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高校・二年の時。
文芸部の、旅行があった。
秋田から。
岩手県の花巻に・・・。
今のように。
ネットも無いし。
何もかもが。
手探りの、状態だった。
さいわい。
上級生も居る。
部の、たった、一人の男の生徒。
高階君もいる。
頼れる。
これで、先ず、助かった。
本屋で。
岩手県の、観光誌を買い。
花巻市を、重点的に調べる。
未だ。
生徒なので。
豪華な、旅行は、出来ないのだ。
其の時の、行き先は。
高村山荘と。
宮沢賢治の、石碑だった。
高村山荘は。
「千恵子」を亡くしてから。
其の、山荘に、篭ったのだ。
今。
あるかな?
あっても、老朽化しているだろうな。
一年・先輩の、生徒と。
高階君が、必死になって、調べて呉れて。
夏休みに。
いざ。
岩手県へ。
わたしの、母は。
わたしが、外に出ることを。
殊の外。
嫌った人だった。
さて。
行かせて呉れるだろうか?
それが、一番、心配だったのだ。
父に。
「宮沢賢治」と。
「高村光太郎」の、研究に行きたい・・・。
と、直訴。
文句を言いつつ。
母が許して呉れた。
おっ。
珍しい。
生徒だけの、旅行は、本当に、楽しいものだった。
顧問の先生の、同行もない。
何から、何まで。
生徒の手によるもの。
行く前に。
ガリ版で刷った、旅の手引を渡されたけれど。
こうなったら。
行くしかないでしょう。
今のように。
田沢湖線が、出来てなくて。
一度。
山形に、出て。
岩手に向かう。
暑い・暑い、夏の日に。
制服姿の、学生・・・。
(これは、校則)
一泊だけなので。
荷物も、少ない。
花巻に行って。
先ず。
バスを探す。
高村山荘は。
花巻から、少し、離れた、郊外にある。
本数の少ない、バスに乗って。
高村山荘。
バス停から、結構、歩く。
山荘は。
書庫。
生活スペースと、別の建物だった。
「千恵子」を亡くした後。
一人で。
ここの、山荘で、過ごしたことになる。
周りには、家もない。
夜になったら。
暗くて、何も見えないだろう。
ここで。
詩を編み。
彫刻を、刻んだのだろうか?
孤独な、生活だなあ。
と、思った。
多分。
「千恵子」を胸に。
「千恵子」と、共に。
ここに、あったのかも知れない。
囲炉裏があって。
自在鉤があって。
其処に、高村光太郎が。
玄関から。
ひょいと、帰って来そうな、そんな造り。
高村を忍びつつ。
山荘を後にした。
そして。
田舎では、良く、ありがちな。
帰りの、バスを、暑い中。
待つのであった。
バス便があっただけ。
助かった。
翌日は。
宮沢賢治の、碑に行く。
畑の、隅っこにあった。
わたしは、宮沢賢治より。
矢張り。
啄木が好きで。
余り、熱心には、見てない。
帰りの、汽車があるので。
早めに、花巻の駅に着いた。
真夏の、旅行で。
それも、全く、知らない、花巻なので。
全員。
疲れて居たけれど。
得たものは、大きかった。
この歳になっても。
高村山荘は、目の前に。
しっかりと、浮かぶ。
考えて見れば。
ネットの無い時代に。
良く、行って来れたなあ・・・と。
今でも、思う。
でも、行って来て。
本当に、良かった。
一種。
無謀とも、思える、旅行だったが。
結果は、オーライなので。
先輩と、高階君には、感謝なのだ。
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