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集団的自衛権を巡って ケータイ投稿記事

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+--【安倍晋三です】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

快晴の下、宮中三殿で執り行われた春季皇霊祭の儀、春季神殿祭の儀に参列し、御皇室の弥栄と五穀豊穣をお祈り致しました。
古来よりの儀式に参列し身の引き締まる思いでした。

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▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■このメルマガの配信された21日、安倍さんはフジテレビ『笑っていいとも!』に出演。
翌22日の『朝日新聞』朝刊「首相動静」によれば今号配信の19分後に新宿のアルタに到着し、出演コーナー終盤では「司会のタモリさんとイチゴを試食」。
やり取りではタモリさんを「無形文化財」、『いいとも』を「国民的番組」と評したほか、「今度一緒に飲みましょうか」と誘いを受けたのに「長続きの秘訣を聞きたい」と応じたのは、この3月末に今の総裁任期の折り返し地点に至るというタイミングで、長期政権運営への意欲を示したものだったと受け止められるでしょう。
スタジオには国会議員では河村選対委員長、稲田行革担当相、池田佳隆衆院議員からの花輪が贈られていました。

安倍さんは自民党が野党になってまもない09年9月30日の『朝日新聞』朝刊紙上で「グローバル経済という現実に対峙しながら、日本経済を成長させていく」「小さな政府で成長重視の政策をとる」と語るのと同時に「伝統文化や歴史を大切にする姿勢」を訴え「日本は水を分け合って田を耕し、五穀豊穣を祈ってきた国だ」とも指摘していますが、本文には安倍さんのそういう「保守」観のうち後者に当たるものが表れているのがよく分かります。

■集団的自衛権の行使を解禁する憲法解釈変更の閣議決定について、党内で慎重意見も目立つようになっており、高村副総裁が取り持って、安倍さんは議論の場として総裁直属で石破幹事長をトップとする新組織を今月下旬以降にも新設すると決定、それによって党内への配慮を示す一方、今国会中(6月22日まで)と予定していた閣議決定の時期がそれ以降にずれ込む可能性も指摘されるようになりましたが、21日の『朝日新聞』朝刊は、「いったん国会を閉じ、閣議決定した段階で閉会中審査を開く案も念頭に置」かれていることを伝えています。
それはすなわち、同記事に続けて「首相は、秋の臨時国会前までの閣議決定は譲らない考え」とあるように、集団的自衛権の問題で描くスケジュールを堅持することへの強い意志を示すものだと言えますが、同時に、官邸として党に対する主導権を維持すべく強気の姿勢を崩さず、妥協や譲歩を重ねはしないということでもあるに違いありません。
それは集団的自衛権の問題ひとつに止まらず、政権の命運そのものを見据えた姿勢であると言うべきでしょう。

前記事では党内の種々の動きについて、上記新組織や大島派の勉強会(20日)については官邸に近いだろうとし、一方参院は慎重な姿勢が強いですが、安倍さんが2月28日に参院幹部と会食を持ったのはそれ対する感触打診や布石かとしました。
新組織は上述のように閣議決定の今国会中という予定を遅らせかねない副作用を伴うものの、一連の政高党低に対する不満が党内に底流している状況ではむしろ必要不可欠な「戦略的譲歩」だったと言えるでしょうか。
高村さんはそもそも安倍さんと同じ考えで、先週相次いだ党内各派閥の勉強会について伝える21日の『朝日新聞』朝刊は、出身の大島派の勉強会(上述)では講師を務めて「十把一絡げに集団的自衛権を認めないのはおかしい」と語っています。
また、安倍さんが14日の国会で河野談話の見直し否定を答弁した際の質問に立っていた有村両院副総会長は参院比例区選出で神道政治連盟の支援を受けているほか12年総裁選では安倍さんの推薦人の一人となっていて、翌15日の『朝日新聞』朝刊が「参院幹部は「2人は主張が近い。綿密な打ち合わせがあったと思う」とみ」ていると伝えていますが(談話見直し否定を、考え方の近い議員との穏健なやり取りの中でするのと、野党議員に追及されてするのとでは印象が全く違うということでしょう)、その有村さんも大島派所属であり、派内で集団的自衛権にも積極的であるのでしょう。
他には東京都の尖閣諸島購入計画(12年4月発表)で当時都知事だった維新の石原共同代表と地権者を仲介、13年参院選では党の比例代表70歳定年の内規の例外待遇を受けて71歳で立候補し7選を果たした山東元科技庁長官も大島派で、安倍さんに近い考え方をしているかもしれません。
一方、会長の大島前副総裁は17日の総務懇談会で「(内閣の憲法解釈の)安定性や継続性、透明性」の確保を訴えて「慎重意見」を呈しています。
大島さんは、2月末に憲法解釈変更への批判を繰り返した公明党の漆原国対委員長に「理解を示し」(『日経新聞』14.2.27-19:05)たことがありますが、両者は07年8月から09年9月にかけて自公の国対委員長として連携、「頻繁に会合を重ね…親密な関係」(『産経新聞』14.2.5-21:54)であるとされるのであり、大島派では前会長の高村さんが新組織の設置で主に党内への配慮を主導し、今の会長の大島さんは公明党への配慮を意識しているということになるでしょうか。
集団的自衛権と公明党に関しては衛藤首相補佐官が1月25日に「私は公明党を取る」と述べて「公明党の理解を得ることを最優先するとの考えを示し」ていますが(『産経新聞』同日10:12)、安倍さんが特定秘密保護法や教育委員会改革そして集団的自衛権という、公明党が否定的な安倍カラー政策でもしかし自公の枠組みを基本としていくことは明らかであり、大島派には公明党とのパイプのある重鎮と、安倍さんに近い長州閥の長老とが奇しくも新旧会長に揃って、最小派閥ながらその中には与党内の縮図が現れていると言えるでしょうか。

ところで、2月15日7:55配信の『産経新聞』は安倍さんが「自身の人脈を巧みに駆使し…公明党を“操縦”しようとしている」と指摘しています。
すなわち山口代表とは「距離感が目立つ」というのに対して当選同期の富田幹事長代理や赤羽経産副大臣とは同月12日夜に公邸で会食、同日の国会答弁で集団的自衛権について「全て首相が答えていることに同意している。違和感はない」とした太田国交相を高評価していることも伝えられているほか、菅官房長官と漆原さんのパイプが指摘され、また公明党内についても、新旧代表の山口さんと太田さんの「距離感」が図示されています。
記事はそれを「責任野党」の発想と関連づけて「野党分断工作と同じ構図に持ち込もうとしている」、「背景には…野党共闘にくさびを打ち込むことに成功した経験もあるようだ」などと指摘しており、そうだとすれば、それは「分断操縦」が与野党関係と与党内関係ともで、そして後述のように党内でも岸田派に図られて、二重三重の“入れ子式”になっているのを見て取れると言うことでしょうか。
安倍さんは第1次政権期に06年総裁選で支持を受けた丹羽元総務会長および自身と距離のある古賀元幹事長が率いる丹羽・古賀派や、やはり距離のある山崎元副総裁の山崎派から多く閣僚や党役員を起用していますが、それらはほとんどが両派にあってしかし自身に近い議員だったのであり、「分断操縦」は安倍さんの政権運営手法の特徴であるのかもしれません。
さて、安倍さんは公明党に対してはほかに1月16日に山口県知事選の対応協議のために長州閥の高村さん河村さんとともに公明党で山口出身の桝屋政調会長代理と会談(時事通信、同日23:53)、また上田政調会長代理については「保守派議員」(メルマガ、12.4.14)などと高く評価しており、こちらもともに安倍さんとは初当選同期の両者も公明党内では富田さんや赤羽さんなどと同じような立ち位置にいると言えるでしょうか。
同『産経新聞』記事は、自公が対立していた教育委員会制度改革で公明党内の「取りまとめを行ってい」た富田さんに安倍さんがその場で「言質を与えたことで、公明党の意向をくんだ「折衷案」に大きく傾いた」という経緯を伝え、また上田さんについては安倍さんが第1次政権期に「教育基本法への「愛国心」明記にも賛成してくれました」(同上メルマガ)と紹介していますが、そのように、自公の間で齟齬の目立つ安倍カラー政策においても、相互に妥協しつつしかし確実に進捗しているのであり、自公関係には安倍さんのリアリストとしての面が実は端的に現れているのでしょう。

