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暴 走 自 転 車 に 追 突 さ れ て


先日、私はバイクに乗って、阪急線の北側を併走する道を東に向かって走っていた。

生田神社の筋の交差点を過ぎ阪急三宮駅付近に差し掛かったのでスピードを歩行速度まで下げて、

ゆっくりと歩行者に気配りをしながら進んでいた。

この辺りは、歩行者天国のようなもので、軽車両を除いて、一般車両は進入禁止となっている。

そろりそろりと進んでいたら、横断歩道を渡ろうとしている女性が目に入り、

私はその手前で一旦停車をした。

女性が私の前を通過しようとしたその時、後方から「わあ〜〜〜〜」と、

とてつもない大きな叫びが聞こえたその瞬間、私の体は宙を飛んだようだった。

よく見ると、バイクは右に倒れ、私は1mほどさらに右に飛ばされていた。

バイクの上には、競技用自転車がかぶさっていた。

一瞬、何が起ったか判断がつかない。

バイクは「ボッバー」と唸りをあげて空転している。

頭を持ち上げ辺りを見まわしたところ、周囲には、どんどんと人が集まって来るではないか。

慌てて起き上がり、兎も角スイッチを切り、エンジンを止めた。

そして、傍らには、80kgはゆうに超えると思われる大男が突っ立て、

私を見つめている。 年の頃は、50歳前後だろうか。

「大丈夫ですか」と話しかけてきた。

「こんな道を猛スピードで飛ばしてくるとは、何事だ!!」と叱り付けた。

すまなさそうに「いや〜〜10km程度だったのやけど〜〜」と大男は小さい声でつぶやいた。

「こんなことになっとるのに、10kmどこやないやないか!!」と語調を強めて言ったが、

ふと周囲を見渡すと、さらに増えた見物人が取り巻いているのに気付いた。

何だか自分が悪いことをしたような、変な気持ちでそくそくと、

バイクを立て直し、エンジンをかけ、曲がったバックミラーを直して走り去ろうとして、

大男を睨みつけたが、「大丈夫かな〜〜」と云ったような、心配顔の視線が合った。

私は兎も角一刻も早くその場を去りたかったので、黙ってそのまま帰ることにした。

走り始めて気持ちが落ち着いてくると、体に痛さが出てきたのだ。

特に右肩が痛くなってきた。腰も右側の痛みが増してきた。

自宅までは凡そ30分程は掛るが大丈夫かな〜〜と自分でも思うようになってきた。

帰宅して、何事も無かったように振舞っていたが、体の右半分のいたるところが痛く、

疲れも出て、横になったとたんに熟睡してしまった。

翌日になって痛みはさらにひどくなり、パソコンのキーも叩けなくなってしまった。

事の一部始終を家族にも話したが、妻も娘も

「若し、逆にあなたが誰かに当てて怪我をさせていたらと思うと・・・・、

まだ自分が当てられて良かったじゃないか」とのこと。

「ものは考えようじゃないの」

「宝くじでも買ったらどうなの」と親子で口をそろえて云っている。

そして、「若しあなたがそこに止まっていなかったら、

暴走自転車は横断中の女性を跳ね飛ばし、

大変な事故になっていたかも知れないじゃないの」。

と云うことは、私が女性の楯になったということなのか。

そのように思えば痛さも何だか和らいできたようだ。

それにしても、最近の自転車のマナーの悪さは酷すぎる。

殊に、信号無視と逆走は危険だ。何とかならないのだろうか。

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