仕事で移動中の電車。
若い男女が仲良く話しては見つめ合い抱き合ったり。
テレビドラマのような美男美女とはお世辞にも言い難い二人。
ある駅で彼が降りた、最後に軽くキスをして。
電車が動くまでドア越しで見つめ合う。
別にただの都内在来線、またすぐに会えるだろう二人。
それでも電車に残った女の子は、彼なき後ドアに頭をつけ寂しげな顔をしていた。
さっきまで楽しかった時間が嘘のように。
最初はいちゃつく男女に冷めた視線を送っていたが、物憂げな彼女を見て少し考えを改めた。
そこまで誰かを想うなんて、今の俺にはないことで、そんな気持ちを持てない俺が冷めた目で見られるべきなんじゃないかと。
別に恋人に限らず、家族や友達でもそう。
会社の上司や先輩が、部下や後輩に対してもそう。
人は自分以外の誰かに想いを乗せて生きている。
今の俺にはそんなことがない。
自分自身のことで手一杯というか、誰かを想うことを労力に感じているというか。
自己中心的な思考になってしまっているのは否めない。
昔はこんなんじゃなかったはずなんだけどな・・・。
いつからこんなになってしまったんだろう・・・。
見返りを求めるような生き方になってしまったのかな。
冷めた目で見ていたものが、結局自分の醜さを洗い出してしまうとは。
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