なお、衛藤さんは上記の通り「集団的自衛権で「私は公明党を取る」と述べた際、「野党の一部との連携も否定」「公明党の理解がなければ行使容認を断念するのかと聞かれ、「そうだ。私だったら(首相に)そう進言する」とも語った」(同上)とも報じられていますが、これは「責任野党」戦略で維新やみんなの党との気脈を保持する安倍さんや菅さんの方針から明らかに逸脱しており、官邸が自公関係を重視しているのをアピールするためだとしても、そこまで踏み込んで言及したのは、目を引きます。
官邸で「責任野党」戦略を主導するのは菅さんですが、衛藤さんが「野党の一部との連携も否定」したのは集団的自衛権に積極的でないということではなく、あるいは菅さんと考え方の違いや距離感があって、それを自公関係重視という原則に仮託して滲ませたものだったのでしょうか。
菅さんと衛藤さんはともに確かに安倍さんに近いですが、両者同士は果たしてどうなのでしょうか。
郵政民営化に関して、かつて衛藤さんはそれに反対して離党、05年総選挙では党の公認を得られず落選した一方、菅さんは推進派で第1次安倍内閣では担当閣僚の総務相に就任、今月には「責任野党」みんなの党の渡辺代表と連絡してJPの坂前社長などグループの全顧問を一掃するなど今も郵政民営化への反動阻止に努めているように、両者はコントラストをなしていると言えます。
また、衛藤さんが靖国問題に関連してアメリカに対し「失望」などと批判した際には菅さんがその「個人的見解」を注意して取り消させた(2月19日)ことも記憶に新しいですが、それや郵政民営化で見られるコントラストの背景には、両者の間にはおそらく対米観の相違のあることが窺えます。
衛藤さんが集団的自衛権に関連して菅さんの「責任野党」戦略に逆行するような発言をした理由は解せないですが、その根底には、両者の「保守」のそういう異質性を見ることもあるいは可能なのかもしれません。

さて、集団的自衛権に関連して存在感を持つ高村さんの出身の大島派の動向と、それから発展して自公関係については以上のように見られますが、他の派閥はどうでしょうか。
上出21日『朝日新聞』は安倍さんの出身の町村派は19日に勉強会を開き、会長の町村元官房長官が「派内を行使容認でまとめる考えを示し」、衛藤元防衛庁長官も17日の総務懇談会の後に安倍さんの方針を支持する考えであることが同夜のNHKニュースで報じられていました。
衛藤さんは、2月13日の総務会で前日の首相答弁を激しく批判し17日には改めて行使容認に反対した村上元行革担当相などと同じ総務の一人であり、安倍さんにとって、最近不穏な総務会における抑えということになるでしょうか。
一方、同『朝日新聞』は、「リベラル勢力を自認する」岸田派では、前会長で憲法解釈変更に否定的な古賀さんに近い金子元国交相が「勉強会開催を宣言した」もののそれで「同派の「反対色」が強まる可能性」が敬遠されるほか、ともに関係閣僚たる会長の岸田外相と小野寺防衛相を輩出していて「幹部の一人は…頭を悩ませ」ているとされますが、これは先述のように前身の丹羽・古賀派に対してなされたのと同じような「分断操縦」が奏功しているということにほかなりません。

集団的自衛権を積極的に打ち出すことは党内だけでなく野党陣営にも波紋を広げていますが、首相である安倍さんがまず、祖父の岸元首相以来の長年の持論を徹底する構えが、それを受ける党内各派閥、公明党、野党のそれぞれに対する優位を確保することに繋がるはずです。


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花言葉は「栄光」 ケータイ投稿記事

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+--【安倍晋三です。】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

今日は久しぶりにゆっくりと、資料等読んだり、小説を読み耽りながら過ごしました。
午前中は公邸。


良いお天気に誘われ庭に出たら、春の開花の先頭ランナーのジンチョウゲ(沈丁花)が咲き始めていました。
子供の頃、祖父の家の庭で兄達と花の蜜を吸った記憶がその香りとともに甦って来ました。

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▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■集団的自衛権を行使可能とする憲法解釈変更の閣議決定について、党内で慎重意見が相次ぐようになっています。
額賀派や岸田派、大島派が派閥単位で、また参院も独自に勉強会を開くというほか、17日の総務懇談会や、近く設置される総裁直属の新組織が議論の場となるとされますが、それらがどういう性質のもので、安倍さんとの距離感や集団的自衛権へのスタンスがどうであるかは、それぞれ異なるはずでしょう。

総裁直属の新組織の設置について、8日の『朝日新聞』朝刊は、6日に安倍さん自身が石破幹事長などと「協議した際に伝えた」と報じていて、官邸や執行部の主導的な動きであることは明らかでしょう。
そのトップには石破さんが就くことが15日に決定していますが、ところで、新組織の設置は高村副総裁の発案であることが既に明らかになっています。
すなわち11日7:59配信の『産経新聞』は、石破さんが「今国会中の閣議決定に影響を与える可能性がある」ことから「新機関設置自体に消極的だった」ところ、7日の役員会で高村さんが「設置を指示したため、首を縦に振るしかなかった」との経緯を伝えています。
同記事はまた、新組織で「公明党との関係を重視する議員や反安倍勢力から反対論が巻き起こ」ることや「時間稼ぎ」の動きのあることを「予想」していますが、それは安倍さんの目指す「今国会中の閣議決定に影響を与える可能性」であり、石破さんが「消極的」であった理由であるでしょう。
では、にも関わらず高村さんが新組織設置を首唱したのはどういう真意であるでしょうか。
高村さんは「閣議決定前に党内で改めて議論する必要があるとの認識を示した」(『産経新聞』14.3.7-12:43)という一方、「組織のトップを誰にするか」についていち早く「首相の念頭に…あるとみられる」「首相の主張に理解がある」(上出『朝日新聞』)などとされていて解釈変更に賛成であることが明らかであり、党への配慮の必要性を重視しているということなのでしょう。
それについて前者は、出身の大島派の前会長として党領袖の一人であり、また党内各派閥や公明党と気脈を通じているという立場、後者は長州閥の重鎮で安倍さんがかつて首相として窮地だった第1次安倍改造内閣でも入閣、外相や防衛相、党外交再生戦略会議議長といった外交・安保関連の要職を歴任しているというキャリアにそれぞれ即したものであると言えるでしょうか。
その点、前者からは高村さんが新組織設置で慎重な議論を主導したことは大島前副総裁が公明党の漆原国対委員長と近いのに符合するということ、後者からは20日に高村さんを講師に招いて行われる予定だという大島派の勉強会が種々の会合の中でも官邸・政府に近い動きだということも指摘できるでしょう。
高村さんの判断があくまで安倍さんを支える立場からなされていることはやはり明らかですが、しかしその「安全運転」の副作用によって閣議決定への「到着」が遅れる可能性も一方では付きまとうとすれば、前記事でも紹介したように、解釈変更について「政府高官の一人は通常国会後の閣議決定のタイミングを模索し始めた」(既出11日『産経新聞』)というのも当然の成り行きだとしてよいでしょうか。

