全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

政高党低の限界 ケータイ投稿記事

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

■国会では、集団的自衛権の行使を解禁しようとする解釈改憲に関する与野党の論戦が展開されていますが、13日12:59配信の時事通信社の記事によれば、前日12日、安倍さんが民主党の大串政調会長代理の質問に答えて「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁について私が責任を持って、その上で選挙で審判を受ける」と述べたことに、野党だけでなく与党内からも批判が上がっています。
すなわち13日の総務会では村上元行革担当相や野田元自治相、船田元経企庁長官などが批判的な考えを示し、野田総務会長がそれらを「首相に伝える」としたとされますが、これは憲法論という個別の政策論=各論というよりむしろ、第2次安倍政権の発足以来続く「政高党低」とも呼ばれる政府・官邸と与党の関係性に対する不満が表れたものだと、総論として受け止めるべき出来事だったとせねばならないのでしょう。

政府・官邸あるいは党執行部と与党の関係は変転を繰り返しており、例えば森元首相が00年4月、小渕元首相の健康問題悪化という緊急時に自身と青木、村上両元参院議員会長、亀井元建設相、野中元官房長官といった実力者の調整で首相となったともされる森政権や、07年9月に安倍さんが第1次政権でやはり健康問題により辞任した際、党内各派閥が当時幹事長だった麻生副総理を排して連携、福田元首相がそれに擁立された福田政権などは自ずと、党に比重を置いて立脚し、官邸の主導権はその分だけ相対的であったと言えます。
逆に、01年4月から06年9月まで5年5ヵ月の長期に渡り首相を務めた小泉元首相が世論の圧倒的な支持を基盤とし、同じ派閥の森さんや参院の青木さんと気脈を通じつつ一方で野中氏や今の維新の藤井国会議員団総務会長などを「抵抗勢力」として圧迫、人事でも派閥の推薦を受けない一本釣りを旨とした小泉政権では、官邸が党に対して優位であったことは明らかでしょう。
また、そういう変転は同一政権内で起きることもままあり、例えば官邸主導を志向した第1次安倍政権では07年参院選での敗北を境に、それまで菅官房長官や塩崎政調会長代理、中川元財務相、下村文科相や世耕官房副長官といった盟友や側近を要職に多く充てていたのを転換し、町村元官房長官や額賀元財務相、二階元総務会長、高村副総裁といった各派閥の会長や実力者、与謝野元官房長官などの長老を軒並み閣僚や党役員に起用したのは、政権の体力が低下して党に対する官邸の主導権が後退した結果だったことも明らかでしょう。
最近では野党時代、09年9月から12年9月にかけて谷垣法相が総裁であった時期に、09年と10年の人事では川崎元厚労相や逢沢元国対委員長といった側近、あるいは石破幹事長や小池元総務会長といった派閥と距離のある実力者を党役員に抜擢して脱派閥と総裁主導権の強化を図り、参院でも10年議員会長選挙で町村派の谷川元幹事長を破った中曽根前議員会長が山本沖縄・北方担当相や小坂元幹事長を役員に充ててそれに呼応する格好になったものの、11年には町村、古賀、額賀三派が巻き返して伸張し、谷垣さんや中曽根さんの主導権が低下。
その結果、石破さんと小池さん、逢沢さんは政調会長と総務会長、国対委員長を、参院でも山本さんと小坂さんが政審会長と幹事長を退任し、後任にはそれぞれ額賀派の茂木経産相、町村派の塩谷元総務会長、古賀派(今の岸田派)の岸田外相、町村派の岩城元参院政審会長、古賀派の溝手参院議員会長といういずれも大派閥の実力者や長老が代わったことを挙げねばなりませんが、これは、翌12年の総裁選で当時幹事長だった石原環境相が古賀、額賀両派に擁立されて執行部からの候補となり、谷垣さんが立候補断念に追い込まれたことの伏線だったのであり、安倍さんの今の総裁任期満了を16年9月に控えて、党運営に関する重大な示唆とせねばならないのでしょう。
そのように、ある組織においてトップと実力者の角逐で権力のバランスが変転することは政治史上しばしば見られるのであり、例えば11世紀初頭の日本では摂関家出身の藤原道長が三条天皇や皇太子敦明親王を圧迫して退位や廃太子に追い込み、逆に12世紀前半には、天皇家の家長として院政を敷いた白河法皇が関白藤原忠実を更迭したことが端的でしょう。
またヨーロッパなら13世紀半ばのハンガリーでアールパード家の治世末期、アンドラーシュ2世、ベーラ4世父子の時代に大貴族が台頭して以降王権が相対化し、有力諸侯が自立して王国が事実上分裂した後、14世紀に成立したフランス由来のアンジュー家のカーロイ1世、ラヨシュ1世父子が新興貴族を重用しながら地方君侯を打破して王権強化を実現したことなどを挙げてよいでしょうか。
そして翻って現代日本で、日本版NSCを創設するなど官邸主導志向の安倍さんは、上の例で言えば白河法皇やアンジュー家のハンガリー王のように主導権を確立したいタイプのトップであるということになりますが、トップの求心力の強弱は古今東西で揺り戻しの連続なのであり、俯瞰すれば、安倍さんも現代日本の首相として、そういう政治史上の最前線に立っているということなのでしょう。
その揺り戻しという模索を通して、政府・与党関係を最適化することが、政権の安定ということかもしれません。

■それに通じるものとして挙げられるのは、13年9月6日0:48配信の『産経新聞』にある「歴代首相の多くは定期的に内閣改造・党役員人事に踏み切ることで党内を掌握してきた」との指摘でしょう。
1月19日には参院の実力者である脇幹事長が「人事は組織を活性化していく上で極めて大事だ。閣僚の異動を少し考えた方が、トータルとしては力が上がっていく」(『産経新聞』14.1.19-17:59)と述べていますが、今の常会が終われば、6月末から7月中にも内閣改造と党役員人事が行われる可能性は高いでしょう。
昨年9月に副大臣・政務官人事と、石破さん側近の鴨下幹事長補佐が体調不良により国対委員長を辞任したのに伴う玉突き人事は行われたものの、12年12月末の第2次安倍内閣の発足以来、閣僚と党四役の人事はこれまで行われておらず、それが常会閉会後だとすれば、次の人事は実に1年半以上ぶりのものということになります。
ところで、今の党四役の任期は9月までであり、常会閉会後の6月末か7月中にその刷新があっても、新役員の任期は前任者の残任期間で僅か2〜3ヵ月程度となるため、9月にはその顔ぶれがそのまま再任されることになると考えられるでしょうか。
すなわち、今夏にも予想される次の内閣改造と党役員人事は15年4月の統一地方選と、同年9月、安倍さんが再選を目指す次期総裁選の前では最後の主要人事となる可能性が高いと考えるべきかもしれません。
そうだとすれば安倍さんはそこで築いた体制で党内外の選挙に臨むことになるのであり、次の人事では統一地方選対応と総裁再選戦略が二大テーマとして念頭されることになるかとは、十分考えてよいでしょう。
また上述のように党内では政高党低状態が限界を迎えつつあって不満が鬱積しているのであり、そういう政府・与党関係を微調整して是正することも狙いとなると考えられますが、それは党内を意識したものという点で、総裁再選戦略と関連していくと言えるでしょう。

