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「洗脳」 苫米地英人

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洗脳の基本技術 ― アンカーとロリガーの埋め込み

 最後に、アンカーとトリガーについて説明しましょう。アンカーとトリガーは、それぞれ「記憶する」と「引き金」の意味として第二章で触れました。
 あらゆるカルトの信者には、このアンカーとトリガーが埋め込まれています。オウムでは信者に至福体験となるアンカーとトリガーを埋め込むのにLSDを用いていました。LSDで信者をトリップさせて至福体験を生成させて、その間ずっと教祖が唱えるマントラのテープを流し続けたり、教祖の顔写真を壁に貼り付けたりしておきます。すると、信者はマントラを聞いたり、教祖の顔をみたりすると、LSDで得た快楽体験が蘇ってくるのです。麻原の声や顔が「トリガー」で、快楽体験が「アンカー」です。
 国家レベルでの例を挙げると、北朝鮮では金正日のバッジをつけていると、幸福な気持ちになり、バッジを外すと不安や恐怖が生成されるようにアンカーとトリガーが仕組まれています。
 オウムではLSDを用いていましたが、基本的にアンカーは相手の記憶から引き出します。相手を変性意識状態にしたうえで、過去に体験した快楽や恐怖を引き出して、それをアンカーにするのです。
 では、なぜアンカーとトリガーを埋め込めるのでしょうか。内部表現の書き換えだけではダメなのでしょうか。
 そこでアンカーとトリガーの役割、そしてそれがどのように埋め込まれるのかについて解説していきましょう。
 先ほど、電車内で、内部表現を書き換える練習法を紹介しました。内部表現の書き換えは、実際に隣の人を眠らせることが出来ますが、その効果は自分が近くにいるときだけです。もし、自分が途中で下車すると、とたんに相手は目を覚ましてしまします。
 たいていの人は、夜に眠ります。これはホメオスタシスが、夜に眠ることが「正常な状態」として作用しているからです。しかし、電車内で眠らされた人は、他人によって強制されたもので、本来のホメオスタシスの作用によるものではありません。つまり、その人は「異常な状態」に当たります。ですから、共通の身体イメージによる干渉が薄れると、ホメオスタシスが正常な状態に戻そうと作用して、目覚めさせるのです。
 正常に戻ることを阻止するには、相手のホメオスタシスの働き方そのものを書き換えなければいけません。ホメオスタシスが正常の戻ろうというその「正常」を、書き換えた状態にするわけです。そして、その役割を果たすのが、アンカーとトリガーなのです。
 では、具体的にどうするのでしょうか。
 首尾良く隣の人を眠らせたあと、自分が下車することで相手が眠りから覚めないようにするためには、共通の身体イメージにアンカーとトリガーを埋め込んでしまうのです。
 まずは、アンカーを「眠っている」という状態にします。そして、トリガーを例えば、「電車のドアが開く音」にします。そうすると、仮に自分が電車から降りて相手がホメオスタシスの作用で目を覚まそうとしても、ドアが開く音で再び眠りに落ちることになるでしょう。
 共通の身体イメージに「ドアが開く音で、眠くなるようにする…」と埋め込むのは、大変高度なテクニックです。そこに自分が臨場感を持ち、さらにイメージにも臨場感を持たせなくてはいけないからです。
 また、アンカーは永続的に有効というわけではありません。洗脳家が遠くに離れ、時間が経てば、次第にアンカーも消えていってしまいます。ですから、特定の人をターゲットにした場合は、毎日同じアンカーを埋め込みます。そうすれば、その人は「眠る」というアンカーが恒常化し、ホメオシタシスも電車のドアが開く音を聞くと眠くなる傾向へと作用しはじめるでしょう。
 実際、カルトなどではアンカーとトリガーの効果を永続的にするために、トリガーを日常生活の中で必ず繰り返す出来事に設定しています。シャワーを浴びる、ゴミを捨てる…など。そうすることで何度もアンカーを発動させて、トリガーとアンカーの結びつきを強化させていくのです。

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