前記事で指摘したように、「通常国会後」というのはすなわち臨時国会中、それも行使解禁を年末改定のガイドラインに反映させたいとすれば、その早い段階で閣議決定を実現しようと、安倍さんや菅官房長官は考えるかもしれません。
解釈変更は国会期間中の閣議決定で行われるとすれば、その前の党内議論とその後の自衛隊法改正の審議の時間を確保するためには、あるいは今の通常国会を延長するか、秋の臨時国会を早めに始めるか、でしょうか。
いずれにせよ閣議決定のタイミングが予定より遅れるなら、内閣改造と党役員人事が先に行われることもあり得るのであり、その場合「集団的自衛権シフト」の構築がその大きなテーマになることでしょう。
その時には高村さんの再任はもとより有力であるほか、処遇のある候補に浮上するのは第二派閥額賀派の会長で防衛庁長官経験者の額賀元財務相、大島派所属で防衛副大臣や衆院安全保障委員長を歴任している江渡前防衛副大臣などであろうかということは前記事に記したとおりです。
昨年12月28日の記事で紹介したように高村さんは普天間問題で沖縄選出の党所属議員に基地の県内移設を容認させるのに硬軟用いて尽力、額賀さんは1月の名護市長選の党候補一本化作業で同じく防衛庁長官経験者の中谷特命副幹事長とともに奔走していることには注目してよいでしょう。
ところで、最も困難なのは石破さんの処遇でしょう。
安保政策通で安倍さんと同じく集団的自衛権の行使解禁を目指す石破さんはこの問題のキーマンの一人で、幹事長再任を望んでいるともされますが、これまで国政選挙や上述名護市長選での候補者調整などの作業に判を呈されたことがあるほか、党の重鎮や長老、派閥勢力と距離があり、党内の不満解消が主目的の一つとなる次の人事で幹事長に再任される可能性は低いのかもしれません。
しかし石破さんは安保政策を共有しているのに加えて依然有力な首相候補なので次期総裁選を来年9月に控えて引き続き協調していくはずであり、総務相などの重要閣僚などで入閣することになるのでしょう。

■集団的自衛権の問題で安倍さんに近い実力者や組織については以上のように見られるとして、では否定的な動きの方はどうでしょうか。
それについては脇参院幹事長が早く7日に「何をするために集団的自衛権を行使しようとするのか、具体性がやや欠ける」(既出8日『朝日新聞』)などと発言していますが、「参院自民党は行使容認自体に慎重姿勢」(既出11日『産経新聞』)だとの指摘もあり、参院のハードルは高いとせざるを得ないようです。
参院額賀派出身の脇さんは主流派・非主流派関係の変転の激しかった野党時代の参院にあって長く国対委員長を務めて存在感を発揮した実力者で、昨年10月17日の代表質問では「ただすべきことはただす」(『産経新聞』同日21:43)と宣言していますが、11日7:55の『産経新聞』は集団的自衛権の問題でその「背後に」青木元参院議員会長の「影がちらつく」ことを指摘しています。
かつて参院を率いた青木さんは森元首相とも連携して小泉政権以降の歴代政権に影響力を持ってきましたが、同じ額賀派で青木さんの下で幹事長を務めてその「直系」と目されていた今は維新の片山参院議員会長が07年参院選で落選し、自らも議員会長を辞任。
その後任には額賀派ながら参院三役を経ていない「傍系」の尾辻元参院議員会長、次いで安倍さんなどの後援を受けて額賀派を含む三大派閥の推した谷川元参院幹事長を破って選出された中曽根前参院議員会長が続き(10年8月)、青木さんの「直系」が長く主流派から外れたことは従前都度述べているとおりです。
中曽根さんの任期中にはその抜擢した役員や人事案が覆されるなど三派の巻き返しが起こり(11年10月)、その後任に三派の一角の岸田派から今の溝手参院議員会長が就いた(13年7月)ことで参院の趨勢がかつての秩序に回帰した観は強まりましたが、青木さん「直系」の脇さんの台頭はその流れに連なるものだと言えるでしょう。

ところで、脇さんを中心とする参院額賀派の吉田参院幹事長代行と石井副幹事長が、2月28日夜に安倍さん及び側近の世耕官房副長官と公邸で会食していることには、注目せねばならないでしょう。
両者について、安倍さん側近の山本沖縄・北方担当相は上述11年10月の参院役員人事の混迷からまもない同月21日のブログ記事でそれぞれ「小坂幹事長交代の流れを作った」「2度に渡って「敵方の切り込み隊長」を務めた」と記していて(しかし「2人とも「敵ながらあっぱれ」だと思った」とも記してむしろ好評もしています)、両者が三派の中心であったことが知られ、従って脇さんに近いことも窺われます。
当時は同月13日の総務会が村上元行革担当相や野田元自治相、船田元経企庁長官の首相答弁批判で紛糾したのなどを受けて安倍さん周辺が今夏の人事を示唆し始めていた頃で、28日夜の会食はそれとの関連を思わせますが、別の可能性もまたあるのかもしれません。
石破さんはそのちょうど1ヵ月前の1月28日に「憲法解釈を変更する時期に関し、今国会中にこだわらない考えを示し」(『産経新聞』同日19:55)ていますが、これはあるいは重要で、もし安倍さんも同じように既にその段階で「今国会中にこだわらない考え」も内心秘めて、例えば臨時国会中の閣議決定という日程も視野に入れていたのだとすれば、吉田さんや石井さんと接触したのには、集団的自衛権に関する参院側のスタンスを打診したり、両者と気脈を通じて参院への布石としようとの意図があったかもしれません。
安倍さんは小泉政権の幹部として、今回と同じように総務懇談会の開かれた郵政民営化の法案が参院で否決されたのに直面しているほか、上述のような情勢の変化で安倍さんと参院執行部の距離は中曽根さんが議員会長だった頃より開いているとすれば、注力する集団的自衛権の問題で参院に対する根回しを早めに図っていたとしても、決して不自然ではないでしょう。

■本文後半で岸元首相の家の庭の沈丁花の思い出が述べられていますが、それは渋谷の南平台にあった岸邸のことでしょうか。

評伝『岸信介』(原彬久、岩波新書)は、首相として取り組んだ1958年11月の警職法改正の失敗が「岸の党内指導力を決定的なまでに損なってしまっ」て非主流派の「反岸」の動きを惹起し、その後、安保改定作業で日米行政協定の「同時大幅改定」を要求して「政権首脳部の調印日程…を挫折させて岸政権打倒にもっていこうとする動き」などが続いた流れを紹介しています。
非主流派集団が形成されて政権基盤の盤石でなくなった岸さんは、新安保条約は自然成立させたものの改憲までは実現させられずに60年7月に退陣していますが、岸さんの首相として歩んだ道は今、その遺志を継ぐ安倍さんの政権運営に多くのことを示唆している教訓なのかもしれません。
岸さんは警職法改正断念の2ヵ月後、翌59年3月予定だった総裁公選を「情勢の有利な」1月に前倒し、これを制して再選されて局面を転換しています。
岸さんはそれにより党からの信任を再確認して政権を継続する体力を回復したと言えますが、安倍さんも来年15年9月には総裁任期満了を迎えて、2期目を目指す考えであるはずであり、総裁選を経て足元の与党を改めて掌握し、改憲に臨むことになるのでしょう。
政権の支持率が高く、有力な首相候補である石破さんが集団的自衛権問題で歩調を合わせているなどの現状では、次期総裁選やそれ以前に、安倍さんに代わる実力者が現れる可能性は低いため、次期総裁選を前倒すという手法が取られることはほとんど考えられませんが、安倍さんのこれまでとこれからの道が岸さんの辿った道と少なからず重なっていることはしばしば感じられるところです。
また、岸政権期に当初は「反岸=反安保改定」だった池田元首相は59年6月の人事で通産相として入閣して以降それを「引っ込め、少なくとも岸の期待を裏切らない程度に協力的になっていったという事実」も紹介されていますが、これは、現在集団的自衛権に否定的な実力者を懐柔すべく次の人事で取り込むべきことを暗示していると言えるでしょう。

