全体表示

[ リスト ]

TLCの発色剤

今日は調子が良いので2本立てでいきたいと思います。
有機化学実験をしたことのある方なら、ほとんどの方がTLCをあげたことがあるかと思います。
発色剤はスポットの確認に用いられますが、研究室によって用いるものは微妙に異なるようです。
実際、会社に入ってから初めて使った発色剤がかなり便利だった、という経験もあります。
そこで、皆さんから便利な発色剤に関しての情報をいただきたく思い、発色剤について書くことにしました。
まずは私が大学時代から今までに使った発色剤を紹介します。

ヨウ素
万能型。かなりの汎用性があると思います。発色に少し時間が掛かるのがせっかちな私には難です。

アニスアルデヒド
万能型。官能基によって色が違うのが特徴です。青、赤、緑など、カラフルな色で見やすいのが良いです。

リンモリブデン酸
万能型。発色度合は炭素数に依存するため、色の濃いスポットは単純にメジャーと考えて良いと思います。アニスやUVのみに頼っていると、発色が薄いところがメジャーだったりしますよね。アルコールはクッキリと発色し、カルボニル化合物はボンヤリと発色する(友人談)ため、アルコールの酸化などの判別にも使えます。

硫酸セリウム
万能型。上記リンモと同様、発色度合は炭素数に依存するそうです。発色が良くないので、あまり使ったことはありません。天然物の単離やっている人は好んで使ってた気がします。従って、うまく使えばかなり信頼度の高い発色剤なのでしょうが・・・。

ニンヒドリン
アミノ基の判別。「あまり信用してない」(先輩談)と言う人もいますが、筆者はアミノ基を確認するのにFirst Choiceで用いてます。白バックに赤〜赤紫色の発色で見やすいのがいい。

2,4-DNP
アルデヒド(カルボニル化合物)の判別。バックの色とスポットの色が区別しにくいですが、アルデヒドの判別には効果的でした。

塩化パラジウム
硫黄化合物の判別。会社に入ってから初めて使いましたが、これはかなり良いと思います。こげ茶色〜黒色とスポットが濃く発色するので見やすいです。

ドラーゲンドルフ試薬
アミノ基の判別。あまり使ったことはありませんが、加熱の必要が無いということが特徴でしょうか。天然物の単離やっている人はアルカロイド判定に使ってましたね。従って、「信用できない」(先輩談)ニンヒドリンよりも信頼性が高いのでしょうか?

以上、私が使ったことのある発色剤を紹介させていただきました。
なお、調整法などはウィキペディアなんかに載ってると思います。
余談になりますが、
個人的にTLC実験はかなり重要視してます。(実際に私が1日にあげるTLCの数はかなり多いと思います)
なぜなら、時間を追ってTLCを見ていると、その反応中間体が観測されるかも知れないし、
実際にフラスコの中で何が起こっているのか、面白い発見があるかも知れないからです。

そんなことで、是非有用な発色剤を教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。
では、また。

閉じる コメント(13)

顔アイコン

塩化パラジウムについて教えて下さい。
この試薬は有機硫黄化合物の発色に使えるのでしょうか?
使えるとしたら、どのくらいの濃度でどのような溶媒に溶かせばいいのでしょうか?
よろしかったら教えて下さいませ。

2009/9/17(木) 午後 9:52 [ tb_**r ]

顔アイコン

書き込みありがとうございます。硫黄化合物の中でも、スルフィドやチオールなんかに適していると思います。レシピははっきりとは覚えていませんが、塩化パラジウムを塩酸(1Nくらいだったかな?)に溶かして使っていたと思います。TLCプレートに噴霧してヒーターなんかで加熱すればOKです。

2009/9/28(月) 午後 9:58 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

突然、関係ないことをお聞きしてすみません。私は小児科医でフェニルケトン尿症などが専門です。この疾患はフェニルアラニンを分解できないので血中フェニルアラニン濃度が高くなり、脳に障害を残します。患者さんは、定期的に採血し、血中フェニルアラニン濃度を測定し、低フェニルアラニン食で管理していますが、結果が出るのに1週間ほどかかります。家庭で簡単に(糖尿病の血糖測定のように)フェニルアラニン濃度を測定できないかという要望が、患者の会からずっと出ていました。私は、ペーパークロマトを自宅でして、ニンヒドリンで発色させるのはどうだろうと考えました。ただ、血中フェニルアラニンが低濃度の時にはあまり濃い色にはなりません。ニンヒドリンより、濃い色で発色するアミノ酸の発色試薬をご存知ないでしょうか?