統一地方選については党で幹事長や同代行、選対委員長の人選に注目されますが、今の幹事長の石破さんは在任が既に1年5ヵ月、夏には1年9ヵ月ほどの長期になるため、次は退任して重要閣僚(総務相など)として入閣することが考えられるでしょうか。
保守政策を共有する石破さんは、ただちに次期総裁選に挑戦することは考えづらいものの依然将来の首相の有力候補としての存在感があるのであり、引き続き処遇していくことは政権の体力強化に繋がるでしょう。
また、安倍さんと同じ町村派出身の細田幹事長代行と長州閥の河村選対委員長はいずれも選挙通の長老であり、引き続き党の要職に就くことを期待したいと思います。
河村さんは安倍さんが首相に復帰した12年12月から今の選対委員長の地位にありますが、ホームページによればその前にも選対局長や同代理を務めているため、09年10月以来4年5ヵ月以上、選挙実務に当たっていることになり、統一地方選を来春に控えて、安倍さんと近い選挙通として、幹事長候補の最右翼であると言ってよいのではないでしょうか。
細田さんは選挙制度改革の作業に当たっているほか、麻生政権で党幹事長を務めていた際、選対委員長だった古賀元幹事長が、当時の宮崎県知事の東国原前衆院議員の総選挙への擁立工作の失敗や09年7月の東京都議選敗北で辞任したのを受けて急遽その職務を引き継いだ経験があるのであり、今回は満を持して選対委員長を任されることもあるかもしれません。
河村さんと細田さんは自民党が下野した09年総選挙の際の麻生政権で官房長官と党幹事長を務めたコンビですが、当時は当初から自民党の劣勢で敗北は既定的だったのであり、改めて両者が選挙実務に当たり、今度は然るべき状況で手腕を発揮することが期待されます。
さて、次いで幹事長代行には山口元首相補佐官が想定できるでしょうか。
当選8回ながら閣僚や党四役ないし三役に列んだ経験がなく、次の人事で処遇される候補であると考えられる山口さんは、そのホームページによれば12年10月に選対局長代理に就いていますが、当時の局長は河村さんであり、河村さんが幹事長、山口さんが同代行となってその際のコンビが再現されるのであれば、意思疎通は確実だと言ってよいかもしれません。
ところで、12年総裁選で安倍さんと石破さんが決戦投票を争って以来、党では幹事長ラインが安倍系と石破系のたすき掛けになっていますが、上述のように石破さんが幹事長を退任して入閣する可能性が高く、安倍さんに近い後任がそれに代わるとすれば、幹事長代行は安倍カラー政策で連携する石破さんを尊重するためにも石破系から起用されるべきだと考えたいところです。
ここで山口さんは麻生派に所属していると同時に、さわらび会や無派閥連絡会にも参加し12年12月の組閣では石破さんが総務相に推したように石破さんにも近いのであり、そういう立ち位置に照らしても、幹事長代行候補に挙げてよいと言えるでしょう。

現在、政高党低と称される状況を具体的に指しているとされるのは、幹事長の石破さんが無派閥や中堅・若手世代の議員からの支持が厚く、発言力のある重鎮や長老、派閥と距離があること、また総務会長の野田さんと高市政調会長もいずれも無派閥で主要閣僚の経験がなく党役員就任が初めてであることなどでしょう。
すなわち逆に言えば次の人事では党四役には派閥に基盤があって閣僚や党役員の経験のある重鎮や長老を充てることが、政高党低の是正ひいては党内の不満解消と安倍さんの総裁再選戦略に繋がるという構図がある、と考えられるでしょうか。
また、党内各派閥をはじめとする各勢力から遍く閣僚や党役員を起用することも要諦となるでしょう。
それらの観点から例えば、大島派出身の長老で副総裁の高村さんと、谷垣グループ所属で国対経験の長い佐藤国対委員長は再任、幹事長と同代行には上述のとおり二階派の河村さんと麻生派で石破さんとも近い山口さん、選対委員長には町村派で幹事長経験者の細田さん、また総務会長には額賀派会長で政調会長経験者の額賀さん、政調会長には岸田派の塩崎さんがそれぞれ起用されると考えるとすれば、それは派閥勢力との距離感や各派閥のバランスに適い、重厚感もある体制だと言えるでしょうか。
また安倍さんの側近である萩生田総裁特別補佐も13年1月以来の在任であり、例えば次は首相補佐官や文科副大臣などとして政府に入り、後任には西村内閣府副大臣が代わることも考えられるでしょうか。
西村さんは町村派所属、安倍さん側近として次世代保守派のリーダーで将来の首相候補ですが、第2次安倍内閣の発足した12年12月から既に長く現職にあり、台頭していく過程で、次は活躍の舞台を党に移す可能性が高いかもしれません。
政高党低を是正したとしても、高村さんや河村さんなどの長州閥の長老、塩崎さんなどの盟友、西村さんのような側近の協力を得て布石とすれば、安倍さんが党に対して官邸主導を確保することは依然可能でしょう。


(R)

地方選展望 ケータイ投稿記事

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

■安倍政権への信認を問われる中間選挙の性質を帯びた東京都知事選が9日に迫っていますが、その翌々週23日には安倍さんのお膝元、山口県で知事選があります。
それは、1月14日に健康問題で辞任した山本前知事の後任を決める選挙で、自民党と公明党は総務省出身の村岡嗣政さんを擁立して推薦。
一方民主党は自主投票を決めて不戦敗が既に確定しており、安倍政権・自民党にとっては舛添さんの優勢が伝えられる東京に続いて山口でも勝利して、都道府県知事選の連勝も見込めるということになります。
野党陣営には15年4月の統一地方選を焦点にした野党再編の動きがありますが、今回の都知事選と16年7月の参院選のちょうど間にある統一地方選は、政権の命運にとって重大な「第二の中間選挙」と位置づけるべきでしょう。

その統一地方選に関して、与野党対決型となりうる大型選挙は1月9日の記事で指摘したように例えば北海道と三重の知事選および札幌市長選が挙げられます。
北海道では3期目の高橋知事、三重では1期目の鈴木知事がいずれも自民党推薦ですが、都道府県知事選では現職が圧倒的に有利であるため、両者が続投を目指すとすれば、自民党は北海道と三重では主導権を持つことも期待できるかもしれません。
札幌市長選について、党札連は1月16日、前回選挙に続き総務省出身の本間奈々さんを推薦候補に決めていますが、同日22:06配信の『毎日新聞』によれば市経済界の一部には秋元副市長の推薦を求める意見があったとされます。
この「混乱」により、橋本前参院政審会長が22日に札連会長を辞任、後任には橋本さんの所属派閥会長でもある党重鎮の町村元官房長官が2日、19年ぶりに再登板していますが、1月18日10:21配信の『読売新聞』によれば、本間さん擁立を主導したのが町村さん自身であるのだといい、札連は市長選に臨む体制を強化したと言えるのでしょう。
北海道においては、知事選では03年4月以来高橋さんを擁する自民党が強いものの、07年と11年の過去2回、統一地方選の中で知事選と同日に行われている札幌市長選は同年6月以来3期連続当選の現職の上田市長を推薦してきた民主党が制しているというように、自民党と民主党が知事と札幌市長を分け合う状況が続いています。
すなわち自民党にとってはその「バランス」を崩すことが北海道における悲願であろうと思えますが、本間さんを推す町村さんも「上田市政と対決してきた自民党が、(上田市長の側近である)秋元氏に乗っていいのか」(同上『読売新聞』)と強硬論を主導しているのであり、民主党が12年総選挙では道内全12選挙区で敗れるなど、元来強い北海道においても党勢を低迷させている現状は、市長選でのその連勝を止める好機であると言えます。
町村さんは札連会長就任に当たって「受けた理由はただ一つ。次の市長選で勝つため」(『読売新聞』14.2.3-10:24)と語って上田市政打倒に強い決意を示しており、15年4月の札幌市長選は統一地方選の中でも党を挙げて当たるべき総力戦となるのではないでしょうか。