ところで、沈丁花の花言葉は「栄光」だということですが、これは何かの予兆でしょうか。


(R)

それぞれの理由 ケータイ投稿記事

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■前記事では安倍首相、麻生副総理兼財務相、菅官房長官、甘利経済再生担当相の4人からなる「黄金カルテット」について、第2次安倍政権の中枢として、通常国会閉会から臨時国会開会までの間に行われるとされる内閣改造と党役員人事でも今回はまだ異動のあるべきでないかと指摘しましたが、では他の閣僚や党役員ポストについてはどうでしょうか。
第2次安倍政権の長期政権となることを念頭に、前記事では安倍さんが再選を目指す15年9月の総裁選を見据えて「政高党低の是正」「入閣待望組の処遇」「盟友や側近の起用」の3つと、対米関係の悪化や日本の国際的孤立を招く対中韓関係を意識した「外交的メッセージ」の4点を重視されるだろうものとして挙げましたが、それには更に、後述するように「集団的自衛権シフト」が加えられるようになることもあるかもしれません。

党内の不満の対象になって既にその限界に達している政高党低を印象づけているのは、具体的には党四役の3人までが無派閥で、そのうち石破幹事長が古巣の額賀派を始めとする派閥勢力と距離があり、また野田総務会長と高市政調会長がともに主要閣僚を経ておらず四役ないし三役を務めるのが初めてであることなどでしょう。
それを踏まえれば、次の人事では重要閣僚や党役員を経ていて派閥に基盤のある重鎮や長老が党四役に連なるようになることは考えられるはずですが、前記事では幹事長に河村選対委員長、総務会長に額賀元財務相、政調会長に塩崎政調会長代理、選対委員長に細田幹事長代行をそれぞれ仮定しました。

河村さんは二階派所属、安倍さんと同じ長州閥で麻生内閣では官房長官を務めているほか、文科相や同副大臣を経ている文教系議員として教育再生を掲げる安倍さんや麻生さんに近いですが、統一地方選を来年4月に控えて、党で選対関係の役職を歴任してきた河村さんはそれを差配する幹事長に満を持して相応しいに違いありません。
ところで、出身派閥会長の二階元総務会長は親中リベラルの重鎮で13年11月に総務会長代行を退任してから執行部を離れており、国土強靱化の公共事業を求めて「強靱化の予算の結果が思わしくなければ、どんな結果になるか分からん」(『朝日新聞』13.12.4朝刊)と述べるなど、公共事業バラマキに否定的な安倍さんにプレッシャーを掛けるなど距離を感じられるのであり、それを抑えることを期して二階派にあって安倍さんと親しい河村さんが党役員に起用されることは考えられるでしょう。
現体制には二階派からの閣僚はいませんが、次の人事では、農水副大臣経験者で党TPP対策委員長としてTPP推進で党内をまとめて安倍さんを支えるのに尽力し、また第1次安倍政権期07年8月には勉強会「構造改革フォーラム」を率いて前月の参院選に敗れた安倍さんを激励に官邸を訪れたこともある西川政調副会長が農水相候補であるとすべきでしょう。

額賀さんは茂木経産相や新藤総務相、田村厚労相を輩出する党内第二派閥の額賀派の会長で、第1次安倍改造内閣で当時の津島派の実力者として財務相に起用されたほか、これまで政調会長や防衛庁長官を歴任している実力者で、その四役入りが叶えば、それには政高党低の是正を強く印象づける効果があるでしょう。
また、それにより、閣僚や党役員を歴任して首相候補となっている茂木さんを独自の首相候補とする額賀派(第二派閥)を、主流派の町村派(最大派閥)や麻生派(第四派閥)と併せて引き付けることができれば、それが総裁再選への大きなステップとなるのは間違いないのであり、前記事で茂木さん、脇さん、小渕元少子化担当相の3人と多めの入閣を考えたのも故のないことではありません。
額賀さんは実は第2次安倍政権発足に当たって、当時いち早く幹事長留任の決まっていた石破さんが鴨下幹事長補佐や小坂元参院幹事長といった側近とともに派閥を退会した経緯から額賀派と距離があり、それを牽制するためか、総務会長就任が取り沙汰されたことがありますが(時事通信、12.12.20-0:20)、閣僚経験者のベテランを中心になる総務会が紛糾することの多い近況に照らして、それを抑えるために重鎮の額賀さんを改めて総務会長に擬することは可能でしょう。

政調会長候補とした塩崎さんは岸田派所属、安倍さんと衆院初当選同期の盟友で第1次安倍内閣の官房長官を務め、第2次安倍政権の発足に伴って政調会長代理に起用されていますが、07年8月29日の『朝日新聞』朝刊によれば、実は安倍さんは早く第1次政権期07年8月の内閣改造・党役員人事で官房長官を退任した塩崎さんの政調会長代理への異動を構想。
しかしそれは前月の参院選敗北から間もなくて安倍さんの主導権が後退していたためか党の「拒否」にあって叶わず、実際には、当時安倍さんへの批判的な発言の目立っていた渡海元文科相が就任したのであり、12年12月に再び首相となった安倍さんが塩崎さんを政調会長代理としたのは5年4ヵ月越しの構想の実現だったことになります。
上の『朝日新聞』朝刊によれば塩崎さんは自身は官房長官を退任した当時の人事で、閣僚だった大田元経済財政担当相とみんなの党の渡辺代表の「留任を首相に進言」して容れられていますが、大田さんは現在規制改革会議や政府税調の幹部として安倍さん肝煎りの法人減税の旗振り役の一人となり、渡辺さんは23日の党大会で「保守政党」たることを宣言した「責任野党」みんなの党を率いて安倍さんを支える姿勢を鮮明にしていて、ともに安倍さんに政策的に近いのであり、塩崎さんも成長重視の経済政策や行革、保守政策、原発再稼働というエネルギー政策を安倍さんと共有していることが明らかで、党の政策論議を取り仕切る政調会長に相応しいと言えます。
「政高党低の是正」を印象づけるべく今は無派閥議員の多い党四役を派閥勢力に開放するとして、同時に安倍さんの主導権を確保しようとすればそれは政調会長ポストを巡ることになると考えられますが、党内左派の系譜の岸田派にあってしかし安倍さんに近い塩崎さんは、「派閥への配慮」と「党に対する主導権」を両立できる存在として、それに有力だと言えるでしょうか。
岸田派については前会長の古賀元幹事長の政権に対する批判的な発言が目立ちますが、閣僚や党役員を歴任して将来の首相候補となっている今の会長の岸田外相を再任して内閣に留め、第三派閥の岸田派を総裁選で安倍さん支持に糾合することが図られる可能性は高いでしょう。
また現在の岸田派出身の閣僚は岸田さんの他に林農水相、小野寺防衛相、根本復興相の4人、町村派と並んで最多で、次の人事では減ることも考えられますが、2人以上減る(半減)のは穏当でないとすれば、前記事に載せたように再任の岸田さんのほかに、「行革担当相」の望月元国交副大臣と「沖縄・北方担当相」の松山総務会長代理をそれぞれ想定するという形で3閣僚を輩出することとしたのも、そこに所以があります。