2009/10/23(金) 午前 1:49 [ 五郎 ]

顔アイコン

書き込み有難うございます。文字数が多くなるので、2回に分けてコメントしますね。
まず始めに、TLCの感度の限界は、pg(ピコグラム)オーダーぐらいなのかな?と思います。はっきり見る為には、それ以上の濃度は必要でしょう。私の知る限りでは、アミノ酸を検出する方法はニンヒドリン以外にはキサントプロテイン反応を用いる方法があります。この方法は、ベンゼン環のニトロ化を利用したものなので、ベンゼン環を有するフェニルアラニンなら検出できると思います。使ったことが無いので、感度の程はよく分かりません。濃硝酸、加熱という条件なので、家庭用には向かないかも知れませんが・・・。

2009/10/23(金) 午後 6:55 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

続きです。
本文でも書いた通り、ドラーゲンドルフ試薬はアミノ基の検出に使えますので、これでも可能かも知れません。
それから、クロマトするんだったら、どの位置にフェニルアラニンが出るか(Rf値)は、あらかじめ調べておけば分かるんですかね?Rf値が分かるんだったら、どんな呈色試薬で色を着けても良いのでは?とも思いました。とりあえず、本文に書いた呈色試薬の中では、リンモリブデン酸が最も感度が高いかと思います。
ちょっと操作のイメージがわかなくて、的外れだったら申し訳ありません。お役に立てれば嬉しいのですが・・・

2009/10/23(金) 午後 6:55 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

追加です。もしご存じなら申し訳ありません。
有機合成で薄層クロマトグラフィーをする際、「重ね打ち」ということをやります。すなわち、標品(今回のケースならフェニルアラニン)、試料(今回のケースなら血液のサンプルになるのかな?)と並べて、標品と試料を重ねてスポットし、展開します。これなら、Rf値が分からなかったり、条件の違い(展開溶媒や展開距離)に左右されずに標品の存在が確認できます。
拙い文章で申し訳ありません。患者さんの為に、頑張って下さいね。

2009/10/23(金) 午後 7:15 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

早速のご返事ありがとうございます。ドラーゲンドルフ試薬は、調べてみると三級アミンと反応と書いていたのですが、アミノ酸にも反応しそうですね。リンモリブデン酸は炭素数に依存するなら、Pheは炭素数が多いのでいいかもしれません。ひとつひとつ試してみます。ペークロでは、今までした所では、Rf値はほぼ一定の所にきています。どうもありがとうございました。また報告いたします。

2009/10/27(火) 午後 9:14 [ 五郎 ]

顔アイコン

大学で塩化パラジウムでTLC上で硫黄化合物の判別を行いたいのですが、塩化パラジウムの噴霧に用いる道具を教えてください。

2009/11/19(木) 午後 2:26 [ あつし ]

顔アイコン

化学機器メーカーのカタログ?みたいなのがありました。
こんなヤツです。
http://www.monotaro.com/Monotaro3/pi/full/mono02924293-1.jpg
写真の右側にある出っ張りに二連球を装着し、加圧します。
二連球は、こちらを参照。
http://www.hagitec.co.jp/hagiten/arm/arhagiten65.htm

著者の場合、呈色試薬をガラス瓶(マヨネーズ瓶)に入れておき、
そこにピンセットを使って薄層をチャポン、て感じで浸してます。
実際のところ、これで十分です。

2009/11/20(金) 午後 11:33 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

塩化パラジウムで発色を行い、二つの化合物に色がついたのですが
一つは淡黄色、もう一つは褐色が出ました。褐色の方は噴霧してすぐに発色したのに対し、淡黄色はじわじわと時間がかかりました。

色や発色速度によって化合物のどんな性質が分かるのでしょうか?

2009/12/11(金) 午後 4:47 [ あつし ]

顔アイコン

書き込み有難うございます。
記憶が定かでは無いんですが、スルフィドやチオールは濃い褐色になり、発色も早かった気がします。淡黄色のスポットは硫黄化合物では無い様な気がします。間違ってたらすみません。

2009/12/18(金) 午後 10:20 [ デーブスカイ ]

顔アイコン

こんにちは
当方が使っていたのは リンモリブデン酸/EtOH だったかな
汎用で焼くと少し美味しそうな匂いでした(笑
黄緑時に濃緑色のスポット。
ただ、エーテルアルコール類は発色が不鮮明だったような
官能基に乏しく、ツルツルだと同じく不鮮明だった記憶があります

アルコール類はK2Cr2O7/H2SO4→Δが鮮明でした
黄バックに白〜淡水色、加熱により茶色でコントラスト良
プレートへの侵襲性あり、ボロボロになるので保存に向きません
溶液が黄色になったら硫酸を追加。これで酸化能が賦活(赤オレンジ)
同じ理由でK2Cr2O7が無ければK2CrO4でも代用可能
酸化に原理を置くKMnO4も使える(加熱で白地に茶)が鋭敏ではないようです

活性ハライド限定で硝酸銀溶液。ベンジル・アリル、酸ハライド、一部ヨウ化物
ツルツルの原料とハライドの極性差は少なく、Rfの差が乏しい事があり
TLCのみならず、お手軽定性試験が心の支えになりました

2010/9/6(月) 午後 4:43 [ way*d*ra ]

顔アイコン

wayndoraさん、いつも貴重なコメントありがとうございます。
今後の実験の参考にさせていただきます。

硝酸銀繋がりで言いますと、ポリエン化合物の分離に硝酸銀をまぶしたTLCを使ったことがあります。硝酸銀水溶液にTLCプレートを浸し、乾燥させて使いました。普通のTLCで分離しなかった化合物を分離することができ、便利だった記憶があります。

2010/9/9(木) 午後 11:37 [ デーブスカイ ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事