■それらを含む統一地方選に先んじて、今年11月に福島と沖縄の各県知事選、15年2月には愛知県知事選も行われます。
福島の現職、佐藤知事は現在2期目、民主党の元参院議員で、06年知事選には民主党などの推薦を得て臨み、自民党推薦の森少子化担当相を破って初当選。
13年12月31日16:37配信の時事通信の記事によれば自民党は前回10年の選挙ではその支援に回ったものの、次回については「同氏が立候補する場合は対立候補を擁立すべきだとの声が強まっている」とされます。
沖縄では2期目の現職の仲井真知事が元来自民党系で普天間基地について昨年12月には名護市辺野古への移設を容認して政権と歩調を合わせているものの、1月10日に県議会が知事辞任要求決議を可決しているのに加え、高齢で体調問題もあることを考えれば3期目を目指すか不透明だと言え、また1月19日の名護市長選で自民党の推した末松前沖縄県議が敗れていることも考慮する必要があるでしょう。

愛知では、1期目の現職で1月31日8:03配信の『読売新聞』によれば「再選を目指すとみられる」という大村知事の任期満了までが残り1年。
かつて自民党の衆院議員であった大村さんは11年2月の前回知事選に「党県連の方針に反して立候補し、除名処分となった」経緯がありますが、民主党出身の地域政党「減税日本」代表で、同日に出直し市長選に臨んだ河村名古屋市長と協力関係を築き、自民党の支援した候補(今の重徳維新衆院議員)を大差で破って初当選。
地域政党「日本一愛知の会」代表でもある大村さんはその後、大阪市長で当時大阪維新の会代表だった維新の橋下共同代表や河村氏と並んで有力地方首長の代表格となり、12年2月10日の記事で述べたように、当時の石原新党構想にも積極的な姿勢を見せていました。
同年11月の衆院解散までに石原新党構想とそれら有力地方首長の間には活発な離合集散が見られ、その中から、今の維新の石原共同代表が率いた旧太陽の党と橋下さんの大阪維新が合流して日本維新の会が結成されましたが、その過程で、当初旧太陽との合流に積極的だった河村さんの減税日本が弾き出されることになりました。
12年11月21日2:30配信の『毎日新聞』によると大村さんはそれに先んじる8月に「維新との連携を視野に」中京維新の会を設立したことで河村さんとの「仲が決裂」していたものの、その頃には「2人の仲は回復基調」にあり、大村さんは河村さんとの盟友関係を重視し、石原新党構想からの「河村外し」を契機に日本維新の会の顧問を辞任。
そうした関係から来年の知事選では河村さんが大村さんを応援することが考えられますが、自民党は大村さんにどう対応することになるでしょうか。
実は13年参院選に愛知県連会長も務めた党参院の実力者、鈴木元官房副長官が出馬せずに引退したのは、12年6月11日の記事に既に記したように「知事選などで悪化した大村秀章知事や県連幹部との関係が修復できないことが背景に」(『読売新聞』12.5.30-7:19)なったとされるのであり、自民党出身であるとはいえ除名されている大村さんとの付き合い方は、都知事選で、ちょうど同じように野党時代に除名された舛添さんへの支援のあり方が議論になったのと同様、難しい点のあることが窺えるでしょう。
ところで、上記1月31日の『読売新聞』は大村さんが前日30日に官邸で菅官房長官と面会していることを伝えます。
それによれば菅さんは大村さんとは「衆院議員同期当選」で知事選でも「積極的に応援」、「今も親交が続く間柄」だとのこと。
記事はまた大村さんが「河村一辺倒からの脱却」を目指して自民党や公明党、民主党といった「主要政党との連携強化」を図っていると伝え、その大村さんにとって政権の実力者となった菅さんは「自民党との距離を縮める重要な存在」であると指摘。
県連内にはなお「大村氏への反発がくすぶ」っているとされる一方で「「知事との連携と対抗馬擁立を並行して考えないといけない」との声さえ漏れ」るようになっているというのは、大村さんは除名されているとはいえ、知事選では自民党が推すようになる展開を思わせます。
その際、支援の形式は推薦ないし支持にせよそれ未満にせよ、舛添さんの例に鑑みても党本部が乗り出すことはあまり考えられず、県連レベルのものに止まるでしょうが、菅さんの存在と舛添さんの先例が梃子になることは間違いないのでしょう。

なお、1月9日には維新の松井幹事長が河村さんに対して減税日本の合流と代表代行か副代表への就任を打診したことが報じられました。
この「名阪」野党再編の動きを伝える同日10:27配信の『産経新聞』によれば、河村さんの構想が「愛知県議会と名古屋市議会での統一会派結成」という地方政治レベルのものであったのに対して、松井さんの提案が「減税日本が日本維新に合流」するという踏み込んだ内容だったため河村さんは「地方議会での連携を優先したいとして即答を避けた」といいますが、ここで注目すべきは、河村さんが維新と接触する上で「統一地方選での連携」を模索していることでしょう。
維新は現在、大阪維新系を中心に統一地方選を見据えた野党再編の渦中にありますが、維新によって河村さんが「名阪」のそれに巻き込まれることは、菅さんを通じて党・県連とも関係修復を図る大村さんとの「県内」の盟友関係と矛盾する部分があると言えます。
すなわち、大村さんが維新顧問を辞任する意思を示したときとは逆に、今度は河村さんが維新との距離の取り方を判断せねばならなくなることも予想されますが、維新と減税の主導権争いが既に兆していることもあり、河村さんは恐らく、大村さんとの県内連携を優先することになるのではないでしょうか。
それはとりもなおさず野党再編が広がりを欠くことにほかならず、維新に責任野党たることを期していて野党再編を阻止したいであろう安倍政権にとっては好都合かと考えられますが、逆に言えば、大村さんと気脈を通じておくことが「名阪」野党再編への間接的な圧力となり得るということは指摘できるかもしれません。
今回、都知事選で除名処分を受けた舛添さんを安倍さん以下が党として支援していることは、来年の愛知県知事選で「菅人脈」の大村さんを推す恰好の伏線となることでしょう。

■維新の橋下さんは都構想の座礁を打開しようと出直し市長選に臨みますが、安倍自民党はそれにどう当たるでしょうか。
党では高村副総裁、石破幹事長、脇参院幹事長など幹部が相次いで批判、竹本元財務副大臣以下の党府連も「候補者を擁立しない方針」(時事通信、14.2.5-11:10)を示していますが、各幹部が口を揃えるように「大義名分がない」のを口実に対立候補を立てず、結果的に維新との全面対決を回避することは、安倍さんや菅さんが考える責任野党構想に合致するものだと言えるのであり、党としては「戦略的不戦敗」に落ち着くのかもしれません。

2日に投開票された岐阜市長選と9日投開票の川口市長選で「分裂選挙が相次いでい」て「地方組織が弱体化しかねないと懸念する声もある」(『産経新聞』14.2.2-10:07)とされますが、実は岐阜市は野田総務会長、川口市は新藤総務相の地盤。
岐阜では党支持で現職の細江市長が5選を決めたものの、民主党を離党した無所属の柴橋元衆院議員にわずか1507票差(惜敗率97%)まで迫られたのであり、地方選の「取りこぼしが続く」(同上)状況で党役員や閣僚の地元ですら分裂選挙となるのは小さくない課題と言わねばならないのかもしれません。