外交では日中、日韓関係が地域の不安定要因になり、日本の「右傾化」が米欧の不信を招いている現状がありますが、次の人事は、外国からは政権の対外的な方針や性質を物語るものとして注目されるはずで、政権もそれを国際社会からの懸念や警戒を緩和するためのアナウンスの機会とすることを意識するかもしれません。
その点、岸田さんは保守政権における党内左派の系譜の直系である外相として、対外的な印象でも安倍さんなどとバランスをなしているのであり、やはり交代されるべきではないと言えるでしょう。
党内には対中韓外交について左派の重鎮の谷垣法相やその側近でベテランの逢沢元国対委員長などからの批判がありますが、額賀さんや河村さんは韓国通であり、中国通の高村副総裁と併せて党上層部に揃えば、それは「外交的メッセージ」として党内やメディアからも評価されることになるでしょう。
政調会長ポストについても、それが安倍さんとは保守主義の部分でより共通する高市さんから、成長戦略や行革を共有する色合いの塩崎さんに代わるなら、それも外交問題を意識した人事の一環に位置づけられるでしょうか。

前記事ではいわゆる「入閣待望組」の閣僚を18人中9人想定しましたが、09年の下野や第2次安倍政権の方針で内閣改造と党役員人事の先送りが続いていることは党内の不安定要素となっており、「入閣待望組」を多数起用することは、党への配慮を印象づける措置となると言えるでしょうか。
例えば前記事で「厚労相」の宮路両院副総会長と「農水相」の西川さんはそれぞれの省の元副大臣、「防衛相」の江渡前同副大臣も第1次、第2次両安倍内閣の防衛副大臣、「行革担当相」の望月さんは党行革推進本部長、「沖縄・北方担当相」の松山さんは今の山本大臣と同じく外務副大臣経験者、「復興相」の岩城元参院政審会長は今の根本さんと同じ福島出身ですが、待望組を処遇する場合にもキャリアと対応したポストに充てられることになるのでしょう。
同じく待望組に数えられる山口元首相補佐官は幹事長代行に仮定しましたが、安倍さんが総裁に復帰して以降、幹事長ラインは安倍系と石破系が互い違いに任じられていて、次の人事でもそれが踏襲されるとして、幹事長に安倍さんと近い河村さんを想定するなら、麻生派所属の一方で石破さんに近い山口さんがその候補となるのは確かでしょう。

■次の人事は、安倍さん肝煎りの集団的自衛権の議論と大きく関連していく可能性もあるかもしれません。
安倍さんは集団的自衛権を行使可能とする解釈改憲の閣議決定を6月22日までの今国会中に行う構えですが、11日7:59配信の『産経新聞』は特に参院でそれに慎重な意見が強い「雰囲気」などから、党内に「「通常国会での行使容認は難しい状況になりつつある」との認識」があることや「政府高官の一人は通常国会後の閣議決定のタイミングを模索し始めた」ことを伝えています。
閣議決定が今国会中なら、それは人事の「前」ですが、もし今国会中に実現せずに臨時国会にずれ込む(閉会中になされる可能性は低いでしょうか)などならばそれは人事の「後」ということになります。
政府は日米集団的自衛権が双務化されればそれを年内に改定されるガイドラインに反映させる方針で、それが叶えば安倍さんの最重要視する日米関係上の画期的成果となるはずであり、できるならそうしたいとすれば、「人事→閣議決定」の順序になった場合、党内をまとめ、抑えるための「集団的自衛権シフト」の構築が、人事の主眼となるケースもあり得るのかもしれません。

安倍さんは2月28日夜にいずれも参院議員で側近の世耕官房副長官、ともに額賀派の吉田参院幹事長代行および石井副幹事長と会食していますが、集団的自衛権に慎重な発言を重ねている脇さんや、11日7:55の『産経新聞』がその「背後に…影がちらつく」とする青木元参院議員会長は参院額賀派出身の実力者であり、安倍さんや世耕さんが吉田さんや石井さんと気脈を通じることには、参院の慎重派に対抗する狙いがあったかもしれません。
参院の慎重派を懐柔して「集団的自衛権シフト」を敷くには、入閣待望組に数えられる脇さんの入閣や、現在3人の参院からの閣僚を前記事では5人としたように「参院枠」を拡大することが考えられるでしょうか。
また、慎重意見を受けて集団的自衛権問題を党内で議論する場として総裁直属の組織を新設することが決まっていますが、8日の『朝日新聞』朝刊はそのトップについて安倍さんは高村さんを「念頭」していることを伝えています。
長州閥の重鎮で安倍さんと親しく、大島派の前会長であり、外相や防衛相を歴任した高村さんは「「必要最小限度の行使は憲法の解釈変更で認められる」との考えで、首相の主張に理解がある」とされるほか、党では外交再生会議の議長を務めていて、安倍さんが集団的自衛権という外交・安保関連の新組織のトップに考えたとしても、怪しむに足りません。
ところで、閣議決定の後には自衛隊法の改正が必要であるため党総務会でも議論はなされるはずですが、防衛庁長官を二度務めている額賀さんを総務会長に想定するのや、高村さんと同じ大島派で安保政策通の江渡さんを防衛相に仮定するのは「集団的自衛権シフト」にも適うと言えるでしょうか。


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■第2次安倍政権として初となる内閣改造と党役員人事が今夏、通常国会閉会後もしくはそれから秋の臨時国会開会までに行われるとされて、安倍さんの党操縦の成否と相俟って注目されます。
前記事ではその要諦として、安倍さんの総裁再選と連関する「政高党低の是正」「入閣待望組の処遇」「盟友や側近の起用」の三点と「外交的メッセージ」の四つが考えられるかとしましたが、それに基づけば、新たな内閣と党の顔ぶれは例えば以下のように考えることもできるでしょうか。

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《内閣》
首相:安倍晋三(町、7)
副総理兼財務相:麻生太郎(麻、11)
官房長官:菅義偉(無、6)
総務相:石破茂(無、9)☆
外相:岸田文雄(岸、7)
法相:脇雅史(参・額、3)☆★
経産相:茂木敏充(額、7)
農水相:西川公也(二、5)☆★
文科相:石原伸晃(石、8)☆
国交相:太田昭宏(公明、6)
厚労相:宮路和明(町、8)☆★
防衛相:江渡聡徳(大、5)☆★
環境相:小渕優子(額、5)☆
復興相:岩城光英(参・町、3)☆★
国家公安委員長:世耕弘成(参・町、4)☆★
経済再生担当相:甘利明(無、10)
沖縄・北方担当相:松山政司(参・岸、3)☆★
少子化担当相:橋本聖子(参・町、4)☆★
行革担当相:望月義夫(岸、6)☆★
首相補佐官:衛藤晟一(参・二、2[衆4])
首相補佐官:萩生田光一(町、3)☆
首相補佐官:礒崎陽輔(参・町、2)
官房副長官:加藤勝信(額、4)
官房副長官:中川雅治(参・町、2)☆
官房副長官:杉田和博(警察庁)

