとは言い難いかもしれません。
そういった事情は、石破さんをして安倍さんからの禅譲を窺わせているかもしれません。
西村さんは岳父の吹田元自治相が安倍さんの祖父の岸元首相から地盤の旧山口2区を継承した後継者で自身は安倍さんに近いと同時に、党政調で副会長や経産部会長を務めていた時期の会長が石破さんなので石破さんとも遠くなく、菅さんも6月5日の『朝日新聞』朝刊によれば「安倍さん…の後は石破さんしかいない」と評価しているとされるので、石破さんが安倍さんの准直系として禅譲を受ける素地は案外あると言えるのでしょうか。

1959年1月の総裁公選に当たって岸首相は実力者の大野副総裁に将来の禅譲を示唆し、選挙を制して政権を継続。
ここで岸さんを安倍さんに置き換えれば大野さんには石破さんが相当しますが、ここでも、孫の安倍さんの辿る道は祖父の岸さんの行った道に似ると言えるでしょう。
ところで、岸さんの実際の後継には池田元首相が選出されて大野さんの期待は裏切られていますが、安倍さんと石破さんの関係は18年9月にどう決着するでしょうか。


(R)

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