また、地方選ではないながら、徳洲会事件で離党した徳田元国交政務官の失職が「ほぼ確実」(『朝日新聞』14.1.31-14:05)とされることで、鹿児島2区では補選が行われることになります。
4月にも行われるとされるこの選挙については「消費税率の…引き上げ後、初の国政選挙となる」「“徳田色”を払拭した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうか」(『産経新聞』13.11.24-12:00)などの指摘が既にあるとおりです。
自民党が13年参院選で18議席を得た比例区に立候補したものの20位で落選した園田元衆院議員はかつて2区を地盤にしていた「即戦力」であると言えますが、13年11月20日12:40配信の『産経新聞』は園田さんが参院選で徳洲会の支援を受けていたことを伝えており、園田さんが候補に浮上したとしても、そのことはネックになるのでしょう。
思えば、安倍さんが総裁に復帰して最初の国政選挙、つまり12年10月28日投開票で党公認の宮路両院副総会長が7選を決めて国政復帰したのも鹿児島県内、3区の補選だったのは記憶に新しいところです。
長州山口出身の安倍さんが節目ごとに試される選挙が、明治維新で長州と同盟、新政府や軍部では主導権を争った薩摩鹿児島で続くというのは、不思議な巡り合わせであると言えるでしょうか。
統一地方選まで9ヵ月となる常会閉会後には内閣改造があるものとされますが、もしもそれに党役員人事が合わせられるなら、幹事長や同代行、選対委員長には河村選対委員長や山口元首相補佐官、細田幹事長代行といった選挙通の長老やベテランが配されることも考えられるでしょう。


(R)

野党再編について ケータイ投稿記事

イメージ 1

+--【安倍晋三です】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

本日伊勢神宮を参拝いたしました。
神社の清々しい凛とした空気の中で身の引き締まる思いでした。
日本の平和と繁栄を願うと共に天皇皇后両陛下の御健康と皇室の弥栄を心よりお祈り致しました。

■ツイートする
■シェアする

+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2014.01.06[Mon] 17:10)

▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■6日の伊勢神宮参拝の報告です。
報道によると、この参拝には地元三重4区選出の田村厚労相をはじめ、甘利経済再生担当相、岸田外相、下村文科相、石原環境相、林農水相などが同行。
12年9月の総裁選では、参院比例区選出で神道政治連盟に支持される有村両院副総会長が推薦人となっていますが、保守派の安倍さんと日本古来の穏健な信仰としての神道が親和的であるということは言えるのでしょう。

安倍さんは5日朝には昭恵夫人とともに地元下関市で、1185年に壇ノ浦に沈んだ安徳天皇を祀る赤間神宮にも参拝しています。
安倍さんの地元下関の赤間神宮境内には安徳天皇の外戚の平氏一門のうち壇ノ浦で入水した中納言教盛、権中納言知盛、参議経盛、権右中将資盛、権右少将有盛、能登守教経らを供養する「七盛塚」が建立されていますが、ぜひ訪れたい場所です。
壇ノ浦では他に資盛、有盛兄弟の従兄弟の播磨守行盛も入水したとされますが、こちらは祀られないものでしょうか。

■4日、民主党の前原元代表が野党再編について「来年の統一地方選までに自民、公明両党に代わる政権の受け皿を作ることは難しいとの認識を示した」(『産経新聞』13.1.4-18:09)ことが報じられました。
それはあるいは、前日3日14:06配信の時事通信の記事で、海江田代表と距離のある前原氏などが「野党再編の主導権を狙」っているとされることと、夏以降の「海江田降ろし」の可能性が指摘されたのを受けて、執行部からの警戒を避けようとしたものだったと考えられるでしょうか。
上記時事通信記事によれば前原氏は維新の橋下共同代表と「接触を重ねている」のだとされ、維新の松野国会議員団幹事長および結いの党の江田代表と超党派勉強会を結成した細野前幹事長とともに、野党再編のキーマンの一人と目されています。
野田、岡田両最高顧問や安住元財務相、枝野元幹事長、玄葉前外相といった、菅、野田両内閣期に要職を歴任した実力者と連携を維持していることがその勢力基盤となり、自民党で安倍さんが総裁ついで首相に復帰したことが、代表経験者の前原氏に意を強くさせているということもあるいはあるかもしれません。
さて、「三段ロケット」の第一段として昨年12月にみんなの党を割り野党再編の「触媒」としての結いの党を立ち上げた江田氏は、第二段として「通常国会閉会後に維新と再編新党を旗揚げ」、第三段として「夏以降に民主党の一部との合流を目指す筋書き」であるとされますが、それは「15年春の統一地方選を見据え」てのことだとされているのであり、前原氏が4日に「『統一地方選までに』という政治スケジュールを切ることが、果たしていいのか」との表現をしたのは、江田氏とは「野党再編」の方法論を異にしていることを暗示していると言えるでしょうか。
昨12年12月15日の『朝日新聞』朝刊は、細野氏が野党再編について、あくまで民主党を核にしてそこに維新やみんなの党の一部を吸収しようと考えるのを「大きくなる再編論」と表していますが、それは民主党の一体性を維持することが前提されているという点で、まず自らみんなの党の一体性を否定してみせ、民主、維新両党にもそれを要求する江田氏の「三段ロケット」と大きく異質なものであることは明らかでしょう。
ほかに非主流派の安住氏も「党再建に軸足を置」(『産経新聞』13.12.15-22:07)いているといい、前原氏の再編論もそれらと同様なのであろうと類推できますが、その背景にあるのは、海江田氏の代表権力の脆弱さと、15年春の統一地方選以降の政治日程かもしれません。
海江田氏の今の代表任期は統一地方選の後、15年9月までですが、その党内基盤が強くないことは、自民党で12年9月に当時総裁だった谷垣法相が政権復帰を叶えられなくて総裁再選断念に追い込まれたように、海江田氏が代表に再選されないことを思わせるのであり、それは、前原氏などや細野氏にポスト海江田を窺いやすくさせ、「三段ロケット」に呼応せずに党に留まって「大きくなる再編論」を志向させているのでしょう。

また、自民党第2次安倍政権の好調の陰で、年内に党勢回復を実現して統一地方選での勝利に繋げることの見通しが代表交代の有無に関わらず厳しいだろうことは、ポスト海江田の有力者を萎縮させ、今夏にもあり得るとされる「海江田降ろし」が意外にも起きないことに繋がるかもしれません。
前回11年4月の統一地方選について、例えば三重県知事選では、経産省出身で自民党などの推薦した今の鈴木知事が初当選、民主党推薦の松田前津市長が僅差で落選しています。
三重は岡田氏や中川幹事長代行の地元で県北を中心に元来民主党の強い地域ですが、12年総選挙では1区でそれまで自民党の川崎元厚労相と激戦してきた中井元法相が引退したものの後継者に地盤を引き継げず、昨13年参院選では高橋前参院政審会長が落選しており、知事選でも現職の鈴木氏(15年4月には40歳)が再選を目指せばそれを破るのは困難であるとすべきかもしれません。
また、同じく11年4月に自民党推薦で三選した北海道の高橋知事も任期満了を迎えます。
北海道は自民党の町村元官房長官や伊達参院国対委員長の地元である一方、民主党の横路最高顧問や荒井元国家戦略担当相の地元であるほか、北教組など民主党の支持団体が強いですが、12年総選挙では道内全12選挙区で自民党および公明党が勝利して民主党は全敗、比例復活当選も横路、荒井両氏のみに留まって小平前国家公安委員長や鉢呂元経産相、三井前厚労相などが落選。
13年参院選では自民党の伊達さんがトップ、民主党の小川元首相補佐官が次点で当選しているもののその差は32万票と大きいのであり、近年の選挙結果からは民主党は北海道でも弱まっていると考えられ、11年知事選で民主党推薦の木村俊昭氏に130万票差で圧勝している自民党系の高橋氏(15年4月には61歳)が四選を窺えば、来春の統一地方選で民主党推薦候補がそれに勝利するのはこちらも厳しいとすべきでしょう。
11年統一地方選で行われた11の知事選のうち、民主党は北海道と三重を除く9都県で自民党との相乗りもしくは自主投票としている上、その北海道と三重では以上のように敗北しているのであり、現職の圧倒的に有利な各知事選のいずれもで楽観できないことは党内各実力者が統一地方選を海江田体制でやり過ごそうという思惑で一致するのに繋がり、その結果、民主党の一体性はなお維持されるのかもしれません。