《党役員》
総裁:安倍晋三(町、7)
副総裁:高村正彦(大、11)
幹事長:河村建夫(二、8)☆
幹事長代行:山口俊一(麻、8)☆★
総務会長:額賀福志郎(額、10)☆
政調会長:塩崎恭久(岸、6[参1])☆
選対委員長:細田博之(町、8)☆
国対委員長:佐藤勉(谷、6)
総裁特別補佐:西村康稔(町、4)☆
〈参院〉
議員会長:溝手顕正(参・岸、5)
幹事長:林芳正(参・岸、4)☆
幹事長代行:吉田博美(参・額、3)★
国対委員長:伊達忠一(参・町、3)★
政審会長:山谷えり子(参・町、2[衆1])

*敬称略、括弧内は所属派閥/グループと当選回数
*☆は新たに起用、あるいは横滑りの閣僚や党役員など
*★は衆院5選・参院3選以上で未入閣の「入閣待望組」

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■一連の報道の嚆矢となった22日17時00分配信の『産経新聞』は「菅幹事長」「甘利官房長官」との観測を紹介していますが、これについてはどうでしょうか。
「菅幹事長」「甘利官房長官」という体制は、当ブログでも安倍さんの総裁復帰により第2次安倍政権発足が現実的になったのを受けて考えられたこととして12年10月23日の記事で既に載せており、それは第2次安倍政権を中長期的に検討するとき、なおあり得ると思われますが、今夏すなわち短期的にはまだ時機ではないと考えるべきなのかもしれません。
菅官房長官は日本維新の会やみんなの党との気脈を持って、特定秘密保護法や国民投票法改正といった「安倍カラー政策」に見られるような、第2次安倍政権に特徴的な「責任野党」構想を主導しているほか、政権発足直後から一連の日本郵政幹部人事を監督して郵政民営化への反動阻止に努めるなど官邸にあって辣腕を振るっていますが、日本版NSC創設(13年12月)のような安倍さんの志向する官邸機能強化の動きを着実に前進させるには、その中核となる官房長官の異動はまだあるべきではないと言えるでしょうか。
また、甘利経済再生担当相は例えば特命として経済再生の他にTPP担当を帯びているようにアベノミクスの司令塔としての役割があって、4月1日の消費税率8%への引き上げの反動を最大限低減させねばならないという課題があり、その後第2四半期の景況が10%増税(15年10月)の是非の判断(今年末)材料となる状況では、これも今夏というタイミングでは異動されるべきではないとの判断はあり得るはずでしょう。

ところで成長戦略で安倍さんがTPPとともに重視している法人減税についても甘利さんは積極的ですが、それに関連して、2月1日の時事通信の記事は安倍さんが「議長を務める経済財政諮問会議を舞台に検討を進め、6月に方針を示す考え」「政府税制調査会には2月に議論を始めるよう指示」ということとともに、それに否定的な意見も強い党税調が「政府主導で法人税論議が進みかねないと危機感を抱き、例年秋に始める税制論議を大幅に前倒しする」ことを伝えています。
ここにはもはや今の党内に明らかな「政高党低の限界」を見て取れますが、この法人減税に関する政府方針の示されるのが「6月」で、それから秋・年末に向けて議論されるという日程も、甘利さんが留任し政府にあって強力な旗振り役となるべきことを考えさせます。
党税調でそれぞれ会長と小委員長代理の野田元自治相と宮澤参院政審会長代理がともに旧大蔵省出身であるのと符合するように財務省も法人減税に慎重ですが、上の時事通信の記事は、その財務省を率いる麻生副総理兼財務相は「首相との全面対決を避けたい意向とみられる」と伝えています。
すなわち、麻生さんは「党税調幹部と足並みをそろえて慎重論を唱えてきた」ものの「首相の指示を受け、スタンスを微妙に修正し始め」て、1月28日の会見では「財政への悪影響」とともに「それなりのメリット」にも言及した、というのがそれですが、消費増税、法人減税ともでスタンスが正反対の安倍さんとは元来距離のある財務省にとって、安倍さんの盟友にして首相経験者である麻生さんが副総理を兼ねて臨んでいることは強力なプレッシャーとなっていることは間違いないでしょう。
また本田内閣官房参与が10%増税について1月15日に「判断を先送りすることもあり得るとの認識を示した」(ロイター、14.1.16-12:03)ように、それが全く既定路線ではない状況では、元来消費増税に慎重な安倍さんが仮にそれを「先送りする」場合、財務省を抑えるのには麻生さんの存在感と手腕は不可欠です。
安倍さんは、消費増税を実現させるなど民主党政権に大きな影響力を及ぼしてきた財務省を抑えることに首相復帰直後から腐心していると言え、超重量級閣僚としての麻生さんのほかに副大臣には麻生さん側近の山口元首相補佐官と麻生内閣で入閣していた小渕元少子化担当相という8選のベテランと閣僚経験者を充て、小泉政権の首相秘書官として「構造改革を支えた」(『PRESIDENT』09.8.31)元財務次官の丹呉内閣官房参与を官邸に起用、政権発足まもなく焦点となった日銀総裁人事では財務省の推す武藤元副総裁を早くから排していたとされますが、13年9月30日に「麻生人脈」の両副大臣から交代した古川財務副大臣が安倍さんの側近であることも、翌10月1日に8%増税が決定して財務省が「勝利」するのと同時というタイミングで安倍さんが財務省に踏み込み、釘を指したものだったかもしれません(もう一人の愛知財務副大臣も参院3選のベテラン)。
そのように、例えば法人減税問題で、安倍さん甘利さん菅さんは積極的、財務省を率いる麻生さんは否定的というのが原則的な構図だとしても、しかし麻生さんは組織的には財務省にあっても属人的には安倍官邸と連携していて近いのであり、政権に亀裂が生じるということはあり得ないでしょう。
安倍首相、麻生副総理兼財務相、菅官房長官、甘利経済再生担当相という政権中枢の「黄金カルテット」は、安倍さんが首相でいる限り、ポストの異動は一部あったとしても、一体的にあることが望まれ、また実際にそうなることでしょう。

■麻生さんはもちろん、菅さんと甘利さんも今夏はまだそれぞれ現職に留任するのが相応しいとして、では第2次安倍政権を中長期的に検討したときに考えられる「菅幹事長」「甘利官房長官」という体制はいつあり得るかと言えば、その可能性が一番高いのは15年秋すなわち安倍さんが今の総裁任期を満了して総裁選で再選された時であるとすべきでしょうか。
第2次安倍政権は、12年9月に総裁に、同年12月に首相に復帰した安倍さんが総裁にあれる18年9月まで、最長で5年9ヵ月(残り4年半)続くことになりますが、菅さん甘利さんともに政権を通じて要職にあることが期待されます。
菅さんがいずれ幹事長に異動するとしてそれが今夏だった場合、21日の記事で指摘したように任期は今の石破幹事長の残任期間である9月までの僅か2〜3ヵ月となるため、9月の定例人事でも再任されて2期目も務めることになるのは確実でしょう。
ところで、1期1年の幹事長に同一人物が長期に就く例はあまりなく、01年4月に発足した小泉政権以降の13年間で幹事長はのべ11人、最も長く務めたのは山崎元副総裁で3期2年5ヵ月、次いで武部元幹事長と石原環境相が2期2年、今の石破さんが2期1年9〜10ヵ月(常会閉会後まで在任した場合)で、他は1年以下。
それに鑑みれば、菅さんが仮に今夏幹事長に転じた場合、山崎さんのように3期(2年2〜3ヵ月)務めても16年9月、異例に4期(3年2〜3ヵ月)務めても17年9月には退任する公算で、今の党則的に第2次安倍政権の「限度」である18年9月には1〜2年満たないことになります。
もちろんその後副総裁に昇格したり、内閣に復帰することも考えられますが、政権の支柱として党内外ににらみを利かすためには、党においては副総裁に「棚上げ」されるより幹事長にあった方が好都合でしょう。
また、内閣でなら特定の省庁に拠る一閣僚より官邸にある官房長官が最も適うとすべきですが、一旦閣外に去って再び官房長官に復帰するのは不自然だとすれば、今の官房長官ポストに「限界」までめいっぱい配し、それを迎えたときに幹事長に異動するのが、安倍さんにとっては菅さんという「強いカード」の最も合理的な切り方だと言えるでしょうか。
そして、その「限界」と重なるのが、政権の折り返し地点となる次期総裁選の行われる15年9月というタイミングで、すなわち菅さんは官房長官をそれまで2年9ヵ月在任して幹事長に転じ、それを3期3年務める、という見通しは十分成り立つと考えられるでしょう。
安倍さんは次期総裁選で再選(無投票の可能性も高いでしょう)されるものと思いますが、その場合直ちに内閣改造と党役員人事に踏み切るはずであり、「菅幹事長」「甘利官房長官」の体制はその時誕生することになるのではないでしょうか。

麻生政権で党選対副委員長を務めた菅さんは既出22日の『産経新聞』によれば「幹事長として、国政選挙を仕切りたい気持ちが強い」とされるとされますが、16年7月には参院選あるいは衆参同日選があるのであり、その10ヵ月前の15年9月というのは、菅さんが「選挙を仕切」るべく幹事長に就任するタイミングとして相応しいと言えるでしょう。
第2次安倍政権下の官邸では、民主党政権期の財務省に代わって、TPP推進や法人減税などの経済政策、原発維持などのエネルギー政策を共有する経産省が存在感を持ち、今井、柳瀬両首相秘書官を輩出、山田首相秘書官も総務省から経産省に出向していることが知られ、長谷川首相補佐官もOBですが、第1次安倍内閣で経産相を務めていて財界とも近い甘利さんは、それら政権中枢の「経産省ルート」の最大の後ろ盾であるかもしれません。
なお、党内第二派閥の額賀派の実力者として将来の首相候補の茂木経産相や、旧通産省出身の安倍さん側近で次世代保守派のリーダーとしてやはり将来の首相候補の西村内閣府副大臣も政権内で経産省ルートに連なると言えるでしょう。
官邸に存在感を持つ経産省と関わりのある甘利さんは、官邸を取り仕切る官房長官には、菅さんに匹敵する適任者であると言えるでしょうか。
それらの点からも、長期政権運営の上では人事が不可避の中で、安倍首相、麻生副総理兼財務相、「菅幹事長」、「甘利官房長官」という体制が例えば15年9月あるいは今夏など将来的に満を持して築かれたとしても、「黄金カルテット」によるそれの今と同じような実力と安定は、既に確約されて疑いないでしょう。


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■22日17時00分配信の『産経新聞』の記事以降、次の内閣改造と党役員人事に関する報道が相次ぎましたが、その一つ25日10:42配信の時事通信の記事は、「党内では官邸主導による政策決定の在り方に不満が募っていること」と「入閣待望組からは改造を急ぐよう求める声が高まりつつある」ことを指摘しています。
そのうち「政高党低」とも称される官邸主導への「不満」に関連して、21日の当ブログの記事では、13日の総務会で解釈改憲に関する安倍さんの国会答弁への批判が起こったことに触れましたが、他にも、(a)1月21日にやはり総務会で政府の「産業競争力強化に関する実行計画案」が「事前に内容の説明がなかったことに党側が反発し、「門前払い」に」されたこと(時事通信、14.1.21-17:25)や、(b)13年12月に14年度診療報酬改定について実質プラスを求めた党が「増え続ける医療費の抑制を目指す財務省」を含む政府に「圧力を強め」た(『産経新聞』13.12.18-14:21)ことも、同様の事例として挙げてよいでしょう。
そのうち(a)について、「計画案の中身への異論は党内にはな」いのだといい、総務会が反発したのは全く政府の対応つまり官邸主導や政高党低に対してであったことが明らかです。
(b)では高市政調会長が同月16日に加藤官房副長官のパーティーで「官邸とガチンコ勝負の場面」に言及して「政府側を強く牽制」、翌17日には松本国対筆頭副委員長とともに官邸を訪れて安倍さんに「直談判」していることや、政府でも田村厚労相が「党側の強い意向を受け」て麻生副総理兼財務相と折衝したことが知られますが、党のこうした姿勢は「自民党に太いパイプを持つ日本医師会など医療系の業界団体が…党に対する働き掛けを強めているからだ」とされます。
確かに、13年参院選で25万票を得て自民党から比例区で初当選した羽生田参院議員は日本医師会出身であるほか、内閣にあって党に同調した田村さんはHPによれば党政調の厚労部会長や衆院厚労委員長を、自ら薬剤師である松本さんもHPによれば党政調の厚労副部会長や衆院厚労委員長を歴任しているのであり、そのような厚労行政に通じた議員が党で影響力を発揮したことは、そうした展開の背景となったのでしょう。
また、高市さんと加藤さんはともに安倍さん側近であり、高市さんは(a)からまもない10日の国会質問での発言から政高党低を「容認するかのよう」(時事通信、14.2.10-21:10)だとされたこともありますが、しかし一方では両者は安倍さんに「厚生労働の専門家」(ダイヤモンド・オンライン「論争!日本のアジェンダ第5回」12.3.15)とも評されているのであり、(b)では党でその立場で行動したということになるでしょうか(なお診療報酬は12月20日18:55の『産経新聞』によれば「全体で0.1%引き上げ」られたものの消費増税によるコスト増で「「実質」の改定率は1.26%マイナス」で決着)。
高市さんの党での「厚生労働の専門家」としての行動については14日22:52配信の『毎日新聞』が、「医療関連法案を与党の了承後、政府が法案の一部を修正していたことが発覚」した際「「絶対看過できない」と抗議し、法案を原案通りに戻させる一幕もあった」と伝えるのも紹介できるでしょう。
そのように、安倍さん側近として政府に近いと同時に党四役の一人でもある高市さんが後者の立場をしばしば優先しているのには、政高党低に対する党内の不満が圧力として影響しているためかもしれません。

政高党低の限界が多くの分野で見られるようになってきているのは多分に人事の停滞によるものであって、必ずしも純粋に政策論によるものでないケースもあるかとも考えられるのであり、このタイミングで人事に言及したことは、それを宥める対症療法的な狙いによるものだったのでしょう。
安倍さんが28日夜に世耕官房副長官や石井副幹事長と会食して「人事について「通常国会が終わったらすぐか、臨時国会前のどちらが良いか悩んでいる」と述べ」(時事通信、同日23:42)たというのには、党を主導的に操縦しようとの意思がよく表れていると言えるでしょう。
そうだとすれば、次の人事は再三指摘しているように政高党低の是正が印象づけられる体制、具体的には派閥に立脚して閣僚や党役員を経ている重鎮が党四役に入った体制が構築されることになるのではないでしょうか。
第2次安倍政権は発足時に石破幹事長のほかに細田同代行、野田総務会長のほかに同代行として二階元総務会長、政調会長の高市さんのほかに衆院からは塩崎、棚橋両政調会長代理がそれぞれ置かれたように、無派閥の役員の下に派閥の実力者や閣僚経験者が就いて言わば分子(上)が分母(下)より小さい「真分数」のような従来とは逆転した体制が特徴でしたが、今度は実力者が順当に役員に就く「仮分数」のような構成になるのでしょう。