■さて、民主党が一体的であり続けて野党再編のルートとして「三段ロケット」より「大きくなる再編論」が有力であることは、同時に維新が一体的であり続けることにも繋がるでしょう。
維新では石原共同代表を中心とする旧太陽系と、橋下氏に近い大阪維新系の路線対立が一貫して潜在的で、それは、2月9日投開票の東京都知事選に立候補した田母神元航空幕僚長を石原氏が「個人的に」支援するとする一方、党としては自主投票の方針を決めたことの背景でもあろうと言えますが、石原、橋下両氏が情意投合の間柄であることや、旧太陽系で比例単独当選以外の衆院議員7人のうち実に5人が比例復活当選であるという選挙区事情は、野党再編の対象となっていない旧太陽系議員に党の一体性を志向させるのに十分かもしれません。
石原氏が5日に「安倍政権との距離感」に関して「是々非々」と表現して「政策課題に応じて協力する考え」を述べ、例えば「集団的自衛権の行使容認について…期待感を示し」(『産経新聞』13.1.5-15:42)、平沼国会議員団代表が6日、「憲法改正や集団的自衛権の解釈変更で安倍政権と連携を目指す考えを示した」(『朝日新聞』13.1.7朝刊)ことは旧太陽系の対政権方針を端的に表していますが、野党再編によって「完全に」野党化すれば自民党とのそうした関係性は築けず、それを避けるために分党となれば次期選挙事情が危ういとすれば、旧太陽系はいよいよ党の一体性を維持しようとするでしょう。
また、安倍さんや菅官房長官が石原、平沼両氏ばかりでなく橋下氏や松井幹事長、松野氏などとも意思疎通を図っているのは、安倍カラー政策で維新やみんなの党との「政策ごとの連携」を模索するために維新分裂すなわち保守系野党の少数化を阻止しようとしているものであろうかとは従前指摘しているとおりです。

ところで、旧太陽系と逆に党分裂も視野に入れて野党再編に積極的であるのは、小沢国対委員長が挙げられるでしょう。
小沢氏は昨年12月15日に野党再編の「第2弾」として「3〜4月以降」の結いと維新の「合流」と、「第3弾」としての「民主党からの合流」に言及していますが(『読売新聞』13.12.16-7:54)、結いは全議員15人のうち小野幹事長や畠中国対委員長など13人が比例当選であるため、それとの合流とはすなわち維新の解党や分裂を意味するものであり、維新や民主党の一体性を崩そうとする江田氏の「三段ロケット」構想に前向きであることを思わせます。
すなわち小沢氏は旧太陽系はもちろん、既出3日の時事通信社の記事によれば「維新解党も辞さない考え」ながら「石原氏との決別に否定的」でもあるという橋下氏以上に野党再編に積極的であると言えますが、その背景には、小沢氏の選挙区事情があるのかもしれません。
小沢氏の地盤の山梨1区は0増5減の定数削減の一環で東西に分割、それぞれ今の2区と3区に併せられることが決まっています。
維新は12年総選挙で両選挙区に候補者を立てていないため小沢氏がどちらかに転じる余地はあるだろうものの、維新は関東では支持の広がりを欠いている上、2区は無所属と自民党の議員、3区は民主、自民、みんな三党の議員が当選している激戦区であるため維新議員としてそこに割って入るのは困難であるとせざるを得ず、また比例復活当選なので「大きくなる再編論」によって民主党に復党することもそもそも不可能であることが、小沢氏が「三段ロケット」に近くて維新解党と新たな野党結成を見据えていることに影響しているのは間違いないでしょう。

維新内部にはそのように野党再編に対して両極端な考えが混在していると言えますが、維新は衆参計62人の議員のうち46人が比例当選なのであり、そうである以上、野党第一党の民主党が「大きくなる再編論」を採り、また「海江田降ろし」も自重するなど内向的で一体的である限り、民主、維新両党ともが分裂して合流するという「三段ロケット」による野党再編の見通しが開けないことに他なりません。
もちろん旧太陽系を除いたグループが党を割り、ただ結いとのみ合流して新党を結成、民主党と選挙協力することも考えられますが、各選挙区で候補者がバッティングする上、大半が比例復活当選議員ということになるその新党が選挙を凌げる見通しも厳しいとすれば、維新各議員が党の一体性を維持して次期選挙に備えようとする消極的な力学が作用する可能性が高いとすべきなのでしょう。

「三段ロケット」と「大きくなる再編論」が並存する野党再編について、前者が統一地方選を見据え、しかしその見通しが厳しければ、それは民主党が萎縮して後者に傾くことの一因となり得、そのことは更に維新をも萎縮させる、という関係性は看取できるかもしれません。
そうだとすれば、自民党が統一地方選に向けて盤石を期することは野党再編阻止の布石となると言えます。
安倍カラー政策を野党まで巻き込んで可及的多数で実現するためにも、野党再編は阻まれるべきでしょう。


(R)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

+--【安倍晋三です。】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

今年も今日で終わり。
昨日出席した大納会、今年最高値でした。
来年も三本の矢を射込んで行きます。
皆さん良いお年を。

■ツイートする
■シェアする

▼配信解除はこちら
s-abe@r.s-abe.jp

+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2013.12.31[Tue] 11:02)


+--【明けましておめでとうございます】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

皆さま新年明けましておめでとうございます。


只今皇居へ参内して参りました。
本年が皆さまにとって素晴らしい年となります様お祈り申し上げます。
今年も邦家の為全力を尽くします。

■ツイートする
■シェアする

+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2014.01.01[Wed] 11:55)

▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■明けましておめでとうございます。
第2次安倍内閣の下で迎える2回目の年明けとなりました。
12年総選挙と昨13年参院選が自民党の勝利に終わり、また次の選挙は衆院の解散がなければ実に2年半後、16年7月の参院選あるいは衆参同日選という安定した政治日程の中で、今年はアベノミクスによる経済再生を継続加速させながら、いわゆる「安倍カラー」と呼ばれる保守的な政策も見据えていく、という一年になっていくのでしょう。