■さて、続いてある「入閣待望組からは改造を急ぐよう求める声が高まりつつある」との指摘については、脇参院幹事長が1月19日に「人事は組織を活性化していく上で極めて大事だ」と「閣僚の異動」に言及(『産経新聞』14.1.19-17:59)したのを例えば挙げられます。
「入閣待望組」すなわち閣僚を経ていない議員は現在、衆院5選以上が9選の逢沢元国対委員長をはじめ43人、参院3選以上が4選の世耕さんや3選の脇さんなど15人、参院では当選1回ながら衆院で5選以上している議員が衆院7選の木村元厚労副大臣、同6選の柳本元副幹事長、同5選の金子前総務会長代理の3人で、計61人。
冒頭の22日の『産経新聞』は党内に鬱積する不満の一因となっている人事のそうした「滞留」の理由として「民主党が3年3カ月にわたり与党だったこと」などを指摘していますが、未入閣議員のうち例えば8選の山口元首相補佐官は麻生さんの側近であり、先の自公政権が続いていて「麻生改造内閣」で閣僚となっていた可能性もあるとすれば(同じ麻生派所属でともに90年初当選、2歳年長の森元法相は麻生内閣で初入閣)、それは「民主党が…与党だったこと」すなわち自民党が野党となったことの影響を最も直接に受けた例だと言えるでしょうか。
また「民主党が…与党だった」間落選していた8選の宮路両院副総会長(民主党政権最末期12年11月に補選で勝利して国政復帰)と7選の坂本元国対筆頭副委員長や、逆に09年総選挙では当選して6選、野党時代に党役員を歴任したものの12年総選挙で引退した田野瀬元総務会長が入閣していないこと、先の自公政権期にも総裁候補だった谷垣法相にいずれも近く、自公政権が続いていて「谷垣内閣」があれば入閣していたとも考えられる9選の逢沢さんや7選の山本公一元総務副大臣、6選の遠藤元幹事長代理と今村副幹事長が未入閣であることも、類似のパターンでしょう(そのうち山本さんについては12年7月13日の『朝日新聞』朝刊が関係企業への国や地元愛媛県からの補助金について報じたことも影響するでしょうか)。
さらに、野党時代には古賀派として総裁派閥だった岸田派に、6選の未入閣議員の1/3に当たる4人、望月元国交副大臣、山本幸三元経産副大臣、宮腰元農水副大臣、竹本元財務副大臣が含まれることも無関係ではないでしょう。

ところで、入閣は一人一回と決まっているわけではないので潜在的な「入閣待望組」には閣僚経験者も含まれて、未入閣の61人を上回ると考えるべきかもしれません。
上述13日の総務会で首相答弁を批判したとされて党内の不満を体現した格好になった9選の村上元行革担当相と14選の野田元自治相、10選の船田元経企庁長官はいずれも閣僚経験者ですが、最後に入閣してからそれぞれ8年、14年、20年以上を経ているのであり、そのことからは、党内には言わば「再入閣待望組」とも言うべき層があることを連想・仮定できるでしょうか。
5年5ヵ月続いて一時代となった小泉長期政権の終わった06年9月を例えば一区切りとして、同時に成立した第1次安倍政権以後閣僚から遠のいている「再入閣待望組」は党内に16人(衆院議員は12人)おり、そのうち8選の中谷特命担当副幹事長や6選の棚橋さんと伊藤元金融担当相など50代の議員などは特に実質的な「入閣待望組」と見なすべき状況もあるいはあるのかもしれません。

なお、村上さんは13年11月26日の特定秘密保護法案の衆院本会議採決を退席している(『産経新聞』同日23:22)ほか、政権の原発政策にも批判的で25日の総務会では原賠機構法改正案の採決を退席(時事通信、同日13:12)していて確信的な遠心力も感じられます。
その理由は明確には不明ながら、今の大島派が高村派だった頃に派閥を退会していることから、安倍さんを支えている高村副総裁とは今は距離があるとすれば、それは一連の行動に符号するでしょう。
一方、野田さんについては13年9月末の復興特別法人税の前倒し廃止の議論で政府に歩調を合わせ、否定的だった党税調をその会長として抑えて一任を取り付けるなど政府に協力した(『産経新聞』13.9.26-11:10)ことを挙げられます。
安倍さんや甘利経済再生担当相の肝煎りの法人減税には党税調や財務省が否定的で、税調顧問の高村さんも安倍さんと同じ長州閥の党役員ながら1月29日に「今じゃないでしょ」(『日経新聞』同日11:34)と述べているように難航が予想されますが、復興法人税廃止の議論で野田さんの尽力により政府の方針が通ったことは今後の税制論議における政府と党の関係について大きな示唆となったはずであり、野田さんの手腕と協力を必要とする局面がまた訪れる可能性は高いとすべきでしょう。
また、船田さんは1月28日に党の改憲推進本部長に同代行から昇格していますが、前任で衆院の憲審会長を兼ねていた保利元政調会長は退任の理由として「中立性を保つため」としていたのであり(『日経新聞』同日19:18)、党の役職にある船田さんの発言にも、憲法論議において政府や党、国会を区別しようと意識した政策論としての側面があったと考えるのが自然であるかもしれません。
従って、13日の総務会で憲法問題ではたまたま同調した村上さん、野田さん、船田さんをその発言一つによって同列に位置づけるのはおそらく不適切なのであり、安倍さんとの距離感はむしろ三者三様であると考えるべきなのでしょう。

■安倍さんや菅官房長官が意識するのは以上のように「政高党低の是正」と「入閣待望組の処遇」であるかとは考えられるでしょうが、そのような党操縦は、都度述べているとおり15年9月の総裁再選への布石にもなるはずでしょう。
またそのように党への配慮は示されるだろう一方で安倍官邸の主導権を確保するためには「盟友や側近の起用」も必要なはずで、それらの三点が要諦になろうと言えるでしょうか。

ところで「与党内には…「政高党低」への不満も募っており、足並みの乱れも顕在化してきた」と伝える14日22:52配信の『毎日新聞』は、12日の谷垣グループの会合で谷垣さんと逢沢さんから「停滞する対中韓外交を念頭に」した「首相と距離を置く発言」があったことを伝えています。
谷垣さんは解釈改憲に関する安倍さんの上述の答弁については14日に「「首相がリーダーシップを取って…議論を進めていくことは十分あり得ることで、否定されるべきものではない」と述べ、首相を擁護し」(時事通信、同日12:08)ていますが、谷垣さんは閣僚であると同時に親中リベラルの重鎮でもあるのであり、12日のやり取りは後者、14日の発言は前者の立場でなされたものだったのでしょう。
それはすなわち中韓との外交の「停滞」は党内的には政権の不安要素であることを物語っていると言え、12日のやり取りを看過せずに党運営に敷衍すれば、次の人事においては対中韓外交も配慮されるテーマになる可能性を指摘できるでしょうか。
対中韓関係の悪化はアメリカの対日不信と日本の外交的孤立に繋がるため、その改善は安倍さんももとより模索していることであり、例えば岸田外相や中国通の高村さんを再任し、韓国通の額賀元財務相と河村選対委員長も要職に起用されれば、それは政権からの対外的なメッセージになるでしょう。
特に高村さんと河村さんは安倍さんと同じ長州閥の重鎮でもあり、外交人脈と併せて、その存在感は大きいでしょう。


(R)

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