国政選挙が当面見通されない一方、1月19日には沖縄県名護市長選、2月9日には東京都知事選と重要地方選が続きます。
名護市長選に関しては、仲井真県知事が米軍普天間基地の移設先となっている同市辺野古の埋め立てを先月27日に承認、それに反対している現職の稲嶺市長への対立保守系候補として、末松前沖縄県議が移設容認を掲げて出馬しますが、それに至るまでは高村副総裁や額賀元財務相、中谷特命担当副幹事長といった外相や防衛庁長官経験者の実力者が調整に奔走した経緯もあり、全党的に取り組んだ普天間問題のいよいよ最終段階となった市長選は、必ず越えねばならないハードルでしょう。
沖縄の基地負担軽減と振興策について、前記事でも述べたように、安倍さん周辺には前者に協力する山口県岩国市の関係者や、後者に取り組む歴代沖縄・北方担当相の存在があるのであり、その属人的な要素は、反米政権として日米同盟を相対化しようとした鳩山内閣により混迷した普天間問題を、親米保守派の安倍さんが解決すべくして解決していることを物語っているようです。
そして、岸元首相の築いた今の日米安保体制を、孫の安倍さんが建て直したということももちろん言えるでしょう。

東京都知事選については、かつて党参院議員だった新党改革の舛添前代表が有力候補。
舛添さんは第1次安倍改造内閣で厚労相として初入閣、09年9月の下野後10年4月に離党していますが、その際安倍さんは「国民的人気があり、能力もある政治家が自民党から去って行く事は残念」「日本の為に恩讐を越えて連携して行く事を模索するべき」(メルマガ、10.4.23)と述べています。
安倍さんは当初、側近で東京11区選出の下村文科相に都知事選出馬を打診したとされ、9月にブエノスアイレスで勝ち取った20年オリンピックに中心的に関わる都知事との気脈を重視していることが窺われますが、上記のように評価された舛添さんも、それに十分適うと言えるのかもしれません。
舛添さんは離党に際して党から除名処分を受けており、自民党では「除名となった者で復党を許した例は一度もない」(『朝日新聞』13.10.27朝刊)とされますが、地方議会は元来国会のような政党政治とは違うため、舛添さんが党籍を有していなくても、それを支援するのに支障はないと言えるでしょうか。
都議会では長く都議会自民党と距離のある超然的な知事が続いており、知名度が高くて無党派層にまで独自の支持基盤を見込める舛添さんもそういうタイプであろうと思われますが、1日の『朝日新聞』朝刊によれば、党都連はその舛添さんが党の世論調査でトップとなると「「人気投票で決めない」と姿勢を転じ」させたとされます。
すなわち候補者選定を巡って党本部と都連が齟齬することも考えられますが、オリンピックに備えて国と都の連携を円滑にするには、党は必勝できる候補を支援せねばならず、そうだとすれば、都連が妥協して舛添さんが推されるようになるのかもしれません。
なお、海江田代表をはじめ長妻幹事長代行や松原国対委員長が東京選出の民主党も上出『朝日新聞』によれば「候補者6条件…に該当する人としては舛添氏だけ」という状況だとされますが、今の政党支持率に鑑みて、舛添さんが民主党の支援を求めて自民党と対決するとは考えにくいため、民主党は自民党と相乗りするか、対決路線をとってそれを嫌えば別候補に流れるかということになるのでしょう。

さて、16年7月まで国政選挙の当面予定されない一方、年度明けには安倍さんの今の総裁任期も折り返し地点を過ぎて、15年9月には次期総裁選が行われるのであり、6月以降と言われる内閣改造や党、参院役員人事などの党内政局では、それも意識されるのかもしれません。
その場合、人事は12年12月の政権発足以来実に1年7ヵ月ぶりということになるため、異動が大幅になることが予想されますが、最大の焦点は石破幹事長の処遇になるでしょう。
安倍カラー政策で考えを共有する部分のある石破さんは例えば、集団的自衛権の問題で関係閣僚になる外相の候補となり得るはずですが、安保政策通の石破さんと今のリベラル系の岸田外相の印象の差は右傾化批判を招く可能性があることなどからは、外相起用は見送って他に総務相などの重要閣僚に充てるなどが考えられるでしょうか。
また、石破さんは選挙調整作業で批判を受けることがありましたが、その後任には、安倍さんと同じ長州閥の河村選対委員長や、総裁派閥町村派出身の細田幹事長代行などいずれも選挙通で調整型の長老が、安倍カラー政策を巡る党内や公明党との調整という観点からも、有力かもしれません。
他に注目されるのは、党四役のうち他の二つに当たる野田総務会長と高市政調会長の処遇、盟友の塩崎政調会長代理の再入閣、保守派で側近の加藤、世耕両官房副長官と次世代リーダー候補の西村内閣府副大臣や柴山前総務副大臣、参院で実力者の脇幹事長や長老の岩城元政審会長、農水系議員ながら安倍さんのTPP推進に協力する西川政調副会長や江藤農水副大臣、五輪メダリストの橋本前参院政審会長、反復興増税やアベノミクスにおける金融緩和などの経済政策で繋がる山本元経産副大臣、ベテランながら閣僚経験のない逢沢元国対委員長や宮路両院副総会長などの初入閣や党役員起用でしょうか。

■野党サイドはどうでしょうか。
昨12年12月18日には「触媒」として民主党と日本維新の会を巻き込んだ野党再編を目指す結いの党が結成、江田代表は今年末には「100人規模」(『産経新聞』13.12.10-14:29)の勢力結集を目指しているとされます。
江田氏は超党派勉強会「既得権益を打破する会」を通じて民主党の細野前幹事長や維新の松野国会議員団幹事長と連携しており、これから焦点になるのは、結い結党を第一、維新分裂を第二、民主党分裂を第三とする「三段ロケット」構想のうちの第二「維新分裂」なのでしょう。
主には大阪維新系の改革派と旧太陽系の極右派に大別される維新のうち、野党再編の対象となっているのは前者のみですが、12月25日の記事でも指摘したように、党や国会議員団の枢要ポストを押さえる後者の石原共同代表や平沼国会議員団代表が党の一体性を重視し、またその中には中山元国交相や三木衆院議員などのように比例復活当選で選挙地盤の強固でない議員が少なくないことから、極右系新党が次期総選挙までによほど勢いのある新機軸となることが見通される場合などを除き、リベラル系の野党再編にはもちろん、党分裂にも慎重になることが考えられるでしょうか。
すなわち、保守勢力によって維新が一体的であることは、リベラル勢力による野党再編を阻み、不完全に終わらせることに繋がると言えるかと思われますが、では保守派の安倍さんは野党再編にどう対応しているでしょうか。
安倍さんは結いが維新分裂を含む野党再編を目指して結党した同日、12月18日に石原、平沼両氏と会談、22日に維新の浅田政調会長と結いの柿沢政調会長が会談すると翌23日には菅官房長官や石破さんとともに維新の橋下共同代表、松井幹事長また松野氏の三者と会合を持っているのであり、それは安倍カラーを念頭に「政策ごとの連携」の地均しであると同時に、維新を政権に引き付けて、その分裂ひいてはリベラル系の野党再編を阻止しようとしているということかもしれません。
結いの分派元のみんなの党で安倍さんと気脈を通じる渡辺代表が、みんなの党で比例当選した結い議員13人の議員辞職を求め、国会会派離脱を渋っているのも、野党再編を鈍らせる性質のものとして、与党に好都合であることは間違いないでしょう。

また、民主党で海江田氏の勢力基盤が弱体であることも、江田氏の考える野党再編にはマイナスであるかもしれません。
安倍さんが首相復帰を実現したなか、民主党では岡田、野田両最高顧問、前原元代表、安住元財務相、枝野元幹事長、玄葉前外相など代表経験者を含む実力者が非主流派グループを形成しているほか、12月15日の『朝日新聞』朝刊によれば細野氏が前原氏の下を離れて自身のグループを4月にも「自誓会」として派閥化、民主党を割らずに「維新やみんなの一部を吸収する」という「「大きくなる再編」論」をとる考えだとされますが、海江田氏の勢力が弱くてそれら実力者たちがポスト海江田を窺いやすいだろう状況は、彼らが内向的に党に留まって江田氏の構想に呼応しないことに繋がるのでしょう。
また、高木代表代行や神本副代表、大畠幹事長、郡司参院議員会長、赤松元農水相などの旧社会党、労組系議員は主流派である上に維新の極右派と同様、野党再編の対象外となっているため分派的な行動をとるとは考えづらいと言えます。
以上のように民主党も一体性が維持される方向性にあるのだとすれば、「三段ロケット」は第二段に続き第三段も見通しが厳しいとすべきなのかもしれません。
その結果、野党再編は「みんなの一部」としての結いとあるいは維新のごく一部が民主党に合流するという、江田氏の「三段ロケット」より細野氏の「大きくなる再編論」に近い形で進む可能性の方が高いと考えられますが、それは決して大きなうねりにはならず、しかもそれを民主党で主導するのが細野氏であるとさえ限らないのでしょう。
上出『朝日新聞』記事は、前原、細野両氏の間に軋轢が生じて、双方のグループに参加していた辻元幹事長代理や小川前副幹事長、泉前国対副委員長が細野グループから離脱したことを伝えていますが、前原氏などが復権を目指して細野氏を牽制抑圧するとすれば、細野氏は党を出ないとする今の方針を転換するか否かの決断を迫られるようになるのかもしれません。

自民党は、民主党、維新、結いによる野党再編を容易に許さないものと考えられますが、その各勢力に対しては自民党の安倍さんや菅さんが維新を懐柔(維新分裂の阻止)、両者の盟友の渡辺さんが結いを圧迫し(触媒の無力化)、民主党では皮肉にも海江田氏の存在が、野党再編を挫こうとする政権に好都合(民主党分裂の阻止)な要諦になっているということでしょうか。
今の野党の枠組みを基本的には崩さない「大きくなる再編論」は、その名に反して「三段ロケット」よりインパクトが小さく思えますが、野党再編が自民党やみんなの党の干渉と民主党の内向的な姿勢で「三段ロケット」でなくスケールの小さな「大きくなる再編論」に終始するのなら、その対野党工作は16年の衆参各選挙も見据えて、政権の一種の危機管理、リスク軽減策ということであると解せるのかもしれません。


(R)

安倍首相と普天間問題 ケータイ投稿記事

イメージ 1

+--【安倍晋三です】--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+

「沖縄の基地の負担軽減とさらなる振興」
仲井眞知事からのご要請に対し、政府としての考え方を直接、私からお話しました。
沖縄県民全体の思いを受け止め、日本政府として引き続き一丸となって、できることはすべて行っていきます。

■ツイートする
■シェアする

+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+--+(2013.12.25[Wed] 20:35)

▼安倍晋三事務所携帯版HP
http://www.s-abe.jp/
*メルマガの配信元です。

■安倍さんは25日午後、仲井真沖縄県知事と会談しました。
安倍さんの「直接」提示した「沖縄の基地の負担軽減とさらなる振興」を、25日21:38配信(26日1:42最終更新)の『毎日新聞』によれば仲井真氏は「驚くべき立派な内容」と高く評価。
同記事によると、沖縄県の要望していた「日米地位協定の追加・改定」に対して政府は「日米地位協定にない環境管理の枠組みを定める補足協定締結に向けて協議を開始」と回答したといい、それは「協定本体の改定に消極的な米側の意向を踏まえ、新たに環境条項を盛り込む「特別協定」などとなる見通し」であるとされますが、現行日米地位協定は、安倍さんの祖父の岸元首相が1960年6月に成立させた新安保条約の第6条いわゆる極東条項を補完する性質のものであると言えます。
それは具体的には第6条に関して米軍の「施設及び区域」と、「陸軍、空軍及び海軍」の日本国内での地位について規定していますが、それが新安保条約ひいては日米安保体制と密接に関連する重要なものであることは疑いないでしょう。
岸さんの評伝『岸信介』(原彬久、岩波新書)によれば第6条=極東条項は、今の日米安保体制における「アメリカの日本にたいする「貸し」」、つまり第5条にある集団的自衛権が「日本国憲法に阻まれ」てアメリカに片務的であることの「埋め合わせ」として盛り込まれて、アメリカが「その世界戦略に在日基地を利用できる」ようにしているもの。
安倍さんは憲法9条の解釈変更と条文改正によって日本の集団的自衛権を行使可能とすることを目指していますが、そういう日米安保体制の高度化において、極東条項は、当時の成立経緯は必ずしも積極的なものではなかったとしても、中国、北朝鮮問題という現代の極東情勢やアメリカが「太平洋国家」を自任するようになっていることに鑑みれば、それ自体が今や自存的なレゾンデートルを有していると言うべきでしょう。
アメリカが、その極東条項を補完する地位協定の「本体の改定に消極的」であるということは、将来あるいはあり得るかもしれない日米安保体制の動揺の予防線として、それを好まなかったかとは解せるでしょうか。
そうだとすれば、沖縄県の要望に回答するのに、日本政府がそれに呼応して今の地位協定の「改定」でなく「補足協定」あるいは「特別協定」を新たに締結するという形を取ったことは、巧妙な対応だったと言ってよいのではないでしょうか。
なお、中国はアメリカとの軍事的関係について、例えば朝鮮半島方面では北朝鮮を在韓米軍との緩衝地帯としていますが、西太平洋方面では南西諸島から台湾に至る「第一列島線」と小笠原、マリアナ、パラオ各諸島を結ぶ「第二列島線」を設けて、中国大陸と第一列島線に挟まれる東シナ海を内海的な勢力範囲とし、更に第二列島線を境界とする太平洋の東西分割を目指す姿勢なのであり、民主党政権や連立与党だった社民党がかつて在沖米軍基地を「最低でも県外」あるいは国外マリアナ諸島グアム島まで後退させようとしたのは、日本列島の真南で二つの列島線に挟まれる海域を進んで米中の緩衝地帯的にし、中国の東シナ海進出を容易にするものだったことは間違いありません。

ところで、地位協定の問題を含む沖縄県からの要望と不可分なのは、米軍普天間基地の名護市辺野古への移設問題でしょう。
基地移設には辺野古沿岸部の埋め立てが必要ですが、25日に仲井真氏が安倍さんと会談して「政府としての考え方」を伝えられると、翌26日には政府の埋め立て申請を承認する方針(27日に正式発表)であることが報道されたのであり、09年9月の民主党政権鳩山内閣が基地の県外移転を掲げて、V字滑走路の建設を決めた06年4月の日米合意を覆して以来混迷の続いた普天間問題はようやく正常化、ゼロベースに立ち返ったことになります。
民主党が普天間基地を含む在沖米軍基地の県外退去を打ち出したのは、「日米中二等辺三角形論」すなわち民主党政権下で続いた外交敗北の温床としての「日米同盟の相対化」と連動するものでもあったのであり、長く日米間の懸案であった普天間問題が親米保守政権としての第2次安倍内閣の下で正常化したことは、日米同盟論に基づく外交再生の一環であることも確かでしょう。

■そう位置づけられる普天間基地の辺野古移設実現に安倍さんは注力して、仲井真氏が埋め立て申請を承認する環境の整備に努めてきました。
沖縄県連は都度の選挙で党本部の方針に反して基地の県外移設を掲げてきましたが、11月には外相経験者で党外交再生戦略会議では議長を務める高村副総裁が、沖縄選出の党所属議員(計5人)に対して離党勧告に言及しつつ「県外」撤回と辺野古容認を説得、それが奏功して党本部と沖縄県連のねじれは解消。
また、辺野古沖埋め立てには県知事の仲井真氏の他にも名護市長の同意が必要ですが、まもなく1月19日に行われる同市長選で、基地受け入れを打ち出す保守系候補として末松前党沖縄県議と島袋前市長(06年4月の辺野古日米合意決定時の市長)の2人が出馬の意思を表すと、菅官房長官や石破幹事長、翁長前県連会長などが末松氏への一本化を調整しています。
それはその段階では不調に終わったものの、仲井真氏が安倍さんから「驚くべき立派な内容」の回答を受け取って埋め立て申請を承認する公算が高くなってきた25日、ともに防衛庁長官経験者の額賀元財務相(06年4月の辺野古日米合意決定時の長官)および中谷特命担当副幹事長と両氏の会談で島袋氏の出馬見送りと末松氏支持が決定(時事通信、13.12.25-21:58)、それにより、仲井真氏の埋め立て申請承認と併せて、辺野古反対派で再選を目指す現職の稲嶺市長と争う体制が整ったと言えるでしょう。

「沖縄の基地の負担軽減」について言えば、メルマガ12年8月19日号には「我が山口県では、岩国基地が普天間から空中給油機を12機引き受ける」とありますが、それについては9日13:25配信(同日13:29最終更新)の『毎日新聞』が、岩国市の福田市長が同日、普天間配備の空中給油機KC130部隊(15機)を来年6〜9月にも米軍岩国基地に先行移転させる政府方針を正式表明したことと、県もそれを容認する意向であることを報じています(安倍さんの言う「12機」が決まったのは96年12月で、その間に普天間の給油機は3機増強)。
岩国市の岩国基地や上関町の上関原発を抱える山口2区は県内で唯一自民党の盤石でなかった選挙区で、国交官僚として第1次安倍政権にも参画した山本知事がこれまで08年補選と09年総選挙で民主党の平岡元法相に敗れて落選していますが(メルマガ、12.5.12)、その山本さんは12年7月に脱原発派の飯田哲也氏を破って二井前知事の後継に転じ(メルマガ、12.7.29)、昨冬12年総選挙では安倍さんの実弟の岸外務副大臣が参院から転出して平岡氏に勝利。
11月4日9:49配信の『沖縄タイムス』は、前月30日に岸さんが岩国市役所と山口県庁を訪れて15機移転の方針を伝えたことを報じています。
福田さんも岸信介元首相の選挙地盤を継いだ吹田元自治相の秘書出身だといい、05年総選挙では自民党から立候補して平岡氏を選挙区で破って当選している保守系市長であり、地元代議士、県知事、市長が保守系で揃っていたことは、山口県が普天間問題解決という文脈で「沖縄の基地の負担軽減」に協力する環境の前提だったと言えるでしょうか。
また、「沖縄の…さらなる振興」について、20日21:31配信の『産経新聞』は、「政府は20日の平成26年度予算案に関する閣僚折衝で、沖縄振興費を仲井真弘多沖縄県知事の要望額を上回る3460億円とし…」などの「「満額回答」以上」の「誠意」を伝えていますが、それに関連して、関係閣僚である山本沖縄・北方担当相は前日19日のブログ記事に「沖縄振興担当大臣として(最後の瞬間まで)予算確保のために全力を尽くす!」と記しています。
領土問題担当相を兼ねる閣僚として18日に経団連の会合で尖閣諸島を含む領土問題に関する異例の挨拶をして話題になった山本さんは安倍側近の代表格の一人ですが、仲井真氏の埋め立て申請承認の背景には、山本さんの尽力と、安倍さんが普天間問題解決のために側近を担当閣僚に充てたのが奏功したことがあると言ってよいのでしょう。
ところで、20日の『朝日新聞』朝刊「首相動静」は、前日19日に官邸を訪れた仲井真氏に、尾身元財務相が同行していたことを伝えています。
安倍さんと同じ町村派所属で第1次安倍内閣で財務相を務め、09年総選挙で引退した尾身さんは、第1次小泉内閣では沖縄・北方担当相として入閣していたことがあり、また上記記事によれば今は沖縄科学技術大学院大学の理事であるというように沖縄問題に通じていると言えますが、24日12:05配信の『沖縄タイムス』によると尾身さんは会談終了直前に、その場の判断で安倍さんと仲井真氏の二人だけの「約5分間の密談」をセットしたのだとされ、確かに上記『朝日新聞』記事は午後5:08に「尾身氏ら出る」、その7分後に「仲井真氏出る」と伝えています。
その場で普天間問題が話し合われたかどうかについては、記者の質問に対して尾身さんがそう推察し、仲井真氏は否定してみせたというように見方に違いがありますが、安倍さんと仲井真氏が短時間とはいえ二人だけで意志疎通を持ったことは信頼関係に繋がり、25日の両者の会談後に仲井真氏が「首相が言ったことそのものが担保だ」(時事通信、13.12.25-17:13)と述べたことの背景となったかもしれません。
また、関係閣僚である岸田外相が第1次安倍改造内閣で沖縄・北方担当相に起用されていることにも、注目していいのでしょう。
安倍さんの地元山口県でそうした事情があることと、また奔走した歴代沖縄・北方担当相がいずれも安倍さんに近い立場であることは、鳩山内閣の起こした普天間問題を、親米保守派の安倍さんが巡り合わせとして解決すべくして解決したかとさえ思わさずにはいません。

■17日に閣議決定された『国家安全保障戦略』には、第1次安倍内閣の制定した今の教基法の「我が国と郷土を愛するとともに…」を想起させる「我が国と郷土を愛する心」との文言が盛り込まれ、ここに安全保障と愛国心が関連づけられましたが、それは1957年5月に当時の第1次岸内閣が閣議決定した『国防の基本方針』において「民生を安定し、愛国心を高揚」とあるのに通じて、岸さんと安倍さんに共通して流れる国防・安全保障観を如実に見て取れるでしょう。
ところで、国防・安全保障と教育の連関はより遡って、1890(明治23)年3月に山県有朋の提唱した「外交政略論」において、「利益線ヲ保護スルノ外政ニ対シ、必要欠ク可ラサルモノハ第一兵備、第二教育是ナリ」とあるのを、早いものとして挙げられるでしょうか。
山県は「我邦利益線ノ焦点ハ実ニ朝鮮ニ在リ」と指摘し、当時シベリア鉄道やカナダ鉄道の敷設が進んで、互いに世界の覇権を争ったロシアが「馬ニ黒龍江ニ飲」ひ、イギリスが「東洋ニ達スル」という情勢に危機感を持って、それに備える上で「兵備」と「教育」を重要課題であると力説しています。
山県は後年、安倍さんが慕う伊藤博文の政治的なライバルとなっていますが、両者ともに若い頃には松下村塾で学んだ吉田松陰先生の門下生。
安倍、岸、山県三首相が教育と安全保障、国防あるいは兵備を不可分なものとして政治に臨む国家観は、吉田松陰先生以来の「長州の系譜」であると言えるのでしょう。


(R)

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事